市民に一番身近な議員をしていると「格差社会」というのを実感します。大企業は人件費を極端に節約することによって莫大な利益を生み出しています。昔ならばそれが中小などに波及するのでしょうが、どうもその方向にはいかないようです。ここでも「ルールが変わった」のです。
しかし、私のように市民運動から出てきた人間から見ると現在の労働組合のあり方にも問題があると感じます。そもそも賃上げを前提にした「労働者の賃金の一部を拠出して組織運営する」という組織論自体がもはやありえない状況です。
連合もスローガンでは「非正規雇用との連携」「格差是正」を言いますが、それが身になっていない。
「大企業の正規雇用中心」あるいは「革命の前衛としての労働組合」という発想から抜け出した新しい労働運動(私は「みどりの労働運動」と呼びたいと思いますが)が必要だと感じます。
項目 | 今までの労働運動 | 新しい(みどりの)労働運動 |
目標 | 賃上げ | 労働環境、時間短縮と雇用確保 |
組織のあり方 | 上意下達のピラミッド型 | ネットワーク型、市民運動型 |
構成員 | 企業別、正規社員中心、男性中心 | 働く人なら誰でも、男女平等 |
組織の資金 | 賃金から拠出 | 安い会費と具体的なサービスの対価 |
賃金目標 | 男性が一家を養う分 | 男女で1.5人分のオランダ型、週3日300万円も |
定年 | 延長しても働く | 額を下げても年金受給年齢引き下げて早期定年 |
流動性 | 安定重視、終身雇用を追求 | 一定の流動性を認め、職を変わることが不利にならない制度追求 |
労働観 | 働くことは美徳 | 働き過ぎは悪、労働も人生の一部 |
(あくまでイメージです。特に一人でも入れるユニオン形式の組合が参考になるのではと思います)
みどりの労働論 大阪労働組合との議論
みどりの労働運動