みどり・市民派をめざす 井奥まさきが収集した情報、書き込んだ情報を整理して公開するために作った公開用のウィキです。


11月7日に議員会館で行った総務省からの聞き取りからのまとめです。長文です。
指摘等よろしくお願いします。

PDFは
http://iokumasaki.ddo.jp/gazou/kenzen1114.pdf

□要約
・議会の役割が増えている
・算定式はまだ途中、12月中旬以降に示されるが「最悪」を想定した情報収集をすべき
・特に「将来負担比率」は自治体経営の全体像が見えてくるので算定要素を把握すること
・計画赤字という考え方で下水道を中心に算定式は甘くなりそう
・その後、マスコミ報道で算定基準が出てきつつある


1)概要の説明

ほとんど今までの説明どおりだったのですが、新しい資料がいくつか増えていました。
特に「地方議会の関与」が増えているという説明はこちらに対する牽制でしょうか?
健全化計画や再生計画の策定は「議決」となります。
今までの行政改革計画はしょせん「報告」であった自治体が大多数だと思います。(それすら全体報告がない場合もあるかも?)議員は「財政は行政が考えること」として「おネダリ」を右も左もしてきたのが現状です。
今後は厳しい市民サービス切り捨てもすべて「議会の責任」も問われてきます。
再生計画となると大臣との同意にいたる前段階も「議決」となり、二重に議会の関与となります。
「あれかこれか」の選択や全体像の中での調整を議員一人一人が問われることになります。

2)健全化比率等の算定方法案が提示

算定方法は12月中旬以降に自治体に通知されそうです。現在、各自治体からデータを集めてやりとりをしているようです。11月15日に自治体への説明があるそうで、川田事務所がさっそく請求をしていますので、期待しましょう。
7日時点の暫定的なものが示されました。
詳しくは資料をみてもらえばいいのですが、まだ不明な点も多いので思い切って重要と思われる点だけ簡潔に書きます。

いずれにしても「12月までは確実なところはわからない」のですが、「わからないから通知待ち」ではなく、「もし最悪の場合は自分の自治体は大丈夫か」という議論を今からすることが大事だと思うのです。

具体的な事例があった方がいいので、高砂市の場合を例にします。

◎高砂市(細かくは微妙に調査不足ですが、イメージとして)
・標準財政規模 180億円(予算規模 一般会計300億円)
・一般会計 30億円の黒字(崩しやすい基金などを含む)
・国保特別会計 5億円の赤字(繰り上げ充用)
・他の特別会計(下水道含む)は ほぼゼロ
・水道事業会計 単年度は赤字数千万円 [流動資産ー流動負債]は10億円
・病院事業会計 不良債務25億円 単年度10億円マイナス [流動資産ー流動負債]はマイナス
・実質公債費比率 18% 今後20%近くまで
・将来負担比率関係
市債の一覧=一般会計で300億、下水道会計で400億円、病院で70億円
土地開発公社 引き取り予定40億円 独自事業90億円 

1>赤字比率 今まで通り。高砂市で言えば黒字なので問題なし
2>実質公債比率 今まで通り。現在は起債は許可制。基準の設定次第。
3>連結赤字比率 単純に足すと高砂市ではトントン。
分母は標準財政規模180億円です。 △1億円/180億円でマイナス0.01%くらい。

ただし、救いの要素は企業会計の内部留保金です。

・企業会計の「内部留保金」(流動資産ー流動負債)が控除

主に「減価償却費」分を企業会計は持っています。(企業会計の場合、将来に建て替える分を毎年「減価償却費」として計上します。しかし、実際はお金が動いていないため、その分が現金などで残る。その計算式が上の流動資産ー流動負債。皆さんの企業会計のバランスシートを見てください。あるいは資料として出させてください)
ということで、高砂市は水道企業会計で10億円くらいは余裕がありましたので若干プラスです。
他にもいろいろ要素がありますが、高砂市の場合はなんとかクリアーできそうです。

皆さんの自治体でも18年度決算ベースですでに上の数字はある程度予測できます。
(特に「最悪」の場合は出せます) 連結して(「内部留保金も入れて」)「赤字」の場合は注意が必要です。

4>将来負担比率
ここが一番決まっていませんので難しいのですが、いずれにしても分母はほぼ「標準財政規模」です。(高砂市で150億円?)減った分は「将来地方交付税で面倒を見ます」と国が約束した例の分です。(合併特例債、経済新生対策債、臨時財政対策債などの返す分)
そして、分子は「借金」が高砂市で770億円プラス土地開発公社分が基本です。
他に
・加入組合の負担額
・退職金の負担額
・第三セクターの負担額
・連結赤字額の全額、組合の赤字額の一定分
などを入れることになっています。比率も決まっていませんから、これから注目するところです。

ここでポイントは

・基金をどこまで繰り入れるか?

総務省は「広くとらえることとしているが、災害救助基金や介護保険財政安定化基金はのぞく」としています。財政調整基金などわかりやすい基金のみで計算し「最悪の場合」を想定することが必要です。

・負担の考え方

例えば高砂市の土地開発公社は40億円の将来の事業予定地は全額算入されますが、独自事業(工業団地)は今清算したら20億円近い赤字になります。それを賃貸でなんとかしようとしていますが、こういう場合どれくらいが算入されるのかが微妙です。
同じく、組合で清掃業務などを運営している場合の負担比率は微妙でしょう。
他にも遊園地などの第三セクターが大幅赤字の場合、どうするのかなど「自治体の思い」と「客観情勢」は遊離している可能性があります。
総務省は「経営状況に応じて一定割合」としていますが、主観的なものが入る可能性が残っています。

チェックとしては、「最悪の場合」を想定してとにかく自治体の債務可能性一覧を総務省の計算式に従って一度全額を想定することでしょう。(高砂市で言えば、90億円の土地開発公社独自事業もいっぺん洗い出す)
この作業は、自治体経営の危険性を洗い出す作業でもあります。特に新人議員は「自分の自治体で何が行われているのか」を調べる良い機会です。

作業の方法は、「会計ごとの赤字、黒字を調べる」「将来負担比率に算入される要素の全額(もちろん最終的に控除されるにしても)を調べる=組合、第三セクター 特に土地開発公社、退職金・・・」「財政当局と議論し、控除されそうな要素も把握しておく=基金、借金返却で国が約束した分」ようは計算式一つずつの要素を一度頭に入れることです。大変ですがいっぺんやってみてください。自治体の全体も見えてきます。

5>各公営企業の赤字比率
以前に第五の指標として指摘した部分です。これは後ろの新聞記事を見てください。
20〜30%に設定されそうです。とにかく赤字の企業会計は注意が必要。
どこの自治体も病院会計が一番危ないのではないでしょうか。

3)計画赤字により下水道と地下鉄などは緩和へ?
自治体財政健全化の基準 「インフラ赤字」控除へ 11月6日
http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY20071...

 第三セクターについてはすでに書きました。他にも、下水道などで「計画赤字」として大幅な緩和がされる可能性があります。上の記事がわかりやすいので、読んでみてください。
 総務省も説明しましたが、まさしく計画途中のようでまだ流動的です。

 私は「警告は早め、破綻は遅め」という主張をしてきました。
 主観要素を入れすぎると恣意的な部分が出てしまうから、警告段階ではできるだけそれを排するべきだと考えたからです。そして、破綻段階はある程度地域事情も含めて緩めにするべきだと思っていました。(例えば警告は20%、破綻は40%とか)

 計画赤字は「現在は赤字でも将来は黒字がみこまれるような場合は考慮する」ということですが、その保証がどこにあるのか微妙です。例えば高砂市でも下水道会計の議論で「どんどん工事をした方がどんどん下水道料金が入るので最終的にはトク」という論理を振りかざします。
データもそれに合わせてつくり10年後くらいには収支トントンとしています。(現在は年20億円ベースの赤字)しかし、そうした計算には「下水道未接続の増加」などという要素は入れていません。「やがては収支トントン」というのは行政側の思い込みに近いものです。しかもそれは料金値上げラッシュが前提ですが、例えば議会が「市民負担の抑制のため、値上げやめろ」と決断するという要素を入れていません。
 最悪なのは「各自治体で三方式の中で考える」などと言い出したことです。財政悪化を招いたところはチェックがないところが多く、行政がひた隠しにしてきたところでしょう。そんな自治体に任せていい結果が出るとは思えません。

 土地開発公社でも会計新基準を入れて「不良債務土地」の洗い出しを総務省は考えましたが、実際は「いつかは売れる」として旧来どおりの扱いをした自治体も多いようです。
自治体財政健全化法でも同じ可能性を危惧していましたが、実際に甘めになりそうです。

4)その後の流れ(黄信号、赤信号の基準が出つつあります)

 聞き取りの後、朝日新聞を中心にさまざまな情報が流れています。

以下、いずれも朝日新聞

・基準の数字が出つつあります。
□市町村、赤字20%で「破綻」 財政基準で総務省 11月12日
http://www.asahi.com/politics/update/1112/TKY20071...
□10%で策定義務へ 小規模市町村の財政健全化計画 11月13日
http://www.asahi.com/politics/update/1113/TKY20071...

ここで発表されている「赤字比率」「実質公債比率」はすでに18年度決算(およびほとんど執行が終わりつつある19年度予算)から推定できます。
高砂市で言えば180億円くらいが基準財政需要額ですから赤字18億円、ひょっとすると9億円くらいならあぶないというわけです。
連結赤字比率は当然これより同じか厳しくなるでしょうから、連結して18億円の赤字が出ると健全化指標にひっかかるわけです。
実質公債比比率はすでに出ているでしょうから、25%以上なら健全化計画へ進みます。
それぞれの財政当局に確認して下さい。


・公営企業(特に病院)への厳しい基準が出そうです
「年5%削減を」 総務省、自治体に要求へ 11月14日
http://www.asahi.com/politics/update/1113/TKY20071...
不良債務比率20%か30%が基準になりそう。健全化計画の際は年5%ずつ赤字を減らす、さらに資金不足解消を促すとのこと。(本日の新聞なのでネットにはまだアップされていません。朝日新聞を見てください)

※質疑の中で「健全化、再生計画で知事の関与が重要になるが、果たして都道府県自身がそれに値するのか」と指摘がありました。兵庫県は典型ですが、都道府県自体の経営能力もかなり問われてきますね。

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