2014年全日本マスターズレスリング選手権大会 (赤のシングレットが入不二)


◎ 2014年12月31日(水) 「大晦日」
・ 次男も三男も昨晩から出かけたまま不在で、妻と二人の自宅。二人だけの時間が多くなると、老夫婦ぽいな。
・ 『ある、なる』の完成部分の章をもう一度読み返し、さらに残り部分をどう修正加筆すべきかを思案中。
・ 読み返すことで、当初は予定していなかった「通奏底音」が聞き取れたりする。それをもっと聞き取りやすくするために、一筆加えたりもしている。
・ 本日の夕方からは、ネットで複数の格闘技イベントを観戦予定。
・ あと、D-Lifeチャンネルで録画している「X-Files」も観ている。
・ 「X-Files」は、1993年から2002年にかけてアメリカで製作されたドラマで、スタンフォード大学滞在中にも、山口でも見つづけていた。モルダーとスカリーのコンビの味わいが、そのストーリー以上に好き。
【2014年12月31日記】

◎ 2014年12月30日(火) 「両立のし難さ」
・ 以前に、後で書くことになるという視点があらかじめ混入することが、無意識になされるべき身体動作を阻害するのではないか・・・という点についてはふれたことがある。
・ しかし、今回の「両立のし難さ」は、もっと素朴でもっと物理的なもの。
・ 試合のための減量期間中は、毎日体重測定をしていて、何百グラム単位での増減に意識が行く。そして、原稿の執筆が順調に進んだ日ほど、その翌朝の測定で500gほど体重が増えている。
・ それもそのはずで、「執筆が進んでいる」ということは、一日中家の中にいて、いすに座ってパソコンに向かっていて、ほとんど歩きさえしないのだから、体重は増えるだろうし身体は鈍るだろう。
・ レスリングの練習後は適度に体重も落ちるが、こんどは疲れて眠くなってしまって、執筆どころではなくなる。
・ 長時間集中型の執筆活動と、身体酷使型のレスリング活動とのあいだには、(他のこと以上に)両立のし難さがある。
・ この主要な二活動の「両立し難さ」が強く感じられていたせい(?)か、先日書き記したところには、次のような文章もあった(ダメットの「族長の踊り」に関連して)。

私たちの世界像と部族の世界像どうしが「拮抗する」だけでなく、そもそも私たちの世界像自体の内にも「拮抗」が含まれているということである。
私たち自身が、相容れない二つの合理性(順向き因果と逆向き因果)を抱えたまま、生きている。
(『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(仮題、講談社)より)

【2014年12月30日記】

◎ 2014年12月28日(日) 「練習納め」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 本日も、脱いだら「もう試合前の身体じゃん」「もう落とすところ無い」と言われる。でもまだ、リミットまでには1kgちょっと削る必要あり。
・ 打ち込みの後は、崩しの練習、2-on-1の技術練習とドリル、がぶりからバックへ回る技術練習とドリル。
・ 2-on-1では、相手が腕を突っ張って守ってきた場合に、その腕を跳ね上げてタックルに入る練習も。
・ がぶりは、立った状態から始めてがぶり落として、(がぶり返しは無しで)ポイントを取るまで。がぶり落とされた後、足首をピックアップされてひっくり返される技をくらう。
・ マッサージ後、寝技の打ち込みと寝技のスパー、3分スパーリング。最後は、タックル切りとジャンプを繰り返すサーキット的補強でしめる。
・ 今年は、昨年のような足首骨折という大きいケガとそれによるブランクもなく、一年間コンスタントに練習を続けられたのが、一番の収穫だろう。
・ 来年は、レスリング本を書き始める年にします。

・ 写真:私の(向かって)右隣は、野村コーチの後輩(同志社大レスリング部OB)で、バタ足をしているところなのに、iPhoneの手ぶれ補正機能が働いて動いているように見えない。
【2014年12月28日記】


◎ 2014年12月26日(金) 「マンツーマン/昂揚感」
・ 平日6の日のskレスリング練習に参加(19:30〜21:30、担当:木村コーチ)
・ 会員は私一人だったため、木村コーチにマンツーマンで指導していただく(サンボのクラスも、コーチと会員1人のマンツーマン)。
・ 打ち込みのあと、打ち込み以上・スパーリング未満のやり取りを、あいだに休みを入れつつ10本ほど繰り返す。
・ 試合も近いので、私の弱点が現れた場面では、動きを止めてアドバイスを受けつつ、修正して反復。
・ 特に、組み手で崩した後にプレッシャーをかけ続ける点、タックル切りでの腰の振り、切った後の手取バック、四つんばいへの崩し、片足をとって潰れた状態からの足を上げるまでの動作、アンクルへの移行、股裂きからのローリングやネルソン、等々・・・。
・ 途中に休みを入れていても、一対一で練習を続けるのは疲労度大。疲れるというよりも、途中で頭がぼーっとしてきて酸欠気味?だったかも。しかしその分、充実度も大であった。

・ 翌日27日(土)起床後の体重測定で、ようやく55.8 kg(←12月はじめ・60 kg)まで到達。あと−1kgくらい。
・ ただ、初めての−5 kg の減量挑戦であった昨年末のような「昂揚感」はない。淡々と少しずつ削っているという感じ。
・ 減量や試合に向けてよりも、『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(仮題)の修正・加筆の最終段階へと近づいている「昂揚感」─(自分の本なのに臆面も無く)これけっこうイイ!という肯定感─を強く感じている年末である。
・ こっちの方が、(職業柄)本来のあり方なのだが・・・。
【2014年12月27日記】

◎ 2014年12月25日(木) 「今年の一枚」

・ 学生が授業中に描いた(らしい)私の絵。
【2014年12月25日記】

◎ 2014年12月22日(月) 「足裏影の会の忘年会」
・ 月曜日の夜は、渋谷(一次会:清流 初つぼみ/二次会:エクスタシオンカフェ)で、朝カル受講者で作っている「足裏影の会」の第8回目の忘年会。
・ 幹事の竹下さんのメモ(議事録)に基づいて、以下話題になったことを列挙。
・ 1次会:池本さん所蔵の入不二35歳のときの講演(@駿台)について(註1)/中島義道氏の『東大助手物語』をめぐって/公募とコネ/いじめられやすいタイプ/永井均氏の新刊『哲おじさんと学くん』について/入不二の中学時代(註2)/東京駅100周年記念Suica/お釣りを多くもらったときの対応について
・ 2次会:入不二のレスリングの試合&練習について/小保方さん事件/お薦めの古典/池本さんと竹下さん予備校時代(浪人時代)について/代ゼミ津田沼校の板垣(=秋山)先生/読んだ印象と会った印象のギャップ(永井先生、野矢先生、etc)/黒子について/格闘技界のレジェンド中井祐樹さんと入不二の関係
・ (註1)池本さん所蔵の入不二講演テープ(20年前のもの)をデジタル化してもらって、私も頂いて聴いてみた。声が今より「若い」、そして喋るスピードが今より速い(もともと早口気味だが)。しかしそれ以外の点(話の進め方など)は、今とまったく同じで20年前という感じがしない。駿台を去って山口大へ赴任する時期のものであることが、その内容にそれなりの「色彩」を与えている。
・ (註2)小学校→中学校の違いは大きかったという内容の、以下のような話。中学生のお嬢さんがいる人もいて、高校受験と内申書(通信簿)という話題になって、「入不二先生は、生意気だっただろうから、内申書とか悪かったでしょう」と受講者たちから言われた。小学校時代、生徒の班活動などを組織することに熱心だった小学校の教師(組合系?)から、私はとても嫌われていたので、その頃についてだったら、受講者の発言は当たっている。しかし、中学へと進むと、そのような「子どもらしい健康的な子どもを偏愛する教師」からは解放された。中学では、勉強は飛び抜けてできたこともあって、むしろ「生意気さ」も許されている雰囲気さえあり、幸せな中学時代だった。
【2014年12月23日記】

◎ 2014年12月21日(日) 「−3kgの違い」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 試合のための減量を開始して3kg(60kg→57kg)落ちているので、脱いだときに見た目で違いが分かるようで、複数人から聞かれる(言われる)。
・ 打ち込みの後、シングルレッグからテイクダウンまでの攻撃と防御の技術練習とドリル。さらにその後、寝技の打ち込みとスパーリング。
・ 構えが高くならないようにマットを触って確認、シングルレッグでクラッチを組む手の輪の大きさと頭を下げないことの連動、シングルレッグの防御で相手の頭を下げさせるのに胸を使う、シングルレッグで倒すのにスクワット的なしゃがみを使う等々を学ぶ。
・ 頭を上げろ(ヘッド・アップ)とは、背骨の「反り」(「╮」ではなく「╰」)によって力の発揮が違ってくるということの集約表現である。
・ 寝技の打ち込みでは、アンクルと股裂きからの抑え込みまでを繰り返す。
・ スパーではいいところなく、カウンターで防いでいるだけで、攻めができずに終わる。
・ スパー後の補強運動の一つ、手押し「うしろ」車(後ろ向きのカニ歩き式の手押し車)が特にきつくて、往復はむりで片道で諦める。

【2014年12月21日記】

◎ 2014年12月17日(水) 「受け渡し?/過去化〇〇症候群」
・ 朝7時より、大学レスリング部の朝練に参加。
・ 本日も、打ち込み5分×2本、スパーリング3分×6本を金井君に相手をしてもらって、仲上君からアドバイスをもらうという形でやる。
・ スパーリング中に、ハイクラッチ気味に片足を取った後の処理がうまくできていなかったので、最後に3人でその復習の技術練習と、ローシングル後の処理の練習も追加で。
・ 何だか、先輩の仲上君から後輩の金井君へと、「子守」の役割(=私の練習相手)が受け渡されているような風景であった。

・ 昨晩、起きた後一日中残るほどの「はっきりとした」夢を久しぶりにみた。
・ 警察で取り調べを受けたらしい二人の友人が私の所にやって来て、「俺たちは無実が証明された。一番疑われているのはお前のようだ。そのうち警察が来るぞ」と言う。
・ 私は何のことで疑われているか皆目分からない。特に疚しいこともないので、「俺は何を聞かれても、大丈夫だ。何もやっていないのだから」と言う。
・ 友人は、「でもお前、あの日帰りが遅かっただろう。あの夜、どこにいたんだ?」と聞く。私は、ちょっと不安になる。
・ まったく忘れていたが、そういえば、公園(広場)のようなところで、その晩に或る男と会ったような気もしてくる。しかし、よく思い出せない。もしかして、私は何かやったのか・・・?
・ 友人たちのことや警察のこと、そして自分は何も覚えが無いけれど、何かをやったのかもしれないということを、妻に伝える。
・ すると妻は、「あなたは、過去を改竄したり、都合良く忘れたりし続ける、過去化〇〇症候群なのよ」と私に向かって言う。(〇〇はよく聞き取れない、或いは覚えていない)
・ 全体として、静かな雰囲気でかつミステリータッチの夢であり、不安かつ息苦しさのある夢であった。
・ 「絵」にもなりそうだな、と思ったのは、公園(広場)での或る男との不確かな邂逅シーンは、どこかデ・キリコの「形而上絵画」風だったから。

【2014年12月17日記】


◎ 2014年12月14日(日) 「選挙」
・ 朝起きたら風邪っぽかったので、本日のレスリング練習はお休み。衆議院議員選挙の投票にのみ出かける。
・ 写真は、投票所からしばらく行った所にある満櫻稲荷神社。

【2014年12月14日記】

◎ 2014年12月13日(土) 「分類で遊ぶ」
・ 午前中に、下記の「be動詞」の分類に関する話を書いて、

分類は、単に分類して終わりでは面白くない。分類は、壊したり変形したり曲げ伸ばしをしたりして遊ぶための道具だと思った方が、面白い。
当時、中学生・高校生を教える中で、そういうことを伝えたかったということを思い出した。もちろん、大学生を教えている今も、それは変わらない

と締め括った。
・ そうしたら、夕方の哲学演習の授業で、そういう「遊び」が起こった。
・ 最初の前提となる分類は、認識論(的)と存在論(的)という極めて重要な区別であり、ここに意味論(的)という区分も加わると三竦みが生じる。この三者の区別を利用する議論は、演習の出席者たちにはおなじみ。
・ そのうえで、認識論的な場面の方が、より強い存在論的な現実を前提にしていることになり、逆に、存在論的な場面の方が、現実を相対化(可能化)して弱めてしまい、それこそが存在論的な現実の理解(認識)をもたらしている。さらに・・・。そういう水準の議論が授業内でできた。
・ この点に気づけた受講者は、元々の「分類(認識論/存在論)」の崩れやループの面白さを感じることができた(はず)。
・ 「さらに、この事態にはまだ先があって・・・」と私が先走って話しすぎて受講者を混乱させた面もあるが、こういう話は哲学ならではの楽しさだな、と改めて思った。
【2014年12月13日記】

◎ 2014年12月13日(土) 「be動詞」
・ 拙著『<思考する>英文読解』(絶版)を今も保持してくれている読者の方から、質問を頂いた。
・ それは、その著書の中で私が書いた「be動詞を5種類(メンバーと集合、集合と集合、存在、同一性、定義)に分類する」ところに関してだった。
・ 私自身の手元には、もう一冊しか残っていないその著書を久しぶりに開いてみた。
・ 「5種類に分類する」という記述は、文脈としては、むしろ「分類」には拘らずに柔らかく読むことの方を推奨する中で出てくる。つまり、「分類」ということを言い出せば、こういう分類だってできるのだという例として簡単に言及しているだけで、説明は一切していない。
・ ちなみに、その拙著のコンセプトの一つは、「文法的な分類をなるべく緩くして、分類を貫通的に超えること」であった。
・ さらに、当時のことを思い出してみれば、be動詞は「=(イコール)」だと断定的に教えている教師や、be動詞には「がある」と「である」の二つの意味があると覚えなさいと言う教師に、私が違和感を覚えていたことも背景にある。
・ 質問をしていただいた方には、「5種類」について次のような補足をした。
1. "Hanako <is> beautiful. "(メンバーと集合:Hanakoという個体が、美しいものを集めた集合のメンバーである)
2. "All men <are> mortal." (集合と集合:人間の集合が、死すべきものの集合に包摂される)
3. "A cat <is> in a box." (存在)
4. "Hesperus <is> Phosphorus." (同一性:宵の明星と明けの明星との(金星としての)同一性)
5. "A circle <is> a line forming a closed loop, every point on which is a fixed distance from a center point." (定義;円の定義)
・ この分類で面白いのは、3のような「存在(がある)」と1や2のような「集合への包摂関係(である)」を、アナロジカルに見ることで「何かの内に包まれること」として統一できるということ。
・ それとの対比で言えば、be動詞を「=」と見なすことは、4や5のような場面にこそ相応しくて、むしろ(1, 2, 3)と(4, 5)のあいだに「線引き」をする見方もできるということ。
・ いずれにしても、分類は、単に分類して終わりでは面白くない。分類は、壊したり変形したり曲げ伸ばしをしたりして遊ぶための道具だと思った方が、面白い。
・ 当時、中学生・高校生を教える中で、そういうことを伝えたかったということを思い出した。もちろん、大学生を教えている今も、それは変わらない。
【2014年12月13日記】

◎ 2014年12月10日(水) 「練習・会議・授業」
・ 朝7時より、大学レスリング部の朝練に参加。
・ 仲上君が「寝坊」で来られなかったので、先週に引き続き、金井君に打ち込み・スパー・寝技練習のすべての相手をしてもらう。
・ 喧嘩四つである仲上君に対して、金井君とは合い四つで、組み手で伸ばしてくる右手にうまく対処できず、いろいろ試してはみたが、うまく行かない。
・ 前回のスパーリングの時以上に、やられっぱなしの(3分×2P)×3本だった。もう少し抵抗したいのだが。
・ 寝技の練習時に、通常のローリングよりもずっと上(首あたり)に体重をかけ、万歳させた状態にして90度傾ける技をかけられる。このあいだ長谷川コーチに習った技だ。
・ 私も、習った技のうち、相手の腕を遠くの位置でとって、円を描くように回してarm barに持って行く技を試してみる。
・ このくらい寒い時期になると、練習後の熱いシャワーをいつもより長く浴びていたくなる。

・ 午後より会議4種類。その休み時間に、心理学科の同僚の女性たちと、現行のドラマ(ごめんね青春!・きょうは会社休みます。・さよなら私・Nのために等)についてお喋り。

・ 昨日の授業でしゃべったことのうち、時間原理を構成する「二要因」のところでは、「時間原理Iと時間原理IIではその二要因の絶対性・相対性が反転(逆転)する」と説明した方がよかった。来週訂正予定。
【2014年12月10日記】

◎ 2014年12月8日(日) 「夜哲の会/グレコローマン/猫に小判」
・ 7日(土)は、英語の自主ゼミと哲学の演習のあと、夜は前期と同じ「根室食堂宮益坂店」(イメージフォーラム隣)で受講学生たち(男子4人女子3人)と飲み会。二次会は「羽當」が満席だったので「集」で珈琲。
・ 特に女性陣がユニークで、その中でも昼夜逆転の野宿女子は、体験談も面白く会話の主導権を握っていた。男子の中には、方向転換をして哲学科の大学院へ進学することがきまった者や社会人入学の総合格闘技経験者もいる。

・ 日曜日の朝(8:30〜10:30、担当:今泉コーチ)は、skレスリングの練習に参加。
・ 打ち込み3分×3本のあとは、相手を動かして片足を取る練習と、グレコ―ロマン・スタイルの練習。
・ 「自分から足を取りに行く」というよりも、「自分の動きに相手を巻き込むことで、取れる足がそこにある」という感じになるように。
・ グレコローマン・スタイルを練習するのは、初めてに近い。足を取られることを気にせず上半身の攻防に集中できるのは特有の面白さがある。
・ 一度だけいい瞬間があって、胸をつけ合って押し合いへし合い、差し手争いをしている中で、うまく相手の力を逸らしていなしたら、相手がすっ飛ぶようにマットに倒れた。腕力ではない力の作動を感じられて、気持ちがよかった。
・ でも、フリー以上に相手との密着度が高くなるし、上半身がパンパンになるし、とても疲れる。
・ スパーでは、Oさん相手に抑え込んでのニアフォールが何度かありながら、手や足を巧みに使った抵抗にあってしまって、腹這い状態へと逃げられたり、私の抑え込みのバランスやポイントが崩されたりずらされたりして、極めきれず。
・ このようなシーンは、これまでも何度かある。先日の「乗っかり方」もそうだが、一つ一つの「技」以前の「抑え込み方」「体重のかけ方」を身につける必要がある気がする。

・ 夜は、長谷川恒平選手のアジア大会二連覇の祝勝会兼レスリング部納会に副部長として出席。
・ 午前中のskでの練習のときに「青学出身のグレコのオリンピック選手」のことが話題になった(グレコの練習をしていたから)。
・ 私が「今は青学の職員でコーチでもあるので、相手をしてもらっています」と言うと、「いいなぁ〜。どんな感じなの?オリンピック選手ってどれくらい強いの?」とおじさんレスラーの興味が集中。
・ その際私がおじさんレスラー相手にしたおしゃべりを、祝勝会兼納会のスピーチで話す。
・ 結局のところ、「違い」は見ただけでは分からないということ。
・ 体格的にそう違うわけではないし、見た目は恐いどころか好青年だし。組んだり争ったり触ったりして初めて、その肉体が常人のものと(いや大学生レスラー達とも)違うことが分かる。
・ 「触ったりして」というのは、大学生レスラー達の筋肉が若くてピチピチしているのに対して、長谷川コーチのそれは、さらにモチモチ感が加わって独特の柔らかさがあるから。
・ しかしながら、本当の「違い」は私なんかのレベルでは分からない。いわば「猫に小判」状態だから。猫に貨幣価値はわからない。
・ でも、そもそも「猫」が「小判」を手にしていること自体は、なかなかあることではない「僥倖」だし(猫が小判を持っているという状況は、普通は出会わないものの邂逅だから)、猫は猫なりに、きらきら光るものが好きだし、猫なりの価値を見出してしまうと思う。
・ 私も、そんな「猫」になりたい。
・ 写真は、現役学生達の挨拶シーン。

【2014年12月8日記】

◎ 2014年12月4日(木) 「ある、なる」
・ いままだ執筆途中で講談社から出る予定の本のタイトルですが、私としては(巡り巡って)『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』にしたいと思い始めています。
・ 略称『ある、なる』ですね。
・ 略称『足裏影』と共によろしく、という感じです。
【2014年12月4日記】

◎ 2014年12月3日(水) 「乗っかり方と技の独立性」
・ 大学レスリング部の朝練に参加。
・ 仲上君が座骨神経痛でレスリングができないため、金井君(1年)に打ち込みとスパーリングの相手をしてもらう。
・ 14本のスパーリングのうち、私は6本(3分×2を3回)だけ入る。私がポイントを取れたのは1回だけ(2-on-1から片足を取って上げて倒しバックへ)。あとはやられっぱなし。
・ スパーリング後の打ち込みでは、ローシングル気味に片足をとった後、その足を上げるところまでを練習させてもらう。スパーリングではその体勢から守り切られた(或いは返された)ので。
・ その際、足首側を持って上げることとスイッチの動きが使えることを、金井君から指摘される。
・ メニュー終了後、長谷川コーチと難波君と私の3人で、グラウンドの練習を+αでやらせてもらう。
・ アンクルを避けるために相手が腰を上げてきたのに対して、相手の股間に自分の頭を潜らせて、そのまま太ももローリングの要領で回すという技を、難波君は私にかける。
・ 長谷川コーチに乗っかられたときだけ(同体重の人たちに乗っかられる場合より)明らかに重いので、どういう乗っかり方をしているのかを質問してみた。
・ 体重を一点に集める感じは予想していたが、その他にも、マットを蹴る力で加重していたり、関節の箇所へと加重していたりで、重くなっていることが分かる。
・ 好きなように技をかけさせてもらっている中で、たとえ私レベルの者がオリンピックレベルの選手にかけるのであっても、「痛い」技がきちんとかかると痛がるものであること知って、何だか新鮮な感じがした。
・ 「技」には、(使い手の熟度からの)独立性というか、それ自体の完成度のようなものがあるような気がした。
【2014年12月3日記】

◎ 2014年11月30日(日) 「足の差し込み方/時計の部品/就職コネ問題」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ ランニング・体操・マット運動・アップ・柔軟・打ち込みの後は、片足タックルからのテイクダウン、さらにフォールorポイント獲得まで。
・ 私は、片足をとった後、足首を交差させるためにいったん止まることなく、回しながら足首を交差させるという方式で試してみる。
・ 寝技の打ち込みの後に、今日は「股裂き」の技術練習。この技は好きだなぁ。足の差し込み方も、複数ありうるので、私も3通りほど試してみる。
・ 最初のスパーリングで左の前腕部の内側をひっかかれてしまい、長い3本の傷ができ血がにじむ。水洗いしてバンドエイドを複数枚貼って次のスパーリングに臨んだけれど、その程度では役立たず。


・ 下の写真は、妻が蚤の市で買ってきたもの。


・ 中島義道著『東大助手物語』(新潮社)に触発されて、大学への就職でのコネ問題でツイート。
・ 以下、私の発言のみ再掲。
(1)(永井均さんのツイート「中島義道『東大助手物語』を読んで不思議な気持ちになった。・・・」を受けて)
私も完全公募で就職したので、中島さんのようなコネ問題体験を持っていません。でも糟谷教授は、その人物(小市民的小物で大権威主義)を知っていたので、興味深く読みました。
(2)経験が浅く脳天気なだけかもしれませんが、過剰に恐れるほどコネが働く場面なんて、そうそう無いのでは?ふつうに公募というのが大半では?もちろん永井さんの言う「好み」は働くでしょうが。選ぶ側としても遭遇したのは、そんなものばかりです。
(3)山口大就職後に聞いた話。公募期間中に「自分の弟子をよろしく頼む」的な電話をしてきた先輩がいたけど、そういうのは逆効果。感じ悪い」と選考責任者だった人が言っていた。そのくらいの「反骨心」は、それ程大した人でなくとも、あるものだと思う。

・ 明日から、試合に向けての減量を始めよう。

・ <大学への就職問題での追加ツイート>
(1/5)『東大助手物語』についての永井さんのツイートに刺激されて書いたら、二度の就職時(山口大・青学大)のことがいろいろ走馬燈のように蘇った(俺は死ぬのか?笑)。山口大教養部に就職してしばらく経った頃、非哲学系の友人が選考過程の模様を詳しく教えてくれた。
(2/5)とても丁寧に業績を読み何段階かの篩にかけて絞っていく形で、手間をかけて行われていたことを、そのときに知った。しかも教養部だったので、哲学系の教員(が中心ではあるが)だけでなく、文学・歴史等の教員も関わる形で。初めての就職だったこともあって、その真摯さに感動すら覚えた。
(3/5)青学のときは、心理学科の募集ということもあって、(哲学の場合以上に)知り合いもいなければ、そもそも事情もまったく分からないところでのエントリーだった。100名を超える応募者がいて、何のコネもなく知り合いすらいなくて、よく選ばれましたねぇと言われることもあったが、
(4/5)しかし私が感じたのは、哲学専門の人たちではない心理学の人たちなのに、よく私の哲学の「よさ」が分かりましたねぇ素晴らしい!という傲慢なものだった。その傲慢さはともかくとしても、心理学の人たちが、哲学論文等を大量に読んで一人に絞り込むのは相当大変な作業だったと思われる。
(5/5)山口大のときも、青学のときも、横やり的に「公募」状態へ介入しようとする力はあったようだが、どちらのときもそういう雑音を排除する形で、いい人事にしたいという思いが強くあったことが、後で分かることになる。意外に(?)こういう人事の方が普通なのではというのが、私の予断。

・ 山口大就職時と青学大異動時では、時代も変わったし、私自身も「若手」から「中堅」になっていたし、色々な違いがあった。最初の就職時は、予備校で人気講師だったことは何となく「隠すべき」ことであったのが、青学の面接では、採用側が既に検索済みのことで、むしろ肯定的に話題になった。

・ さらに、院生時には指導教官のアドバイスに従い隠していたプロレス論文も、その後はむしろ私にしか書けないものとして、堂々と(?)評価されるようになった。時代は移れり。

・ 山口大教養部への就職時には、もう教養部は無くなって、それぞれどこかの学部へ分属することが決まっていましたから、簡単には潰されないタフな若手(笑)を取ろうと考えたそうです。教養部解体・分属に伴う「騒動」や「痛み」等々が予想されたので、そんな荒波にめげない若手を採用する必要があったわけです。
【2014年11月30日記/2014年12月1日追記】


◎ 2014年11月26日(水) 「受けのうまさ」
・ 大学レスリング部の朝練に参加(7:00~9:00)。
・ 中一日の休みでの練習だと、疲れが十分には取れていない状態。この辺が、56歳の身体の限界か。
・ いつものように、打ち込みと3分スパーの相手を仲上君にしてもらい、さらに境君ともスパーをして、取った片足を上げる処理に関して、どうすべきだったかのアドバイスをもらう。
・ スパー後のグラウンドの練習は、長谷川コーチ流のローリングのかけ合い。さらにそのあと、私と仲上君は、その他の技のかけ合いもやる。
・ いろいろ試したもののうちで、Quarter Nelsonは、相手が腹ばい状態からでも使えることが分かる。Quarter Nelsonによるフォールへ繋げる裏返しと、逆側へのがぶり返し的な回転とは、選択的に拮抗していて見せかけの誘導として使える。
・ 長谷川コーチ流のアンクルのクラッチも気に入っているので、何度か試してみる。このやり方だと、回すだけでなくて、やろうと思えばギブアップも奪えてしまいそう。
・ 練習終了後、主将の松田君が仲上君をつかまえて、最後の打ち込み。松田君曰く「仲上は受けが上手いので練習相手にいい。身体が大きければ、プロレスラー向き」。
・ この「受けが上手い」という点について、私もその通りだと思う。だからこそ、私のようなレベルの者が相手でも、仲上君は適度な水準での攻や防のやり取りを体験させてくれる。
・ 逆も言えるかも。つまり、私のような者の相手をすることによって、その「受けの上手さ」という才能はいっそう磨かれた、という側面もあるのでは?
【2014年11月26日記】

◎ 2014年11月24日(月) 「久しぶりに木村コーチ」
・ 先週後半は、風邪のため喉・鼻・頭をやられて苦しめられる。そのため、大事をとって日曜日の朝のskレスリングはお休み。
・ その代わり、日曜日の午後に久しぶりにジムに行って汗を流す。驚いたことに、ロッカールームで小島茂・駿台文庫副社長と遭遇。9月26日に会って以来。
・ 小島さんは、普段は腹筋・背筋とランニングだけということだったが、せっかくですから筋トレをいっしょにしましょうと誘って、いくつかのマシーントレーニングを私の指導(?)でいっしょに。
・ 日曜日の朝練習を休んだので、月曜日・祝日のskレスリング夜練習(18:00〜20:00、担当:木村コーチ)に参加。
・ サンボのほうは大勢いたが、レスリングは参加者3名のため、高密度で充実していると同時に、休む暇がなくて大勢の練習よりもたいへん。
・ 打ち込みと組み手・崩しの練習を通じて、ずっと有賀さんにお相手をしていただく。
・ 見せかけの引きに対する反応を利用してのタックル、(collar tieからの)相手上腕部の逸らしによる崩し、手首と後頭部(首)をとり身体を90度に開いて落とす崩し、underhookからの押し引きとそこからの遠い方の片足取り、逆にunderhookからの逃れ方として顔を押してバックステップしてからのタックルなど。
・ underhookへの入り方として、相手の手首を順手向きで取って肘をこじ入れる式の(グレコローマン的な?)やり方で練習。私にとっては、これは初めてのやり方で新鮮。
・ 最後のスパーでは、木村コーチにも相手をしてもらって、以前よりは技を積極的に仕掛けることができたように思う(木村コーチにスパーの相手をしていただくのは久しぶり)。
【2014年11月25日記】

◎ 2014年11月21日(金) 「得意なこととやりたいことは違う」
・ プレゼンテーションの上手さや面白さを競うような或るイベントで講演して欲しいという依頼があった。資料を受け取ることには同意したけれど、おそらく私はやらないだろう。
・ これまでの経験から、その種のことが、自分はけっこう上手く出来ることを知っているし、先方もそれを知っていて依頼してきたと思われる(昔私が予備校でかなりの人気講師だったことまで知っていた)。
・ しかし、得意なこととやりたいことは違う。さらに、ある程度はその能力もあり、その場に巻き込まれれば、努力も工夫もするような自分を知っているからこそ、余計に嫌である。
・ そのような「ハイテンション」で「ハイブロウ」なプレゼンテーションは、授業や研究会で自分の研究テーマをじっくり手順を踏んで展開することとは異なる。それは、上手さや華やかさや熱気などが支配する独自の競技場となる。
・ 授業や研究会で自分の思考を展開することは大好きだが、私はことばの闘技場で戦いたいのではないし、勝ちたいわけでもない。
・ そんな分かりにくい(?)差異とこだわりを、友人の霜栄氏に話したところ、彼は即座に完璧に理解してくれた。友人というのはありがたいものだ。
・ 霜さん曰く。「得意なことを追求するのは成功への道、好きなことを追求するのは幸せへの道。俺も幸せの方がいい。もちろん実際には、両者がある程度交わる所を追求するわけだけど」。
・ 私にとって、哲学をすることは、ちょうどその交わりの位置にあり、レスリングをすることは、あのプレゼン闘技場とは正反対の、「得意でもないのに、好きで仕方のないこと」に位置する。
【2014年11月21日記】

◎ 2014年11月19日(水) 「優しさと自在さ」
・ 朝7時からの大学レスリング部の朝練に参加。
・ 仲上君は病欠で、竹之内君はまだケガが治りきっておらず、軽量級の学生がいなかったので、75kgの吉崎君に打ち込みと3分スパーの相手をしてもらう。
・ 吉崎君は、寡黙でゴルゴ13のようなイメージがある青学レスリング部随一の「筋肉マン」。
・ 打ち込みはともかくとしても、私とはスパーは初めてだし、体格も年齢もレベルも何もかもが違いすぎる弱者が相手なので、どうしたものかという戸惑いもあったのではないか。
・ 私にケガをさせないようにという配慮や動きが随所ににじみ出ていて、私は、2P目では這々の体になりながらも、硬派の男の「優しさ」を読み取っていた。
・ そのあと、長谷川コーチにもスパーで一本、寝技の打ち込みとスパーでも相手をしてもらって、長谷川コーチが「懐かしい」と言うような昭和的な技も試してみる。
・ 長谷川コーチとの寝技の打ち込みを繰り返しているときに、実力者というのは「スパーと打ち込みの中間あたり」を操るのがうまいのだろうと感じた。
・ つまり、私レベルの者どうしがやる場合には、ガチンコになってお互いにどの技もかからないまま(耐え通して)終わるか、緩くお約束的にかけ合い(かかり合う)かのどちらか両極端になってしまいがち。
・ その両極端の「あいだ」を自在に微妙に調整しながら、強めたり弱めたりすることができる人が相手だと、こちらも単発の技で終わらずに連続・連携技が自然と引き出されるようだった。
・ これって、プロレスの上手さにも通じることであるように思う。
【2014年11月19日記】

◎ 2014年11月18日(火) 「レスリング本執筆へ向けて」
・ 授業の空き時間に、蔦珈琲店にてぷねうま舎の編集者・中川さんと、今後のレスリング本執筆に向けての打ち合わせ。

・ 本文の叙述理解に「絵」が必要な場合のために、短い動画を複数入れたDVDを添付するという方向で話が進んでいる。
・ 著者である私自身が出演して、技の提示やスパーリングなどを行うという案。
・ 「文章はともかく、動画は恥ずかしいですね」と言う私に対して、「本の性質上、当然ご本人がやるべきでしょう。前代未聞の哲学本になります!」と中川さん。
・ 青山学院大学レスリング部の学生のみなさん、skアカデミーのコーチの方々にお願いです!
・ 来年の4月以降になりますが本の執筆をしつつ、動画を撮りためようと思いますので、ご協力をよろしくお願いします。
【2014年11月18日記】

◎ 2014年11月16日(日) 「新シューズ」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 本日より、新シューズ(adidas combat speed 4、写真上側)を着用。なかなか快適。

・ ここ2年間使っていた前シューズ(adidas combat speed 3)の右親指側に亀裂が入ったため(写真参照)。その亀裂について、有賀さんから「練習の成果ですね」と言っていただく。

・ 今日の技術練習は、片足を取ったところからテイクダウンまでと、がぶり返し。
・ 片足からのテイクダウンでは、頭外・頭内・潜って担ぐの3タイプで練習。
・ がぶり返しでは、いつもの横回転だけでなく、縦回転のレクチャー(by野村コーチ)もあった。
・ しかし、縦回転の練習は難しい。うまくやらないと相手の首に負担がかかりすぎて練習自体がこわい。こういうのは、コーチや大学生レスラー等の「玄人」に受け手になってもらって練習するしかないのかな・・・。
・ 一方、横回転の方は、だいぶ上手くなっている実感があり、最初の頃よくすっぽ抜けていたのに比べると「進化」と言ってよい。
・ がぶり返し横回転では、クラッチの組み方を二通りの違う仕方で試してみる。
・ スパーリングでも、このがぶり返し横回転を連続3回転決めて6点を奪取。
・ 本日最後の補強は、最後のスパーリング直後のこともあって、全部はついて行けなかった。帰宅後、横になったら寝てしまうだろうというくらいに疲労困憊。

【2014年11月16日記】

◎ 2014年11月15日(土) 「青山学院大学新聞より」
・ 青山学院大学新聞第288号(2014.11.15)掲載の、レスリング部主将・松田健吾君の記事。

【2014年11月15日記】

◎ 2014年11月12日(水) 「夜と朝の連動」
・ 朝4時に起きるため、昨晩は早く寝なくてはいけないのに、大学生の三男を相手に寝技の確認をしていたら、ヒートアップしてもう一度着替えなくてはならない程に汗をかき、就寝も一時間遅れる。
・ 上半身技と下半身技を同時にかけるために、手は使わずに足だけで相手の足をコントロールして技の体勢に入るという形を確認しながら、徐々に三男に力を入れて(技がかからないように)防御してもらうということをやっていた。
・ しかし、彼はかなり力が強いにもかかわらず、私が手順を踏んで形に入ってしまうと、どうしてもフォールされてしまうのが悔しかったようで、もう一度もう一度・・・と繰り返すことになり、汗びっしょりの状態に。
・ その三男からは、文明堂のカステラ巻きを誕生日プレゼントとしてもらった。
・ 大学レスリング部の朝練は、これから全日本大学選手権があってまだ減量中の人もいるため、大半の人はまずサッカー練習から。私は仲上君と二人で、アップや柔軟をしたあと、まず寝技の打ち込みから。
・ 昨晩の上半身・下半身の複合技も試してみる(夜と朝の連動)。打ち込み段階では、けっこうできる。そういえば、わが専属コーチ・仲上君と昨晩相手をしてもらった三男は、同じ年である。
・ 寝技の打ち込みのあと、みんなが戻ってくるまで、(スタンディングの)打ち込みを10分間連続で続ける。打ち込み10分は、けっこうきつい。
・ その後みんなが戻ってきて、1分スパーを(あいだ10秒で)20本。私は、仲上君と金井君と合わせて8本入る。
・ 最後に、仲上君に相手をしてもらって、片足を取るときの身体の角度・位置・高さについてと、飛行機投げの技術練習をして終了。
【2014年11月12日記】

◎ 2014年11月11日(火) 「56歳」
・ 2014年11月11日火曜日、56歳になりました。
・ 11月11日は、キェルケゴールの命日でもあるようです。
・ 画像は、職場・青山学院大学の正門からの紅葉。この時期の青山学院大学のこの景色は絵になりますし、好きです。

【2014年11月11日記】

◎ 2014年11月9日(日) 「昭和のプロレスの雰囲気」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 打ち込みのあと、組み手で相手を崩して、手をつかせたり膝をつかせるところまでから始めて、さらにテイクダウンしてバックへ回るまでの技術練習。
・ 意外に有効だったのが、baseball grip からレベルダウンして引き落とす戦法。two on one から上腕をたぐるようにして横・背後へ回りつつ引き倒す方法も試してみた。
・ もう一つの技術練習では、いくつかのタイプの片足を取ったところから始めて、テイクダウンなどポイントを取るところへ繋げる練習。
・ 私は、(1)膝をついて相手の後ろへ回り込んだ状態で片足を取ったところから、アンクルへ移行して回すところまでと、(2)膝をついて相手の正面で片足(ほぼ両足)を取ったところから、潜り込んで持ち上げてひっくり返すところまでを反復。
・ 寝技の打ち込みでは、私は、アンクル、クロスフェイスからの腕取りによる表返し(Butcher)、上半身を意識させておいての下半身技(股裂き)を繰り返す。
・ 私がかける痛そうな「股裂き」は、昭和のプロレスの雰囲気ありというようなことを、野村コーチから言われる。
・ がぶり落として相手の肘を伸ばし、自分の頭を相手のarmpitに差し込もうとしたところまではよかったのに、相手の頭部をかかえた右腕の方が甘かったせいもあり、逆にバックへ回られてしまったのは、スパーリングにおいて痛恨の場面だった。

【2014年11月9日記】

◎ 2014年11月7日(金) 「『談』100号記念選集」
・ 『談』100号記念選集もうすぐ出るようです。入不二基義「無内包の「現実」あるいは狂ったリアル」も掲載されています。電話帳のような厚さ。

【2014年11月7日記】

◎ 2014年11月5日(水) 「cross-ankle turnのバリエーション」
・ 朝7時から大学レスリング部の朝練に参加。
・ 水曜日の練習は、朝組と昼組に分かれていて、朝練の方は人数が少ないのでマット場が寂しめ。
・ 仲上君に相手をしてもらって、打ち込み2本と3分スパーリングを6本(2本×3回)。四つんばい状態からまったく崩せないというシーンが2回あって、悔しい。
・ 技術練習は、長谷川コーチの指導で、ローリングとローリングとの連携技。
・ ローリングでは、回し際に足を取られたときの対処法や股裂きへの移行を練習。
・ 連携技として私は、アンクルから入って守られた場合のローリングへの移行と、ローリングから股裂きへの移行を練習。
・ アンクル(leg lace, cross-ankle turn)では前回習った"もう一方の腕で膝裏を押さえつけ、両手をクラッチして回す"方式も試してみる。かなり痛そう。
・ さらに仲上君から、"もう一方の手で相手の膝を開くようにして痛みを加える"タイプも教わる。
・ 位置・入り方・極め方・他の技との接続などを「順列組み合わせ」すると、たった一つの技でも膨大なバリエーションがあることになる。
・ 「足のすね部分の交差(によるコントロール)」というアンクルの単純形・基本形が中核にあって、そこへの導入線・その内部状態・そこからの導出線などが、複雑にネットワークを形成している。
【2014年11月5日記】

◎ 2014年11月3日(月) 「誕生日会」
・ 妻の実家(川崎)にて、義父83歳の誕生日会(11日には少し早いが私の56歳の誕生日会も兼ねる)。
・ 長男夫妻が用意してくれたケーキにローソクを灯し義父と並んで記念撮影をしたが、老人+初老の男がローソク付きのケーキと共に写ると、そのケーキは「お供え」的に、そのローソクは「線香」的に見えることが判明して大笑い。
・ 夕飯を食べながら、長男夫妻の9月のアメリカ旅行の話を聞く。嫁さんの方は、UCLAやバークレー校やスタンフォード大学訪問記と道中混乱記が主であり、長男の方は、ラスベガスのカジノや射撃体験の話(動画付き)。
・ 私は夕食前に近所を散歩して、通った幸町小学校や南河原中学校や当時の友人宅近くを歩き回った。
・ 写真は、誕生日ケーキと南河原中学校と(小学校へ向かう)通学路だったところ。
  
【2014年11月4日記】

◎ 2014年10月31日(金)・11月2日(日) 「学生との飲み会/マスターズレスリング講習会」
・ 31日(金)は夕方18:30から、私のレスリングの相手をしてもらっている仲上君を労うために彼の友人・河本君も誘って、青学近辺の根室食堂で飲み会。
・ 私はほとんど聞き役で、人間関係の複雑さを含めて色々な話を聞かせてもらった。熱く語る河本君とニュートラルでクールな仲上君が対照的。

・ 2日(日)は、味の素トレーニングセンターでの第4回マスターズレスリング講習会の第二日目に参加。
・ 私が参加した二日目は、宮原厚次さん(ロサンゼルスオリンピック・グレコローマンスタイル52kg級金メダリスト、自衛隊元監督)による指導。あとで分かったのだが、宮原さんは1958年生まれで私と同じ歳だ。
・ 普段はなかなか練習する機会のないグレコの技(でフリーでも使えるもの)というテーマで、ご指導いただいた。
・ その中でも、相手の手首を握るのではなく押さえて制することを取り入れた組み手争いの練習が、興味深かった。その押し合い・さし合いをスパーリング風にやるところで、かなり消耗した。
・ スパーリングでは、skでお互いの手の内がある程度分かっている相手とやるのとは違って、緊張感もあるし違った展開になったりして楽しい。
・ 年齢の近い長久さんとも一年ぶりにお会いできて、スパーリングで対戦。
・ ふつうの友人関係ならば「積もる話をする」という展開になるところだが、”さて久しぶりにやりますか”という感じで「取っ組み合う」のが、レスラー仲間。
・ お互い、ジジイになって動けなくなるまで、毎年スパーリングをしましょうという話をあとでした。
・ 格闘技界のレジェンド・中井祐樹さんも受講生として参加なされていて、私も挨拶をした。
・ ご著書の『希望の格闘技』(イースト・プレス)はもとより、『ゴング格闘技』誌上の藤原喜明選手との対談もとても面白かったので、色々な格闘家の方との対談集という企画はいかがですかと提案させてもらった。
【2014年11月2日記】

◎ 2014年10月29日(水) 「素晴らしいというよりシュール?」
・ 朝7時〜9時の大学レスリング部の練習に参加。
・ いつも相手をしてくれる仲上君と竹之内君が風邪のためお休み。あとは軽量級の参加者がいなくて、70・80・100kg級の人ばかり。
・ そのため本日は、アップ(馬跳び・股くぐり・大の字)は75kg級の吉崎君と行い、打ち込みとスパーリングとそのあとの技術練習は、長谷川恒平コーチに相手をしていただく。
・ ロンドンオリンピックの代表選手で、アジア大会では二連続金メダルのレスリングエリートから、こんな最底辺の私がプライベートレッスンをしてもらうというのは、「素晴らしい」を通り越して「シュール」とさえ言える状況!
・ この状況を嬉しく有り難いと思う気持ちとは裏腹に、身体の方はスパーリングにおいていつも以上に疲労していき、「まだあと30秒もあるのか・・・」という状態。いや、その前の打ち込みでさえ疲労度が大きいのは、一つ一つの技の「圧力」の大きさのせいか。
・ スパーリング中は、こちらの攻撃をわざと受けながら、”そんな風に緩く(無防備に)さすとこうなるよ”と言わんばかりに、首投げを食らわせてくれる(同じシーンが2回あった)。190cm近い身長で80kg以上ある守部君も、その首投げで何度も長谷川コーチに投げられていた。
・ 打って変わって、技術練習・寝技の打ち込みでは、楽しさを味合わせて頂いた。
・ 私のできる(知っている・好きな)寝技をやりながら、それを修正してもらったり、別の入り方を教えてもらったり、他の技との組み合わせに発展させてもらったりした。
・ 長谷川コーチ自身も、「痛み」を与える技を私にかけつつ教えながら、「フリースタイルの寝技は楽しいなぁ」と(グレコローマンスタイルに専念する以前のことを思い出しつつ?)もらしていた。
・ これからも、たくさん教わりたい!
【2014年10月29日記】

◎ 2014年10月27日(月) 「三者会談」
・ 御茶ノ水「古瀬戸珈琲店」と九段「一茶庵」にて、研究社の佐藤陽二さん・駿台英語科の大島保彦さんと仕事の打ち合わせ等。
・ 大島・霜・入不二で、『大学デビューの哲学』以来の共著を出す案まで出る。
・ 33歳の頃出した共著から30年経った、還暦バージョンというノリも面白いかもしれない。
【2014年10月27日記】

◎ 2014年10月26日(日) 「充実した貴重なスパーリング」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:今泉コーチ)に参加。
・ 打ち込み3分×3本のあと、今日は「さし」の技術練習。
・ さし方は、前腕部で相手の腕を押し開きながら手刀部の小指側からこじ入れる感じ。
・ 一方、さしを阻止する側の自分の腕は、肘を脇に押し付けて、手は相手の肘に外側から当てがい下から上へ絞り上げる。その先で、そのまま相手の腕をたたみ込んで極めることも可能。
・ その両方(さすことと阻止)を合わせて、相手と左右交互に繰り返し、前進する力を加え合って拮抗すると、あのレスラー特有のさし合いの所作となる。
・ 寝技の技術練習は「ローリング」。両腕でクラッチする前の(片手の段階での)相手の肋骨部分との「引っかかり」を重視して練習。今井さんと腰骨に引っかけるタイプもやり合ってみる。
・ オーソドックスなローリングに加えて、最後手段的なローリングも。相手の両方の腰骨に指を引っかけて勢いよく持ち上げて、そのままクラッチを組んで投げ捨てるように回す。
・ スパーリングでは、吉川さんと2本やる。ポイントもフォールも取ったり取られたりの攻防があって、充実したスパーリング。
・ 彼は身体が柔らかいので、通常なら(他の人なら)フォールできる段階へ持って行っても極まらないという場面が、これまでも何回かある。柔軟性はそれだけで武器。
・ 今日はさらに、股裂きの足のクラッチが組めたところまではよかったが、そこからひっくり返そうとした瞬間を狙われて、余計に回転(オーバーターン)されることで逆襲される。俊敏な判断も武器だな。
・ 逆襲を受けた後、もつれて、何とか袈裟固めに持ち込んでフォールまで繋げることができた。
・ 「袈裟固めでフォール」というシーンは、「好み」ではあるが実際にはなかなか訪れないシーンなので、そういう意味でも貴重なスパーリングであった。

【2014年10月26日記】

◎ 2014年10月24日(金) 「時間は実在するか」
・ 拙著『時間は実在するか』の重版(第九刷)の通知を、講談社現代新書出版部より頂く。
・ 売れても売れなくても、自分の「子ども」の可愛さに変わりはないけれども、長く稼ぎ続けてくれる「子ども」はやはりありがたい。
【2014年10月24日記】

◎ 2014年10月22日(水) 「がぶりからの外無双」
・ 朝7時から、大学レスリング部の朝練に参加。朝4時に起きて、6時前には家を出る。
・ 今日は、打ち込みのあとの3分スパーリングを、6本(3分×2を3回)仲上君に相手をしてもらう。最後は、疲れて棒立ちになって手が前に出なくなる。
・ スパーの後は、長谷川コーチの指導で、フリー組は「がぶりからの外無双」を練習。
・ 腕を差し込むのではなく、肩でプレッシャーをかけて相手の頭を膝へと近づけることでバランスを崩す。そこに手を添える感じ。原理としては、頭を下げさせてのアンクルピックと同様ということ。
・ がぶり落とした後に回る方向をいつもと逆回りにして試してみたが、その方が、がぶりからの外無双にいくためにはやりやすい気がした。
・ 練習終了後、仲上君に相手をしてもらって、グラウンドの打ち込みを15分間ほどやらせてもらう。
・ 股裂きからのギロチン(ツイスター)への移行や監獄固めまで、なかなか練習する機会のない(実戦ではかかりそうもない)技もやらせてもらう。仲上君は「いててっ」と言いながらも受けてくれた。
【2014年10月22日記】

◎ 2014年10月19日(日) 「大学生・中学生」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:人見コーチ)に参加。
・ 打ち込みを、両足のみ→片足のみ→組み手の攻防あり→テイクダウンまでというように、順次移行させて続ける。
・ 片足を取られたところからの攻防練習の後、スタンドのみのスパーリング。そのあと、寝技打ち込みと寝技スパー。最後の20分間ほどでスパーリング。
・ 先週に引き続き、東大レスリング部の4年生(写真:向かって私の左隣)と2年生(写真:向かって前列左端)が参加。今日は、先輩後輩で並んでの集合写真ということで。
・ 本日の2年生とのスパーリングでは、先週のようには行かず、ポイントを奪われ、私も得意にしている技でやられそうになる。自分も使う技でやられそうになったから、逆に、ひっくり返されずに何とか凌げたとも言える。
・ 4年生の主将・山崎君は東日本学生新人選手権(Bグループ)の優勝経験者だけあって、柔術の世界チャンピオンの人とのスパーリングでも、レスリングでは圧倒していた。大学から始めても、4年間でこれくらい強くなれるものなのだと感心。
・ 日本レスリング協会のHPに、山崎君についての記事がある→ここ
・ 今日は、中学3年生(写真・向かって私の右隣)も参加。私とは40歳の年齢差か・・・。
・ 彼はもうロンドンにある日本の高校に進学が決まっているそうで、(ある時期調べて知っていたので)「ロンドンにはレスリングできる環境がないよね」という話を私がすると、やはり「そうなんです」という話だった。

【2014年10月19日記】


◎ 2014年10月15日(水) 「横回転のための前進」
・ 朝7時から、大学レスリング部の朝練に参加。
・ 打ち込み3本のあと、3分×10のスパーリング。そのうち、私は3分×2を間をおいて2回仲上君と。
・ 試そうと思っていた(2-on-1への移行のための)腕の取り方が、一回だけうまく行くが、2-on-1へは繋げられずに終わる。
・ がぶりのときの脇があまく、二度三度くぐられてバックへ回られてしまう。逆にうまくがぶり落とせたあとは、攻撃へと繋げられた。
・ スパー後は、長谷川コーチの指導でローリング(ガッツレンジ)の技術練習。
・ 今日やったのは、あばら骨を締めつける(絞る)タイプではなくて「腰骨ローリング」。腕の力で「締めつける(絞る)」というよりも、むしろ「引っかける」感じ。
・ その引っかかり具合をつかむために、仲上君との二人組で何度も試してみる。
・ どうしても「横回し」を意識して身体が横へ逸れがちになるが、重要なのは、肩でプレッシャーをかけながらの「前進」。横回転のための前進。
・ 脇を締めて、肩で相手の肩甲骨下あたりにプレッシャーをかけて、足の力で前へ進むと、やられている相手はその苦しさ(私は「うっ」と声が出た)と共に、自然に下半身が浮く。そうして下半身が浮いたところで回す。
・ その「理路」は、攻める方でうまくできるかどうかはともかく、やられているときによーく分かった(特に長谷川コーチにやられると、背中下部一体にもの凄い圧力を感じ、自然と下半身が浮き上がる)。
・ 最後の補強は、ワニ歩きでマットを4往復。
【2014年10月15日記】

◎ 2014年10月12日(日) 「東大生と先輩・後輩対決」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 東大レスリング部の学生たちがビジターで参加していて、新鮮。
・ スタンドでは、2-on-1の基本と展開を練習。2-on-1からの展開で取った片足を、ゴルフスイング(或いはバットスイング)のように振って倒すやり方は、難しくてうまくいかなかった。
・ グラウンドでは、腕取りからarm barへの移行、さらにarm bar とネルソンの合わせ技を練習。
・ 寝技の打ち込み前のマッサージタイムでは、現役大学生の身体の若さ・柔軟さに話題が及び、「ピチピチだぁ」という声が上がり、「その言い方は何だかいやらしい」という声も続く。
・ 私もふだんから大学生レスラーと接触しているので意識せざるを得ないが、「肉」の新鮮さ―張り・艶―などは、これはどうしようもなく年齢相関的である。
・ さらに、長谷川恒平選手レベルになると、その筋肉は単に若々しいだけでなく、特有の「もちもち」感が漲っていることを、先週の練習で知る。
・ 東大生(1年生)から、最後にスパーを申し込まれて、「先輩・後輩対決だ」という声あり。とはいっても、私はレスリング部出身なわけではないので、あくまで東大という括りでの先輩と後輩だが。
・ 年齢だけでなく身体の大きさもかなり違うのだが、まだ経験の浅い一年生なので、さすがに今の段階では私の方が強い。
・ 3分(1P)のあいだに、1ポイントも取られることなく2回フォール(変形のえび固めと崩れ横四方固め)を奪う。
・ 50代半ばも過ぎようとするときに、大学の若い後輩と取っ組み合いをやることになるとは、不思議な巡り合わせである。

【2014年10月12日記】

◎ 2014年10月11日(土) 「中田考さんの思い出」
・ 最近テレビニュースを通して「再会」したイスラム法学者の中田考さんとは、山口大学教育学部の国際文化コースで同僚としていっしょに仕事をしていたし、山口大学哲学研究会では合評会等でいっしょに活動していた。
・ この世離れした(?)風貌と、その思想の極端なまでの徹底性、そして佇まいの穏やかさや寛容さ、それらが不思議な感じで同居しているところが、中田さんの人物像として記憶されている。
・ 当時の山口大学の先輩・同輩の同僚のなかで、学者として私が一番尊敬していたのが、上野修さん(スピノザ研究者)と中田考さんだった。哲学研究会では3人で議論をしたこともあり、互いに相通じるところもあった。
・ 中田さんは、永井均さんの<私>の哲学をとても高く評価していて、一神教の真の意味を理解している数少ない日本人だと言っていた。3人で<私>論に関わる議論をしたこともあったと思う。
・ 国際文化コースでいっしょに仕事をしていたときに聞いて驚いたのは、中田さんと私は同時期に東大の本郷に通っていただけでなく、中田さんの方は実は大学院時代の私のことをよく覚えていて、図書館前などでよくすれ違っていましたと話してくれたこと。
・ 中田さんの独特の風貌からすれば、「逆」(私の方が覚えていて中田さんの方に覚えがないこと)ならばあっても全然不思議はないが・・・。学科も違い交流もなかったあの中田さんに覚えられてしまうほど、大学院当時の私は目立っていたのか・・・とその話を聞いて思ったものだった。
・ 中田さんは絶対的な信仰のもとにあって「この世」的な価値観(自由・民主主義的な価値観も含む)を超越しているからこそ、むしろ自らの信仰との折り合いが付く限りは、この世的なものに拘泥せずにやり過ごすという鷹揚さを身につけている。それは、かつてもそうだったし、きっと今でもそうやって現世の諸事に処しているのだろう。しかし、「折り合いが付く限りは」であって、彼はいつでも「離脱」する用意ができている本物であると思う。
・ 中田さんのことを論評している文章としては、池内恵氏(東京大学准教授)の「自由主義者の「イスラーム国」論〜あるいは中田考「先輩」について」(『中東・イスラーム学の風姿花伝』)が一番興味深かった。
【2014年10月11日記】

◎ 2014年10月8日(水) 「2-on-1づくし」
・ 大学レスリング部の朝練に参加。
・ 本日は、アップ・柔軟・打ち込みのあと、すべて技術練習。仲上君がケガのため、竹之内君に相手をしてもらう。
・ 先日のアジア大会で金メダルを獲得した長谷川コーチの指導で、2-on-1の(からの)色々なパターンを技術練習。
・ 間合いの近いとき/遠いときのそれぞれの取り方、(押し上げに効く)逆手の握りと(引き下げに効く)順手の握り、手首を取るか・親指付け根あたりを取るか・小指側を取るか・・・などの組み合わせを考えると、同じ2-on-1でもたくさんのバリエーションがあるなと思った。
・ 2-on-1からsingle legへの展開では、相手の体重を一方の足に集中させて軽くなったもう一方の足を取る練習。
・ 2-on-1からdouble legへの展開では、肘を取られて2-on-1に対して防御されたところから、相手を横方向へ崩してタックルに入る練習。
・ 私にもできて効果的だと思われたのは、相手の上腕を取った側の腕を突き出しながら、もう一方の手の握りを逆手から順手に持ちかえつつ(この持ちかえが難しかったが)、引き倒す展開。倒したあと、取っていた手をそのまま巻き込んでローリングへも移行できそう。
・ 2-on-1に対する防御側の練習では、上腕側を取った相手の手の外し方(指をかぶせて引きはがす感じ)、手首側を取った相手の手の外し方(指の輪っか側から外れるように力をかける)を練習。
・ 最後に腹筋の補強運動をやって終了。
・ 長谷川コーチから、アジア大会の金メダルを見せて頂いた。ご結婚も近いそうで、おめでたいことが続いている。
【2014年10月8日記】

◎ 2014年10月5日(日) 「Colorless Tsukuru Tazaki」
・ 今日は、(レスリング練習もお休みして)一日原稿書き。
・ 今朝のGlobeに、「ムラカミ新作、豪華な装丁」という記事が載っていた。
・ 村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)の米国版Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimageが、一年以上を経たこの8月に出版されて、ベストセラーになっていることはすでに知っていた。
・ この記事を読んで注目したのは、「日本の原書と比べて驚くほど豪華で、本好きにはたまらない仕上がりだ」という点。その写真も載っていた。
・ それでどうしても欲しくなって、amazonで注文したら、夕刻にはもう届いた。確かに、米国版の装幀は素敵だ。
・ 特に、カバーを外したあとの地のデザインがいい。


・ ちなみに、最初のパラグラフは、次のように英訳されている。

大学二年生の七月から、翌年の一月にかけて、多崎つくるはほとんど死ぬことだけを考えて生きていた。
その間に二十歳の誕生日を迎えたが、その刻み目はとくに何の意味も持たなかった。
それらの日々、自らの命を絶つことは彼にとって、何より自然で筋の通ったことに思えた。
なぜそこで最後の一歩を踏み出さなかったのか、理由は今でもよくわからない。
そのときなら生死を隔てる敷居をまたぐのは、生卵をひとつ呑むより簡単なことだったのに。

From July of his sophomore year in college until the following January, all Tsukuru Tazaki could think about was dying.
He turned twenty during this time, but this special watershed ― becoming an adult ― meant nothing.
Taking his own life seemed the most natural solution, and even now he couldn't say why he hadn't taken this final step.
Crossing that threshold between life and death would have been easier than swallowing down a slick, raw egg.

【2014年10月5日記】

◎ 2014年10月1日(水) 「翌日」
・ 10月に突入。今年もあと残り3ヶ月とは・・・。
・ 大学レスリング部の朝練(7:00〜9:00)に参加。
・ 主将の松田君と練習開始前に、昨日の長谷川恒平選手の試合が話題になる(私はTBSの放映を見逃していた(T_T))。
・ 以下の写真のガッツポーズを真似ている学生もいた。

・ 打ち込み5分×2のあと3分スパーが16本続く。私は仲上君と猪口君とそれぞれ3分×2で相手をしてもらう。
・ 試合の時に左足の人差し指を痛めていて、踏み込むとまだ痛いので、足の運びが心許ない。
・ 仲上君が試合動画を見てくれて、私の悪い箇所を解説してくれる。
・ 最後の打ち込みでは、がぶり落とすときのバックステップを練習させてもらう。
【2014年10月1日記】

◎ 2014年9月30日(水) 「長谷川恒平選手金メダル」
・ アジア大会・男子グレコローマン59垉蕕如長谷川恒平選手(青山学院大学職員)が、決勝で北朝鮮のYUN Wonchol選手(2013年世界選手権55kg級金メダリスト)を8−4で破って、金メダルを獲得。
・ 写真は、Japan Wrestling Federation(公益財団法人日本レスリング協会)よりの速報写真から、試合直後の様子。

【2014年9月30日記】

◎ 2014年9月28日(日) 「二回転目/予備校で教えていた頃2」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 技術練習(1)自分の顔の位置を相手の顔の位置に対応させることで守る練習。
・ 技術練習(2)相手の頭を落として、がぶりに行く練習。
・ 技術練習(3)がぶり返しの練習。
・ 先週の試合で、がぶり返しの連続二回転ができなかった点を踏まえて、野村コーチががぶり返しの解説をしてくれた。
・ 首と腕の極め方が一回転後に緩むというのもあるが、それ以上に、足の力とブリッジを回転に使えていないことが大きいことが分かる。


・ 先日駿台文庫副社長の小島さんがしてくれた「昔話」の中から、「そうだったんだ!」という話を一つ。
・ 大学院生の私が採用試験に合格して教え始めた頃、駿台予備学校の最上位のコース(3号館・東大文系コース)に出講していたのは「重鎮」「大物」ばかりだった。
・ ご存じない方のために注釈を加えると、予備校の出講システム(どの校舎・クラスにどのレベルの講師が出講するか、あるいはどのテキストを担当するか)は、野球で言えば一軍・二軍・三軍・・・や、さらに打順やポジションや起用のされ方等とよく似ていて、講師価値のランク付けや分類によって決められている。それは、今もそう大きくは変わっていないはず(予備校の「本質」に関わることだから)。
・ 英語の場合には、伊藤和夫師・奥井潔師の二大巨頭をはじめ、その他の講師も、ベテランの専任であったり、どこかの大学の教授であったりした。他科目でも、「3N+Y」(数学)・高橋正治師(古文)・安藤師(日本史)・大岡師(世界史)など大物予備校講師ばかりであった。
・ その最上位コースに、まだ教え始めて間もない、30歳前の私(英語)や霜さん(現代文)が出講することになった。高卒のルーキーが、いきなりジャイアンツのレギュラーとして起用されるような感じか、いや、それ以上のインパクトが当時の「旧き良き」駿台にはあっただろう。
・ この起用は、当時の学務課で講師をマネージメントしていた小島さんや、その上司であった冨田さん(現・駿台文庫社長)によるものだと思っていた。
・ それは大筋では間違いないのだが、入不二と霜の同時3号館デビューにはそれぞれ別の事情があったことを、今回(30年ぶりくらいで)初めて知った。
・ 小島さんが直接関わったのは、入不二の起用に関してだけであって、霜の起用は当時の現代文科内の「力学要因」によるところが大だったらしい。
・ そして、入不二の起用は、英語科における抵抗や反対もなく、すんなり行ったらしいが、霜の起用に関しては、その「力学要因」の中ですんなりとは行かなかったらしい。その「力学要因」の中には、東大卒・非東大卒という対立もあったらしい。
・ この辺りの事情(の違い)が、「そうだったんだ!」の一つだった。
・ 小島さんによれば、「入不二先生は、奥井先生にも伊藤先生にも気に入られていたので、(本当は周りの人たちに不満があるとしても)誰も反対することなんてできませんよ」ということだった。
・ たしかに、相互にタイプも思想も異なる奥井師・伊藤師の両人が、同じように私を特別に遇してくれていた。
・ そういえば、奥井先生からは、酒席で「君は、私と同じ種類の「魔」を飼っている。私には分かるのだ」と言われたことがあった。奥井先生でないと、言えないセリフだね。
【2014年9月28日記】


◎ 2014年9月26日(金) 「予備校で教えていた頃」
・ 夜は御茶ノ水で、かつてお世話になった現・駿台文庫副社長の小島茂さんと霜栄・霜康司兄弟と、4人での飲み会。
・ 久しぶりに話し込んだため終電を逃して、タクシーで午前1時半頃帰宅。
・ 当時学務課にいた小島さんは、20代後半だった私の中に予備校講師としての能力を見出し、それを一線級にまで育て上げてくれた。
・ 人気講師としての成功体験は、自分が「商品」として売れることがどのようなことなのかを教えてくれたし、「市場」の最前線で活躍することの恍惚と不安と倦怠を十分に味わわせてくれた。
・ よい仕事をすることがそのままお祭りを楽しむことであるような仕方で、当時私は小島さんや霜さんといっしょに仕事を遊んだ。
・ 仕事を介して仕事を超える人間関係を楽しむことと、受験勉強を通して受験勉強を超える学びを実践するという授業とは、私の中でシンクロしていたと思う。
・ しかし、「仕事を介して仕事を超える」ことは「仕事を超えてはいても仕事を介してしまう」ことでもあって、欲深い私は、無媒介にはならない人間関係に不満を募らせてもいた。
・ 私が人気講師だから成立している善き人間関係は、どんなに得がたく楽しいものであろうと、その条件付きの状況自体が、私を蝕んでいるようにも感じていた。
・ もちろん「無条件」「無媒介」の場などどこにもないことは分かっていたが、それでも、(絶頂期にあったにもかかわらす)大学に職を得てこの場を去りたいと思うようになっていた。
・ そして、仕事上の関係がなくなった今の方が、あのとき以上に彼らと会っておしゃべりするのが楽しいし、あのときの記憶を楽しめる。
・ もし私があのまま予備校講師であり続けたとしても、いずれ絶頂から転落し、落ちぶれた自分に鬱屈しルサンチマンを分泌しながら、善き人間関係自体を失っていただろう。
・ 奇しくも、(完全とは言えないまでも)ほぼ「無媒介」「無条件」に近い関係を、あの時に「去る」ことによって(そして長い年月を経て)いま得ることができたことになる。
【2014年9月27日記】

◎ 2014年9月24日(水) 「単行本化の打ち合わせ」
・ 午後から会議2種類のあと、夜は外苑前のお店(神楽坂SHUN青山)で、講談社の上田哲之さんと単行本化の打ち合わせ。

・ 決定事項:
(1)(メチエや新書ではなくて)単独の本にする。
(2)連載時には字数制限により圧縮されていた箇所を「開く」方向で修正加筆する。
(3)タイトルは、とりあえず『運命論の運命』にしておいて、さらにいいものを思いついたら変更する。サブタイトルの「あるようにあり、なるようになる」は決定。
(4)原稿の締め切りは3月末日で、7月くらいに出版予定。
・ これはまだ決定事項ではないが、私も上田さんも気に入っている或る装幀者に、デザインを依頼できるかもしれない。
【2014年9月25日記】

◎ 2014年9月23日(火) 「試合動画の追加」
・ 自分のチャンス・シーンばかりを選ぶことになるが、「最もハードな一日」にアップしたがぶり返しのシーンに加えて、あと2つ。
・ 一つは、タックルを切ってバックへ回って、攻撃を試みようとするところまでのシーン。
・ もう一つは、ハイクラッチ気味に入ってバックへ回って、クロスフェイスからの腕取りで表返すことを狙ったが、力尽きたシーン。
・ 赤のシングレットが入不二。


【2014年9月23日記】

◎ 2014年9月22日(月) 「アカボシゴマダラ/映画」
・ 自宅近くにて、アカボシゴマダラらしい蝶を見かける。
・ 1990年代に中国から持ち込まれて、繁殖したそうだ。

・ 目黒シネマにて、50歳以上の夫婦の割引を利用して「そこのみにて光り輝く」と「夏の終わりに」を鑑賞。
・ <綾野剛づくし>だが、私たちの感想では「そこのみにて光り輝く」が素晴らしい。
・ 特に、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田将暉)がいい味を加えていたと思う。あと、火野正平の存在感と声に感服。
・ 帰りがけには、久しぶりに蒙古タンメン中本で、辛さを楽しむ。
【2014年9月23日記】

◎ 2014年9月21日(日) 「最もハードな一日」
・ 午前中から午後にかけて、平成26年度新宿区民総合体育大会レスリング競技の試合に出場。
・ その大会閉会式後、哲学研究会の戸田山本の合評会へ向かう。最後の2時間弱しか参加できず。しかし、その後の食事会と2次会で戸田山さんとも久しぶりにおしゃべりできて楽しかった。
・ 試合の方は、ラグビー青年(20歳)との対戦では「15対14」の1点差負けで、悔しい結果だった。
・ この点数ということは、お互いに取ったり取られたりで、しかも3分×2のフルで戦ったので、最後はもう立ち上がるのにも一呼吸必要な感じ。
・ 彼のタックルは警戒していたのだが、それでも食らってしまった。私の方も良いところがなかったわけでなく、第一に1Pにがぶり返し(横回転)を決めたこと。第二に2Pにクロスフェイスからの腕取りでひっくり返せそうなところがあったこと。
・ しかし、そのがぶり返しの2回転目を狙ったが成功せず(もし極まっていたら、結果的に1点リードしていたことになる)、2Pはバテてきて十分に力が出ずに、そのチャンスを生かせなかった。
・ 以下の動画は、そのがぶり返しの1回転目の成功と2回転目の失敗シーン。
・ 赤のシングレットが入不二。

【2014年9月22日記】

◎ 2014年9月19日(金) 「授業開始と夜の練習」
・ 後期最初の授業は、相模原キャンパスでの午前と午後の授業。夜は、青山キャンパスに移動して、大学レスリング部の練習に参加(18:00〜20:00)。
・ 打ち込みのあとは、1分スパー→3分スパー→寝技スパー→打ち込みと続く。
・ 1分スパー16本のうち、私は仲上君・猪口君・佐々木さんたちと6本、3分スパー10本のうち、私は仲上君と連続2本と境君と1本。
・ 寝技のスパーは、仲上君・石川君・金井君・佐々木さんと。
・ 佐々木さんに対してのみ、守り側で守り切って、攻め側でフォールできた。彼女との1分スパーでは、一回バックを取れて、(私がタックルに入るのを失敗して)二回バックを取られてポイントで負けていた。
・ この辺りを考慮すると、私は、大学生の女子レスラーとだったら"なんとか勝負にはなる"というレベルなのだろうか。でも3分×2でフルにやったら、私だけバテてしまって、やはり勝負にならないかな。
・ 主将の松田君から、バックに回られてポイントが入っている段階で相手の足に手をかけて守ろうとするのは無駄という点と、タックルに入る距離が遠すぎる点を指摘される。
・ 最後の打ち込みでは、がぶり落としてバックへ回る練習を仲上君相手にやらせてもらう。引き落とした後に肘を抜くタイミング、相手の防御の手を無効にするやり方などを教わる。
【2014年9月20日記】

◎ 2014年9月17日(水) 「後期の始まり」
・ 授業は金曜日からだが、3種類の会議が今日から始まるので夏休みも終わりという感じ(夏休み中も学生部の会議はあったが)。
・ 久しぶりに朝早くの大学レスリング部の練習(7:00~9:00)に参加。そのため、4時起き(昨晩ドラマ10「聖女」を観てからしばらくして就寝したので睡眠時間が短め)。
・ 準備運動・マット運動・柔軟運動のあと、打ち込み3本を仲上君と。そのあと、3分のスパーリングを仲上君と境君と。
・ スパー後は、寝技の打ち込みと25秒で攻守交代さらに相手を変えていく寝技のスパーリング。仲上君のほか、高木君・金井君・佐々木さんと。
・ 最後の打ち込みのときに、仲上君に回り込むシングルレッグに入ってもらって、防御の練習をして終わる。入られるのを手で察知しないと間に合わない。
・ 2-on-1のとき、上腕側に入れる手をより深く入れて、奥から内側へ絞り込むようにするやり方を、境君が教えてくれる。
・ 組み手のなかで私が試みた或る技(竹内君に以前習ったもの)はけっこう効いていると、仲上君から言われる。その技の痛みを避けて相手が引いたところにタックルに入るという展開もありだと言われる。
【2014年9月17日記】

◎ 2014年9月15日(月) 「たぬき/朝カル」
・ 夜、自宅の前にたぬきが出現。写真は三男がスマホで即座に撮影。

・ 今期の朝カル最終回。「結合」問題の議論に時間をかけたため、それほど進まずに終わる。
・ 講座修了後のお茶会には、大学生の2人も参加。一人は哲学科の2年生で、もう一人は数学科に進学して整数論をやる予定の1年生。
【2014年9月16日記】

◎ 2014年9月14日(日) 「いくつかのこと」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 本日は、打ち込みのあと、スタンドのみの1分スパー、技術練習、寝技の打ち込みとスパーと続く。
・ 技術練習(1)では、シングルレッグから倒した後に抑え込む技術として、トルコ刈り的な技。
・ 技術練習(2)では、ダブルレッグに入られたところからのカウンターで、巻き込んで投げる技。


・ 昨日の女子中学生と先生から、御礼のメールをいただいた。
・ 先生のメールの中に「沈黙の中で熟考している生徒の姿が見られた事は、教員としてとても嬉しいことでした」とあった。これは、先生にとってもいい機会だったのだと思った。
・ 私の話を聞いてじっくり考え込んだうえで、自分に言えそうなことを少しずつ言葉にする中3女子の姿は、なかなか気持ちのいいものだったと私も思う。
・ さらに、終わり近くなって、私と今泉さんがレスリングのことを話していたところ、中3女子は「レスリングは武道と何が違うのか?」を問うてきた。
・ これもまた、彼女の筋の良さを表していたと思う。おじさんたちがレスリングの話をしているところに、こういう疑問をぶつけられるのは、素晴らしい。
・ 「どう思う?」と彼女自身に逆に問いかけて考えてもらったうえで、私は「死との関連性」で、今泉さんは「裸と着衣の持つ意味」という点で比較論を展開した。

・ 先日久しぶりに会った山口大学の森野正弘さんから、ご新著『源氏物語の音楽と時間』(新典社)をご恵投いただいた。
・ 高価な学術書なので、献呈する著者の負担も大きいはず。有り難い。
【2014年9月14日記】

◎ 2014年9月12日(金)・13日(土) 「時間学会の交流会/中学生と哲学の話」
・ 12日(金)は、日本時間学会主催の見学会・情報交流会に出席。

・ 銀座→川崎→新橋と移動して、越州・新橋店で会食。
・ 会食の席では、久しぶりに会った森野さん(山口大学・日本文学)と隣になって、種々の話に花が咲く。
・ 森野さんの、野心が反転したような「後ろ向き」の姿勢が、哀愁とユーモアを漂わせていた。たとえば「60歳からの徴兵制が欲しい」とか。

・ 13日(土)は、skコーチの今泉さんの仲介で、某私立中学校の先生と女子生徒(中3)が、「時間」の話をするために私の研究室に訪れ、2時間ほど哲学的な雑談。
・ そこの中学には、卒業研究があるそうで、その一環として時間についての哲学の話が聞きたいということだった。
・ 彼女は、これまでブルーバックス等の入門書で特殊相対性理論における時間の考え方を学んできたけれど、そういう方向では時間の謎が答えられている気がしないということだったので、哲学少女なのだろうと思った。
・ 彼女の思考を応援・刺激する話が、どれくらいできたかは不明だが、中学での卒業研究で終わらせるのではなく、その先へも突っ走って欲しいなと思った。
・ 引率の先生は日本近代文学が専攻の国語の先生で、卒業研究の「指導教員」(担任の先生はまた別にいるそうだ)。34歳の先生なので、まだお兄さんと呼べるような近しさが生徒との間に感じられた。
【2014年9月13日記】


◎ 2014年9月10日(水) 「再会/再開」
・ 9日(火)の夜、石川巧さん・霜栄さんと3人で会食。この3人の組み合わせで会うのは、一年ぶりくらい。
・ 私のレスリング活動へののめり込みを「緩慢な自殺」と捉えることができるという話を、霜さんがしていた。実は、この観点の或る種の正しさに私自身かなり前から気づいていたので、やはり同じように考える人がいるのだと思った。
・ この話の背景には、思春期における私の、あまりに思春期的な死への接近行為がある(もう40年近く前だ!)。そのときのエネルギーが思春期以降どうなって、初老期を迎えてどうなったのか、を考えていくと出てくる一つの観点が、上記のもの。

・ レスリング部の学生たちが「解散」から戻ってきての練習再開。今日が後期の練習初日なので、私も久しぶりに大学での練習に参加(17:00〜19:00)。
・ マット運動で、ネックスプリングやヘッドスプリングをやるのは実は久しぶり。
・ 打ち込みを5分×3本を仲上君と、1分スパーリング×35本のうちの数本を仲上君と猪口君と。その後、25秒でまわしていく寝技のスパーリング。最後に、もう一度打ち込み。
・ 最後の仲上君との打ち込みでは、2-on-1の練習をさせてもらう。取った段階で身体が立っているのを指摘される。
・ 低くなっても背中が丸まっては効果が無いので、胸を張りつつ重心を落とす。そして、サイドステップ。
【2014年9月10日記】

◎ 2014年9月7日(日) 「shoelaces down/拡大家族の写真を見て」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ この夏休み中は、週一でしか練習していないし、一日中椅子に座って原稿書きという日も多くて、体力(特に持久力)が落ちている気がする。
・ そのせいか準備運動・マット運動・アップ・打ち込みあたりで、すでに疲れている感じ。
・ 前回同様、一方がcollar tieの状態で始めて、もう一方がそれを外す・崩す攻防練習。
・ さらに、四つ組みから重心落として、相手の膝あたりを自分の膝で押さえつけるようにして、捨て身的に倒す技の練習(polish throw?)。
・ 次に、立った状態の相手をがぶり落として、バックに回るまでの練習。
・ 藪井さんと有賀さんと3人の組み合わせでの練習になったので、藪井さん(9月からskコーチ就任)から指導を受けることができた。特に以下の二点。
・ 相手を引き落とした後の、さらにもう一度の引き落としがあるかないかの差を、やってやられてみて教わる。
・ sprawl(タックル切り)で、かなり入られてしまっている状態で守ろうとするときに、つま先(足の甲)を立たせるか、つま先(足の甲)を寝かせるかの差によって、相手が感じる重さ・圧力がずいぶんと違うことを、これもやってやられてみて教わる。
・ 藪井コーチによれば、インターナショナルスクールの高校生には、"shoelaces down !"と言って注意を促すそうだ。足先の部分を図式化すると「──|」ではなくて「──\」。
・ 有賀さんとの寝技の打ち込みで、先週一回試してみた「新技」をやろうとしてみたが、うまく行かなかった。
・ その代わり、小野寺さんとのスパーでそれとは別の「新技」(これまでやったことがなかった技)が無意識のうちに出て、首と腕を固めたまま横一回転(2ポイント)。
・ やろうとして新しいことができず、無意識に新しいことをやってしまっている。こういう場合、身体の使い方(動かし方)の延長にある「技」と、それを意図し意識する水準とは、どういう関係にあるのだろう。


・ 先週の「拡大家族での鰻」の集合写真を見てもらった旧友(長男・次男・三男の幼い頃を知っているが、その後は彼らに会っていない)から、コメントが書き込まれた手紙が届いた。
・ その中で、私の妻については「ゴッドマザーの風格とたたずまい」とか、長男の嫁については「只者ではない方」「ワルだったら、東京地検特捜部も本気で立ち向かうかor断念するかくらいのことができる人」とあった。
・ いやはや。大げさとはいえ、ある部分を言い当ててもいるかな。
【2014年9月7日記】

◎ 2014年9月6日(土) 「談 100号記念選集」
・ 10月に『談 100号記念選集』(公益財団法人たばこ総合研究センター編)が出るようです。
・ 私のインタビュー「無内包の「現実」あるいは狂った「リアル」」も再録されています。
・ その第7章では、科学者ではない私が、科学者たちの間に放り込まれていて、なんとなく落ち着かないが・・・。

・ 内容は、以下の通り。


【1章】 自由・権力・制度
大澤真幸×廣中直行 「人間的」自由と「動物的」自由
仲正昌樹 虚構としての〈自由な主体〉……人間性の限界
萱野稔人 「労働と賃金の分離」の前で資本主義は沈黙するか
小泉義之 福祉社会の桎梏……病苦がなくなることを普通に欲望できる社会へ
赤川学 人口減少、少子高齢化から考える
北田暁大×大屋雄裕×堀内進之介 幸福とパターナリズム……自由、責任、アーキテクチャ

【2章】 他者・共存
立岩真也 公共性による公共の剥奪
木村大治 どのように〈共に在る〉のか……双対図式からみた「共在感覚」
酒井隆史 匿名性……ナルシシズムの防衛
芹沢一也 〈民意〉の暴走……生命の重みが、生存への配慮を軽くする
高橋哲哉 不在の木霊を聴く……他社の無数の声
瀧澤利行 養生論の射程……個人/社会の調和の思想
河野哲也 「こころ」は環境と共にある……「自分探し」という不毛を超えて

【3章】 科学的理性
平川秀幸 科学における「公共性」をいかにしてつくり出すか……統治者視点/当事者視点の相克
金森修 生命とリスク……科学技術とリスク論
佐藤純一×野村一夫 健康言説とメタメディカライゼーション
千葉康則×林知己夫×難波寛次 二分法のモノサシからの脱却を求めて
高橋昌一郎 理性主義を超えて……思考停止からの出発

【4章】 情報
今福龍太 偶有性を呼び出す手法、反転可能性としての……
東浩紀 初速と暗号、マルチメディアとしてのデリダ
山岸俊男 リスク社会の条件
岡崎乾二郎 見ることの経験
石黒浩 最後に人間に残るもの、人こそが人を映し出す鏡

【5章】 人生
植島啓司 快楽のさまざまな様態
石毛直道×樺山紘一 ガストロノマディズム……食の文化、食の文明
春日武彦 無意味なことに魅せられて……ささやかだけど役立つこと

【6章】 身体
稲垣正浩×柳澤田実 からだのなかにヒトが在る…動物・暴力・肉体
鷲田清一 肌理、まみれる、迎える……シネステジーとしての〈触〉
岡田美智男 「愉しみ」としての身体……次世代コミュニケーション、遊び/遊ばれる、エコロジカル・マインド
安保徹 こころとからだをつなぐ免疫機能……顆粒球とリンパ球から見た人間
宮本省三×河本英夫 私はどのように動いているのか……運動・予期・リハビリテーション
本川達雄 身体のサイズ、身体の時間

【7章】 知覚・脳
池谷裕二 時間は脳の中でどう刻まれているのか……生命、複雑性、記憶
一川誠 「生きられる時間」はどこにあるのか……高速化の中、時計からはみ出す私
入不二基義 無内包の「現実」あるいは狂った「リアル」
下條信輔 オートマスな脳……知覚の現象学、脳の現象学
茂木健一郎 心が感じる快楽……クオリア、ポインタ、志向性

【8章】 生命
池田清彦 構造主義進化論の試み
金子邦彦 生命システムをどう記述するか
広井良典 いのち、自然のスピリチュアリティ

【2014年9月6日記】

◎ 2014年9月5日(金) 「ハネケ監督「隠された記憶」」
・【ネタバレ的発言含む】
・ ハネケ監督「隠された記憶」を勧められて観た。
・ これは、いわゆるサスペンス・謎解きではない。その形式を利用して観客を別の水準へ巻き込む映画だろう。
・ その点に、坂本あゆみ監督「FORMA」へと通じるものを感じた。
・ 問題の送付ビデオは、映画外(監督)から映画内へと送られているのだろう。映画内的な合理性からは、送り手(犯人)を導けない仕組みになっていると思われる。
【2014年9月5日記】

◎ 2014年9月1日(月) 「「概念を動かしてみる」のpdf公開」
・ 先日ふれた「概念を動かしてみる」(東京書籍 ニューサポート 高校国語vo.22 特集「大学への国語」)が、東京書籍のHPで公開されています。今号の目次は、以下の通り。

[巻頭エッセイ]エレベータの出来事 土屋賢二(お茶の水女子大学名誉教授・哲学者・エッセイスト)
[大学への国語]
○文字のフロンティア 齋藤希史(東京大学教授)
○古典のかなづかい 今野真二(清泉女子大学教授)
○概念を動かしてみる 入不二基義(青山学院大学教授)
○文学はいくつもの回路を経て生きる 土屋恵一郎(明治大学教授)
[実践レポート]
「山月記」を読み解く一つの発問(2)−光に消える李徴−田口耕平(北海道帯広柏葉高等学校)
[文学のある風景]
明恵の顔、親鸞の顔 大谷杏子(駒場東邦中学・高等学校)

・ 偶然ですが、湘南高校で同学年だった今野真二君の文章と並んでいます。
・ 今日の夜から、朝日カルチャーセンターの「哲学の読書会」。
【2014年9月1日記】

◎ 2014年8月31日(日) 「新しい技/拡大家族で鰻」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 打ち込みのあとは、collar tieの状態からのいなし・崩しの練習。ジャンケンで首に手をかける側と、それを外す側に役割を分けて攻防。
・ さらに、片足取ったところからの攻防を3種類(頭内・頭外・アンダーフックからの片足取り)を、技術練習とドリル。
・ 寝技は、先週に引き続き”cross faceからのbutcher”"cross faceからのarm wrap"の技術解説の後、打ち込みを繰り返す。
・ この打ち込みの最後の方で、私は「新しい技」を試してみた。練習していないときに頭の中でイメージしていただけの技なので、どこかで試してみたいと思っていた。
・ まだ打ち込みの段階で試してみただけなので、どこまで使えるのかは分からないが、体格的にかなり上回る相手にも比較的スムーズにかかってフォールの形まで持って行けた。ちょうどその場面を見ていた野村コーチから、「いいですね!」と声をかけてもらった。
・ 説明しにくいが、たすき掛け的なクォーター・ネルソン状態(?)から、相手の逆サイドへ移動して表返し、首と腕を極めたその状態のままフォールする技。
・ かけ始めの段階で、足を引っかけておいて、クレイドル(エビ)へ移行するという選択肢と、相手の逆サイドへ移動したあと耐えられてしまってフォールに持って行けない場合は、そこから回転して元の同じ状態を復元して、ローリングと同様にポイントを奪う選択肢もある(ハズ。まだイメージ状態)。
・ まずは打ち込みで「使えないことはない」程度は分かったので、今後機会があったら練習を重ねてみたい。
・ スパーでは小野寺さんに同じパターンで繰り返しやられるし、富川さんには入り込めず、いいところなしで終わる。

野村コーチによる寝技レクチャー中の画像

寝技練習中の画像

富川さんとのスパー中の画像

最後の補強運動

練習終了の円陣

集合写真


・ 夜は、「拡大家族」で集まって川崎の大沼で鰻を食べ、そのあと妻の実家へ移動してデザートとおしゃべり。

・ 「拡大家族」とは、今回は、妻の父母、妻と私、長男夫妻、次男とその彼女、三男の9人。
・ (今回は来ていないが)三男の彼女が、まだ18歳ということから、話題が「女性が自分よりも若い同性へと向ける視線」についてへ。
・ 長男が進化論的な考察を述べて、私がそれを引き受けて分析を加えるというシーンもあった。
・ こういう会話が大人になった息子たちと、さらにそのパートナーも一緒にできるというのが、とても面白い。
・ 長男の嫁さんが三男に向けて発した、無人島研究会での活動(今回も、無人島合宿へ行った帰ってきたばかり)への疑義─無目的性への疑問─もまた、彼女らしくて笑いを誘った。
【2014年9月1日記】

◎ 2014年8月26日(火) 「FORMA」
・ 昨晩(19:00~10:00)は、久しぶりに渋谷・ユーロスペースで映画を観る。上映後には、監督・脚本家・プロデューサーの挨拶・トークもあった。
・ 坂本あゆみ監督・原案の『FORMA』(http://forma-movie.com/jp)

・ 「再会したふたり。少しずつ、少しずつ、何かが壊れてゆく・・・」「憎しみの連鎖」「不穏感と緊張感」「サスペンス」「静かに進行する底深い悪意」等々が、前もって見ていた(聞いてた)キャッチ・フレーズ。
・ 私が鈍感なためか、そこから予想されるような「負の感情のこわさ」みたいなものは、ほとんど感じなかった。
・ その代わりに、こちらの(観客・私)の見たい・知りたいという欲望が、手玉に取られ、いなされて翻弄される「快感」に近いものを堪能した。
・ 前半で「見えない」「わからない」と意識されるが故に「見たい」「知りたい」と思われることが、後半で充足されるように進行するのは常套だろうが、さらに「見ていた」中にも「見ていなかった」ものが後で追認されて、見たい・知りたい欲望は、充足と崩しの両方を被る。
・ その「翻弄」される快感の頂点に、あの「圧巻の24分間長回し」のシーンもまた、あるように思った。
・ 固定カメラの視点からの(誰々の記憶や想いに頼らない)「客観的」で「リアルな」真実の場として提示されるものが、きわめて「窃視的」であること。そして、そこまでリアルな場に引き込んでおきながら、(固定カメラであるが故に)決定的な”あそこ”は段ボール箱に隠されて見えない。
・ 「見えない」だけではない。いくつものシーンで決定的な会話が「聞こえない」。見えないし聞こえないのに、観客・私は聞いてしまって、見えてしまっているように誘導されている。これも翻弄される「快感」に近い。
・ “FORMA”は、人間の「業」「悪意」の形相(本質)のことなのであろうが、私にとってはむしろ、観ている(見たい・知りたい)私の欲望の形相(本質)のことを表しているように思われた。
【2014年8月26日記】


◎ 2014年8月25日(月) 「同僚の記事」
・ 今朝の朝刊に、心理学科の同僚の記事が出ていた。
・ 繁桝江里先生は、湘南高校のずっと下の後輩でもあるのです。

【2014年8月25日記】

◎ 2014年8月24日(日) 「Cross Face Bundle」
・ skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 準備運動・アップ・打ち込みのあと、手をかけて押してきた相手の力の方向を変えるように、相手の腕を落とす・上げる・たぐるという三つのやり方で練習。
・ さらに、その落とす・上げる・たぐるによって崩したところに、タックルに入ったり、がぶったりする練習。
・ 試合でのコーションを与えられた設定で、攻めきる練習を、攻める側をジャンケンで決めて30秒でまわす。
・ 寝技の打ち込みのあと、私も比較的よく使う"Cross Face Bundle"とも呼ばれる技を、野村コーチの解説つきで練習。木曜日にも大学レスリング部の練習でも「自由研究」させてもらった技なので、グッドタイミング。
・ レスリング技の名称ではよくあるように、「絶対的な名称」というのがなくて、この技も色々違う仕方で呼ばれるようだ。YouTubeで動画を探すときに、不便なんだけど。
・ ”cross faceからのbutcher”や"cross faceからのarm wrap"とも呼ばれることがあるようだし、"墓固め"だったかな(?)そのような呼び名もあるのだとか(野村コーチ談)。この技でフォールされた時の格好が、胸の前で両腕がクロスした形になるからか?
・ 野村コーチの実演とアドバイスで、とても有益だったのは「足(膝)」の位置と使い方。
・ 上半身中心の寝技(固め技)なので、そちらに注意が向きがちになるが、「縁の下の力持ち」的に働くのは足の使い方・運び方。この技を仕掛けて失敗する経験を何度もしているので、そのアドバイスの意義が身にしみる。
・ スパーは全体で4本で、私はそのうちの2本に入る。最後の補強は、二種類の腕立て伏せ。レスラー式の擦り上げタイプと、足を内側に絞り込みながらやるタイプ。
・ 今日の集合写真は、全員「立ち」でいつもと違う感じ。なんだか雰囲気があって、なかなかイイ写真ではないだろうか。

【2014年8月24日記】

◎ 2014年8月22日(金) 「オープンキャンパス中」
・ 大学はオープンキャンパスで、ふだん以上に混み合っている。しかも圧倒的な女子の数。
・ 私は、20日(水)に心理学科の個別相談を担当。「(青学を受験したいにもかかわらず)女子の多さは悩みの種」と語った中高男子校在籍の男の子もいて、彼とはしばし「女子論」のような話になる。

・ 昨日21日(木)の午後3時〜5時は、久しぶりに大学レスリング部の練習に参加。
・ オープンキャンパス中なので、「体験会」とか「見学会」みたいなことをやったらどう?と私が話を向けると、「こんな汗だくで暑苦しい場面を見せたら、人が来なくなりますよ・・・」という答えが返ってきた。
・ アップとして、二人組で前転ジャンプ、連続馬跳び。股くぐり馬跳び、大の字ステップ、逆大の字ステップ、イラン体操。
・ 5分の打ち込み×2本のあと、3分スパー×10本,1分スパー×20本、最後にもう一度打ち込みというメニュー。私は途中休みを入れながら、仲上君と打ち込みとスパーを、猪口君にもスパーの相手をしてもらう。
・ 最後の打ち込みのときに、仲上君に頼んで飛行機投げ(fireman's carry)の練習をやらせてもらう。「引き手」と「脇の絞め」の連動について気づかされることがあった。
・ 最後に、寝技の研究を一点だけさせてもらった。クロス・フェイスからの腕取りの初動が(守られてしまって)うまくいかない場合には、取り方を変えて、両手で相手の片腕を引き寄せるパターンに移行という方式でやってみる。
・ 大学レスリング部は、来週はインカレの試合で岐阜へ遠征、そのあとは解散で各自帰省となるので、また練習に参加させてもらえるのは、しばらく先になってしまう。
【2014年8月22日記】

◎ 2014年8月21日(木) 「概念を動かしてみる」
・ 東京書籍の編集者・佐藤さんから、高校教員向けの情報誌である『ニューサポート 高校国語』vol.22(2014年秋号)が届いた。
・ 私が依頼されて書いた文章は「概念を動かしてみる」で、特集「大学への国語」の一つとして掲載されている。
・ 「概念を動かしてみる」は、普遍・一般・特殊・個別という4つの概念のあいだの関係について考察した文章。
・ 偶然だが、私の一つ前の文章「古典のかなづかい」を書いているのが、湘南高校で同窓だった今野真二君(清泉女子大学教授)。高校の卒業アルバムを取り出して、当時の今野君の写真と今回の顔写真を比べてみたりした。
・ 掲載文章を読んで面白かったので、彼の最近著の『古典のかなづかい』(中公新書、2014)も注文させてもらった。
 
【2014年8月21日記】

◎ 2014年8月17日(日) 「実験1・2・3」
・ 3週間ぶりくらいのレスリング練習。skアカデミーの朝練(8:30〜10:30、担当:今泉コーチ)に参加。
・ 準備運動の中で「レスボール」。二つのチームに分かれて中央に置いたボールを膝つき状態で動いて奪い合い、相手陣地の端まで持って行くと勝利というゲーム。複数人で一人をフォールするのも認められている。
・ 不思議なことに(?)、4回やって4回とも同じチームが勝利。ボールゲームのチーム連携ができるかできないかが、大きな差を生んでいた。
・ 3分×3本の打ち込みのあとは、自由練習的に、打ち込みの「先」を続ける。
・ 技術練習では、がぶり・がぶられた状態と、片足を取った・取られた状態からの攻防を練習。切るときに相手の胴体へ手を回したり、相手の出足を抑えるために手を使うなどを練習。
・ 私は、切るときに、仲上君に習った「胴体絞り」も使ってみた【実験1】。
・ 寝技の技術練習では、股裂きへ入る状態を作る法として、相手の横に座り込むようにして、相手の胴体を自分の足(膝あたり)に乗せる方法を解説してもらってから、練習。
・ 「自分の足を相手の下に差し込む」のではなく「相手を自分の足に乗せる」という逆転の発想がいいし、(股裂きだけでなく、股裂きが防がれた場合に)他の技へと繋がっていく「結節点」となりうるところが面白い。
・ スパー2本の中で、二つのことを試してみる【実験2と実験3】。実験2は成功し、実験3は失敗。
・ 「実験2」は、タックルに対してタックルで応じたらどうなるかというもの。
・ これ関しては、初めての試合の時に苦い思い出がある。両方が<偶然に>同時にタックルをしかけて、私の方が一歩出遅れた不安的な姿勢でタックルを受けてしまって、ひっくり返された。
・ 「実験2」は、この状態を<偶然に>ではなく<意図して>作るといもの。
・ (相手のタックルを待ってのカウンターだから)一歩出遅れるが、それを不利な体勢に繋げないようにして、タックルを切るのではなく、相手以上の勢いのタックルで受け止めることができるか・・・という実験。
・ 一回だけでは何とも言えないが、今回は見事に「成功」。私の方はびくともせず、相手には(意図していない)強い衝撃があって潰れる。
・ 「実験3」は、相手の腕を"Gift Wrap"状態にすることを、(Chokeへともっていくためではなく─レスリングには絞め技はないので─)別のレスリング的な仕方で使用はできるか・・・という実験。chokeの方に興味ある方は、"Gift Wrap Choke"で検索してみて。
・ 「団子状態」のようにも見える、何をしているのか分からない写真の3番目が、おそらくこの「実験3」の最中だと思われる。
・ そうだとすれば、下になった若者の首には、彼自身の片方の手が(蛇が巻き付くように)巻かれていて、上になった私はその彼の手を引っ張りながら身体を移動させて、彼の身体をひっくり返そうとしているところ。
・ しかし、この「実験3」はうまくいかなかった。また状況ややり方等を変えて、試してみたい。
・ 写真の2番目は、その同じ若者とのスパーの最初のほうのものだろうか。
  
【2014年8月17日記】

◎ 2014年8月13日(水) 「だいじょうぶ、無事です」
・ 「足裏影の会」幹事のTさんから、以下のようなメールをいただきました。

ところで最近入不二先生のwikiが更新されていませんね(7月29日を最後に2週間更新がないようです)。
最後に「忙しくなりそう」みたいなことを書かれているので時間がないだけなのかも知れませんし、
夏休みでどこかへ出かけているのかも知れませんが、2週間もあいだが空くことはあまりないのでちょっと心配です。

・ そのような心配をしてくれるのは、Tさんくらいだと思います(笑)。どうもありがとうございます。だいじょうぶ、無事です。
・ 採点や、単行本化に向けた修正加筆に集中していて、レスリング練習もお休みしていたら、いつもの身辺雑記書きから、完全に離れてしまいました。wikiの更新だけでなく、その他のSNS等からも完全に離脱状態です。
・ ネット関係は、やっていると過剰になるし、やめるとどうでもよくなる。ある意味、こちらの離脱状態の方がノーマルという気もします。
・ しかしながら、ネットだけではないか。原稿書きに一生懸命になっていると、今度はレスリングどころか、椅子に座りっぱなしで運動不足になり、身体に悪いです。複数のことを程よくこなすというのは、とても難しい。
・ レスリングの練習を再開したら、練習記録を再開します。
【2014年8月13日記】

◎ 2014年7月29日(火) 「ヒリヒリ/試験期間」
・ 久しぶりに土曜日夕刻のskレスリングの練習に参加(担当:今泉コーチ)。
・ アップでは、四つんばいで足を触りにいく鬼ごっこを、一対一バージョンとバトルロワイヤルで。さらにタックル切りの真ん中・左右も。
・ 技術練習では、崩しの組み手を練習。摑まずに滑らせるようにという今泉方式を練習。
・ 相手の腕を取って横に流し摑んだままで、回り込むようにして相手の腰骨にもう一方の手をかけて、巻き込むように倒してバックを取る練習も。
・ さらに、崩しから、がぶって落としてバックへ回るところまでの練習も。
・ スパーリングは、二人の若者とやって消耗。一人とは、フォールを奪って奪われのシーソー展開。もう一人の20歳のラガーマンからは、いいタックルにスカッと入られてしまう。
・ 最後は、二組に分かれて、勝ち残りで30秒間で回していくスパーで終了。
・ 練習中は気づかず、シャワーをしたときにヒリヒリとしみて初めて分かったのだが、右大腿部裏に長い引っ掻き傷。
・ 三日経ってだいぶ良くなってきたけれども、今も写真のように傷跡が残っていて、まだ「しみる」。


・ 今週は定期試験期間で終わるのは8月1日(金)。その後の採点期間も含めると、8月の半ばまでは執筆(単行本化のための修正加筆)に専念できそうもない。
【2014年7月29日記】

◎ 2014年7月24日(木) 「等々力渓谷/霜さん授業中」
・ 等々力渓谷(cf.写真1・2)へ妻と散策に出かけて、久しぶりに用賀俱楽部で昼食。
・ 等々力渓谷は世田谷区にある都区内唯一の渓谷。以下の写真のように、東京都区内とは思えないような環境(写真3・4・5)。
・ 環八(環状八号線)の下を跨いで広がっているので、途中環八の下を通る(写真6)。その環八下だが、なんだか(石は大きいけれども)「賽の河原」のような感じ(写真7)。
・ 私たちは、駐車場が利用できることもあって、等々力不動尊から入ってここへ戻る(写真8)。

写真1・写真2

写真3・写真4・写真5

写真6・写真7

写真8

・ 友人の霜栄氏(駿台現代文科)は、いま夏期講習真っ盛りで、一年でもっとも忙しい時期だろう。
・ 彼の授業内で使用されるキャッチコピー(?)に、「タイのおかしら」(鯛のお頭)というのがあるそうだ。
・ 以下の写真の「ポイントメモ Ⓟ」にそれが書いてある。

【2014年7月25日記】


◎ 2014年7月23日(水) 「技と概念」
・ 大学レスリング部の練習に朝7時から参加。
・ マット運動等を加えたジョグ、サーキット、柔軟運動のあと、打ち込み3本を仲上君と。
・ そのあと、3分スパー×10本のうち、私は最初(仲上君)と最後(竹之内君)の2本ずつの4本に入らせてもらう。
・ 相手が四つんばいで(肘や膝をマットにつかずに)耐えている状態(この状態ではノーポイント)のときに、相手の背中に乗っかって、そのおんぶ状態から相手の腕を(つっかえ棒を外すように)前へ出させることによって潰すやり方に挑戦して、初めて成功。
・ スパーリング後の技術練習では、上半身にかける技に絞って、そのバリエーションを確認しての打ち込みと、ローリング(ガッツレンジ)の練習。
・ 長谷川コーチがプレゼンしていた技の中には初めて見るものもあって、もう少し繰り返し見たり教わったりしたかったが、今回は機会を逃す。
・ 知らなかった技を見たときの驚きや興味のそそられ方は、新しい(各哲学者固有の)概念を知ったときのそれに似ている。大学生のときに知ったカントの「超越論的観念論」などはそれに当たるかな。
・ その中には、使えるようになったもの、自分流にアレンジを加えたいもの、知っているだけで十分には使えないものもある。
・ その点でも、技と概念は似ているように思う。
・ 長谷川コーチによるローリング(ガッツレンジ)の指導も面白くて、この技への私の見方が少し変わった。
・ ローリング(ガッツレンジ)は、あばらを締め付けることによる「痛み」があることは分かっているが、それでも、特殊レスリング的な(レスリング・ルール内のみで有効な)技という色彩が強いように感じていた。
・ しかし、長谷川コーチのそれは、(回そうとする以前のところで)肩甲骨下辺りから腰にかけて痛みが走る強烈なもので、タップしたくなった。
・ これだったら、相手からギブアップを奪うためにも使える技ではないか!と思った。
・ 技の全体的な流れだけを見ていたら、そのような痛みを伴わないローリング(ガッツレンジ)とそれほど区別はつかないかもしれない。しかし、細部では決定的に違っている。
・ この点でもまた、技と概念は似ているように思う。
【2014年7月23日記】

◎ 2014年7月21日(月) 「写真追加」
・ 昨日のskレスリング練習中の写真(今泉コーチが撮っていたもの)から、4点拝借。

・ 組み手における崩しの練習中のもので、私(向かって右から3人目・Tシャツ黒)が相手と離れて一人で立っているのは、(おそらく)相手を崩して転ばせた後だからか(左横の方で尻餅をついているのが相手)。

・ 野村コーチから、私(Tシャツ赤)が体重のかけ方のアドバイスを、中腰姿勢で聞いているところ。

・ 寝技練習に入る前の、お互い(今井さんと)のマッサージ・シーンであって、技をかけられているのではありません!

・ スパーリング後、練習最後の補強運動。タックル切り(バービー)・ジャンプ・正座⇄立ち上がりを組み合わせたサーキット的な補強。
【2014年7月21日記】

◎ 2014年7月20日(日) 「文章表現/レスリング表現」
・ 2年あまり続いた連載は無事に終了したけれども、その内容を授業でしゃべっていると、もっとこう書いた方がいいとか、これを付け加えた方がいいとか、気づくことが多い。
・ 授業準備を兼ねて、その加筆修正を行っていて、活字版(『本』掲載版)とそれに修正加筆したワープロ版(書籍予定版)を学生にはいっしょに配布している。
・ もし学生たちが、この書き換えにおいて何が加えられどこが修正されているかを、比べて読んで検討する気があるならば、文章作成のための教材にもなりうる。

・ 日曜日の朝8:30〜10:30は、skアカデミーのレスリング練習(担当:野村コーチ)。
・ このところ、アップのために「鬼ごっこ」をやっているが、今日は「クマ歩き」「カニ歩き」「膝つき歩き」での鬼ごっこ。
・ 一番キツいのが「カニ歩き」での鬼ごっこで、しかも全員が「後ろ四つんばい」でシャカシャカ逃げ回り追い回しているシーンは、ホラー映画のようで気持ち悪い。
・ 本日の技術練習は、
(1)一方がcollar tieを組んでこようとするところを、他方が種々の仕方で崩す練習。一定時間役割を決めて、連続的に崩しを繰り返す。
(2)低く片足を取られた状態から始めて、首根っこを押さえ、相手に体重をかけて動けなくして、さらに取られた足を抜いて回転してバックへ付く練習。
・ (1)の崩しの中に、竹之内君から教えてもらったやり方を混ぜてみたら、二度ほどうまく行った。痛いから、相手はその状態を回避しようとして、バランスを崩したり腕が伸びて取りやすくなったりする。
・ (2)で相手に体重を乗せるときに、もう一方の踏み出している足が十分に遠くないと、取られている足の太ももとふくらはぎの距離・角度が大きくなって(腰を沈め切れず)、体重が十分にかからない。
・ 寝技の打ち込みは、今井さんと。しばらくぶりにお会いした今泉コーチから、ネルソン系の技に拘りがありますねと言われる。
・ 「得意(技)」というのとは違うが、「好きな技」と「そうでもない技」の差は明確にある。
・ その「好きな技」をつなぎ合わせてレスリングを自在に構成できたら、自分のレスリングを表現したことになるのだろうけれど・・・それは至難。私には、文章表現の方がずっと容易。

【2014年7月20日記】

◎ 2014年7月18日(金) 「連載第25回・最終回「運命論と自由」」
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年8月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、最終回「運命論と自由」。
・ 2年あまり続いた連載も、これで無事終了。ゴールまで余裕を持って走りきった感じ。
・ 現在は、単行本化に向けて修正加筆中。全体の分量は、1.2倍から1.3倍程度には増えそう。タイトルは、私としては『運命論の運命―あるようにあり、なるようになる』がいいかなと思っている。 
・ 小見出しは、「因果的決定論と論理的運命論と自由/物語的な自由/自由からの自由、そして運命論の運命/あるようにあり、なるようになる」。

【2014年7月18日記】

◎ 2014年7月16日(水) 「基本」
・ 大学レスリング部の朝7時からの練習に参加。
・ 準備運動・サーキット・柔軟のあと、打ち込みを5分×3本。
・ 打ち込み後、学生たちは3分のスパーリングを×10本連続で。
・ 私はそれは無理なので、途中の4本に入れてもらう(2ピリオド×2本で)。1本目を仲上君、2本目を竹之内君と。
・ スパー後は、軽量級の3人(仲上君・竹之内君・私)は、長谷川コーチのもとで、基本に戻って両足タックルに入る練習。
・ 予備動作なく平行移動で入る見本をやってもらって、さらにレクチャー。
・ 長谷川コーチがiphoneで3人の両足タックルに入るところを動画にとって、それを再生して悪い点を指摘してもらいながら、修正練習。
・ 最後に倒すところでおじぎをするかのように頭が下がるケース、(無意識に)後ろに下がってから前へ進むために思ったほど入れていないケース、最後に足が付いていかないで飛ぶようになってしまうケースなどあり。
・ 私の場合は、後ろ足の蹴りについてや、レベルダウン・入る・倒すの3段階に分かれてしまう点について等、指摘を受ける。
・ バーンと入ってぶっ倒す練習なので、やる方より受ける方が大変。一度、仲上君のタックルで受け身が取れずに後頭部を痛打。
・ その長谷川コーチの記事が、本日研究室に配られた「青山学院大学新聞」(2014年7月15日(火)第285号)に掲載されていた。

【2014年7月16日記】

◎ 2014年7月13日(日) 「学派(学問共同体)/Inside Trip」
・ 昨日の夜は、東京プリンスホテルでの「加藤信朗先生の米寿を祝う会」に出席。
・ 授業後、大学の駐車場から車で出発し、高樹町から(首都高に)乗って芝公園で降りる。途中渋滞に巻き込まれたけれど、ぎりぎり開宴には間に合った。
・ A~Jまでの円卓席の中で、私が座ったDで一緒だったのは、荻野弘之さん・押田連さん・桑原直己さん・三嶋輝夫さん・森一郎さん・山田友幸さん・山本芳久さん。
・ 学部・大学院の頃に受けていた授業で印象的だった加藤信朗先生のお姿は、トレードマーク(?)のあれとあれ。
・ 一つは、授業で話すのを突然止めて、斜め上の方を見つめてしばらく沈黙を続けるお姿。整った顔立ちの学者だからこそ様になるポーズであり、虚空に何かを見出そうとしている雰囲気があって哲学者にお似合いのポーズだった。
・ もう一つは、時にというよりは割と頻繁に訪れる「高笑い」だった。その「高笑い」は子どものそれにとてもよく似ていた。この二つの「トレードマーク」は、88歳の今も尚ご健在。
・ 会場で映し出されたスライドから伝わってきたのは、海外の著名な哲学者たちを含む先輩や同輩の哲学者たちとの親密な交流や、育てた数多くのお弟子さんたちがその輪に加わることで広がっていく、あるいは受け継がれていく共同性と歴史。
・ それは、「学派(学問共同体)」というもののが醸し出すにおいや感触を伝えていた。

・ 日曜日の朝8:30〜10:30は、skアカデミーのレスリング練習(担当:野村コーチ)。
・ ジョグ・体操・マット運動・柔軟運動・アップ(プラスアルファありのダッシュや片足相撲の団体戦)のあと、打ち込み。
・ 本日の技術練習・ドリルは、3種類。
・ (1)回り込むタイプの片足タックル。(2)四つに組んだ状態から崩して、内掛けを加えた浴びせ倒し。(3)がぶられた状態からの返し技。
(1):相手の足を棒に見立てて、その中心軸周りを小さく回ることを心がけるが難しい。この片足タックルからのアンクルホールドへの繋ぎ・移行は、わりとうまくスムーズにできた。
(2):内掛けといっても「刈る」のではなく、重心のかかった相手の足へのストッパーをかけるように挿入し、胸を合わせて体重を浴びせる感じ。"Inside Trip"攻撃をちゃんと練習するのは初めて。
(3):相手が膝をついている場合には、外無双を加えることで相手の足を引かせてスペースを作ったところで、スイッチしてくぐるという合わせ技もある。
・ 寝技の打ち込みのあとのスパーは、小野寺さんと冨川さんと。今日は、どちらもフォールを取られも取りもしなかったけれど、ポイント的には優勢で終わったのではないかな。

【2014年7月13日記】

◎ 2014年7月11日(金) 「水・木・土」
・ その日のうちに書く時間がなかったので、まとめて9日(水)・10(木)の練習メモ。あと明日12日(土)のこと。
・ 9日(水)の朝は7:00からの大学レスリング部の朝練に参加。太田監督は、世界学生選手権グレコローマンの監督としてハンガリーに遠征中。
・ 準備運動・アップ・柔軟の後は、打ち込み5分×3本(仲上君と)→3分スパー(私は連続2ラウンド×2だけ、竹之内君と)→最後に打ち込み(竹之内君と)。本日は早めで1時間半で終了。
・ 竹之内君も、私のような者の相手をするのに(前回よりも)慣れてきたのか、竹之内君らしい技も出して攻めてくる。こちらの腕取りに対する返し技としての足技や、アンクル・ピックなど。 
・ さらに、前回竹之内君から教えてもらった「間合いを詰める中で相手の手首―肘が極まる技」もやられてしまった。一瞬、痛みが走る。

・ 10日(木)の夜は、Tri-Forceの柔術ビギナークラスに久しぶりに5回目の参加。
・ 技術練習はパスガードで、膝を滑り込ませるもの・足を担ぐもの・足を横倒しするもの等のバリエーションで5種類。
・ スパーは、同じ白帯の若者と。細身だし静かな雰囲気だったので楽勝かなと思ったら、大間違いで、スパーを始めたらもの凄くアグレッシブに攻めてくる。
・ 最初は、下から(おそらく)十字締めを、左右のパンチをするかのように激しく狙ってきた。
・ それは何とか凌いで、私の方が立ち上がろうとしたり相手の腕を取ろうとしている中で、ぐちゃぐちゃになって回転し、その中でバックに回られてしまう。
・ スリーパーホールドに入られて、コーチから「完全に入っていたらタップしたほうがいいですよ」と言われるが、まだ完全ではなかったのでタップせずに頑張ってみる。
・ 私の頭にかけていた方の相手の左手を外して、その手首を返しながら(自分の肩を支点にして)相手の肘を極めようとしてみる。しかし、これだけでは固定しきれずに極められない。
・ 結局、お互いに極められないまま時間切れ。

・ 明日の土曜日は、午後から夕方までの授業のあと、「加藤信朗先生の米寿を祝う会」に出席予定。
・ おそらく、ほとんどの出席者がギリシア哲学関係者であることが予想される。
・ 会の案内が(ギリシア哲学関係者ではない)私にも届いたのは、大学院時代に加藤先生の初期プラトン哲学についての授業を受けていたことや、個人的な繋がりからだろう。お互いの自宅も比較的近い。
・ 青学を今年早期退職して建築士を目指している三嶋輝夫先生とも、会の席上で会える予定。
【2014年7月11日記】

◎ 2014年7月5日(土)・6日(日) 「小説のように読んでくれている方がいる/グラウンド・コブラをかけてみる」
・ 北大でのシンポジウムから、もう一週間が経ってしまった。
・ 土曜日は夕刻までの授業(院ゼミと演習)をした後、大学レスリング部のOB会の懇親会に出席(長谷川コーチのアジア大会出場へ向けた壮行会も兼ねる)。
・ 副部長としての挨拶のときに、高木恭平君の「イケメン」ネタに言及したら、そのあと高木君が自己紹介や激励の言葉等で登場するたびに、会場から「イケメン!!」と野次(相の手)が入ることに(笑)。
・ OBの吉住さんは、私のこの「身辺雑記(メモ)」の最高読者の一人であることが判明。
・ ただ他人の生活記録(主にレスリング日記)として読んでくれているだけでなく、まるで小説(私小説?)であるかのように読んでくれている。
・ 時々登場する私の友人の話や幼い頃の話も含めて全体のストーリーを想定しながら読み、かつ全内容を覚えてくれていて、私のこれまでの人生を俯瞰するように論評してくれる。
・ さらに、書かれていない場面やストーリー展開まで想像的に推測していて、それを著者である私に会ったときに投げかけてみることを、読者としての楽しみになさっているそうだ。
・ 昨日は、私の主な活動の場である二つ(哲学とレスリング)をリンクさせて、哲学者たちの集まりの中にレスラー・イリフジがいる場面を想像すると・・・という話をなさっていた。
・ 実は、吉住さんのその想像内容は、先週の学会の一場面において実際に起こっていたことだったので、その想像力に恐れ入った。吉住さんのような読者に読んでもらえることは、書き手冥利に尽きる。
・ 写真は、現役学生たちの自己紹介シーン(前列は1年生)と、長谷川コーチの挨拶シーン。


・ 日曜日の朝(8:30〜10:30)は、skアカデミー・レスリングの練習に参加(担当:野村コーチ)。
・ 全日本選抜サンボ選手権大会や全日本社会人レスリング選手権が行われている影響もあってか、いつもより少人数。
・ ランニング・マット・アップ・柔軟運動のあと打ち込み。アップの一環で、片足けんけんでの相撲や膝裏さわり競争。
・ 技術練習では、技のつなぎ・連続性という点を意識して、片足(頭外・頭内の両方)から始めて、引いてから両足への移行や肩口へ腕を回し浴びせ倒す技への移行をまず練習。
・ さらにその後の連続も入れて、倒したあと離れずにフォールまで持って行く過程を練習。
・ 寝技練習の本日のテーマは、股裂きを防がれた後の腕取りへの移行。
・ 相手が股裂きを防ぐために腰を上げ、四つんばいになってきたときに、対角線上に(私の場合、右で相手の左の)腕(肘辺り)を下から取って、逆側の手(左)を差し込んでアームバーに固める。
・ そのあと股裂きの足を解き、もう一方の手(相手の右手)も引き寄せたたみ込んで、相手の身体を表返してフォールへ持って行く。
・ その反復練習の最中に、私は別の展開も試してみる。
・ 股裂きの足をそのままにして、対角線上に取った相手の腕を、(アームバーへ移行する代わりに)そこに頭を潜り込ませたあと、さらに右腕を挿入してコブラツイスト状態へ。
・ 要するに、グラウンドでコブラツイスト(あばら折り)を極めた状態。野村コーチに、マニアックな技を知っていますね!と言われる。
・ 一般の人が知っている(とすればの話だが)「コブラツイスト(cobra twist)」はプロレス技であって立ち技。しかし、本来は(というかリアルなファイトで使えるのは)、寝技式でのコブラツイスト(グラウンド・コブラ)。
・ アマチュアレスリングでは、アメリカのカレッジスタイルのレスリングなどで使用されていて、「ギロチン(Guillotine)」と呼ばれている。
・ また、柔術やグラップリングでは「ツイスター(Twister)」と呼ばれているそうだ。
・ スパーリングでは、今井さんの得意技の片足タックルやがぶりからのパンケーキをいいようにやられて、なすすべ無し。
・ 最後の補強は腹筋運動。その今井さんとペアで、足の上げ下ろし30回・左右へ振る腹筋運動100回・壁に足を90°でかけてのお尻上げ50回。

【2014年7月6日記】

◎ 2014年7月2日(水) 「再び手首だ」
・ 大学レスリング部の朝練(7:00~9:00)に参加。
・ 学会出張のためskでの練習を休んでいるので、一週間ぶりのレスリング練習。
・ アップ・柔軟のあと、打ち込み5分×3,技術練習、もう一度打ち込み、補強というメニュー。
・ 技術練習は、投げ(一本背負いor首投げ)とtwo-on-oneの二種類を、長谷川コーチのレクチャーの後それを反復練習。私は仲上君と。
・ 投げでは、押し引きのタイミングのところから始めて、180°プラス90°の回転のための重心や身体位置(しゃがみ込む・膝つき)、投げっぱなしにしない(押さえ込み)等を意識しつつ。
・ two-on-oneでは、(相手の手首を自分から取りに行かずに)肩の微動によって落として迎える、畳んで押し上げる、押し返してきたところを引く、手首の持ちかえと3点での極め、おじぎとサイドステップという部分に分けつつ反復。
・ 「畳んで押し上げる」ところでは、相手の胸骨のあたりに押しつけて、取った手首を絞り込み(回転させ)ながらアッパーカット気味に下から上へ押すようにすると、それほど力を使わずに相手が浮き上がる。
・ 実際に、長谷川コーチにかけてもらったときには、浮き上がってしまって耐えられない。
・ 一方引くときには、手首を握った側の「順手/逆手」を持ちかえる(しかも手の親指の付け根のふくらみ(母指球)あたりを摑む)のが「長谷川流」。その握り替えを、いったん手を離すことなくスムーズにやるのがポイントで、仲上君と交互に繰り返してみるが、お互い「なかなか難しいね」という感じだが、何度かはいい感触もあり。
・ 「長谷川流」だと、引いた際に3点(手首・肘・肩)が連動して極まりやすい感じがするのは分かった。先週に続き、手首のコントロールがポイントになっていたことになる。
・ 補強の腹筋運動後も、しばらく仲上君とtwo-on-oneのこの取り方を練習してから終了。
【2014年7月2日記】

◎ 2014年6月28日(土)・29日(日) 「日本哲学会シンポジウム/阿部君との再会」
・ 日本哲学会第73回大会のシンポジウム「未来という時間」の司会者の一人を務めるために、北海道大学へ出張。
・ 今回は司会者のため、シンポジウムの中では控えめなまとめとコメントしかできなかった。
・ しかし、三人(青山拓央・須藤訓任・中島義道の三氏)の論文に対する私の読みとコメントは、予めその三人ともう一人の司会者・斎藤慶典氏には渡して読んでいただいていた。
・ そのコメント原稿を、もう一度ここにPDFでアップしておきます<青山・須藤・中島へのコメント>。
・ 驚いたことに、中島さんは、そのコメントの一つ一つについて"Yes/No"の応答を用意していて、さらに私の『時間と絶対と相対と』(勁草書房)まで読み返してきたうえで、私に応答しようと準備していた。
・ 控え室での打ち合わせのときに、「今回私は提題者ではないので、私にはあまり突っ込まない方がいいと思います」と司会者として抑えていただく発言をしたが、さすが中島義道だと感心させられた。
・ 実際にシンポジウムの中で、私ができたコメントは、以下の二点のみ。
(1)時間推移と時制区分と様相区分の三つは別物であるという観点から、三論文を見たときの三者の関係性と不徹底。
(2)三論文にそれぞれの仕方で含まれる(マクタガート的なものとは異なる)時間の「矛盾」的なあり方(その種の「矛盾」が時間を構成していると、私は考えているが)。
・ フロアからの質問・コメントで、私個人として興味深かったのは、最初と最後の青山論文へ向けたもの。
・ 一つは、青山論文が「なる」の優位性を説きながらも、トークン個体や現実世界を論じるところで、もう一度「ある」(現に・・・である)へと戻って、そこに依存している。その両者の関係はいかに?というもの。
・ もう一つは、青山論文における「実現可能性」は、能力の問題に他ならないのではないか、というもの。(私自身は、「能力」という意味での可能性ではないと同時に、様相は潰れると思っているが)。
・ 全体の懇親会に出た後は、上野修・伊佐敷隆弘・鈴木泉・青山拓央氏の四氏と鈴木氏の神戸大時代の教え子二人もいっしょに二次会。上野さんだけ、翌日の発表のために早退。

・ 日曜日の午前中は、北海道大学大学院文学研究科・文学部の映像・表現文化論講座で教員をしている阿部嘉章君と、彼の研究室ですごす。
・ 阿部君は、湘南高校の同窓生かつ同じ文芸部部員で、2009年に彼が立教大学に勤めていた頃に会って以来の再会。
・ 高校時代にはしたことのなかった、彼の小学校・中学時代の話や家族の話が聞けて、私の中に散乱していた(?)阿部嘉章像が鮮明になった気がした。
・ 阿部君と私のあいだを「媒介する」、しかしつい最近までそのことをお互い知らなかった友人・鈴木薫君がいる([http://www.rollingstonejapan.com/culture/rock-frea...]も参照)。つまり、鈴木君は、私とは小学校三年生までの同級生かつ同じ川崎の団地で育った旧友で、阿部君とはその後(鈴木君が川崎から鎌倉へ転居後)の小学校以来の、中学・高校も一緒の家族同士の付き合いもあった友人。
・ 湘南高校において、私は鈴木薫君と小学校低学年以来の再会を果たしたのだが、阿部〜鈴木の間に太いパイプがあることは、当時(高校時代は)全く知らなかった。
・ 阿部君の小学校・中学校時代の話や家族の話を聞くことで、同時にもう一人の旧友・鈴木君や彼のお母さんの当時の姿も知ることができたわけだ。
・ 阿部君の換喩論(『換喩詩学』(思潮社)参照)は注目すべき作品で、彼は排中律と換喩の関連性の話もしていた。
・ また認知言語学の話題が出たので、野矢茂樹・西村義樹著『言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学』 (中公新書)を薦めておいた。
【2014年6月30日記】

◎ 2014年6月25日(水) 「合気道的」
・ 大学レスリング部の7時からの朝練に参加。
・ 本日は、アップ・マット・柔軟・打ち込み3本のあとは、長谷川コーチの指導の下でずっと技術練習。
・ アンダーフックの「さし」からの展開と、腕取りによる崩しを、私はずっと仲上君と(最後に少し主将の松田君とも)。
・ 完全にさされて振り回されたりいなされたりすると、守ることができずマットへ這いつくばらされてしまう。
・ 試しに、(さされたあと)或る方法で固めて守ってみたが、それはコーションになってしまうだろうということであった。
・ 腕取りによる崩しの練習での長谷川コーチの指導がとても興味深く、初めて聞くアドバイスであった。
・ 要するに、手首に加える僅かな回転によって、手繰ったときの肘関節が極まる位置関係になるという理屈を取り入れた腕取り。
・ 長谷川コーチや友人の湯元選手は、このポイントを自分たちで気づいたそうだ。とても「合気道的」だなと思った。
【2014年6月25日記】

◎ 2014年6月23日(月) 「贅沢な時間」
・ 21日・土曜日の夜は、哲学文献講読演習に出席している学生たちと、イメージフォーラム横の根室食堂で飲み会(夜哲の会)。
・ 制度上の受講者(心理学科生)だけでなく、卒業生(青学の院生や他大の院生)や他学部生なども出席している演習で、私の中では一番楽しい授業。
・ 授業内では聞くことのできないエピソードが披露されたり、普段は見せない面が垣間見えたりで、それぞれに「強者(つわもの)」揃いであることが判明。何しろ、土曜日の夕方に、しかも単位取得も関係なく受講している人たちなのだから。
・ 今回はさらに、同僚の薬師神玲子先生も特別参加してもらったので、飲み会の楽しさは倍増!

・ 土曜日の夜が遅かったので、22日・日曜日のskレスリングの朝練は断念。
・ その代わりに(十分に睡眠をとって)、かねて柔術家の孫さんに(柔術の練習に)誘って頂いていたことを想い出して、孫さんが教えている高田馬場道場の夜のクラス(19:30〜21:00)に出稽古に行く。
・ たまたまその日は、孫さんと一回スパーリングをして帰った会員さん以外は、私だけしか参加者がいなかったので、何とほぼ90分全てがマンツーマンの個人指導に!何と贅沢な時間であることか!
・ 始めたばかりの(しかも時々しかやる時間が無い)ブラジリアン柔術なので、一つ一つゆっくり教えてもらえるのは、とても貴重な機会だった。
・ 下になった体勢からの相手への足の当て方や位置、相手に横や頭側に回られたときの体勢の立て直し(回し)方などから始めて、下からの攻撃として、三角締めと腕拉ぎを中心に、移行の仕方や切り替え方を含めて丁寧に教えて頂く。
・ さらに、パスガードの練習も始めてやって、絞め技として袖を持つタイプの裸締めや、袖車締めを試してみる。(レスリングでもやるから比較的得意な)オーバーフック状態からの関節技や三角締めへの移行などもやらせてもらう。
・ その流れで、オモプラータも始めて試してみるが、最後の「女座り」の部分がどうもうまくいかなかった。
・ とにかく盛りだくさんにやったので、すべてはちゃんとは思い出せないが、技が連携することの面白さというのを、少しだけ理解できた気がする。
【2014年6月23日記】

◎ 2014年6月23日(月) 「提題三論文へのコメント」
・ 今週末の日本哲学会@北海道大学でのシンポジウム「未来という時間」で、斉藤慶典さんと一緒に司会者を務めます。提題者の青山拓央さん・須藤訓任さん・中島義道さんの論文を読んでコメントを書いてみました。
1青山論文「時間は様相に先立つか」
2須藤論文「未来への態度」
3中島論文「超越論的仮象としての未来」

・ 司会者なので発表するわけではありませんが、私の読みとして提示しておきます。

【2014年6月23日記】

◎ 2014年6月18日(水) 「哲学者の老い」
・ 珍しくも、本日三度目の更新。
・ 知り合いの編集者(元・ナカニシヤ出版)・津久井輝夫さんが、mixiの日記に「哲学者の老い」というタイトルの面白い文章を載せていた。
・ 永井均さんと佐藤康邦さんを比較対照したり、鷲田清一さんの「老い」について述べたり、編集者の眼が感じられる文章で、楽しませてもらった。
・ その中で(還暦を過ぎた哲学者たちが主役なのに)、まだ還暦までには間がある55歳の私の「深い老い」についても、ついでに言及して頂いていたので、ご本人の許しを得て、以下にその部分だけ引用させてもらう。

 歳のことでついでに言えば、還暦にはまだ少し時間があるとは言え、50代半ばでまだ本格的なレスリングをやっている入不二基義という変わり種の哲学者もいる。本物の「闘う哲学者」だ。下手に喧嘩でも売れば、タックルで吹っ飛ばされるか、飛行機投げを食らうのが落ちだろう。怪我無しでは済まされない。何かあっても黙って見過ごすことが肝要だろう。

 その彼は呆れるほど緻密な議論をするのだ。レスラーなのに(レスラーの人、ごめんなさい)。つまりこの愚か者の頭では無呼吸で読まなければついていけないほどの緊張を強いる文章を書く哲学者だ。息を吐くと何を書いていたのか辿れなくなるのだ。そういう哲学者がどうしてレスリングしているのかが不明だが、ただし昔プロレスファンだったのを知っている。私もプロレスファンで高校時代には一人友人たちの中で浮いていた。バカにされていた。実は入不二さんと昔プロレス談義をしたことがある。当時すでに彼はプロレスを哲学的に語っていた。

 これは推察だが、彼はアドレナリンや成長ホルモンが人より過剰に出て、ドーパミンも出るタイプなのかもしれないと思っている。つまり筋力が発達しやすく生まれつき力も強く頭もシャープなタイプなのだ。恐らく子どものときからだろう。また私の知っている哲学者たちは運動も余りしていないのに思いの外握力が強いのだ。その点は以前から不思議に思っていたが、力と知能とは関係あるのだろうか。私の場合は、おまえの頭の中は筋肉でできているのか、とよくバカにされていた。

 しかし、ここで言いたいのは、もちろんそんなことではない。彼も試合前の減量時期の写真を見ると、彫刻のような素晴らしい肉体美を誇っているが、その反対に減量の厳しさを現わすかのようにその表情は、写真を見た限りだが、やはり深い老いを見せていた。頬がこけて、げっそりして、まるで力石徹のように見えていたからかもしれない。

・ その通りなんですよね。
・ 昨年12月の減量中に載せた上半身裸の写真は、「頭部」と「身体部」のアイコラか?と疑われたほどギャップがあって、アンバランスな感じが友人知人の印象に残ったらしい。
・ 津久井さんの入不二評にさらに自己評を加えておくと、この種の妙なアンバランス(顔と身体という意味ではなくて)こそ、それこそ子どものときからの私の特質かもしれないと思いました。
・ 小学校時代には、「情緒不安定」とか「落ち着きがない」とか、教師からよく言われていたし。
・ 私のレスリング活動は、大局的には「老いへの(勝ち目のない)抵抗・あがき」だと思うが、どうせなら、最後までアンバランスのままを貫徹して負けたい。
【2014年6月18日記】

◎ 2014年6月18日(水) 「連載第24回「反復する<中間>」」
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年7月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、第24回「反復する<中間>」。
・ この連載も、来月号が最終回。といっても、まだしばらく、単行本化のための加筆修正の作業が続くので、私としてはまだ終わらないのですが。
・ 小見出しは、中間を排するものが<中間>で働く/<中間>としての現実/<中間>だらけの時間/思考の運命
・ 今回は、これまでの考察の「まとめ」である。そのキーワードが「反復する<中間>」であり、論理的運命論が「円」的であるとすると、(私が導き出した)運命論の運命は「楕円」的であるという仕方でまとめる。

【2014年6月18日記】

◎ 2014年6月18日(水) 「業師(わざし)?」
・ 朝7時からの大学レスリング部の朝練に参加。
・ 仲上君が足の指の骨折のため、打ち込み・スパー・寝技練習・技術練習のすべてを竹之内君に相手をしてもらう。
・ 竹之内君とのスパー等を見てもらいながら、仲上君や境君から気づいた点などを指摘してもらって、次のスパーで意識する。
・ 打ち込みは5分×3本、スパーは3分×(12本中の私が入ったのは)4本、寝技の打ち込みのあとスパーを10本。
・ 寝技のスパーで、竹之内君から「和田スペシャル」をかけられて回される。見たことはあったが、かけられたのは初めての技。
・ 技術練習では、腕取り(2-on-1)を、取る側と取られる側の両方を交代しつつ練習。取られた側では、手首を取られた手を切って指しに行く練習。
・ 腕取り(2-on-1)に行く最初の段階、つまり自分の肩にかかった相手の手首を取りに行ったところで、相手の肘の内側にもう一方の手をかけて間合いを詰めると、その腕の動きは封じられる。
・ 何度か竹之内君にかけてもらって、イテテテ・・・・という風になる。
・ 手首と肘の2点の組み合わせ(関係性)によって極まるような、どこか合気道的な「技の理」が感じられる所作である。
・ 「和田スペシャル」を使ったり、2-on-1の前段階のこの技の理合いを利用したり、竹之内君は実は「業師(わざし)」なのか?
【2014年6月18日記】

◎ 2014年6月16日(月) 「長谷川コーチの反り投げ」
・ skコーチの今泉さんから、明治杯全日本選抜選手権・準決勝での長谷川恒平選手の試合写真をいただきました。
・ 以下、長谷川コーチの反り投げのシーンです。










【2014年6月16日記】

◎ 2014年6月15日(日) 「BJJとレスリング」
・ 土曜日お昼は、BJJのビギナークラスへ4回目の参加。
・ 亀の姿勢になった相手に対する攻めを、タックル切り→サイドから始めて5種類。
・ その中で「クロックチョーク」と呼ぶ(と思われる)絞め技をやる。両襟をつかむタイプと(その変形で)片襟でもう片方の手の肘をマットに付けるタイプ。
・ 前者では細かく腰を切りつつ回り込むように移動するのに対して、後者では大きく腰を切る。
・ 「腰を切る」あるいは「スウィッチで足を出す」という所作の持つ「効力」は、レスリングでも複数の場面で出てくるし、「ああ、ここでもまた」と再認識することが多い。

・ 土曜日は、レスリングの明治杯全日本選抜選手権の一日目。
・ 今年から青学職員となった長谷川恒平コーチが、グレコローマン59kgで優勝(5回目の日本一?)。
・ 決勝は、長谷川恒平(青山学院大学職) 8−3 田野倉翔太(クリナップ)で、1位 長谷川恒平(青山学院大学職) 2位 田野倉翔太(クリナップ) 3位 太田  忍(日体大)という結果。
・ さらに、9月の世界選手権の出場者を選ぶ「プレーオフ」でも勝利し[長谷川恒平(亜k=青山学院大学職)○[4−0]●倉本一真(自衛隊)]、代表に決定!
・ 写真はプレーオフのもの。凄絶!


・ 日曜日朝は、skレスリングの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ サッカー・ワールドカップの日本戦の影響か、5名(一人は観戦のため?早退)と少なめ。ゆえに、写真もいつもとは違う全員立ちバージョン。
・ でも、少人数のおかげで、技術練習がじっくりできた感じで満足。
・ 飛行機投げ(fireman's carry)の基本から始まり、さらにがぶられた状態への返し技としての飛行機投げへ。
・ さらに、がぶり落とされた状態からの反撃技として、(1)肘を外して振る(2)スウィッチで脇をくぐる(3)(1)の動作→もう一方の手で手繰る
・ (2)はうまくいくと、相手の腕の関節が極まる感じになる。
・ 寝技の技術練習としては、野村コーチの得意技の一つである股裂き。
・ 相手の肩に手をかけて引いて(反り状態を大きくして)足を入れるといい、というアドバイスをもらって試してみると、まさに足が深く入り込んで、よく効く。
・ スパーは、小野寺さんと今井さんに相手をしてもらって、2本。


・ レスリングとBJJの両方をやっている或る人のひと言で面白かったのは、「柔術はネチネチしていて、レスリングはカラッとしている」というもの。
・ その人自身としては、「だからレスリングの方がやっててスカッとして分かりやすい」という意味合いだったが、ニュートラルに見てもその表現は或る特徴を言い当てていると思われる。
・ 私自身は、どちらの方向性も好きかな。その中間辺りにある(?)ノーギでのグラップリングやキャッチレスリングなどもいずれ体験してみたい。

・ 夜は、妻の実家に「拡大家族」で集まって、父の日のお祝い。二世代の「父」がいて、一人は妻の父親で、もう一人は私。
・ 写真は、夕食後に食べたデザート。

【2014年6月15日記】

◎ 2014年6月11日(水) 「ルールの違い」
・ 大学レスリング部の7時からの朝練に参加。
・ みんながサッカー練習を階上でやっているあいだ、私は仲上君と竹之内君に相手をしてもらってマット練習。
・ 竹之内君と打ち込みのあと、仲上君と3分スパーを3本。そのあと、技術練習と寝技を3人で。
・ 寝技の練習の時に、私がカレッジスタイルとフリースタイルのルールの違いに言及して、「これは反則だよね?」とたずねてみる。
・ カレッジスタイルのレスリングでは、以下の動画のように足を利用した攻撃が見られる。
・ arm bar 等から相手をひっくり返そうとする途中で、自分の足を相手の首・頭にかけてfigure 4に組んでフォールに持って行こうとしている。

・ これは、フリースタイルのレスリングでは反則になる。というのも、ルールブックに以下のように記されているから。

[ルールブックの第54 条 特別禁止事項のc)より]
フリースタイルレスリングにおいて、相手の頭部、首回り、胴体に、両脚でシザーズロックをかけることは 禁じられている。

・ では、次のような技(足を利用したcradle)もフリースタイルでは反則に分類されるのだろうか?
・ 足を4の字に組んでいる点では、上記の反則規定に該当するように思えるけれど、相手の頭部や首を「単体で」ロックしているのではなくて、相手の足と頭部・首を「合わせて」ロックしている点では、微妙に異なるようにも思える。

・ やっぱり反則なのだろうな。使われているのを見たことがないので。
【2014年6月12日記】

◎ 2014年6月8日(日) 「太もも」
・ 先週は、ぷねうま舎の中川さんといつもの蔦珈琲店で会って打ち合わせ。
・ もうすぐ連載も終わり単行本化への作業(修正加筆)に入れるし、来年度はお約束したレスリング本を書くことに集中するつもりであるとお伝えする。

・ 土曜日は、授業前にレスリング場にて東北学院大学との定期戦を観戦。開始前に、副部長としての挨拶もひとこと求められる。

・ 日曜日朝は、skのレスリング練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 今日の技術練習では、アンダーフックで頭をつけた状態からの崩し(さらにタックル)と、がぶりからバックへ回るまでの練習。
・ がぶって落とした状態から、両手でクラッチを組まないタイプと、(あえて深くさして)組むタイプの両方を練習。
・ たしかに、クラッチをガッチリ組むと、自分の動きが制限される感じになる。その反面、きちんと極まって、さらに腰を切る形で回ろうとしたときの、相手への圧力は強烈。
・ お相手の有賀さんと、お互いにかけ合いながら「うっ」となって「ふうっ〜」という感じ。
・ その有賀さんから、身体(上半身)が大きくなって力強いと指摘される。
・ この2週間ほどのあいだに、これで4人の人から同じことを言われたことになる。
・ (レスリングを週2回やっているだけで)特別にトレーニングをしているわけではないので、ただ太っただけだと思われる。
・ 一月の試合前の55kgを切る状態からすると、今はほぼ元に戻って4kg増えた状態なので。このくらいの差は、外見や組み合ったりしたときの感じに現れるということなのだろう。
・ 本日の集合写真は、19歳の元ラガーマンとsk随一のマッチョマンとの「太もも比べ」。

【2014年6月8日記】

◎ 2014年6月4日(水) 「風が吹いてる」
・ ヘクとパスカル(椎名琴音・桑原まこ・岩井俊二のユニット名)の "風が吹いてる" のOfficial Music Video。
・ 「なぞの転校生」最終回の或る感動的なシーンで、絶妙なタイミングで流れてくる忘れられない素敵な歌。

【2014年6月4日記】

◎ 2014年6月4日(水) 「ふわっ、どーん」
・ 朝7時からの大学レスリング部の朝練に参加。
・ アップ・マット運動・柔軟運動のあと、打ち込み3分×3本、3分スパー、片足を取ったところからの攻防練習。
・ いつものように打ち込みもスパーもほとんどを仲上君に相手をしてもらうが、3分スパーの4本目を1年生の竹之内君に相手をしてもらう。3回バックに回られて、1回タックルですっ飛ばされる。
・ 仲上君が卒業していった後には、体格が同程度の竹之内君に相手をしてもらう機会が増えるだろうから、この一方的にやられてしまう状況をもう少し改善することを目標にしたい。
・ 考えてみると(いや考えてみなくとも)、学生たちはそれぞれ4年間でこのマットからは去って行くわけだけれど、私の方は自分でレスリングを引退しない限りは、定年(68歳)まではこのマットで練習することができる。不思議な感じがする。
・ スパーのあとは、長谷川コーチの指導で片足を取ったところからの攻防練習。仲上君、竹之内君、私の三人で回す。
・ 少しフェイントで引かれたあとに、横方向の力を一気にかけられてハイクラッチに移行されると「ふわっ、どーん」という感じですっ飛ばされる。
・ 「頭が下がっていること」と「足が前に出ないこと」は連動しているという長谷川コーチの解説には、「なるほど」。

・ 先週の土曜日に参加したBJJのビギナークラスでは、(首に手を回したタイプの)袈裟固めからの脱出を練習。
・ その後のスパーで、若いハンサムな(ハーフの?)男の子にスリーパーで首を絞められて、どこまで耐えられるのか(おちる寸前はどんな感じか)と思ってタップを少し遅らせてみた。
・ その影響からか(?)、その後のゼミと演習の授業の最中、ずっと頭痛が続く。風邪のひき始めのような頭の痛さ。
・ さらに翌日は、首回りが捻挫したような痛みまで出たが、月曜日になってようやく回復。
【2014年6月4日記】

2014年5月31日(土) 「真剣な眼差し」
・ 先日の東日本学生レスリングリーグ戦の記事が、「青山スポーツ<http://univ.nikkansports.com/press/aoyama/wrestlin...>」に掲載されていたので読んでいたところ、観戦中の自分が澤田君の試合写真に写っていた。私の横には、OB会長の佐々木さんと主将の松田君。
・ 妻にも見せたところ、「あなたのこんなに真剣な眼差しは、見たことがない」と言われました。

【2014年5月31日記】

◎ 2014年5月28日(水) 「本日のいくつか」
・ twtterで以下の発言を発見。

ys @kys_nkmr
杉島さんも入不二基義読んでるのか。しかも、入不二さんがレスリングやってることまで論文で触れてるが、これはやり過ぎだろう。

・ 文化人類学者の論文で、私がレスリングをやっていることが触れられている!?何だか気になりますね。この論文読んでみたいです。

・ 写真は、東日本学生レスリングリーグ戦での、青山学院大学レスリング部員による試合前の円陣と、主将・松田君がアンクルホールドを極めている瞬間(10−0で勝利、しかしチーム全体の勝利には至らず残念)。


・ 連載第24回「反復する<中間>」のゲラ刷りの直し(5行削減)を終える。この回は、これまでの議論を振り返っての「まとめ」。
【2014年5月28日記】
【追記】
twitterのほうは、発言主の中村さんから、以下の返信をいただいた。

「研究会用のドラフトなので今はまだお見せできないと思いますが、そのうちに論文として発表されるでしょうから、その時に。レスリングはともかく、『相対主義の極北』は人類学者も気になって読んでると思います。」


さらに、こんな返信までいただいた。

「@kys_nkmr: @irifuji いえいえ、こちらこそわざわざメンションしていただいて恐縮です(『哲学者たちは授業中』以来の先生のファンなもので。『極北』も好きですが、「私」は消去できるか、も面白かったです。)」


◎ 2014年5月25日(日) 「連日格闘技」
・ 土曜日は授業前の時間帯を使って、トライフォース新宿にて、ブラジリアン柔術のビギナークラスに参加。
・ 相手がタックルに入った状態からのギロチンチョークとその逃れ方、腕拉ぎ十字固めからの逃れ方、足首固め(アンクル・ホールド)とその逃れ方等を練習。
・ 足首固め(アンクル・ホールド)はすぐに極まってヤバいので、痛めている方の足にかけるのは遠慮してもらう。最後にスパーを一本。

・ 日曜日はskアカデミーの朝レスリング(担当:野村コーチ)に参加。本日は、大田区大会へ出場している人もいるので、少人数。
・ 準備運動・マット運動・アップ・柔軟運動のあと、打ち込み・技術練習・寝技のスパー・スパーリング・補強運動と続く。
・ 今日の技術練習は、片足タックルに入った状態から先の攻めの練習。
・ 頭が外のタイプでは、両足に持ちかえてテイクダウンしたあと、その両足を上げて抑え込んでフォールまで。
・ 頭が内のタイプでは、回り込む、潜り込んでリフトアップ、立ち上がって取った足を股に挟んで・・・という複数を練習。
・ 本日は、全ての練習において、高校時代にラグビーをやっていた19歳の大学生(私の隣に写っている若者)とペアでやることが多かった。スパーリングも、彼と2本。
・ レスリングは初心者でも、ラグビーをやっていたためか、その大腿部は太くてガタイもよく、突っ込んでくるタックルの圧力は大きい。
・ その圧力に何度か負けるが、その後の展開になると私の方に一日の長があって、抑え込んでフォールまで持って行くことができた。
・ スパーリングでは、「その年齢差(36!)で負けちゃダメだろ」というかけ声も。私の一番下の息子(三男)よりも若いのだ。
・ 補強運動は「腕立て伏せ」で、ノーマル・広い・狭い・引きを合わせて60回。

【2014年5月25日記】

◎ 2014年5月22日(木) 「同じ歳の友人の新著」
・ 同じ歳(1958年生)の友人たちの新著。
・ 阿部嘉昭『換喩詩学』(思潮社)。
・ 武田徹『暴力的風景論』(新潮選書)。
・ 阿部は湘南高校の文芸部でいっしょに文章を書いていた仲。
・ 武田は19歳の頃同人誌『破れ傘のノベラ』をいっしょに出したことがある旧友。
・ ジャンルは違えどみんな執筆を仕事にしている。
【2014年5月22日記】

◎ 2014年5月21日(水) 「こうなったらこう」
・ 朝7時からの大学レスリング部の朝練に参加。
・ 20分の準備運動とアップと柔軟運動のあと、打ち込み3分×3本、そのあと部員は3分3ラウンドのスパーを×3(私は休みを入れつつ仲上君とそのうちの3本)。そのあと寝技練習。
・ 寝技練習で仲上君に股裂きをかけているときに、長谷川コーチから「もっと膝を外に開いた方が効きます」と言われて試してみると効果てきめんで、仲上君が声をあげる。
・ 今日は、アンクルから入ることを反復して、それを防御された後にどうするか、「こうなったらこう」という流れができないかなと考えて試してみる。
・ アンクル崩れから、(昨日書いた)4の字形の技へ移行することを試してみて、僅かながらいい感触を持つことができた。
・ 補強運動は「ふくらはぎ」。踵の上下反復運動は、地味ながら効く。ふくらはぎの中に「塊」「しこり」みたいなものができる感じになる。
・ 本日は、これから会議が3種類続く。
【2014年5月21日記】

◎ 2014年5月20日(火) 「「3」と「4」は繋がっている」
・ 技の復習のため、大学生の息子(格闘技経験あり)に三角締めをかけさせてもらう。彼もやられるだけではつまらないだろうから、私も習った技のポイントを教えつつ受けてあげる。互いにタップし合う。

・ ちなみに、「三角締め」は"triangle choke"で、「肩固め」は"arm triangle choke"。
・ 日本語名は柔道由来らしいが、その名称だけからは「三角締め」と「肩固め」が同じ原理に基づくことが見えない。英語名だと、それが分かる。要するに"(leg or arm) triangle choke"。
・ 数字という観点から面白いのは、その「3」が「4」へ繋がること。
・ 「3」は組んだ足形の内側輪郭の「三角形」に由来する。レスリングでは、chokeは反則だが、それでも同型の足組をフォールのために使うのならばOK(参照:https://www.youtube.com/watch?feature=player_detai...
・ 上記のレスリング技は、"Figure 4 headlock" と記述されている。そう「4」が登場する。
・ 足形の内側輪郭が「三角形」ということは、足の交差形の方に注目すれば「4という数字」ということになる。「3」と「4」は繋がっている。
・ さらに、レスリングでは、相手の両足を"Figure 4 "に交差させることによって動きを封じコントロールする技もある。この場合には、やられている側の足の交差形からの名称であり、その形を維持するのに自分の手(arm)を使う場合も、自分の足(leg)を使う場合もある。
・ 細かくなるが、相手の両足を4の字に固める際に、自分の足の方も組むことでよりタイトにして、その内側にできた三角形で絞ることがある。その場合には、「4」と「3」が知恵の輪のように縺れ合う。
・ 「三角形」と「4の字」の出会い(重なり)は、技の宝庫のようだ。
【2014年5月20日記】

◎ 2014年5月18日(日) 「相手の正面に自分がいなくて、自分の正面に相手がいる状態」
・ skアカデミーの朝レスリング(8:30〜10:30、担当:今泉コーチ)に参加。
・ ジョグしながら準備運動・マット運動・アップ(息あげ)・柔軟運動のあと、3本の打ち込み。
・ 本日一番相手をしてもらったのは、27歳の若者(高校時代にレスリング経験あり)で、打ち込みも技術練習も、自由寝技練習も、スパーのうちの1本も。
・ 今泉コーチのレクチャー「相手の正面に自分がいなくて、自分の正面に相手がいる状態を作る」のあと、それを横(左右)の回り込みの動きの中で、さらに縦(上下)のフェイントの動きの中で練習。
・ 前後の動きよりも、左右の動きが難しく(練習ではできてもスパー中に出なくなる)、それ以上に上下の動きが難しい。
・ 実際、27歳の若者でも、集中的に上下の運動を加えて攻防練習をした後、足ががくがくすると言ってへばっていた。スクワット運動をやって鍛えなくては・・・と若者は自分に言い聞かせていた。
・ そのあと、立ち技グループと寝技グループに分かれて、二人組になっての自由練習。私は、上記の若者と寝技の打ち込みから始めてだんだん強度を上げ、寝技のニア・スパーまで。
・ スパーでの収穫は、その若者の2度のタックルを切ってバックへ回れたこと。さらに、ほぼフォールの状態へ二度ほど持って行けたこと。

【2014年5月18日記】

◎ 2014年5月17日(土) 「連載第23回「遡及的な祈り」の議論/ブラジリアン柔術」
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年6月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、第23回「遡及的な祈り」の議論。
・ この連載も、あと2回を残すのみ。
・ 小見出しは、「ロンドン空襲」の運命論の不完全さ/「遡及的な祈り」の話/「遡及的な祈り」は遡及しない/「祈り」と運命論


・ 私が通う社会人のレスリングクラブ(skアカデミー)は、柔術道場のトライフォース新宿の施設を利用させてもらっている。そのおかげで、skアカデミーの会員は、1回1000円で柔術のクラスを(出稽古扱いで)受けられる制度がある。
・ 本日その制度を利用して、ブラジリアン柔術(BJJ)のビギナークラスを体験。
・ レスリングと比較対照(比較考察)してみたいというのと、私は寝技(グラウンド)好きなので、その寝技を関節技・絞め技を含めてさらに勉強してみたいと思ったのが、主な動機。
・ レスリングに加えてということになると、時間を見つけるのがけっこう大変なのだが、救いは、ほぼ毎日ビギナーのクラスが設定されているので、選びやすい。
・ 本日は、スパイダー・ガードからのスイープや三角締めへの移行を技術練習。そのあと、スパーリング(ビギナーのクラスのスパーは、クローズド・ガードからスタート)も2本やらせてもらう。
・ 体験一回目で印象に残ったのは、スパー中のリズムやテンポの違いと、足の裏の役割の違い。
・ また、これまで見たことしかなかった三角締めを、やったりやられたりする初体験は、なかなか感動的。
【2014年5月17日記】

◎ 2014年5月14日(水) 「緩急」
・ 大学レスリング部の朝練(7:00〜9:00)に参加。
・ 水曜日は昼練との二部構成に分かれていて、朝は参加者が数人と少ない。
・ 最上級生の仲上君が指揮をとって、準備運動・アップ(馬跳び・ジャンプ2種・大の字ステップ)・柔軟運動の後、打ち込み5分×3本。そのあと3分スパー×10本へ(私は3本入る)。仲上君と2本、長谷川コーチと1本。
・ 本日のハイライトは、長谷川恒平コーチに3分スパーの相手をしていただいたこと。私のようなほんの趣味レベルの奴が、ロンドン・オリンピック出場選手に稽古をつけてもらうというのは、普通ではあり得ない。古いたとえであるが、草野球少年が長島茂雄選手に指導してもらうようなワクワク感がある。
・ 長谷川コーチに対して、左でアンダーフックに入って、反対側の右手との連携で首を固めにいってみたけれども、首投げで返されてしまった。しかも、同じシーンが二度。体重移動だけで、コロッと倒されてしまう感じ。
・ 基本的には、こちらが仕掛ける技を受けてくれているのだが、2回だけ長谷川コーチのタックル攻撃を受けてすっ飛ばされる。こちらが切る体勢にすらなれずに、「あっ」と思ったときには、すでに深く入り込まれている。あとの技術練習でも長谷川コーチが強調していた「緩急をつける」というときの、その「緩」と「急」の間のものすごい落差を、そのタックルの中にも感じた。
・ タックルに入る前は、軽く私の攻撃を受け流しながら、軽く柔らかく動いているのに、突然「弾丸」のように速く衝撃力を持った動きへと変わる。前後(緩急)の落差が大きすぎて、こちらは対処できない。
・ スパー後の技術練習では、その緩急を意識して、アンダーフックから崩して、がぶりやハイクラッチに移行する練習。「緩急」は、力の出し・抜きのリズムでもあって、しかも相手側のそのリズムとのシンクロを利用した力の自乗でもあり、うまく行ったときの相手の落ち方は、半端ではない。
・ 最後は、補強で「腹筋(下部)」。普段あまりやらない腹筋のやり方。
【2014年5月14日記】

◎ 2014年5月11日(日) 「一進一退」
・ 久しぶりにskアカデミーのレスリング練習に参加。朝8:30〜10:30(担当:野村コーチ)。
・ 直前にならないと、足首の調子がレスリングに耐えうるのかどうかが判定できない状態が続いている。
・ 以下、カイロプラクティックの木津先生に伝えられるように、【痛み1】〜【痛み4】を区別してメモしておこう。

・ 一番悪い状態のときは、普通に歩いているだけで「沈み込み」「力が抜けるような」「捻挫したような」痛みがある【痛み1】。
・ しかも、【痛み1】は、骨折したのではない側にも(つまり両足首に)出るようになっている。この痛みは、授業で立ちっぱなし、あるいは比較的長い距離を歩いた後に出る傾向にあるように思われる。
・ 土曜日の夜の状態で、【痛み1】はなかったので、日曜日の朝練習に参加。【痛み1】は出るときと引っ込むときがある。
・ 【痛み1】がないときにも、別のタイプの痛みはある【痛み2】。
・ 【痛み2】は、骨折した側のみで、足の甲と脛のあいだの角度を小さくするように体重をかけた場合の「突っ掛かるような」「曲がらないものを曲げようとするような」痛みである。
・ さらに、やはり骨折した側のみだが【痛み3】や【痛み4】もある。
・ 【痛み3】は、まさに骨折した箇所(足首外側の踝周辺)に限定的に、ときに「ピリピリ」痛む感じがある。【痛み1】【痛み2】に比べると頻度はずっとマレであるが。
・ 【痛み4】は、その骨折した箇所ではなく、足の甲と脛の境目を指で押したとき(揉んだとき)に生じる痛みで、これは【痛み2】と対応関係があるだろう。

・ レスリング練習中は、その【痛み2】でさえ忘れていて動けてしまうので、「外形的には分からないでのではないでしょうか」と野村コーチに伝えたところ、「いえ、かばっているように見えます」と言われた。
・ 本日の技術練習は「崩し」。
(1)肩へかけてきた相手の腕の肘を(前進する力で)上げる
(2)肩へかけてきた相手の腕を払い落として2-on-1へ
(3)(高い位置で)四つ足で耐えた相手を後ろから持ち上げて崩す
(4)(低い位置で)四つ足で耐えた相手の膝へ体重をかけて崩す
・ (3)はプロレス的でもあり、みんな楽しみながらやっていた様子。
・ 寝技の打ち込み・寝技のスパー・スパーリングと、小野寺さんに相手をしてもらう。スパーリングは「一進一退」の攻防があって、楽しかった。
・ 最大の「退」は一本背負いで投げられたところで、最大の「進」はその投げられた後の逆転と片足タックルからの引き倒しかな。
・ グラウンドでのグチャグチャした展開になることが、小野寺さんとのスパーではけっこう多い。私は、これが嫌いではない(けっこう好き)。
【2014年5月12日記】

◎ 2014年5月6日(火) 「小市民的なリミッター」
・ 大学レスリング部の朝練(10:00〜12:00)に参加。
・ アップは、股くぐり+馬跳び、連続馬跳び、ジャンプ、大の字ステップ。足首の調子が不安定で、ジャンプがだめ。
・ 打ち込み3本のあと、すぐに3分スパー。
・ 前回の続き(?)で、太田監督が3分間いたぶり疲れさせた仲上君を、私が引き継いで3分スパーの2本目。
・ 前回以上に仲上君の疲労度が大きかったため、今回は、バックをとれて崩れながらもアンクル気味に回せてポイント獲得。
・ しかし、”取れそう”という気になって積極的に攻撃に行くと、いつもの3分スパーの疲労度より大きくて、最後の方の私の疲労度は、仲上君と大差がなくなってしまう。
・ 来訪していたOBの中條さんが、仲上君とのスパーを見ていて、がぶりについてのアドバイスをしてくれる。
・ 長谷川コーチの指導の下、最後の技術練習は、そのがぶり。
・ がぶって「引き落とす」という動作はこれまでも練習しているが、「引き倒して跪かせる」という感じにはなっても、「引いて落下させる」という感じになっていない。
・ 大学生の激しいかぶりを見ていると、ただ引き倒しているというより、相手の頭部をマットへ叩き付けているようにさえ見える。
・ そこまで徹底してがぶり落とすのは、なかなか難しい。その難しさの中には、もちろん技術的なものもあるが、気持ちの上でのリミッターのようなものもある気がする。
・ 自分がそこまでがぶり落とされたときの痛さや衝撃が分かるから、無意識のうちに相手にもそこまでしなくなってしまう・・・という負のフィードバックがある。
・ 要するに、「自分がされたくないことは、相手にもしないように」という小市民的なリミッター(あるいはビビり)が、そういう場面でも働いてしまうということか。
・ レスリングに限らず、格闘技ではこの負のフィードバックやリミッターは断ち切らないとダメ。ルール内という限定はあっても、「自分がされたくないことを、相手に積極的にやる(それも自分の方が先に)」のが基本。
・ それでも10代、20代の頃は、この種のリミッターを意識的に断ち切るコツ(というかタイミング)をもっと分かっていたように思うのだが・・・。やはり年のせいもあるのかな。
・ レスリング部の学生相手なら、私が少々激しくがぶり落としたところで怪我をする心配はないけれども、社会人どうしであそこまでやったら、相手から嫌がられるのではないか・・・とも思う。
【2014年5月7日記】

◎ 2014年4月30日(水) 「にもかかわらず」
・ 一週間ぶりのレスリング。大学レスリング部の朝練(7:00~9:00)に参加。午後は会議三種類の日。
・ 準備運動とアップのあと、打ち込み・1分スパー・3分スパー・技術練習(私と仲上君のみ、あとの部員は筋トレ)。
・ 1分スパーでは、河本君にも2回相手をしてもらう。前に出てこられるとその圧力が半端ではない。
・ 3分スパーの際に、太田監督が仲上君をつかまえて(体重差2倍くらい)、極めて・潰して・振り回して・・・。
・ 次に私が仲上君とやる前に、太田監督は「先生がやりやすいように、疲れさせておきましたから」と一言。にもかかわらず、私は普段と変わらず攻略できず。お心遣いを生かせなくて済みませんm(_ _)m
・ 技術練習では、組み手の際の押し引きの反復と、がぶった際の引き落とし方と、寝技で私が確かめたかった点についてやらせてもらう。
【2014年4月30日記】

◎ 2014年4月23日(水) 「集中的に2-on-1」
・ 大学レスリング部の朝練(7:00~9:00)に参加。
・ 今年度の水曜日の練習は、朝練と昼練に分かれていて、朝練は昼練に(授業等で)参加できない人だけで構成されているので、少人数。
・ 私にとっては、仲上君を独占できるいい機会であると同時に、おおぜいの参加者がいる場合よりもインターバルが短くなるので、大変でもある。
・ そのおかげで(?)、打ち込みのあとの3分スパーリングでは、3分×2ピリオド×3本を、(何とか)こなすことができた。
・ スパーリング後の技術練習でも、仲上君にアドバイスをもらいながら、集中的に2-on-1の練習をさせてもらうことができて、とても有益だった。
・ (1)前進して相手がこちらの肩に手をかけてくるところから始めて、(2)肩のshrug動作による相手の手のずらし、(3)手首や拇指球の握り・肘へのプレッシャー・肩の極め、(4)横へついてサイドステップ、(5)足を後ろ側からストッパーに使って、押し込みながら相手の足首・踵をすくう、(6)足を前に持ってきて腿で跳ね上げるように崩す動作を繰り返す、・・・等々を、何度も反復練習させてもらう。
【2014年4月23日記】

◎ 2014年4月19日(土)・20日(日) 「わがままな足首」
・ 土曜日は4限の自主ゼミ・5限の演習の後、レスリング部OB会による「長谷川恒平コーチの青学就職を祝う会」に出席。
・ 長谷川コーチは、いま合気道にも興味を持っているという話をしていたので、(一つの競技で高いレベルに達した人が他分野に何を見出すかを知りたいので)ぜひ実践して下さいとお願いをする。
・ もめ事をおさめようとしている長谷川コーチに、「俺は格闘技やってんだぜ」と凄んでかかってきた某学生がいたそうで、(ツーオンワンで?)取り押さえられてしまったそうだ。オリンピック選手に向かっていくなんて、いやはや、なんとも無謀な奴だ。長谷川コーチは、見た目は好青年だし小柄なので「なめた」のかもしれないが、人を見かけで判断するのは文字通り「危険」である。
・ 太田監督の奥様とも隣の席でお話をすることができたし、OBになった米田君(プロ4戦4勝中)とも久しぶりに話ができた。

・ 日曜日はskアカデミーの朝練習(8:30〜10:30、担当:野村コーチ)に参加。
・ 金・土・日と足首の調子が比較的よくて、この日は、久しぶりにダッシュやジャンプをしても痛みがなかった。
・ どうすると痛くなって、どうすると大丈夫なのかが、いまいちよく分からなくて、わがままな足首の声に従うしかない状況である。
・ 普通の打ち込みのあと、相手が手を前に出して突っ張った状態の腕を、落としたり上げたりいなしたりしてタックルに入る打ち込みも。
・ 技術練習では、四つ組みからの絞り(締め付け)・外無双・内無双をやる。
・ 寝技のスパーで、アンクルに入るのを何度か同じパターンで同じ人から防がれているが、そこだけを取り出して練習する機会がなかなかなくて、改善できていない。

【2014年4月21日記】

◎ 2014年4月18日(金) 「連載第22回「ロンドン空襲」の議論」
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年5月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、第22回「ロンドン空襲」の議論。
・ ダメットによる「ロンドン空襲」の議論を題材にして、運命論と因果の問題を考察する。
・ 小見出しは、「ロンドン空襲」の運命論/ダメットの診断/因果の解除/因果の充満/解除と充満のあいだ
  
【2014年4月19日記】

◎ 2014年4月18日(金) 「相模原(授業)→青山(レスリング)」
・ 午前・午後と相模原キャンパスで青山スタンダードの授業。その後、18:00〜20:00の大学レスリング部の練習参加のために青山キャンパスへ。
・ このところ、足首の調子が不安定なため練習の間隔があきがちであり、一週間ちょっとぶりの練習。
・ 「サーキット的にバタ足・もも上げ・ジャンプ・バービー・スイッチ等をやった後のダッシュで往復」というアップの際に、私と同じ列でやっていた学生に対して「おい、入不二先生より遅いぞ!」と主将から激がとぶ。
・ 打ち込みを原田君に相手をしてもらった後、3分スパーと1分スパーを仲上君と猪口君と。今回は、3分スパーをなんとか連チャンでできたことと、2回ほどバックへ回ってポイントになるところまで持って行けたのが収穫。
・ 練習のあいだで、境君がタックルに入るときの高さ・頭の位置についてアドバイスしてくれる。練習終了時に、田中君の腕取りから潰していく技が気になっていたので、たずねてみる。
・ 一日授業を(しかも相模原キャンパスで)やったあとの夜の練習はキツいが、身体が自然にレスリングをすることを欲するようになっていて、取っ組み合いをすることでしか満たされない欲求というのが、すでに根付いてしまっている気がする。
【2014年4月19日記】

◎ 2014年4月16日(水) 「懐かしきスタンフォード・レポート(3)」

・ (2)に引き続き、スタンフォード大学客員研究員として米国カリフォルニア州のパロ・アルトに滞在中のことを友人宛に書いた当時(1995年〜1996年)の文章です。
・ 私はこの間に38歳になり、妻は37歳、息子たちはそれぞれ9歳・6歳・3歳。
・ 残念ながら、このレポート(3)以降のものもあったはずなのに、見つからない。


・ 11月以降やっと、こちらでの生活が「日常生活」と呼べるような落ちつきを帯びてきた感じです。それにしても、こちらに来てからの3ヶ月半は何とはやいことでしょう。9月以降煙草を一本も吸っていないのが、まったく苦にならないのも不思議な感じがします。このペースでは、あっと言う間に一年が終わってしまいそうです。正直言って、あらゆる観点から一年では足りない感じです。

・ スタンフォードでは、12月8日で4学期制の Autumn Quarter が終わりました。大学院の哲学のゼミと言語学科のESLに、「勤勉に」通った3ヶ月でした。毎週課題になった論文や本を読み、図書館のコンピュータで assignment をこなす毎日で、10年前の大学院時代が何度も思い出されました。1月からの冬学期にも同じペースで授業に出てみようと思っています。CSLI のペリー教授の大学院のゼミ(The Self)も、次の冬学期にあるので参加するつもりです。

・ 「研究者」としてもさぼっているわけではありません。僕のような怠惰な人間でも、スタンフォードのようなすばらしい環境が用意されると、芋づる式に読みたい物や考えたい問題が出て来るし、しかも読みたい論文や本がすぐに手に入るように図書設備は充実しているし、調べるためのコンピュータ環境も抜群ですから、自然と研究心が刺激されてしまいます。

・ 現在、2本の論文の準備に入っていますが、日本語論文の方をなるべく早く仕上げようと思っています。その後、英語で書く方にとりかかる予定です。上野さんたちと共同執筆する本の原稿も、これと平行してとりかからなければいけないでしょう。

・ 僕が所属する CSLI は、コンピュータサイエンティスト・数学者・論理学者・言語学者・心理学者・哲学者などが、色々なプロジェクトチームを作って研究や開発を行っています。その中には、企業との提携で行われているプロジェクトも数多くありますし、アメリカ空軍との協力で行われている研究もあるようです。

・ 11月の始めに、提携企業を招いてのチュートリアル・プログラム(The Interface Lab)があり参加してきました。NEC や日立の研究所の人も来ていました。本当は、参加費用が$1200かかるのですが、ペリー教授からのお許しが出てno feeで出席できました。月曜日から金曜日の5日間連続朝8時半から夕方5時過ぎまでのハードスケジュールで、Speech Recognition の話、コンピュータの社会心理学的な側面の話、インターネットと教育の話など様々で、listening comprehension の不足のせいもあるものですが、この一週間はクタクタでした。

・ 例えば、アメリカ空軍との協力でやっている研究とは、キーボードやマウスを使わず、脳波が出す微弱な電流で直接コンピュータを動かそうというものです。脳波や眼球、筋肉の運動に伴う電流を分析し、その情報をあらかじめ組み込んだ一種の電気信号の解読器により、使う人の考えをコンピュータへの指令に変換するようです。現在は「ブロック崩し」のゲームができる程度ですが、実際に頭に「ベルト」をつけた人が、手も動かさずにコンピュータを操作しているプレゼンテーションを見たときには、驚きました。

・ CSLI で素晴らしいと思うのは、色々な分野のアカデミックな研究と現実の「生産物」とがハイレベルな次元で結びついていることです。僕にも分かる分野で言うと、CSLI が開発した論理学のソフトに'Hyperproof' というのがあります。視覚的状況を組み込んだ論理学の証明を、コンピュータ上で構成したりチェックしたりできる画期的なソフトで、その洗練されたソフトの知的な美しさに惚れ惚れすると同時に、論文しか「生産」できない自分の姿にさみしさを感じてしまうほど素晴らしい「生産物」です。山口大に帰って論理学の授業をする際に、ぜひ使ってみたいのですが、そのためには十分な数の学生用コンピュータとか、コンピュータを使用してプレゼンテーションができるプロジェクターなどが必要でしょうから、どこまで現実にできるかは疑問符がつきます。

・ 12月のこの時期になると、CSLI に滞在した研究者の中にも帰国する人たちがいます。時々会って話をしていたスペイン人とドイツ人も帰国してしまいました。なんだか色々な国の様々な分野の研究者の「交差点」という感じが CSLI にはあります。ハイレベルでかつ開放的で、暖かな知的雰囲気を漂わせているところが、みんなを惹きつけるのだと思います。

・ 10月にはハロウィーン、11月には Thanksgiving と典型的なアメリカの行事を経験しました。ハロウィーンの直前に、お世話になっている Hegg さん一家を夕食に招いて、いっしょにカボチャで Jack'o-lanternを作りました。子供たちには3人お揃いの「がいこつ」のコスチュームを用意しました。ハロウィーン当日の昼間は、Duveneck 小学校で仮装パレードがあり、女性の校長先生も「お姫さま」の格好をしていました(本当は魔女の方が似合うと思うのですが)。夕方は trick or treat で近所の家をまわり、うちにも20組以上の子供たちのグループが次から次へとやって来て、僕たちが用意したお菓子もすべてなくなってしまいました。隣町では、ハロウィーンの行事を学校でやることを辞める決議が検討されていました。ハロウィーンの背景である「悪魔退治」の思想・宗教性が、問題視されたわけです。しかし予想通り、その決議は取り消しになって、いつも通りハロウィーンは行われたようです。宗教性を理由に初詣を辞めることが難しいのと同じくらいに、年中行事化・習慣化しているということでしょう。

・ こちらで親しくしてもらっている Hegg さんというのは、自ら会社を経営するピジネスマンで、現在進行中の或る「和歌山プロジェクト」や「世界宗教者会議」の企画にも関わっている情熱的なアメリカ人です。Hegg さんは、「和歌山プロジェクト」の話や「バンダイやベネッセ」の話を熱っぽく語って議論をふっかけてきます。僕も「和歌山に注目するならば、熊野やその宗教的背景を生かさない手はない。」とか「ベネッセと駿台という予備校の提携について」などの話をしています。

・ Thanksgiving は、周知のようにメイフラワー号でやってきたピルグリム・ファーザーズが、最初の収穫を神に感謝したことに由来するものですが、この話の背後には「ピルグリム以前にアメリカ大陸からスペインへ奴隷として連れ去られ、イギリスを経由して戻ってきたあるネイティヴ・アメリカン」の物語がもう一つひかえているようです。クリスチャン関係者主催の茶話会に出てみた時に、そのあたりのもう一つの物語についてのビデオを見ました。

・ Thanksgiving 当日は、すべての店が閉まってしまいます。遠く離れていても家族のもとに戻っていっしょに過ごすというのが、典型的な過ごし方のようです。僕たち家族は、大学のインターナショナルセンター主催のパーティに出席して、初めて丸ごとの turkey (子供たちの発音では チュゥルキィー) にナイフを入れる経験をしました。turkey 自体はまぁまぁの味でしたが、付け合わせの方のアメリカ特有の味付けは No more, thank you という感じでした。
 

・ 妻は、友人も何人もできて、積極的に毎日を過ごしている様子です。僕の車の送迎をあてにせずに自分でバスの路線を調べて買い物へ行ったり、スタンフォードの Spouse Meeting に出かけたり、Duveneck 小学校のお母さんたちとコンタクトをとったり、ESL で知り合った韓国人の友人の家に招待されて遊びに行ったりしていますし、夜は子供を寝かしつけた後、ESL の宿題をやっています。これはいつものことなのですが、僕や子供たちが風邪で寝込んだときも、彼女はまったく元気でした。

・ 子供たちは、こちらの学校の方が日本の学校よりも楽しいと言っています。といっても、彼らが「楽しい」と判断している根拠は、「授業中でもおやつが食べられる」とか「教室でパソコンが自由に使える」というものですが。確かに、先生もスナック類を食べながら授業をするそうですし、じっと同じ姿勢で椅子に座っている日本の授業風景とはだいぶ異なることは、大学での学生や教授の姿を見ていても見当がつきます。哲学の Dretskey 教授なども両足を机にのせて、椅子を傾けて揺すりながら講義をしているので、ひっくり返りそうになることもありました。彼は自分専用のコーヒーポットを持ってきて飲みながらゼミをしますし、もちろん、学生の方も飲み物持参は当たり前です。僕もたいていCoke を飲みながらゼミに出ていました。

・ 個人面談でMr. N ―Nobuの担任です (正式には Mr. Nitschneiderですが、みんなこう呼んでいるようです)― と話したときに、日本の小学校との比較の話になって、その時お互いにビックリしたことがありました。僕が驚いたのは「アメリカでは、いつかけ算をやり、いつ分数をやるかは、まったく担任の教師のポリシーにまかされており、三年生でわり算や分数までやってしまう教師もいれば、まだ足し算しか教えないという教師もいる」という点でした。Mr. N の方は「日本では同一のクラス構成が一年だけではなくて、二年間、場合によっては三年間連続することもあるし、担任の先生も持ち上がりで変わらないこともある」という点に驚くと同時に、それはメリットも大きいだろうと感心していました。アメリカでは基本的には、3年生の担任はずっと3年生を担当し続けるそうで、いわば、教師は学年に固定されていて、生徒が移動していくというシステムだそうです。僕が「それでは同じ学年の繰り返しで、教師は飽きるのではないか?」と聞いたところ「Yes だけど、その方が教材作りなどの苦労が少ないし、子供が変われば、こちらの気持ちも変わるし。」と答えていました。また、僕の「教師ごとにどこまで進んだかが違うのに、学年が変わった時に生徒は困らないのか ?」という質問に対しては、「それは教師の責任ではなく、足らないところを補充するのは親の役目だ。公文もあるしね。」ということでした。

・ Nobuは算数がトップか2番目くらいのできだと個人面談でMr. N がほめるので、僕が「いや彼は算数はそんなにできる方ではない。日本では excellent ではなく OK レベルにすぎない。」と言ったら、クラスの全員の点数が記入してある表を見せてくれて、いや、こんなにできるのだと言うので、「アメリカの小学生の平均値が低いから、見かけ上できるように見えているだけだ」と言おうかなと本当は思ったのですが、やめておきました。アメリカの教師は、基本的にほめるのが上手です。Nobuはコンピュータを使うのがうまい、PE が優秀だと大げさにほめてくれます。こういう時にあまり謙遜するのは日本人風で嫌なので、「本当は彼は、文章を書く能力が excellent なんだけど、彼の一番優れている点を英語で見せられないのが残念だ。」と言っておきました(^_^)v。

・ この Mr. N は宿題が多いのでも有名で、大変なのはNobuではなくて、翻訳者の僕の方です。先週は「ワシントンは朝食に何を食べていたかを調べる、好奇心の強い男の子の物語」を一冊読んで、問いに答える宿題をやらされました。ワシントンのユニフォームのボタンの数が64個だったことや、ワシントンは蹄鉄を曲げられるほど力持ちだったことなどを初めて知りました。

・ この一、二ヶ月で進歩がめざましいのは、次男のKoreeです。まったくゼロから始めた英語ですが、彼は短い文をつなげて(決して文法的には正確ではありませんが)、自分専用のお話を作るまでになっています。いま手もとにある紙には、" Rabbit said this home is too big. Cat said the home is too small. " とか "the moon is in the sky, The sky is the sky." などと書いてあります。こういうのをつなげて、絵を描いてホッチキス(英語では stapler ですね)でとめて「本」を作っています。担任の Mrs. Miron もKoreeのことを "amazing learner" と言っていました。

・ さらにKoreeは、女の子にもてもてで、すでに二人の女の子と hug と kiss を経験しています。Kelly とChristine という女の子で、やはり小さくてもアメリカの女性です。表現が積極的で、 "Kore is cool" "My Kore" "I love you" なんていうのは日常茶飯事のようです。Koreeの方も"Thank you. I love you." と答えているようです。いやはや。そうでなくても、父親ゆずりの「ませガキ」なのに、その素質が加速されそうです。

・ NobuもKoreeも、放課後友達の家に遊びに行くことも多くなっており、アメリカでの小学校生活を満喫しているようです。ものすごい「お屋敷」に住んでいる友達の所に行った時に、Koreeは羨ましいと何度も言っていました。それは、専属の家庭教師兼保母さんが送り迎えしていて、大きな庭にはプールがあり、大木には
すべり台や遊具が取り付けてある家に住んでいる Monte という友達です。しかし、彼らに、日本の方がいいと思うところはどこかを聞いたところ、一つは「体育(PE)がアメリカの学校は物足りないので、体育は日本の方がいい」ということでした。アメリカの PE では激しい運動はしないようです。サッカーとか徒競走なんてもちろんありません。それらは、ボランティアでやっているクラブに所属して自発的にやるものであって、みんなが共通にやることではない、という発想のようです。

・ もう一つは、「アメリカでは子供だけで外で遊べないし、帰りも親と一緒だから寄り道ができなくて、つまらない。」というものです。とにかく、子供だけで外を歩かせることは危険なことなので絶対しないようにと、何人もの人から言われています。これは確かに、アメリカの暗部でしょう。こんなにすばらしい気候で、公園もすばらしいのに、大人の付き添いなしで子供たちを気楽に遊びに行かせられないというのは、何とも奇妙な「ねじれ」を感じてしまいます。

・ 三男のYoshiiは、週三回妻が英語のレッスンを受けている間だけ、母親から離されるわけですが、離れるときは今にも泣き出しそうな様子で、三歳半になってもかなり「甘えん坊」であることが判明しています。兄貴たちが Do you like YWCA ? とYoshiiをからかうと、彼は NO ! と叫んでいます。

・ 息子たちを3人いっしょに連れて歩いていると、微笑みかけたり話しかけてくるアメリカ人が結構たくさんいて、彼ら3人がコミュニケーションの「潤滑油」になることがよくあります。アメリカ人は、みな同じように "like a step" ということを口にして、3人を縦一列に並べようとします。背の高さがちょうど階段状になり、年齢も9・6・3であることを「面白がって」くれます。スタンフォードのキャンパスの中で、アメリカ人の旅行者集団から、記念にいっしょに写真を撮らせてくれと言われたこともありました。特に、Yoshiiの表情や行動が好意の眼差しを呼ぶことが多く、どこへ行っても cute boy とかわいがられます。子供3人を連れての海外生活は、確かに色々とたいへんなのですが、得をしていることもたくさんあるように思います。

・ 先週の週末に、山口大学で同僚のMさんが(私と同様に客員研究員として滞在している)ボストンから二泊三日でカリフォルニアへ遊びに来ました。東京から来た友人のSさんといっしょです。Mさんは、新たな恋人の可能性の出現もあって、ボストンへ来たことの幸福を十分に味わっているようでした。アメリカに永住することまで考えているそうですから。そのために、専攻を英文学から、比較文学→日本文学とシフトすることも考えているようです。

・ 二日しかなかったので、サンフランシスコとパロ・アルトの街にしか出かけられませんでしたが、7人の移動用にvan を借りて、サンフランシスコの急坂をジェットコースターがわりにして遊びましたし、スタンフォードの図書館の中も特別に許可をもらって案内できましたし、ベトナム料理の店で食事もできて楽しい再会でした。会っているときには、それほど久しぶりという感じはしなかったのですが、二人が帰った後に脱力感と寂しさが急に襲ってきて、この再会は特別な非日常的な時間だったのだと気づかされました。

・ これからクリスマスシーズンですが、雪の降らない、しかも、まだ太陽が出ている間は暖かいカリフォルニアには、クリスマスは似合わない感じがします。今の時期はこちらは雨期なのだそうですが、先週まではそれほど雨は降りませんでした。しかし、Mさんがボストンへ帰った次の日から、音のする雨が降り始め、昨日と今日は storm でした。日本の雨や風と比べるとたいしたことはないのに、それでもこの久しぶりの「大雨?」で電話線がダメージを受けてしまい、まったくの不通状態で一日半電話が使えず、インターネットにもつなげませんでした。僕のようにネットワークへの依存度が高い生活をしていると、こういう時には、生命線が断たれたように呆然となり、落ちつかなくなってしまいます。

【2014年4月16日記】

◎ 2014年4月16日(水) 「懐かしきスタンフォード・レポート(2)」
・ (1)に引き続き、スタンフォード大学客員研究員として米国カリフォルニア州のパロ・アルトに滞在したときに、友人宛に書いた当時(1995年〜1996年)の文章です。
・ 私と妻は37歳、息子たちはそれぞれ9歳・6歳・3歳。


・ 相変わらず忙しい毎日が続いていています。しかし、先月の忙しさが、手続きや生活基盤の確立のための忙しさだとすると、この一ヶ月の忙しさは「学生的な」忙しさです。三男を除いて家族全員が、それぞれたくさん宿題や課題をかかえている状態で、僕と妻は、まるで学生時代に戻ったような日々です。

・ 僕は、哲学科の大学院のゼミ (Fred Dretske, Philosophy of Mind) と言語学科のESL (English as a Second Language)のコースに出席しており、その他に所属しているCSLIのワークショップやミーティングにも顔を出しています。

・ 大学院のゼミでは、Qualia (感覚質)についての機能主義・反機能主義・表象理論等の様々な立場の論文を、毎回2本ずつくらい読んで議論をしています。スタンフォードの哲学科の院生だけでなく、僕以外のCSLIの研究員も出席していますし、他大学からの出席者もあります。レベルは、まぁまぁかなというところです。東大大学院当時の故・黒田亘先生のゼミのレベルの方が高かった気がします。

・ ESL では、様々な分野の大学の講義やテレビニュースを聞きながら、ノートやメモをとって理解度をテストされます。自然科学入門の講義とかタンパク質の化学講義とか企業戦争についてのABCニュースなどです。ここでは、自分のListening Comprehension の「網目の粗さ」に気づかされています。知らない分野の内容(タンパク質の機能と構造による分類の話など)になると細かいデータのメモが取れず、大枠しか理解できていないことがしばしばです。また、five hundred thousand to a million (異なるプロテインの総数) が、スピードの速さと音の縮約現象のために、five hundred thousand * million に聞こえたりして、「おかしいなぁ多すぎるなぁ」と思いながらも、まちがってノートしたりしています。コンピュータを利用した assignment もあって、よく図書館に行って宿題をやっています。スタンフォードの図書館は、土日でも夜中まで開いていていますし、オンラインで自宅からも検索ができますし、勉強・研究には最適の環境です。

・ ESLの他の出席者は、中国人と韓国人がほとんどで、みな大学院生です。授業の前後にいっしょに喋っていて気づかされるのは、みんな貪欲でギラギラしているということです。僕のような義務のない身分で、別に単位も必要もない訪問者は「異端児」のようです。しかもその違いは、「日本人だから」というわけではないようです。というのも、建設会社から派遣されてきた日本人の大学院生も、企業の中で選ばれたという自信と意気ごみ(博士号をとるぞ!)と恍惚(?)によって、「熱した状態」にあり、中国人や韓国人の彼らと同じ「色合い」ですから。みんなで話しているときに僕が" I have no class and no obligation here. Anytime I am free. All this year, just like a vacation." と軽口をたたいたところ、反感とも嫉妬とも違いますが、一瞬ですがちょっとだけ「緊張感」がありました。言葉には気をつけなくてはいけないようです。

・ CSLI のミーティングで興味深いのは、"CogLunch" というものです。これは Cognitive Science Lunch からの命名のようですが、様々な分野の第一線の学者を呼んで、お昼を食べながらレクチャーを聴き、その後質疑応答を行なうというものです。今年度は "Consciousness" というテーマの下に、生物学者・コンピュータサイエンティスト・哲学者・精神科医などが話をすることになっています。食事をしながらというリラックスした雰囲気と、rigorous な議論の組み合わせが、まさに CSLI そのものを象徴しているようです。

・ CSLIは、色々なコンピュータ関係の企業とも研究提携をしているようで、先日は NEC のメンバーが来て、音声認知のソフトウェアを含むマルチメディアソフトウェアについてのワークショップを行いました。また工学部では、多摩美術大学から来ている日本人の客員教授が、時間のファクターを重視した共同学習ソフトについての公開講義をしていて、これも聴きに行きました。これらのミーティングやイベントのお知らせは、毎週電子メールで CSLI Calendarとして送られてきています。

・ 妻は、パロ・アルトが主催する ESL のコースに、週三回 (一回3時間)通い始めました。火・水・木の朝は、長男と次男を学校へ送った後すぐに家を出ないと間に合わないので、たいへんです。宿題も簡単なようで難しく、50個もの顔の絵が描いてあって、泣いたり笑ったりしかめっ面だったりするわけですが、その気分を英語で表す、という宿題には閉口しました。「気分」を表す単語がすぐに50個も思い出せないということもありますが、そもそも「顔の記号化された絵」がどういう気分を表すのかが読み取れなくて苦労しました。彼らは、この絵から差異化された気分をちゃんと読み取るのだろうか ? と不思議に思いました。

・ 妻が行っているのは YWCA ですが、ここでは ベビーシッターが完備しているので、三男も幼稚園へ行っているようなもので、彼にとってもいい機会になっています。パロ・アルトに来た最初のころは、買い物へ行っても、僕が英語で応対していましたが、最近はすべて妻がひとりでやるようになりました。そもそも日本語でも、僕はこういう応対が嫌いだし苦手なので、すぐに彼女の方が英語での買い物もうまくなることでしょう。彼女は小学校への送り迎えを毎日しているので、お母さんたちと知り合って話す機会もありますし、何人か友人もできたので、こういう方面の日常会話の能力もすぐに僕を抜いてしまうことでしょう。

・ 長男(Nobuと呼ばれています)と次男(Koreeと呼ばれています)もまた、小学校で ESL のレッスンを週三回ほど受けています。身の回りの単語といくつかの表現を覚え始めた程度ですが、nativeの環境の中で耳から覚え始める英語は、やはり発音が違います。「ジューライキィッ」とか「ウァーラープリーズ」と口走っているのを聞くと、はじめから" Do you like it ?" と視覚的に分節化された所から入った、自分の中学生時代の英語の習い方に懐疑的な気分になります。Nobuには、ダニュエルという仲のいい友達がいて、彼は英語で話しかけるだけでなく、Nobuから日本語を教わろうという気もあるようです。彼のお母さんから聞いたところでは、図書館で日本語の本を借りて家に持って帰って、親を「困らせて」いるそうです。このお母さんからは、食事に招待されました。

・ まだまだ、授業はまったく分からないでしょうが、算数だけはできるので、Nobuは計算の競争の時は、いち早く終わらせて "Done !" と言って、みんなをビックリさせているようです。この間、通信簿みたいなものをもらってきましたが、Nobu is very good at math. と書いてありました。また、Writing の評価の所には、according to the translations, Nobu is a good writer. とありました。もちろん、翻訳しているのは僕です(^_^)v。

・ Nobuの宿題はかなりの量で、しかも日本の方の勉強も通信学習でやっていますから、彼は日本にいるときよりも「勉強家」になっています。

・ Koreeは一見シャイで、Nobuほどリラックスしていないかのように見えますが、実はものすごく注意深く周囲の人の言葉に耳を傾けていて、じっくりと「観察期」を過ごしているようです。外国人の名前は覚えにくいものなのですが、Koreeはクラスの子の名前をほとんど覚えていますし、家で一番英語のフレーズを口ずさんでいるのも、Koreeです。また、Koreeは、女の子からはプロミス・リングをプレゼントされたり、複数の女子に囲まれて「もてている」ようですし、先日は the student of the day に選ばれシールを胸につけて帰ってきて、得意そうでしたので心配はいらないようです。

・ こんな調子で何かと忙しく、サンフランシスコとモントレー/カーメルへドライヴに行っただけで、あまり遠出をしていません。サンフランシスコでは、ゴールデンゲート・ブリッジをわたって、ソウサリートというリゾート地へ行った後、Exploratorium という「科学技術を手で触れる」博物館に子どもたちを連れて行き、夕方はフィッシャーマンズ・ワーフでシーフードの食事をして帰ってきました。モントレーとカーメルでは、 Bay Aquarium によった後、17マイルドライヴという美しい海岸線沿いの有料ドライヴウェイを走りました。モントレー/カーメルは、パロ・アルトから往復で200マイルほどのところです。

・ 遠出はしていませんが、パロ・アルト周辺の地域には「土地カン」が出て来て、もう地図もいらなくなりました。土日は、買い物や食事に出かけますが、特に、スタンフォード・ショッピングセンターの中にある、The Nature Company, Scientific Revolution, Museum Shop, Learning Smith などの、子供も大人も楽しめる
高品質な「おもちゃ」や「実験道具」「パズル」「不思議なもの」などを売っているお店には、もう何度も出かけています。例えば、「雨の木」というものを買いました。チリ産のもので、中で雨の降るような音がする木で、その音を聞いていると妙に落ちつく珍しい木です。

・ 先週の土日は、Duveneck 小学校の"Potluck"に行って来ました。"Potluck"というのは、各クラスの親がそれぞれ料理を持ち寄って、食事をしながら親睦を深める懇親会です。土曜日がNobuのクラス、日曜日がKoreeのクラスでした。担任の先生や友達の親たちと話すことができて有益でした。英・仏・独の三ヶ国語を教えているお母さんなどもいて、この地区はインテリが多い地域です。どうも、NobuとKoreeのことは、各家庭の食卓で話題になっていたようで、「日本から来た英語が全然話せない新入生は大丈夫なのだろうか」という話が何度もあったようです。

・ "Potluck"では、意外な人とも話をしました。それは、何年か前にプロ野球の日本ハムで活躍したBrewer氏です。当時のことを懐かしそうに振り返りながら、「いい時代だった」「高田はいいマネージャーだった」と繰り返していました。今は、高校生の野球指導などをしているそうで、日本へ高校生を指導しに行く機会もあるそうです。

・ 日本は、すっかり秋模様だと思いますが、カリフォルニアの気候では、朝晩は、セントラルヒーティングが作動するほど冷えることもある一方、昼間はまだ半袖でないと暑いくらいです。特に車に乗っていると、昼間は冷房が必要なほどです。カーラジオから聞こえてくるニュースでは、シンプソンのこととファラカン主導のワシントンの黒人集会のことが繰り返し報道されています。来週はじめには、CSLI 所長のジョン・ペリー教授との40分インタビューが予定されていて、ここ二ヶ月の「研究成果」など聞かれたら困るなぁと思っている所です。

【2014年4月16日記】

◎ 2014年4月15日(火) 「懐かしきスタンフォード・レポート(1)」
・ PC内のファイル(山口大学時代に書いたもの)を見直していたら、スタンフォード大学(米国・カリフォルニア州)に滞在時(1995年〜1996年)に書いた、友人へ向けた近況報告の文章が見つかって、懐かしくなった。
・ ここの身辺雑記(メモ)を書き始めるずっと前のものだが、その頃も同じように日々のことを書きつけていたことが分かる。今では、社会人になって独立した長男と次男が、それぞれ9歳と6歳でアメリカ生活を初体験したときの様子が想い出されて、ずいぶんと時間が経ったことを再確認させられる。私が、37歳の頃の話ですから。
・ 全体は、かなりの量になるので、まずは「スタンフォード・レポート(1)」として、パロ・アルトに到着して生活し始めた頃(1995年9月)のもの。
・ 気が向いたら、続きもアップします。以下の>から>までが、当時の文章。


・ 到着した日の午後から、すぐにソーシャル・セキュリティー・ナンバーの取得、銀行口座開設、中古車のレンタル、食料品の買い出しと動き回り、時差による眠さを感じている暇もありませんでした。しかし、借家のオーナーがとても気さくで親切な人で、同伴して色々と教えてくれたために、割合すんなりと行きました。

・ しかし、もっとも大変だったのが息子たちの学校の手続きでした。すでに日本にいる段階でregistration は済ませていたので、学校とクラスは決定していたのですが、予防接種と健康診断をクリアするまでは出席できないので、着いたのが金曜日ということもあって、新学期開始日には間に合いませんでした。

・ 長男 (9歳)は日本の学年より一年下げて3年に、次男 (6歳)は1年生になりました。すでに友達ができていまして、誕生パーティーにも呼ばれたりしています。OK と Excuse me とHello とアメリカ的あいづちを組み合わせて何とかやっているようです。三男(3歳)も、oops なんかを覚えて使っていて、みんなの笑いを誘っています。

・ 妻といっしょに、PTAの集まりにも出てみましたが、親が学校へコミットすることが強く期待されていて、ボランティア等で参加することになりそうです。各教室や図書館には Macintosh が二三台ずつあって、恵まれた環境の小学校です。

・ 或る人の表現によると、スタンフォード大学は「慶応大学を大規模にした雰囲気の、品の良い明るい商業主義が印象的」な大学ということです。確かに、うなずける所があります。その大きさといったら、最初の何回かは車で迷ってしまって、大学内のどこを走っているのか把握できず、外へ出られなくなって疲れてしまったほどです。あれくらいの大きさがあって、その中に教授や学生たちが住んでいて、はじめて"university"という言葉がピッタリくる感じです。一般に「お金持ちでできのいい子たちが行く大学」というイメージがあるそうで、そのへんも慶応のイメージに似ているのかも知れません。また、コンピュータなどの最先端企業や研究所が集まっている地域だということもあって、産学協同・学際的研究が活発な大学で、ビジネスが割にうまい大学というイメージもあります。大学がキャンパス内の土地を貸している「スタンフォードショッピングセンター」は、大学内とは思えない「高級専門店の大集合体」ですが、売り上げが悪い店は、撤退を余儀なくされるそうです。

・ 先日、僕をよんでくれたペリー教授とイギリスから来ているコンピューターサイエンティスト二人と昼食をいっしょにしました。大学内の特別なメンバーとそのゲストしか入れないらしいカフェレストランへ連れていってもらいました。イギリス人の英語とペリーのアメリカ英語は明らかに「耳ざわり」が違うのですが、やっぱり「同じ」言語を話すもの同士なのですね、その丁々発止とも言うべきペースに入り込むことはなかなか困難で、僕が喋り出すとペースダウンの会話になってしまいます。

・ 昨日の午前中、そのイギリス人の一人に誘われて、Ed Zalta という哲学者・論理学者がひらいているdiscussion group (=自主セミナーみたいなものかな?) に出席してみました。けっこう有名な人で、著書で名前だけは知っていました。一時間/週という短いものですが、ただ座っているだけでは馬鹿にされそうなので、一つだけ発言をしました。You have the assumption that there is difference between exemplifing and encoding, that is, between two modes of predication. That assumption is, we can say,an intuition. After your theorizing, systemtizing, is that intuition clarified, or unchanged .... ? というような質問です。セミナー後に、Zalta 氏の研究室で、NeXT コンピュータを見せてもらいました。彼の部屋には NeXT が3台もあり羨ましいかぎりでした。

・ Palo Alto の自宅からも、大学への PPP 接続によって、大学のoffice からと全く同じ環境でアクセスできるようになりました。スタンフォードのコンピュータ環境は、オンラインの help システムが懇切丁寧なのと、あらゆる大学内情報(図書館やブックストアやオンライン辞書も含む)へアクセスができるfolioという名のシステムが印象的です。

・ ここパロ・アルト周辺は、街自体が公園といったほんとうに美しい場所です。近所のおじさんの話によると、40年以上事件が起きていない治安もいい所なのだそうですが、現在、連続レイプ魔がこの付近に出没していて、まだ捕まっていません。ここ何日かで16歳から57歳までの6人の女性をレイプして逃走中です。そのため、police car によく会います。指名手配の似顔絵が、Palo Alto Weekly に載っていました。東洋人のようです。9月末になってもまだ、日中はかなり暑く、強い日差しが、体を射るような「痛さ」がありますが、湿度が低く汗はかかないので、暑くても爽やかな感じです。それでも、朝方は少々冷え、1日の中に四季があるような具合です。

・ 残っていた「手続き・準備」関係の最大のものは、中古車の購入問題でしたが、9月17日に、FordのTaurusを購入して、これも解決しました。93年と割合新しいため、走行マイル数が少なく1年のwarrantyが残っていること、走り具合が山口で運転していたAccord に近いこと、セールスマンやマネージャーの交渉の仕方などが、決め手になりました。

・ 今回何件もの中古ディーラーを見てまわったわけですが、90年くらいのVolvoのステーションワゴン、DodgeのCaravan、85年くらいの BMW、そして90年くらいのFordのTaurusあたりを、ターゲットにしていました。基本は、せっかく日本を離れているのだから、日本車以外に乗りたい、というものでした。様々な比較検討はおいておきますと、結局「新しい方がいい」という点と「セールスマンと店の印象が大切」ということになりました。

・ 車そのものよりも、とにかく面白かったのは「交渉」です。なんと、絵に描いたように典型的な「交渉」を経験してしまいました。セールスマンからマネージャーへとレベルが上がっていき、こちらの値切りと向こう側の拒否の「つばぜり合いに」になり、何度かマネージャーは裏へひっこんで検討し、さらに「自分がこれだけ譲歩したのだから、お前も譲歩しろ」と攻撃してきます。僕は二度目の譲歩で「これが最後のトライだ」と通告すると、向こうはお互いの歩み寄りの金額のプロセスを「図示」して、お前の譲歩はまだ不十分だと言うので、僕の方は、それはお前の側の視点から見た図であって、僕の側からみると云々と応戦し、合意に達しました。そして、合意が成立すると Congratulations ! We enjoyed our business. と言いながら立ち上がり、大げさに握手をするわけです。いやはや。でも、こちらへ来て初めて、反射的に英語を喋っているという感覚を持つことができて満足感がありました。買った車の走り具合にも満足しているので、格安の買い物にはなりませんでしたが、いい経験もしたし、まぁ良かったのではないでしょうか。

・ それと、今回最終的には車を購入しなかったけれども、数回にわたり楽しく交渉ができた別のディーラーもありました。それはVolvoのディーラーのうちの一つでした。彼の所へ「君の所から買えなかったのは残念だけど、君との話ができたのはとても楽しかった」という趣旨のFAXを送っておいたのですが、翌日に電話があって、例の Congratulations ! の後、どういう車をどういう買い方をしたのか心配してくれ、最後は、これからは君と君の家族とは友達としてつき合おう、何かあったら電話してくれ相談にのるぞという、これもアメリカ的といえばアメリカ的な発言で幕を閉じました。

・ こんなことばかりやっているからでしょうか、ある相互に独立の二人の人から、「君は哲学が専門だそうだが、かなりpracticalだ」と言われました。僕は、philosophicalであることと practicalであることは、compatibleで矛盾はしないと答えておきましたが。practical な面の問題としましては、driver's licence の取得がまだ残っていることになります(国際免許は持っていますが、現地で免許を取得することにしました)。さっさと片づけたいと思っています。

【2014年4月15日記】
                                 
◎ 2014年4月9日(水) 「あれから一年」
・ 大学レスリング部の朝練(7時〜9時)に参加。
・ アップ・マット・柔軟→打ち込み→1分スパー→3分スパー→打ち込み→筋トレ。
・ 仲上君以外にも、猪口君と境君に1分スパーで相手をしてもらう。境君からは、ハイクラッチの入り方についてアドバイスを受ける。
・ 最後の打ち込みでは、スパー中に仲上君が気づいた私の修正すべき点を反復練習させてもらう(肘を取って崩した後の対応や片足を取った後の頭の付け方)。
・ マットでの練習終了後、主将の松田君に誘われて、部員たちと一緒にアスリート用トレーニングルームへ行って、私も少々筋トレ。

・ 練習後は、ゼミ所属決定の会議に出席し、そのあとゼミ所属発表のための教室へ向かう。
・ ちょうど一年前の2013年4月10日(水)が、その年度のゼミ所属決定会議と発表の日で、その前の大学レスリング部の朝練中に、右足首を骨折した。
・ あれから一年。その右足首は、本当の意味での「完治」とは言いがたいが、それでも何とかレスリング練習ができている。
・ 身体の持つ治癒力や可塑性について、その「両面」を痛感させられている。
・ 「両面」とは、回復する力の大きさと、(年齢的な要因もあるのだろうが)その力の限界(不完全性)の両面ということである。

・ 一年前のその日の身辺雑記(メモ)には以下のように書かれていて、翌日にはギブス状態の右足の写真を載せている。
・ その日に「全治6週間」と言われたのは、あくまで「骨がくっつくまで」ということであって、松葉杖状態を脱するのには3ヶ月かかった。

◎ 2013年4月10日(水) 「腓骨骨折」
・ 朝8時から、レスリング部朝練に参加。
・ いつものように、仲上君に相手をしてもらって、打ち込みのあと、2分のスパーリングをやっている最中に、右足首を痛める。
・ 捻挫したような感触であったが、(以前に左膝の内側側副靭帯損傷をやったときと似たような)グキッという音がしたので、また靱帯をやっちゃったかなと思っていた。
・ 靭帯損傷のときと違うのは、音がより大きかったのと、すぐにボールのように腫れてきて痛みが酷かったこと。靭帯損傷のときは、直後はそれほど痛くなくて、一日経ってから腫れあがった。
・ 仲上君がアイシングの氷を持ってきてくれて、冷やしながらしばらく学生達の練習を見学するが、この後に心理学科の会議が入っていたので、早めに退散。
・ 右足を地面につくだけで痛いので、亀のように(いや亀よりももっと遅く)そろそろ歩きながら、いちおう会議等に出席した後、午後に整形外科へ。
・ レントゲン写真を撮った結果、今回は骨折だった。捻った力による右足首の腓骨骨折だった。ギブスを装着され、松葉杖を使用しないと歩けない状態になってしまった。
・ 全治6週間ということで、そのあとリハビリもしなくていけないので、当分レスリングどころか、運動そのものができなくなった。
・ 松葉杖を使うのは初めての経験で、病院から自宅に帰るのに普段の歩きの倍以上の時間がかかり、しかも使い方が下手なのか掌の皮が剥けてしまった。家が三階建てなので階段が多く、移動に四苦八苦している。

・ レスリング関係の方々や練習仲間のみなさん、すみませんが、またしばらくお休みさせてもらいます。ちゃんと治してから、復帰させてもらいます。
・ その分時間ができたと考えて、今一番重要な仕事(「あるようにあり、なるようになる 運命論とその周辺」の原稿執筆)の重要な段階に差し掛かっているので、そちらに時間を当てることにします。

【2014年4月10日記】

◎ 2014年4月6日(日) 「上下の動き」
・ skアカデミーのレスリング練習(朝8:30〜10:30、担当は今泉コーチ)に参加。
・ 相変わらず足首の状態が不安定で、ジャンプやダッシュは控えつつ、足首のご機嫌をうかがいながらの練習。
・ 技術練習では、(個別の技よりも)「つなぎ」「あいだ」のイメージを重視した、今泉コーチらしい練習。
・ 今日は、組み手からタックルに入るまでの「つなぎ」「あいだ」を集中的に練習。
・ 相手の足が「出ている」ところへ入るのでは遅すぎるので、相手の足が「出てくる」タイミングを察知して入る、あるいは居着いて動けない足の状態を作り出す、逆の足を引かせることで入りたい足が前に出ている状態を作る、などなど。
・ さらに、フェイントに上下の動きを加え、その動きの中のレベルダウンした(クラウチングスタートのような)低い状態からタックルに入る練習も。
・ 理屈では分かっていても、スパーの中ではなかなかできないことの一つに、この「上下の動き」がある。
・ その原因の一つは、下半身の鍛え方(スクワットとか)が足らなくて、その動きが反復維持できるだけの土台ができていないことにもあるかもしれない。

【2014年4月6日記】

◎ 2014年4月2日(水) 「新年度練習始め」
・ 足首痛のためだいぶ間があいてしまったが、大学レスリング部の朝練(7:00~9:00)に参加。
・ 練習開始前に、主将の松田君が「おまえら集まれ」と新一年生に声をかけて、私の前に整列して挨拶と自己紹介。今年は、女子2人を含む6人の新入部員。
・ 新入生にとっては「なんか変なおっさんが練習に来てるぞ」状態であり、この状態はこれからも年度始めに訪れることになるだろうな。
・ ロンドンオリンピック日本代表の長谷川恒平選手が、4月から母校・青学の職員となったので、これまで以上に練習でお会いすることができそう。やはり、長谷川コーチがいるだけで空気がピリリと引き締まる感じ。
・ 打ち込みを3分3本、そのあと1分スパーを数本、3分スパーを2本だけ仲上君と高木君に相手をしてもらう。足首を気にしながらの練習であったが、何とか無事。
・ 途中で、新入生の女子からスパーを申し込まれたが、すでに予約済みだったので、またこんどお願いしますということに。
・ これまで、服部さんや中学生女子とはやったことがあるが、これからは女子大生のレスリング選手ともスパーする機会がありそう。コテンパンにやられてしまうだろうけど。
・ 練習の最後に、仲上君に相手をしてもらって、グラウンドの打ち込み。いろいろな技を試してみる。時には、仲上君がやった面白そうな技を、私も真似してみる。
【2014年4月2日記】

◎ 2014年3月30日(日) 「古代ギリシアの精神」
・ 午後から研究会で、田島正樹さんの『古代ギリシアの精神』(講談社選書メチエ)の合評会。評者は、荒武裕一郎さんと植村恒一郎さん。
・ 今回のご著書は、田島的な反実在論と(ホメロス〜アリストテレス・ラインの)古代ギリシア精神とがシンクロナイズした、反時代的とも言える好著(まるで古代ギリシアの精神が田島正樹氏に憑依しているかのよう)。
・ 私が発言をしたのは2点のみ。
(1)(荒武さんによる評に絡めて)ギリシア的生とキリスト教的生という異なる二つの生き方がありうることも「可能的経験の拡大」になると思うが、田島的観点からはそれもよきことと言えるのか。
(2)著作全体が田島的な「アレーテイア」になっていると思われるが、同時に「アレーテイア」自体の隠蔽性も認められている。とすれば、対立点となった荒竹ー永井路線(意味より存在)こそ、その当の隠蔽されていることにならないか。
・ 田島さんは、自然主義や進化論的な見方をとても嫌っていて、次回の戸田山さんの本(『哲学入門』)の合評会ではコメンテーターを務めるそうなので、今から楽しみである。
・ 永井均さんと植村恒一郎さんと私の三人の立ち話の中では、嫌っているけれど実は両者の本はとてもよく似ているのではないか(しかも、それを内容として言うのは難しい種類の類似)という話にもなる。
・ 夕食後は、数人で山の上ホテルに寄ってお茶かワイン。
・ 夕食時の一コマ。
入不二「『子どもの難問』は売れてますよね」
永井「でも実はそんなに面白くないのでは?」
入不二「・・・。読み方によっては面白く読めるのでは?(二人の書き方を比較するとか)」
田島「僕のは面白い!」
【2014年3月31日記】

◎ 2014年3月29日(土) 「なぞの転校生」
・ 今日から新年度の仕事始め(4年生の履修ガイダンス)。足首の調子がよくないので、レスリング練習はお休み。
・ 「あまちゃん」以降、もっともはまっていたドラマ「なぞの転校生」が昨晩で最終回。各回を録画して2回・3回と観るほど気に入っていた。
・ NHK「少年ドラマシリーズ」版(原作・眉村卓)は私が小学生の時の放映で、今回のテレビ東京「ドラマ24」版は、岩井俊二氏が企画プロデュースと脚本を担当し、長澤雅彦氏が監督。
・ まさに岩井俊二だなぁと思わされたのは、映像の美しさと切なさの配合。
・ 高校生活という設定(期間限定)ゆえの輝きや哀しみを遠くから慈しむ感じと、パラレルワールドという設定の中で「この世界」の美しさや儚さを異世界人の目で慈しむ感じが、シンクロしているようであった。
・ あまりに好きすぎて、5月発売予定の「なぞの転校生 Blu-ray BOX(5枚組)」」を予約してしまった。



・ ツイッター@irifuji:で、「ヘクとパスカル(岩井俊二、桑原まこ、椎名琴音)による挿入歌「風が吹いてる」は、手に入らないのかなぁ。#なぞの転校生」と呟いたら、椎名琴音さんご本人(多摩美大生らしい)から、お気に入りに登録された。出して欲しいなぁ。


・ いくつかの対照や反復。香川みどり(桜井美南)たちの初々しさ瑞々しさと、ミッキー・カーチスやりりィの老獪さ深み。SF的異世界感と団地や学校の日常感。「岩田広一」の反復(D12とD15のアイデンティカ、NHKでかつて岩田広一を演じた人が今回の岩田広一の父親役)京野ことみの先生役は「白線流し」を知っている者には感慨深い。
・ で、団地と学校があり青空や夜空が美しいこの世界(D12世界)も、われわれの世界ではないんだよね。ショパンがいないから。その近さと欠如が、岩田広一や香川みどりが体現している「典型としての」高校生活が、ありそうで、あって欲しくて、しかしほんとは無いこととと繋がっていて、何だか切ない。
・ D12世界では雨に濡れることを楽しめるが、ショパンはいない(「雨だれ」がない)。NHK前作の頃、放射能の影響を気にかけ「雨に濡れるな」とも言われた。D12は、放射能に汚染されていない(プロメテウスの火を見ていない)世界?滅びたD8世界こそが、将来のこの世界?
【2014年3月29日記】

◎ 2014年3月25日(火)・26日(水) 「概念を動かしてみる」
・ 土曜日にレスリング練習をして以降、右足首の状態が芳しくない。曲げ伸ばしはできても、体重をかけると痛みが走る。
・ 昨日kizuカイロプラクティックで施術を受けるが、疲労がたまっていることを木津先生に指摘される。

・ 東京書籍の編集者・佐藤さんからの依頼で、高校の先生対象の情報誌『ニューサポート高校「国語」』の2014年秋号に巻頭エッセイを書くことになった。
・ まだ締め切りは先だが、昨日と今日の二日間で「概念を動かしてみる」という原稿を書いてみた。
・ 大学受験用参考書(キーワード集)などに見られる「普遍と特殊」の用語解説を批判的に見直して、普遍・個別・一般・特殊の四つの概念を、どのように捉えるべきかを簡単に論じてみた。
【2014年3月26日記】

◎ 2014年3月22日(土) 「なんとか」
・ 土曜日のskレスリング練習(17:00〜19:00、担当:人見コーチ)に参加するのは久しぶり。
・ 同じ時間帯で、前日は哲学、翌日はレスリングというのも、対照的なようでもあり似ているようでもある休日の過ごしかた。
・ 右足首の調子を気にしながらの練習で、ジョグはできてもダッシュは痛いし、アヒル歩きやジャンプ系は駄目。なんとか無事に練習は終えるが、いま(日曜日午前)はシクシク痛む。
・ 人見コーチのアップは、他のコーチより(若いからか?)一つ一つが長め。
・ 本日の成果を一つ。二人一組での股くぐり馬跳びの反復(1分×2セット)で、目標の1分で20回以上をクリア!お相手の40代は16回だったので、55歳としてはなかなかでは?
・ 両足・片足に分けての打ち込みの後は、組み手・崩し・いなしの練習と、スタンドのみのスパー。さらに、がぶりの練習と攻防。がぶりの反復は、攻撃も防御もとても疲れる。
・ グラウンドは、ローリングのみで練習のあと、自主練習の時間が設けられたので、私は冨川さんと寝技の打ち込みを繰り返す。スパーは、右足首を悪くしないように一本にとどめる。
・ 藪井さんがコーチをつとめるセント・メリーズ・インターナショナル・スクールのレスリング部が、優勝して王座奪還に成功した。私も練習に参加した一人ということで、藪井さんから記念にTシャツをいただく。
 
【2014年3月23日記】

◎ 2014年3月21日(金・祝) 「哲学塾特別講義」
・ 中島義道さん主宰の哲学塾カントにて、「運命論と未来」の講義と質疑応答を2時間ほど。
・ その後、そのまま教室で懇親会。さらに私を入れて9人で白木屋にて二次会。店を出たのは夜中の12時。
・ 塩谷賢さんと高村夏輝さんの批判的コメントによって、よりはっきり明言したほうがいいと思った点があった。
・ それは、私の議論は運命論を素材にはしているが、従来の(伝統的な)運命論を支持する議論ではない(もちろん反対する議論でもない)こと。
・ では何をやっているのか?「運命」の意味自体の書き換え・創作を行っているといった方がいいだろう。
・ 昨日の話の範囲で言えば、「一つでしかありえないこと」「どうしようもなさ」が、その意味である。単行本にするときには、その辺りの意図をもっと明確にしよう。
・ 二次会では、ルールと愛という話、レスリングや合気道のこと、木嶋佳苗被告ブログの話などなど。特に木嶋ブログに関しては、哲学科で学ぶ26才の女性の話に引き込まれた。
【2014年3月22日記】

◎ 2014年3月20日(木) 「諸々」
・ 今日は、朝からの大学レスリング部練習に参加する予定にしていたが、右足首の痛みが思わしくないので、残念だが欠席。
・ 中学生の頃にファンだった南沙織の「コンプリート・シングルコレクション GOLDEN BEST」を聴きながら、明日の哲学塾カントでの特別講義(運命論と未来)のレジュメ作成を終了。

【2014年3月20日記】

◎ 2014年3月18日(火) 「連載第21回「オズモの物語」版の議論(2)」
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年4月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、第21回「オズモの物語」版の議論(2)。
・ テイラーによる「オズモの物語」版の議論において、現在の三重性(無時間的な現在・推移する現在・特異点としての現在)がどのように絡み合って働いているかを考察。また、その物語としての限界と、その議論がどこへ接近しつつあるかを論じる。
・ 小見出しは、「現在」の三重性/現在と現実の同型性/物語という限界/排中律・矛盾律・同一律

【2014年3月18日記】

◎ 2014年3月16日(日)「sk朝練習」
・ 朝8時半〜10時半、skレスリング練習(担当:木村コーチ)。比較的少人数(会員4名)。
・ 木村コーチの鍵ではジムへの入り口の柵が開かずに、変則的な入り口を使用。
・ マット運動のときに、久しぶりにネック・ヘッド・ハンドのスプリングを試すが、着地の時に右足首が痛くて、うまくできない。
・ 打ち込みのあとは、相手を組み手の中で動かす練習(4種類)。
 (1) カラータイの状態にある相手の肘・上腕を取って、体捌きによってカラータイを外し、相手を崩す(さらに追う)。
 (2) プレッシャーをかけてきた相手の手を同じ側の手で払い落として、もう一方の手で相手の上腕内側を(一瞬ぶら下がるように)たぐって、相手を崩す。
 (3) 相手の肩口を両手で押してプレッシャーをかける → 右手でカラータイ+左手を相手の上腕外側へと移行して、相手を左側に崩す → 再び相手の肩口を両手で押してプレッシャーをかける → こんどは、左手でカラータイ+右手を相手の上腕外側へと移行して、相手を右側に崩す→・・・の反復。
 (4) 左右それぞれのunderhookだけで、相手を動かす(引きずり回す)。私は、片方がどうもうまく体重がかからないし極まらない。
・ そのあと、two-on-oneを取ったところからの押し上げと引きを組み合わせた練習。
・ グラウンドでは、腰をきるよりも足先(親指)を使ってローリングに耐える練習。
【2014年3月17日記】

◎ 2014年3月13日(木) 「亡霊ふたたび」
・ ギリシャ哲学が御専門の同僚の先生が、定年の4年前に退職を決断されて大学を去るので、その送別会を渋谷にて行う(夕方6時〜11時過ぎ)。
・ 当然早期退職の理由が話題になる。新たに建築の勉強をここ何年か続けていて、これから建築士の資格試験への挑戦、実際に住宅の設計・建築に携わるという目標のための早期退職。
・ その同僚の先生は、勉強するだけでなく実際に家を建てるところまでやるつもりであることを、私がレスリングの練習だけでなく試合にも出ることと比べていた。
・ さらに遠因(というか背景)として、先生は「哲学・思想系」の学科構想を抱いていたが(私も相談されていた)、その可能性が何年か前に消えたという状況もある。
・ もし哲学・思想系の学科ができていたら、今はその先生が主任を務めているだろうし、退職どころではなかっただろう。
・ 場所を移しての二次会で、やはり権力を奪取しないと・・・というお話をなさったときの、「できればハンデキャップなしで競争してみたかった」という言葉が印象的だった。
・ 「ハンデキャップ」とは、自らが一般教養担当の教員(でその後分属)だったということを指す。
・ ああ、山口大学時代に経験した「亡霊」を再び見た気分になった。私も、山口大学教養部に赴任してその後教養部解体・分属を経験した一人だから。
【2014年3月14日記】

◎ 2014年3月12日(水) 「練習こわい/戸田山さんの新著」
・ 午前中(9時〜11時)は、大学レスリング部の練習に参加。
・ 大学での練習は2週間ぶりで、日曜日のskの練習も足首の調子が悪くて欠席したため、間隔があいてしまった。間があくと、練習するのが少しこわい。
・ 何というか、身体が動かない感じがするし、手加減して攻められても、怪我しそうな気がして・・・。実際、2週間ほどでも間があくと、アップ時のマット運動でも幾分くらくら感あり。
・ 3分スパーと1分スパーでは、仲上君・境君・猪口君に相手をしてもらう。気になっていた右足首は大丈夫だったが、バックに回られるのを防ごうとして出した左腕を振り切られたときに、肘関節を痛めた模様。
・ 最後に、仲上君に教わりながら、腕取り(2-on-1)の後、肘を取られて耐えられた状況設定で、そこからの対処の仕方を練習。

・ 戸田山和久さんの新著『哲学入門』(ちくま新書)を、著者+担当編集者(増田健史さん)から送っていただく。増田さんは、本の厚さについて「限界突破」と書いていた。
・ 内容的には『自然主義哲学入門』であるが、それをあえてシンプル(単刀直入かつ大胆)に『哲学入門』としたところが素晴らしい!
・ その気概も、解説の分かりやすさも、そしてユーモアも、いつもの戸田山さん全開である。
・ こんな箇所もある。「私は中学生の時に、谷村新司やさだまさしを好むような人間には絶対なるまい、と決心したもんね」(p.347)。この箇所を示したところ、うちの奥さんは「気が合うなぁ〜」。
・ 哲学入門書として、昨年出た森岡正博さんの『まんが 哲学入門』(講談社現代新書)とこの戸田山本は、どちらも画期的な入門書だと思う。
・ 先日同様再録シリーズということで、戸田山さん関連で書いたことのある2011年3月21日の身辺雑記(メモ)を以下に再録しておこう。


◎ 2011年3月21日(月・祝) 「朝カル今期最終回/久しぶりの再会」
・ 朝カル「哲学の読書会」の今期最終回。終わりの方で、言語化できない<現実と原物質>という話になって、20分ほど延長して9時頃に終了。
・ ちょうど同日・同時間の「クリティカル・シンキング入門」の講座のために来校していた戸田山和久さんと遭遇。
・ 戸田山さんの上記講座を書籍化するために来ていた、編集者の大場旦さん・斉藤哲也さん・増田健史さんとも久しぶりに遭遇。
・ 京王プラザ・樹林での受講者とのいつものお茶会に、戸田山さん・大場さん・斎藤さんの3人も加わって、11時過ぎまで過ごす。
・ 戸田山さんが、「Q〜わたしの思考探究〜」でMCをつとめた上田紀行さんと中学・高校(教駒―現・筑駒ー)で同級生だったこと、大場さんが早稲田大学時代にレスリングを体育の授業科目として選択して一年間やった経験があることを、初めて知る。
・ 戸田山さんと私は、同年齢(1958年生まれ)で東大哲学科の学部生・院生のときに講義や演習をいっしょに受けていただけでなく、その後もいろいろと接点があって、いちばん思い出深いのが、山口大学時代の泊まり込みでやったFDの企画に来てもらったときのこと。
・ 当時山口大学の同僚だった石川巧氏(現・立教大学)と私、そして戸田山和久氏(名古屋大学)と霜栄氏(駿台予備学校)の4人で「授業」をめぐるシンポジウムをやった。よくある「FD的なあまりにFD的な」話にしないための人選だった。【注:石川さんと私の企画】
・ 一日目の戸田山さんと霜さんの絶妙な講演は、当時の学長だった広中平祐氏をも魅了。しかし翌日に行われた、私たち4人のシンポジウムの方は、聴衆(山口大学の教員+高校教員)には理解されることなく、むしろ反感を買って終了。それゆえ(?)、私たち4人の方は、意見の違いを超えて、親密感や同志感が強くなったのをよく覚えている。
・ 戸田山さんと私は、(学生・院生時代は別として)いわゆる「哲学科」という組織に属して教員をやったことがない(戸田山さんは情報科学研究科に所属)という点も共通していて、昨晩はそんな点をめぐる話にもなった。
【2011年3月22日記】

【2014年3月12日記】

◎ 2014年3月10日(月) 「再録:東大合格発表の日」
・ 今日は東大の合格発表の日なので、4年前の2010年3月10日(水)のメモより再録。
・ たかが大学受験の合格だったとはいえ、あのリスタートが成功したからこそ、その後の三十数年がある。されど大学受験である。

・ 今日は、東大(前期)の合格発表の日。30年ほど前の合格発表の日、私も午後1時すぎに東大本郷の掲示板の前に立っていた。
・ 高校卒業後、大学へ行かず(行けず)同棲生活をしていた私は、彼女だけを働かせて、自分は一日中まったく何もせず公園のベンチなどで寝ころんで過ごすような、自堕落な生活へと陥っていった。
・ この状態から抜け出すため、まずは大学へ行こうと思い直し、一年後の受験を目指して予備校(駿台)に通った。このとき出会った年下の二人の友人に牽引されて、久しぶりに勉強に打ち込んだ。ブランクがあるためしばらくはきつかったが、10月には全国で二桁の順位を出せるところまで回復した。二人の友人をはじめ周囲の19歳にとって、女と同棲中の風変わりな年上の受験生は、興味を引く存在のようだった。
・ 東大合格発表の日、私は彼女といっしょに出かけた。合格している自信があったからいっしょに出かけたのだが、使い慣れているはずの新宿駅でホームを間違えそうになるくらいに、緊張していて心ここにあらずという状態だった。
・ 当時は受験番号だけでなく、名前もいっしょに張り出されていた。二人の友人のうちの一人は、同じ文三を受験していて、名前が同じく「い」で始まるので、自分と私の名前を私よりも早く見つけて、歓喜のあまり抱きついてきた。もう一人の友人は、文一を受験していたが、知らないあいだに去っていて不合格だったことが分かった。今では、前者の友人は某国立大学の言語学の教授に、後者の友人はその後法学から医学に転身して、某私立大学の環境医学・疫学の教授になって、それぞれ活躍している。
・ あの合格があったからこそ、その後、私と彼女の同棲生活も、新しい段階へと進むことができた。

【2014年3月10日記】

◎ 2014年3月7日(金) 「書き終わる」
・ 講談社PR誌『本』の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」の最終回・25回「運命論と自由」の原稿を、ひととおり書き終える。
・ 連載終了の4ヶ月前のゴールである。
・ 今後は、未提出の原稿の修正と、単行本化に向けての修正加筆へ。
【2014年3月7日記】

◎ 2014年3月5日(水) 「講演と司会」
・ 3月21日(金・祝日)に、中島義道さんの哲学塾カントで、講演をします。タイトルは「運命論と未来」。
・ 連載中の運命論考察の中から、未来に関連する議論に焦点を絞って、話をしようと思います。
・ 6月28日(土)に北海道大学で開催される、2014年日本哲学会シンポジウム「未来という時間」において、私は司会を務めます。
・ 提題者が、中島義道氏・青山拓央氏・須藤訓任氏で、司会が齋藤慶典氏と私(入不二基義)です。
・ その「前哨戦?」にもなるかなと思って、中島さんの前で「未来という時間」のことを喋ろうと考えた次第です。
・ 以上、告知2点。
【2014年3月5日記】

◎ 2014年3月3日(月) 「朝カル」
・ 本日から、2014年1月〜3月期の「哲学の読書会」。「論点先取」の箇所では、私自身の最初の誤読を紹介したうえで、こう書いた方がよかったのでは・・・というところまで読解を試みる。
・ 終了後、受講生のなかの4名と10時過ぎまでお茶会。
・ 新規受講生に哲学科の大学生もいて、彼は、まだ受験生だった頃、東大哲学会でのシンポジウム(永井均・野矢茂樹・私、司会は植村恒一郎)を本郷で聴講したそうだ。「早熟な」受験生もいるのだ。
・ 英文科の大学院生で朝カル3年目の受講生からは、提出したばかりの博士論文のコピーをいただく。
・ やはり受講生の一人(しかも7年前に朝カルを始めたときからの受講生)の向井さんから、最近翻訳した本をいただく。
・ ローリー・ヘルゴー『内向的な人こそ強い人』(新潮社)である。帯には「内向性の価値を真っ正面から評価し、大反響を巻き起こした全米ベストセラー、待望の邦訳」とある。
・ 向井さんが翻訳した本には、哲学系の『100の思考実験』(紀伊國屋書店)もある。
・ 現在、連載の最終回を執筆中のものを単行本化するときのタイトルについても話題になる。お茶会のメンバーの反応では、『運命論の運命 ーあるようにあり、なるようになる』がよさそう、ということが分かった。
【2014年3月4日記】

◎ 2014年3月2日(日) 「skレスリング/誕生会」
・ 午前中(8:30-10:30)は、skレスリング練習(野村コーチ担当)。
・ 打ち込みで、点(肩)で当たっていたのを面(胸)で当たるようにと野村コーチに修正されて、威力増。
・ 技術練習とドリルは、2-on-1。前に引いた後、後ろに体重をかけて倒す技を試してみた。
・ 電通マンで複数の格闘技をやっている今井さんにスパーの相手をしてもらったが、強い!
・ 1月の試合以降、ご飯もお菓子も前と同じように食べているのに、体重はあまり戻っていなくて、ほぼ試合時の体型を維持している。
・ そのせいもあって、今日の練習後シャワー室で、顔を隠して身体だけならば、20代で通る!と言われる(^^)

・ 夜は、妻の実家に集まって、義母・長男・妻三人の誕生会。
・ 写真は、息子たちが買ってきたケーキと最中。


【2014年3月2日記】

◎ 2014年2月28日(金) 「単調かつ隙間があってtightじゃない」
・ 9時からの大学レスリング部の練習に参加。午後は3時から会議。
・ 最初の20分で、各自自主的にアップした後、私は仲上君と打ち込みをして、その後の1分スパー10本のうちの5本に入る。
・ その後の3分スパーは、3分×2を仲上君とやった後、境君が次の相手をしてくれる。
・ 腕取り(2-on-1)に行っても耐えられて先に進めないと私が言うと、仲上君は「かなり効いているんですが、先生は引くだけで上下の動きがないので、崩されずに耐えられるんです」。要するに、単調。
・ 境君はスパーの中で、私のがぶった状態からの攻めを受けてくれたのだが、攻めきれずに終わる。終了後、相手の脇へ頭の差し込み方が緩く、肩へのプレッシャーが弱いことを指摘される。要するに、隙間があってtightじゃない。
・ レスリングだからまだいいが(良くはないが)、「単調かつ隙間があってtightじゃない」が、本業の方の哲学的思考の中で起こると、かなりマズイ。
・ 練習の最後に、グラウンド(寝技)の打ち込みを仲上君と。彼が何度か繰り返していた、ローリング前の状態で体重を前方へかけて相手の肩を潰すというやり方が効いて、「うぐっ」となる感じ。
・ 私の方も、数種類の技を次々試させてもらって、こういう楽しさは、小学生の頃のプロレスごっこを想い出させるところがある。
【2014年2月28日記】

◎ 2014年2月25日(火) 「ランチ会」
・ 午前中の会議の後、昼は心理学科同僚の女性教員5人にO先生+私の男2人が加わって、久しぶりのランチ会。
・ 宮益坂上近くの「うらら」で越前の水蟹丼を食べた後、青山オーバルビルでコーヒーを飲みながらおしゃべり。外のテーブルでお茶できるくらいに暖かかった。
・ 針・整体・マッサージ・・・そしてサプリメントや健康食品などの話題が中心となるところが、それなりの年齢と身体の消耗を感じさせる。
・ 私は、特に利用しているサプリメントなどはないが、ふくらはぎが攣るのを予防するためにアーモンドが効くようだという話をする。
・ 私の場合足が攣るのはレスリング練習時のみだが、みなさんの話を聞くと、歩いているときや授業をしているときなどの平時(?)に、足が攣るという経験をしている模様。
【2014年2月25日記】

◎ 2014年2月23日(日) 「sk朝練習」
・ 8時半〜10時半のskレスリングの練習に参加(担当:野村コーチ)。
・ 朝の新宿駅は、東京マラソンのため普段とは違う混みかたで、駅内・駅付近のトイレは男子トイレも外まで長い行列。
・ 四つに組んでの差し合い、さらに外無双・内無双の練習を久しぶりにやった。
・ どうしても力比べ的になってしまって、いなしたり相手の力をうまく利用したりができない。
・ (野村コーチが実演していた)相手が押してきたところを、相手の身体を伸ばすように受けて首投げへ、というのはやってみたい技の一つ。
・ 寝技の打ち込みを中学生女子とやったときに、ローリングもアンクルもずいぶんとうまく力強くなっているのに驚いた。この4月からは中学3年生だ。

【2014年2月23日記】

◎ 2014年2月21日(金) 「早稲田」
・ 9時〜11時の大学レスリング部の練習に参加。
・ 本日は、早稲田大学レスリング部の選手たちとヘッドコーチの太田拓弥さん(アトランタ五輪・銅メダリスト)が合同練習のため来訪。
・ 練習開始前に、その太田ヘッドコーチと青学の太田監督と私の3人でしばし談笑。早稲田大学には太田章教授(ロサンゼルス/ソウル五輪・銀メダリスト)もいるので、「太田」尽くしだなぁ。
・ ちなみに、太田章さんとは、1月のマスターズ大会の時に初めてお会いして、息子(三男)が体育の授業でお世話になっていますと挨拶(その三男は無人島研究会の合宿で沖縄・具志川島に滞在中)。
・ 異なる大学どうしのスパーは、いつも以上に激しく、これぞ大学生のレスリングという感じ。
・ 私は、久しぶりに仲上君にずっと相手をしてもらって、アップのあと打ち込み5分×2本、3分×2のスパーを2回。
・ いつもより人が多いのとジェット式暖房機器のせいか、スパー後に酸欠気味だったので、レスリング場を出て外の空気を吸い、彼らが片足からの攻防練習をしているときは休憩。
・ 練習の最後に、片足を取りに行ったところからアンクルに入る練習を、仲上君を相手に繰り返させてもらう。
【2014年2月21日記】

◎ 2014年2月18日(火) 「人形焼」
・ 昨年末の減量期間中には「お菓子断ち」をしていたせいで、その間、試合が終わったらあれを食べるぞ、これも食べるぞ状態だった。
・ その「あれこれ」の中で、私のトップは「人形焼」であった(その他にもシュークリーム・カステラ・羊羹・最中などなど)
・ 本日、ようやく山田家の人形焼を食す。餡子の程よい甘さと生地のしっとり感がよくて、やはり山田家の人形焼だ!
・ 写真は、もうたぬきを一つ食べちゃった後。

【2014年2月18日記】

◎ 2014年2月18日(火) 「連載第20回「オズモの物語」版の議論(1)」
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年3月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、第20回「オズモの物語」版の議論(1)。
・ リチャード・テイラーによる「オズモの物語」版の議論を、「現在についての運命論」という観点から読み解き、三種類の「現在」の重なりを析出する。
・ 小見出しは、オズモの物語/真なる命題の集合がただ一つだけ存在する可能性/三種類の「現在」/「進化」した運命論
・ 以下は、最後から二番目の段落の引用:

「オズモの物語」版が、「論証」らしからぬ「物語」の体裁をとっているのは、この複数の「現在」をいっぺんに働かせるためである(と私は考える)。「物語」の体裁をとっているからこそ、「特異点としての現在」は、あの箇所で【「あの箇所で」には傍点】浮かび上がりうるし、「無時間的な現在」による表記を通してなお、時間は推移して「推移する現在(動く今)」が作動する。

  
【2014年2月18日記】

◎ 2014年2月16日(日) 「クレイドル返しクレイドル」
・ 先週は雪のためにお休みしたので、2週間ぶりのskレスリングの朝練習(8時半〜10時半、担当:野村コーチ)。
・ 準備運動・アップ・打ち込みの後、片足を取ったところからの攻めと守りの練習とドリル、さらにがぶりの練習、寝技の打ち込み、スパー。最後の補強はバタ足からのタックル切りとジャンプの組み合わせ。
・ 本日の個人的な収穫は二つ。
・ 一つは、寝技の打ち込みの時に、若林さんがパーテルポジション風に構えてくれたので、それでは試してみようと思って、青学レスリング部主将の松田君に教わった、足を4の字に交差させて固める技を試してみた(いちおう成功)。
・ レスリングに疎い知人から「プロレスをやっているの?」と聞かれることがあるが、この技の言い方も「デストロイヤーの4の字固め?」と誤解されるかもしれない。そうではないのですが・・・。
・ ただし、交差した両足が4の字形になる点は共通。あるいは、次のようにも言えるかもしれない。
・ 「4の字の交差形」というのは、かなり普遍的な技の基本型(要素)であり、その形を組み込んだ技のバリエーションはたくさんあるようなので、デストロイヤーの4の字固めもまた、その中かから(プロレス的なアレンジも加えて)誕生したものだろうと推測される。
・ もう一つの個人的な収穫は、スパーリングの中で、相手がクレイドル(頭と足を接近させて丸く折りたたむようにしてフォールする技)を仕掛けてきたのを、逆にカウンターで同型のクレイドルで返して、そのままフォールを奪ったところ。
・ 名付けて「クレイドル返しクレイドル」。
・ クレイドル技(の一部)は、日本語では「エビ固め」と呼ばれたりします。エビの湾曲した形に由来するのでしょう。

【2014年2月16日記】

◎ 2014年2月14日(金) 「運命論の運命」
・ 先日一通り書き終わった連載第24回原稿の「反復する<中間>」に、ファンクラブMLのメンバーからコメントをいただく。
・ 表現上の修正案は、プロの編集者も顔負けのいい案を出してくれるので、いつも助かっている。
・ 【シビれたフレーズ】というのを列挙してくれているが、こちらが工夫したところとその箇所が一致していて、著者冥利に尽きる。
・ 「「全一的な現実」「現実の全一性」がキーワードになっているという、これまでの自分の理解を覆されるような衝撃的な内容だった」というコメントもあり。
・ それに対する私のリプライとして、以下のように書く。

「衝撃的な内容」だと書かれているということは、まさに私の言いたいところを受け取ってくれた証拠だと思います。
もちろん、私が「全一的な現実」を強調していることは動きませんが、そのこと自体が、この<中間>の反復の一遂行形態であるという点にこそ、運命というあり方が現れているわけです。

・ 単行本化するときのタイトル案として、『運命論の運命』という案の提案もあり。
【2014年2月14日記】

◎ 2014年2月13日(木)・14日(金) 「久しぶりの朝帰り」
・ 友人たちと前日夜から朝方4時まで飲みあかして(といっても私はしらふだが)、語り尽くす。
・ その内容は公開できないので、裏バージョンの「身辺雑記(メモ)」として記録する。
【2014年2月14日記】

◎ 2014年2月12日(水) 「疲れない練習/アプリ雑感」
・ 午前中9:00~11:00は、大学レスリング部の練習に参加。
・ アップ→相手を代えながら打ち込み5本→3・4人のまとまりを作って1ポイントでも取った者の勝ち残りで進めていくスパー→片足をとった状態からの攻防→寝技のスパー→最後にもう一度打ち込みをして終了。
・ この方式だと、私はすぐにバックをとられてしまって疲れる余地もなく交代になってしまう。学生の方も、勝ち残りで続けていくためには体力の温存も必要で、私などで時間をかけていられないので、簡単に終わらされてしまう。
・ 私だけでなく、数年ぶりに練習に参加しているというOBの方も、現役学生には歯が立たず短時間で終わらされている。

・ 本日、妻は高校時代の友人と車で葉山(同じく高校時代の友人宅)へ。
・ 最近、その日のメモ・雑記をFastmemoに適当に記入していって、一日の終わりにそれをEvernoteにアップするというのが気に入っている。
・ また、新聞を読んだ後、気になった記事をiphoneで撮って、その画像をEvernoteへアップするというのも続けてみている。Evernoteでは、画像内まで文字データの検索ができるのが、すごいところ。
・ あと、iphoneとiPadのカレンダーアプリをいくつか試した結果、今のところcalendar 5に落ち着いている。google calendarや to do(タスク)との連動もうまく行っている模様。
【2014年2月13日記】

◎ 2014年2月11日(火) 「反復する<中間>」
・ ようやく連載の原稿書きも、第24回「反復する<中間>」を一通り書き終えるところまで来た。
・ 第25回で完結なので、その一つ前の第24回も、すでに「まとめ」の段階に入っている。
・ とりあえず完成した原稿は、私のファンクラブのようなMLがあるので、そこにアップして「第一読者」の目にさらした後、もう少し揉む予定。
・ その後お風呂の中で、最終回の構想を練っていたら、ほぼ骨組みは完成してしまった!
【2014年2月11日記】

◎ 2014年2月8日(土) 「閉じ込められ感も悪くない」
・ 東京は記録的な雪。でも、家の中に閉じ込められた感じも悪くない。原稿書きには、むしろいい環境。
・ とはいえ、原稿を書いている時間よりも、新しく購入したiMacとiphone+iPadをいじって、いくつものアプリ(の連動)を試している時間の方が長い (^^;)
・ とくに、Fast Memo とEvernote の連動が気に入った!
・ 自宅の奥に(といっても超接近して)建っている家の木が、雪の重さで撓ってうちの窓にもたれかかっている。


・ 夜になって、こんな状態・・・・。

【2014年2月8日記】

◎ 2014年2月7日(金) 「相手の小手を抜く/叔父と甥たち」
・ 2月に入って、大学レスリング部のスケジュールも変更されていて、朝7時からよりも時間的に楽な朝9時からの練習日もあって、そちらに参加。
・ 最初の打ち込みから、スパーリング、その後の練習もすべて仲上君に相手をしてもらう。
・ 連続的に30秒間3セット、タックルを切ってバックへ、さらに投げ技を繰り返すという最初の練習がキツかったが、むしろ疲れてくる最後の方が、技の形は整ってくるような感じがあった。
・ 3分スパーは合計5本を仲上君とやって、しばらくぶりにバテた感じを味わう。
・ スパー後の練習では、片足をとって相手に小手を入れられ守られた状態からどうするかというのをレクチャーしてもらって、相手の小手を抜いて振るという仕方を練習。

・ 弟が訪ねてきたときに、ちょうどうまい具合に次男と三男の両方がいたので、ロックな叔父さんと甥の三人の組み合わせで記念撮影。
・ 弟は、Rollsというグループを友人たちと結成してバンド活動もしているので、そちらの写真も。


【2014年2月7日記】

◎ 2014年2月4日(火) 「表参道の広告/軽く「死刑宣告」」
・ 東京は雪で、積もりそうな感じ。明日の朝の路面が危険そう。
・ 表参道駅の改札を出て、青山学院大学方面へと向かう地下通路の壁は、その時々の「旬」の広告で賑わう。
・ 最近はこれ。先日、長男が購入契約を結んだというMazdaの新型AXELAの宣伝。納車は3ヶ月も先だというから売れ行き好調なのだろうし、表参道で壁一面の広告を出すくらい力を入れていることが分かる。


・ 本日は、二週間に一回定期的に通っているkizuカイロプラクティックの日。
・ 骨折した方の右足首の痛みが練習後に悪化するのと、首から右肩・右腕にかけての痛みや痺れが再発気味というのが、最近の治療課題。
・ 施術を受けながら、「首の可動域が小さくて反らすことができないと、レスリングをするのに不利」という話をしたところ、
・ 私の首は変形性頸椎症であり4番・5番がほとんど使えない状態なので、「そもそもよくレスリングができていますね」というレベルだと言われてしまう。
・ これが20歳くらいで、骨やその間が若い状態ならば、いろいろと矯正・補正のやりようはあるのだが、もうこの年では・・・。
・ さらっと軽い感じで言われたが、ある意味「死刑宣告」のようだった。
・ 身体を鍛えること・その可能性を学ぶことと、身体を壊すこと・限界が顕わになることとが、同時進行している。この危うい道は、どこまで歩むことができるのだろう。
【2014年2月4日記】

◎ 2014年2月1日(土)・2日(日) 「長男来訪と車/惜しい場面」
・ 最近iMacを新規購入。自宅のメインマシーンを、再び(10年ぶりに)WindowsからMacに移行しようと考えている。今は両方を机に並べて使いながら移行作業中。
・ その移行作業や家の中のネットワーク構築などに関して、先週より二度にわたって、専門家である長男(27歳)に来てもらい、レクチャーしてもらったり、作業を代わりにやってもらったりしている。
・ 1日(土)来訪したした長男は、新車の購入契約をしてきた帰りだったので、どことなく興奮気味。
・ 彼が購入したのは、Mazda 新型AXELAのディーゼルエンジン・6MTのバージョン(AXELA Sport XD)。

・ その高揚感はとてもよく分かるし、好きな車を自分の給料で購入できるようになったのだから立派。
・ 長男だけでなく、最近免許を取得した大学生の次男や三男も、最初に運転する車が私のRX-8だというのはちょっと贅沢ではあるが、運転の楽しさを覚えるのにはもってこいの車である。


・ 2日(日)の朝8:30〜10:30は、skアカデミーのレスリング練習(担当:野村コーチ)。
・ アップの時にやって分かったのは、二人一組になってやる手押し車の「背面後進バージョン」は、とてもきつく、私はとても苦手だということ。
・ 今日は、惜しいが、なかなかよくやったという場面が二つ。
・ 一つは、大きな北さんとの寝技のスパーで、もう少しきちんと足がロックできていたら、股裂きを極めることができそうだった場面。
・ これだけ体格差があっても、極まってしまえば表返すことができそうなのが分かった。
・ 「股裂き系」ということでは、人見コーチとの寝技の打ち込みでは、「足折りたたみ式(二枚刈り)」への入り方を試してみて、これが一番入りやすいかなというのを見つける。
・ もう一つの惜しい場面は、人見コーチとのスパーで、いつもはすぐにバックへ回られてしまうところを、相手の動きについて行って、左右の動きのどちらも腕で妨害することに成功したこと。
・ 最後はバックへ回られてしまったが、抵抗できたことは進歩。

【2014年2月2日記】

◎ 2014年1月29日(水) 「いいものを見せてもらった」
・ 夕方5時からの大学レスリング部の練習に参加。試験期間中なので、少人数。
・ 各人自主的にアップした後、私は猪口君に相手をしてもらって、打ち込み。
・ 猪口君は右肘を痛めていてスパーはできないので、打ち込みの後は、技術練習につき合ってもらう。
・ ローリング(ガッツレンジ)をいくつかのポイント(腕の入れ方・絞り方・脇の絞め方・肩への体重のかけ方・頭の位置など)に分けて、確認しつつ繰り返す。
・ この練習をしていて顕わになるのは、前にも書いたことがあるが、私に特徴的な「左・右」問題。
・ 一つの技を構成する複数のポイントで、「右ー右ー右・・・」か「左ー左ー左・・・」と揃うべきところが、私の場合、あるポイントでは「右」の方が得意で、また別のポイントでは「左」で、また別のポイントでは・・・というようにバラバラになっていて、技の凝縮力を阻害している。
・ それに比べると、アンクル・ホールドをやる場合には、その「左・右」問題があまり表面化せずに済んでいて、むしろ左右のどちらのかけ方も一応できるという利点にさえ繋がっている。
・ ちなみに「アンクル・ホールド」という名称をそのまま英語 "ankle hold" にすると、別の技の名称(プロレス技などの名前)になってしまう。英語名称としては、"leg lace" "cross ankle" "cross ankle turn"が使われているようだ。
・ 猪口君とアンクルを練習しているときに、まさにその技を得意技としている主将の松田君が、いくつものパターンのアンクルを披露しつつ、ポイントを説明して、私にも試させてくれる。
・ 松田君が試合の中で実際に極めている場面を見たことがある「凄技」を、間近で見ることができて、しかも要所要所の解説付きであり、「いいものを見せてもらった」という感じ。
・ たとえて言えば、芸術的なまでに精巧な時計の内部を開けて見せてもらって、各部品の位置や働き方を教えてもらった時のような感動がある。
・ 4つ5つのパターンを教わったと思うが、そのうちの1つでも反復練習をして使えるようになりたいと思った。たとえて言えば、すばらしい文章を読んだ後には、その書き方を(その一部でも)真似して自分でも実際に書いてみたくなることに似ている。
【2014年1月30日記】

◎ 2014年1月28日(火) 「続・駿台昔話」
・ 今朝の冨田さんの記事に触発されて、駿台予備学校での面接試験のことを書いたら、採用試験の面接でよくそんな大胆なことを!というような声があったので、もう少し経緯を補足しておきたい。
・ 実は、予備校の採用試験は、自らの意志で積極的に受けたものではなかった。
・ 当時、近所の塾と駿台の中学部門(進研)で教えていて、それは大学院生のバイトとしては金銭的にも負担としても十分なものであったし、特に予備校で教えてみたいわけでもなかった。
・ しかし、(自分で言うのも何だが)駿台進研での私の人気・活躍は、予備校部門の責任者の耳にも届くほどのものだった。両者は別組織であり、かつ駿台グループの中では当然(?)予備校が絶大な力を持っていた。
・ ある日、当時まだ学務次長だった(?)冨田さんが、私をスカウトしに来た。予備校の方へ移籍して、高校生・高卒生を教えて欲しいということだった。しかも、”あの”伊藤和夫先生も、そのことを望んでいますという風に口説かれた。
・ そして、あるパーティの席で、初めて伊藤和夫先生と対面して話をした(かつて学生として授業を受けたことはあったが)。
・ 後になって、そのときの伊藤先生の発言の正しさが分かるのだが、その当時は、私はちょっと憤慨していた。
・ というのも、伊藤先生の発言は結局のところ「採用試験を受けて下さい」というものだったからである。
・ 私は、正直なところ、「そっちから(予備校の方に)移籍して下さいと頼んでいるのだから、採用試験なんて無しで特別扱いしろよ」と思ったし、伊藤先生に向かって「先生とはお話ししたいとは思っていましたが、そこまでして予備校で教えたいわけではないです」と答えた。「あっ、そう」と言って伊藤先生は去って行っただけだったが。
・ その伊藤先生の発言が持っている意味(正しさ)に気づくのは、何年も経ってからのことであった。
・ たしかに、予備校には有力者の紹介や諸事情によって、試験無しで教えるようになった者が複数いたし、伊藤先生自身がその紹介者となっているケースもあった。
・ しかし、そういうケースには、独特の問題が纏わり付いてくることも事実であった。周囲からの嫉妬やいじめ、派閥争い、本人の実力不足、日陰者的な意識・・・などなど、数え上げたら切りがない。
・ そこで、伊藤先生は、私に正規のルートで「堂々と」入ってくることを要請したのであった。
・ そういうことが分かるのは、ずっと後になってからであって、採用試験を受けるときには、予備校で教えることを自分で望んだわけでもないのに・・・と不満も残っていた。
・ ただ、筆記試験さえ通れば、伊藤先生の目の前で模擬授業ができることは分かっていたので、それだけは「やってみたいな」という思いは強かった。
・ これらの「背景」があったうえでの、採用試験での「ものまね」だったのである。
【2014年1月28日記】

◎ 2014年1月28日(火) 「駿台予備学校元学務部長 冨田豊さん」
・ 朝日新聞朝刊の「リレーおぴにおん 老舗の流儀11」に、かつて駿台で教えていた頃に大変お世話になった冨田さんが、写真入りでインタビュー記事に登場していた。
・ 当時の私は、「大人の仕事」というものをまだ味わったことのない学生(大学院生)だったわけだが、その「髄」や「旨み」をとことん私に教えてくれたのが、当時講師を統括するトップ(学務部長)である冨田さんと、その部下である(その後冨田さんを継ぐ)小島茂さん(現在は駿台文庫 副社長 )だった。
・ 駿台での予備校講師経験は、そこで「教える」ことを通して以上に、裏方である職員の人たちとの付き合い・人間関係を通して、「世の中」「大人の社会」で生きるということがどのようなことかを私に学ばせてくれた。
 
・ 2枚目の写真の文章下段に、「採用試験では、志願者に実際に20分程度の授業をやってもらう模擬授業を重視しました。筆記試験は高得点でも、模擬授業の結果、不採用となった方も多くいます」とある。
・ そう、私も、冨田さんたちと当時の英語科主任だった伊藤和夫先生の前で、模擬授業をやった。
・ 私は、模擬授業を伊藤和夫先生の前で本人の「形態・思考模写」(ものまね)で始めるという大胆な試みに挑戦した。伊藤先生は、机に突っ伏して笑いをこらえていた。
・ その後の面接では、哲学科の大学院生の就職状況はどうなのか、駿台でどれくらいの期間教えるつもりなのか等を、伊藤先生本人から聞かれた記憶がある。
【2014年1月28日記】

◎ 2014年1月25日(土)・26日(日) 「夜哲の会/skレスリング朝練」
・ 土曜日夕方は今学期最後の演習の授業で、そのあと夜は渋谷で飲み会(通称:夜哲の会)。
・ 今年の演習で楽しく議論を続けられたのは、(心理学科科目であるために)単位が出ないにもかかわらず参加してくれた、他学部の2人(女性一人・男性一人)によるところが大きい。 
・ 単位の取得や学部学科の分類と関係なく、ただ哲学的に考えることの面白さゆえに私の授業に来る学生が(少数だが)いることは、その授業の質やレベルを上げてくれるし、
・ 私が興味のある「問題」の面白さを理解してくれて、その上で同じ土俵でちゃんと議論ができて、小さくても新しい視点や論点を加えることのできる学生がいると、授業をすることが楽しくなる。
・ 幸いなことに、この状況は来年も継続しそうである(彼らの継続参加に加えて、他学部や他大学からの出席がありそうなで)。

・ 試合後としては初めての、skレスリングクラスの日曜日朝練(8時半〜10時半、担当:野村コーチ)参加。
・ 先日より、また骨折した箇所の右足首が痛みが強くなっていて、少々不安であったが、厳重にテーピングをして何とか乗り切る。
・ がぶりからバックへ回る練習の「前段階」「前提」としてやった、練習が面白かった。
・ それは、攻撃側(四つん這いになった相手の肩に両手をおいて、相手にプレッシャーをかけたり崩したりしながらバックへ回る)VS 防御側(相手にバックへ回られないように守る)というもの。
・ 子供でもできそうなゲーム感覚もあって、相手への体重のかけ方や相手の動きへの対応の仕方が分かりやすくなる練習である。
・ その後のがぶりの練習の中では、(1)体重をかける位置(2)円運動的バックステップを伴う相手の肘を引く動作(3)頭を相手の横(脇の下)につけ(入れ)、引きつけた相手の肘をもう一方の手によってまとめてタイトにするやり方、などの点を意識しながら反復。
・ がぶりは、頻出事項であり、かつ難しく、しんどく、そして奥が深い。
・ スパーで同じ人と2回やってみたら、同じパターンでうまくいったところはあるものの、同じパターンでフォールされてダメダメ。

【2014年1月26日記】

◎ 2014年1月22日(水) 「試合のあとの一週間」
・ どのようなレベルのものであっても、試合をするという体験は、それなりに深い「爪痕」を残す。特に負けた場合には、どんよりとした気分がしばらくのあいだ支配し、どこか虚ろなまま一週間が経過する。
・ しかも、この一週間の間には、友人たちとの食事会・飲み会という行事が二度も入っていて、もちろんそれを楽しんでいるにもかかわらず、沈んだような気分は背景として継続する。
・ その気分に抗うようにして、先週の水曜日(15日)と本日(22日)は、大学レスリング部の練習に参加。
・ 15日は猪口君、22日は仲上君に相手をしてもらいながら、試合における私の問題点を抽出して、その点についての技術練習を集中的に行う。
・  特に、防御としてはタックル切り(完全に切るところまで)、攻撃としてはがぶった状態からの攻め方。
・ 本日22日は、このところ学生たちがやっている、(綱引き用のような)太い縄に100kg以上の重りをつけて、それを引いてたぐり寄せるというトレーニングを、私も一度やらせてもった。一番軽い状態(100kgくらい)ならば、私でも動かせた。レスリングにとって、綱登りのトレーニングなどもそうだが、引きつける力をつけるトレーニングはとても重要である。
・ これから一年間の練習で、どこまで修正や進歩ができるだろうか。50代の後半に突入し、自然と衰えていく部分も増えていくわけだから、ある程度の前進では+と−が相殺されてしまって、現状維持になってしまいそうだ。
【2014年1月22日記】

◎ 2014年1月18日(土) 「連載も終盤(第19回)」
・ livedoorからseasaaへの移行に伴うアカウント作業を失敗してしまって、自分のwikiが更新できない状態になってしまったので・・・。→ 本日(2014年1月20日)解決。
・ 講談社PR誌 読書人の雑誌『本』2014年2月号が届く。私の連載「あるようにあり、なるようになる ―運命論とその周辺」は、第19回「海戦」版の議論(2)。
・ リチャード・テイラーによる「海戦」版の議論に含まれる問題点(と私が考えるもの)の中から、時間と条件に関わる「方向性」という問題点と、「現在」についての運命論という問題点を考察する。
・ 小見出しは、論証の失敗、その理由と背景/ 現在についての運命論。
・ 以下は、最後の方の一段落から引用。

 こうして、どの時制にも「運命」が出現する。未来は、「現実の未来」であろうと「無としての未来」であろうと運命論的であったし、過去は、「名無しの過去」の水準で「確定した過去」以上に運命論的であった。そして、現在もまた、「今この瞬間」においてベタ性と空白性が交錯し、そこに「運命」が顔を出す。時間原理Iがベタな時間推移の優位性を説き、時間原理IIが特有の「無さ」を各時制に持ち込んで、その優位性に抗う。その交錯点の名が「運命」である。

  
【2014年1月20日転載】

◎ 2014年1月14日(火) 「マスターズ大会報告(2)雑感篇」
・ 長男に撮ってもらった自分の試合動画を観ながら、思ったことなど。
・ 技術論以前に、私にもっとも足らないのは「激しさ」「闘争心」のようなものだと思った。少なくとも、自分が内側から(あるいは自己認識として)、あると思っているほどの激しさや闘争心は、外側から第三者として自分のレスリングを観たときには感じられない。
・ ありていに言えば、私の自己認知にはかなりズレがあるということ。それは、年齢に起因する身体と気持ちのズレによるものと、年齢に関係なく(子どもの頃からある)私固有の何かによるものと、その両方が組み合わさっているような気がする。
・ 試合後にもらった野村コーチからのメッセージの中に、「去年よりも、レスリングの形がしっかりできた上で、激しさが出てましたね」という言葉があって、有り難いメッセージであると共に、これは或る真実を付いていると思った。たしかに「激しさ」を見て取ることができるシーンは皆無ではない(これは今回の進歩であり収穫だと思う)。しかし、全体としてはそれが足らないからこそ、その僅かなシーンが「救い」として浮かび上がってしまう。
・ それとは別に、知り合いの編集者の方から、私の日記を読んでのコメントをもらった。それは、「戦うことと、それを・それについて文章化することとは相反することで、真剣に戦うなら、書いたり・喋ったりしない方がいいのではないか」という趣旨のものだった。つまり、黙って(書かずに)、試合・戦いそのものに集中した方がいいというアドバイスと言ってもいいだろう。
・ この指摘もまた或る真実を付いているところがある。というのも、「書く」こと「喋る」ことと、上記の「激しさ」「闘争心」の足り無さとは、色々な意味で(遠い関係ではあっても)繋がっているだろうから。言い換えれば、書くこと・喋ることは、激しさ・闘争心を削ぐように働く。
・ とはいえ、私の基本的なあり方―「もの書き」であるという点―は、変えようがないし変えるつもりもないので、そのスタンスと「激しさ」「闘争心」との関係・切り換えが課題となるだろう。
・ もう少し「技術論」的な点で言えば、今回(相手が実績のある柔術家ということで)複数の人から聞いた試合前のアドバイスによって、迷ってしまったところがある。
・ それは、「組むと・密着すると柔術家だから強いだろう」というアドバイスと、「相手のタックルを誘うように構えて、入ったところを捕まえるだろう」というアドバイス。
・ 両方ともその通りだったと思うが、私自身は「組む・密着することも危険」だし、「安易にタックルに行くことも危険」と受け取ってしまったところがあって、結局ジレンマに陥ったかのように、積極的な攻撃ができずに終わった。
・ 私の技でよかったシーンはただ一つだけで、相手ががぶって横に回り込もうとしたところを、相手のバランスを崩して裏返して2点を取れたところ。でも、カウンターであって、自分からの攻めではない。
・ さらに、1ピリオドのわりと前半で、がぶれてチャンスがあるのに、色気を出した攻撃を試みていて、きちんと落としてバックに回るという手堅い攻撃をしていない。この辺には、性格も表れていると思う。
【2014年1月14日記】

◎ 2014年1月12日(日) 「マスターズ大会報告(1)」
・ 本日私が出場した第13回全日本マスターズレスリング選手権大会フレッシュマンズの部55kg級は、(その戦績にビビったことを昨日書いた)柔術家の服部さんが優勝しました。
・ 5人によるトーナメントで、服部さんと私の試合は準決勝扱いだったので、私は一勝もしていないのですが、記録上三位になり銅メダルをもらいました。

・ 負けはしましたが、昨日ビビったほどの「差」ではなくて、ちゃんと勝負にはなっていました。
・ 全試合の終了後に話す機会があって、服部さんからは、「決勝の相手(1ピリオド目でフォール勝ち)よりも私の方が強くてやりにくかった」という言葉をもらったので、今回の収穫としたいです。
・ 特に1ピリオドは、無意識に出た技で相手を裏返すことができて2ポイントを取ったのを始め、いい点がいくつかあったと思う。
・ 1ピリオド終了の時点で4−2で、まだ逆転の余地ありと感じたくらいでした。しかし、2ピリオド目は早々にタックルに入られた後うまく足を抱え上げられて、フォールまで持って行かれてしまいました。
・ 今回分かったことは、
(1)別の格闘技では凄い戦績の持ち主であっても、レスリングにおいて私と雲泥の差があるわけではないこと。(当たり前のことながら)柔術とレスリングは別ということ。
(2)しかしそれでも、レスリングの試合の初出場で優勝してしまうくらいには、その格闘技経験や戦績はダテではないということ。
・ 結局、真実は「中間」にあって、昨日の「ビビり」は余計だったということですね。
・ セコンドをつとめてくれた松田君やアップの相手をしてくれた猪口君をはじめ、応援に来てくれた青山学院大学レスリング部のOBの方々・監督・学生たちには、初勝利を見せることができなくて残念でしたが、とても勇気づけられました。本日は、どうもありがとうございました。また練習ではお世話になります。






・ 実は、試合前に言うと、昨日のビビり発言に加えてなので、「言い訳」になると思って、妻以外には誰にも言わなかったのですが、今朝から骨折した右足首の状態がよくなくて、試合会場では普通に歩くのにも痛みが走る状態でした。試合中は、忘れていましたが、帰宅途中は足を引きずっていました。またカイロプラクティックに行って、治してきます!
【2012年1月12日記】

◎ 2014年1月11日(土) 「ビビりを通り越して笑う」
・ 計量を、200gアンダーの54.8kgでパス。今年も、「フレッシュマンズの部」では私が最高齢者。
・ 本日、対戦相手の方(44歳)が分かって、そのすごい経歴にビビるのを通り越して、笑いがこみ上げてくる。
・ だって、柔術の指導者(黒帯)の方で、しかもその戦績が以下のようにHPに記されている(http://tokamachidojo.blogspot.jp/2013/12/no111.htm...)んだもの。
・ レスリングの試合は初めてのようですが、これはもう相当の試合経験と実績を持った格闘家じゃないですか!
・ もうここまで来たら、敵前逃亡するわけにもいかないので、自分のできることがどこまで実際に通用するのか試してみるつもりでやります。
・ 「フレッシュマンズの部」といっても、こんなにレベルが高い人が出て来るのが普通になると、私のような者が「楽しむ」という水準ではなくなるなぁ。

03'カンペオナートジャポネーズ M青帯ガロ級優勝
04'全日本ブラジリアン柔術選手権 M青帯ガロ級準優勝
05'全日本修斗グラップリング ADクラスバンタム級優勝
05'コパ・パラエストラ・イースト・ジャパン M青帯ガロ級優勝
05'コパ・日本海・BJJ・オープン・トーナメント2 A紫帯プルーマ級優勝
05'第一回北陸アマチュア修斗オープン・トーナメント バンタム級優勝
05'全日本アマチュア修斗トーナメント バンタム級 出場
06'ブラジリアン柔術・アジア選手権 シニア1紫帯ガロ級優勝
07'全日本ブラジリアン柔術選手権 A紫ガロ級3位
07'全日本マスター&シニア、ブラジリアン柔術選手権 M茶ガロ級優勝
08'全日本ブラジリアン柔術選手権 M茶ガロ級優勝
08'デラヒーバカップ関東大会グラップリング・トーナメント クラスAガロ優勝
08'全日本マスター&シニア、ブラジリアン柔術選手権 M茶ガロ級準優勝
08'ブラジリアン柔術・アジア選手権 シニア1茶帯ガロ級優勝
09'全日本ブラジリアン柔術新人選手権 アダルト茶ガロ級優勝*試合なし
09'全日本ノーギ新人選手権 アダルトエキスパートガロ級優勝*試合なし
10'デラヒーバカップ関東大会 マスター茶プルーマ級優勝
10'全日本マスター&シニア、ブラジリアン柔術選手権 シニア1茶ガロ準優勝
10'東京国際オープントーナメント シニア1茶ガロ級優勝

【2014年1月11日記】

◎ 2014年1月10日(金) 「最後の調整」
・ 相模原キャンパス(淵野辺)での授業終了後、いったん帰宅してから夕刻車で青山キャンパスへ。
・ 大学レスリング部の練習に参加させてもらって、試合前の最後の調整をする。
・ 疲れを残さないために、いつもより軽めの練習で留める。石川君に相手をしてもらって打ち込みを3本のあと、仲上君と3分スパーを2本だけ。
・ その仲上君とのスパーを主将の松田君に見てもらった後、いくつか修正すべき点などを実演を交えて教示してもらい、修正を加えた技をさらに自分でもやってみる。
・ さらに松田君は、私でもできそうな「展開」を提示してくれて、「セコンドから「○○」と言いますから、それは「△△」のことですよ」というように合い言葉?(秘密の指示?)まで考えてくれる。
・ 「もの書き」としての私は、このあたりの修正・展開の具体的な内容を文章化したくて仕方ないが、「試合を控えたレスラー」としての私は、対戦相手にこれを読まれたら困るのでやっぱり書けない、という分裂した状態にある。
【2014年1月10日記】

◎ 2014年1月8日(水) 「わずかなチャンス」
・ 大学レスリング部の朝練(7:00〜9:00)に参加させてもらう。
・ 先日の「夢」のせいで、朝早くのトイレ・洗面所が恐いなぁと思っていたが、実際にはそれほど(夢の中でのイメージほど)暗くはなくて、もちろん「小さい女の子」は現れなかった。
・ 打ち込み3本のあと、1分スパー数本、3分スパー3本を仲上君・猪口君に相手をしてもらって、最後に仲上君とtwo on one を取ったあとの展開の練習。
・ 自分のレベルと近い人とのスパーにおいては、自分の「進歩」を感じることも時にはあるが、大学生とやるときには、何もできない自分に直面させられるばかり。
・ チャンスらしきものは、すべてのスパーを通して1回あるかないか。その1回もポイントを取るところまでは持っていくことができない。もうちょっとでいいから「差」を縮められないものかなぁ。

・ かかりつけの内科医院で12月にやってもらった健康診断の結果を聴きに行く。
・ 血液検査を含めて、すべていい数値で問題なし。レスリングの成果でしょうと言われる。
・ 整形外科では、(危険なので)やめなさいと言われたのにね。
【2014年1月8日記】

◎ 2014年1月6日(月) 「無知による恐怖感を軽減する」
・ 夕方の授業後に、skアカデミー平日6の日の夜練習(19:30〜21:30、木村コーチ)に向かう。
・ 平日夜の練習は少人数(本日4名)なので、サンボの人たちとマットを半々で使用しての練習。
・ 私は、打ち込み・技術練習・スパーのすべてを、(高校からのレスリング経験者で以前スポーツ会館にも練習に来ていた)たなべさんに相手をして頂く。
・ 技術練習では、相手を動かす組み手の練習として、「はたき落として上腕を手繰る」「collar tieからの肘・上腕のコントロール」「手首と襟首をコントロール」「underhookからの旋回」などを集中的にやる。<脇を締める>感覚や<相手にぶら下がる>ような感覚をつかむことができる場面が何度かあった。
・ さらに、ローシングルに入った後の展開を含めて、その攻防までをたなべさんと繰り返す。
・ その防御として、足首を取られた状態から回転するようにして逆に相手のバックを取るという技を、木村コーチが何度かやるのを見て知ってはいたが、自分でやるのは足首を捻りそうで恐かった。
・ その「恐怖」を木村コーチに伝えたうえで、その技の「分解解説」をしてもらい、足首周りの動きを見せてもらったところ、捻るのではなくて、ずらしたうえで方向転換をしているので実は危なくないことが分かる。
・ 大局的には「捻る運動」に見えていたものが、細部においては「引き抜き・ずらし・回転の連続運動」になっていて、それが足首の安全性を担保していることが理解できた。
・ 実際に使えるためにはまだまだ練習が必要だろうが、少なくとも「無知による恐怖感」は軽減できたように思う。
・ 本日新たに参加した方が、このレスリング練習日記を読んでくれている方だった。その方から「(スパーで)息があがらない入不二さんが驚き」というようなことを言われる。
・ もちろん息はあがっているし、むしろ這々の体なのだが、それをそうは見えないように頑張れる程度のところまでは来ているということかもしれない。
・ 実際はどうであれ、「そうは見えない」ということも(相手のある競技では特に)重要かもしれないと思った。
【2014年1月7日記】

◎ 2014年1月6日(月) 「初夢?」
・ 昨晩恐い夢を見た。薄暗く巨大なトイレ(あるいは浴場)の中に一人立っていて、向こうの方から、ほんの数センチの小さい女の子が(歩くのではなく)滑るようにもの凄いスピードで近づいてきて、間近まで接近し、また向こうに滑り去っていく。ヒェ〜という感じで夜中に目が覚めた。
・ 恐くて(?)確かめる余裕がなかったのですが、どうも「人形的」なかわいさがある(ゆえに恐い)という雰囲気でした。

・ 「分かりやすい」とも言える夢で、すぐに思いついたのは次の二つのこと。
(1)湿気た場所と小さい子どもが出てくるという点で、典型的な「水子」タイプの夢か。接近するが去っていくという動きもまた「水子」的。
(2)実は、この「巨大トイレ(あるいは浴場)」にはモデルがあって(夢の中でも薄々そう思っているのだが)、大学レスリング部の朝練に参加するために朝7時前に使用するロッカールーム横の大きめのトイレ兼洗面所。冬の朝早くでまだ誰もいない冷え冷えとした大きめの場所のイメージが、ベースにある。そして、小さな女の子の「滑るような接近」感は、まさにうまくタックルに入られるときのイメージ。試合が近いゆえの「レスリング不安」の夢か?
・ 「その少女、巫女 ではないですか? どこへ導く媒介者かは不明ですが…^^」とコメントしてくれた人もいた。
【2014年1月6日記】

◎ 2014年1月3日(金)・4日(土) 「練習始め」
・ 3日の午前中9:00〜12:00は、薮井さんのお誘いで、St. Mary's International Schoolのレスリング練習に二度目の参加。
・ 4日の夕刻17:00〜19:00は、skアカデミーのレスリング練習に参加。
・ 写真は、St. Maryのレスリング練習場とskの練習後集合写真。
 
・ 3日は、片足を取られたところからの防御、underhook から ankle pick などへの展開や two on one から fireman's carry などへの展開を中心に技術練習をタップリ。FFC の田所コーチに相手をして頂いた。
・ 寝技はいきなりスパーリングからで、田所コーチ・三木さんと三人で回す。三木さんの、屈曲と伸展を併用して繰り返す防御にうまく対応できず。
・ 練習の終わりで、ペアになり交代で次の二つを互いに繰り返す補強。<これぞ中高生の「部活」!>といった感じ。
(1)ゴムの負荷を加えての腕立て・スクワット・アップライトロウと(2)10kgのウェイトバッグの持ち上げ・振り回し(世界一周)・抱えて膝つき⇔立ち上がり。(1)(2)の各種目を互いに交代で繰り返す。
・ ウェイトバッグは(色などは違うけれども)およそこんな感じ。

・ skの練習は人見コーチ担当で、野村コーチも適宜指導してくれる。
・ 内側を取った(インサイドコントロール)後、自分の肘で跳ね上げのれんを潜るかのようにしてバックに回ったり、ハイクラッチに入ったりする練習は、難しいけれどもとてもレスリングらしい所作。
・ がぶりからの攻防練習とドリルをやったあとに、1分のスタンドのみのスパー→寝技のスパー→3分スパーという流れ。
・ 3分スパーでは、人見コーチに二度相手をしてもらって、終了後に私の良くない点を指摘してもらう。
・ 連日の練習で身体中が痛くて疲労度が大きいので、翌日(日曜日)のsk朝練習はお休みして一日休養。月曜日が6の日で夜練習があり、授業はあるが間に合いそうなので参加する予定。
・ これで、大学のレスリング部の練習に参加させてもらえれば、試合までにあと3回は練習ができそう。
【2014年1月5日記】

◎ 2014年1月2日(木) 「理論心理学研究」
・ 2012年10月28日に行われた日本理論心理学会・第58回大会シンポジウムII: 心理学は「共感」にいかにアプローチするか?において、私は「共感のパラドクスと「かのように」―哲学の立場からー」という発表を行った。
・ 私以外の提題者は、下條信輔氏(カリフォルニア工科大学・認知神経科学)と小林孝雄氏(文教大学・認知心理学)であった。
・ そのシンポジウムを踏まえて書いた原稿「補遺:共感のパラドクスと「かのように」」が掲載されている『理論心理学研究』第14巻・第15巻合併巻2012・2013が、本日メール便で届いた。
・ 下條氏と小林氏の発表に対して私が加えたコメントや、私の発表への彼らのコメントに対する応答を再構成して作成した原稿である。
 
【2014年1月2日記】

◎ 2014年1月1日(水) 「賀正」
・ 明けましておめでとうございます。
・ 昨晩は、久しぶりの紅白歌合戦。綾瀬はるかの本領発揮と「潮騒のメモリー」の歌い継ぎを観られただけで大満足。
・ 裏で録画していた井岡一翔のボクシング世界戦も観戦。井岡のディフェンス技術に魅了される。
・ ここ二ヶ月の「減量」のおかげで、体調がとてもよい。眠りは早く深く目覚めもよく、身体内のサイクルがスムーズに回っている感じがする。
・ 本来の「減量」とは、体調を向上させ戦いやすくすべきものだろうと思う。最近は、プロの格闘家の減量失敗例や計量失格を耳にすることが多いけれども、この点では「あまちゃん」の私の方が上手くやっている。
・ しかし、少し落ちすぎのところまで来ているので、食事の量をふだん通りに戻しているが、それでも増加へと転じないのが不思議。
・ でもそのおかげで、今晩の新年会(於:妻の実家)でも、気にせずにふつうに食事ができる。

・ (別ページとして保存した2013年の身辺雑記(メモ)の)2013年12月29日(日)「体脂肪率8.6%」に載せた画像について、友人・知人から反響があった。
・ 顔のふけ方と身体が合っていないため、「コラージュ画像」だと思われた人もいたようだが、正真正銘、上も下も本人そのままです。
・ 減量中ゆえ頬がいつも以上にこけているし、顔だけは(整形はできても)鍛えられませんからね。
【2014年1月1日】

フリーエリア






※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません


著書


(別丁扉)
2020『現実性の問題』(筑摩書房)


表紙(正面+背)
2020『現実性の問題』(筑摩書房)


(カバー 平面)
2020『現実性の問題』(筑摩書房)



(カバー 立体)
2020『現実性の問題』(筑摩書房)


2019『運命論を哲学する』(森岡正博との共著、明石書店)


2017『香山リカと哲学者たち 明るい哲学の練習 最後に支えてくれるものへ』(ぷねうま舎)


2017 『現代哲学ラボ 第4号: 永井均の無内包の現実性とは?[Kindle版](哲楽編集部・編)


2016 『現代哲学ラボ 第1号: 入不二基義のあるようにありなるようになるとは? 』[Kindle版](哲楽編集部・編)


(カバー+オビ 立体)
2015『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(講談社)

(カバー 立体)
2015『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(講談社)


(カバー+オビ 平面)
2015『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(講談社)

(カバー 平面)
2015『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(講談社)

(表紙 平面)
2015『あるようにあり、なるようになる ─運命論の運命』(講談社)


2013『子どもの難問』(野矢茂樹編著、中央公論新社)<私の執筆は二編>


2013『英語で読む哲学』(編著、研究社)


2012『哲学の挑戦』西日本哲学会・編、春風社)


2011『Q〜わたしの思考探究〜 (共著、NHK出版)


2010『<私>の哲学を哲学する』(共著、講談社)


(カバー 帯なし)
2009 『足の裏に影はあるか?ないか? 哲学随想 』(朝日出版社)

↑(帯をとると上のようになります)


(カバー+帯)
2009 『足の裏に影はあるか?ないか? 哲学随想 』(朝日出版社)



2009 ちくま学芸文庫版『相対主義の極北』(筑摩書房)



2007 『哲学の誤読 入試現代文で哲学する!』(ちくま新書)



2007 『時間と絶対と相対と 運命論から何を読み取るべきか』(勁草書房)



2006 『ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか』(NHK出版, シリーズ・哲学のエッセンス )






2002 『時間は実在するか』(講談社現代新書)




2001  『相対主義の極北』(春秋社)



1993  『<思考する>英文読解』(駿台文庫・絶版)

Wiki内検索

管理人/副管理人のみ編集できます