みどり・市民派をめざす 井奥まさきが収集した情報、書き込んだ情報を整理して公開するために作った公開用のウィキです。

大阪で開催された国民投票法をめぐるシンポに行ってきました。
http://mattou.jp/
http://mattou.jp/files/20060226touronkai.htm

おおざっぱな印象ですが、以下に感想を記します。

・割と印象が良かった自民 船田/公明 斉藤/自民の中山委員長


まあみなさん、政治家ですから観客の顔ぶれを見て発言をしたんでしょうが。
公明は「広島出身の議員として平和を発信」と発言。自民の船田議員も非常に良い発
言が多く、中山委員長も途中少し暴走していましたが、良識的な発言でした。

「委員会の状況は各国語に翻訳してアジア各国に伝えている」
「アジアに日本が迷惑をかけたことを忘れてはいけない」
「私は戦争を経てきた人間だから平和の大事さは一番わかっている」(中山太郎)

いやあ、それなら小泉/安倍/福田に何とか言えよと思いましたが、素晴らしい。

個別でなく一括にする危険性とか、運動への制限とか、18歳という年齢とか、論点は
ほぼ市民案に沿って変更するつもりのようです。

・相変わらず論理的な枝野さん(民主)


この人はすごいですね。相変わらず。法律的な議論ではピカイチです。早くこの人が
民主党の党首になって欲しいと思います。
ただし、いくつか気になったのは、わざとでしょうが「法律の意図と別に手続き法を
考えるべき」「中立的に議論ができる今こそチャンス」という言い方をすることです。
本当ですかね。以前もミニコミに「現実に違憲状態にある自衛隊を放っておくのは立
法的怠慢」という言い方(正確には忘れましたが)がありました。こういう法律純粋
な言い方は下手をすると大変危ないと思います。
議会で議論をするというのは、法律的理論的な議論とは離れて政治的な意図が必ず込
められます。このことをあまりに軽視しすぎる発言が多い気がします。

・相変わらずの共産党 笠井さん


枝野さんと対照的なのが共産党。いい加減に相手土俵にも乗らないと「政治的意図が
ある」だけの発言では説得力がありません。法律論をまったく無視して政治論だけの
議論は聞いていて飽きます。
しかし、しゃべり方に個性があり、中山さんとの言い合いはなかなか迫力がありまし
た。

・憲法以外で諮問型で実施を提案 辻元清美さん(社民)


さすが討論となると光ります。「6月成立などという話があるが、そんなに急激に決
める問題ではないですね」と船田さんに詰め寄って言質をとったりして「慎重審議」
を訴えていました。
ヨーロッパでスイス以外には実際には国民投票があまり行われていないこと、憲法は
いずれにしても部分改正しかないこと(これには枝野さんも同意。)などの事例を紹
介。「憲法以外で諮問型で投票をやってみる」というのも提案していました。

・議論の面白さ、ロビー活動の面白さを実感できたシンポ


今井一さんもこういう場になると生き生きしています。彼とは実はピースボートで一
緒に乗船した仲です。いい運動をしています。
折田さん、小林さんというアドバイザーも中々いい味を出していました。
小林さんは「護憲的改憲論者」だそうで、法律学者らしい冷静な議論が良かったです。

議論の水準が高く、かつ市民もいる場で「言質をとり、議会での議論へ影響を与える」
という市民運動らしい市民運動です。
誰かが「ケーブルテレビでもノーカットで流したらいいのに」と言っていましたが、
政治教育としてもいいかも。

高砂でもじっくり準備をして、一度何かのテーマでやってみたい企画です。

最後に国民投票と憲法改正について個人的意見を述べます。


私は民主主義のルールとして国民投票ルールはあれば良いと思います。
ルールづくりが歪んではいけないので、「真っ当な」投票ルールを作る努力をすべき
でしょう。
しかし、「憲法を変える」という点の投票であるということはきちんと押さえて議論
をすべきだと考えます。

そして、シンポの中でも「衆議院/参議院選挙で憲法改正発議に賛成か反対かを明記
して選挙をすべき」という意見がありました。特に民主党の候補者や議員は「憲法改
正発議に賛成」といって一度きちんと選挙をすべきです。

私は憲法改正よりももっと大事なテーマがたくさんあると思っています。
それは法律で十分できます。
民主との躍進もそこへの期待があるからでしょう。
逆に社民や共産は「憲法守れ」だけで他の問題での政策的な鋭さがないから勢力を落
としているんではないでしょうか。

財務省出身の学者 村尾信尚さんが「そろばん勘定で憲法9条を変えない方がいい」
と発言していました。
http://www.kobe-np.co.jp/rensai/200601goken/01.htm...
私はそれに同感です。別に変えてもいいけれど、今はその時期ではないでしょう

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