入不二基義 - ’93 駿台での最終講義の思い出
 1993年、山口大学に赴任することが決まったため、大学院生のあいだ教えていた駿台を去ることになった。
最終授業は3号館の東大クラス(文1α)で行われ、最後に友人の霜栄氏がかけつけてくれて、盛大なセレモニーとなった。
霜さんは、自分の授業を少し早く切り上げて、他校舎から学生達も引き連れてやって来たので、後で学務課からお叱りをうけることになる。

 もちろん、ふだんの授業で、霜さんはこのクラスを教えていたし、私は、霜さんが連れてきた別の校舎の学生たちを教えていた。
学生たちにとっては、ふだんから霜+入不二の連動を楽しんでいたうえで、この日のセレモニーがあった。
霜さんとは、衛星放送の授業(「英文・現代文同時読解講座」)で、お互いの科目を交代して(霜さんが英語を、私が現代文を)
教えて、互いに絡むという「遊び」もやった。こういうことが、「仕事」として成立するよき時代であった。

 以下の写真を見ると、300名という大教室の雰囲気が伝わってくる。
この受講生の中には、その後東大哲学科に進んで、哲学研究者になっている中真生さん(神戸夙川学院大学准教授→2011年度より神戸大学准教授)もいたのだった。