一般社団法人 日本国際保健医療学会から国際保健医療学に関する用語集をお届けいたします。

Human Immunodeficiency Virus/Acquired ImmunoDeficiency Syndrome

 1981年に米国において免疫不全からニューモシスチス肺炎を発症した男性患者が発見され、初めてこの疾患が後天性免疫不全症候群(Acquired immunodeficiency syndrome: AIDS)と名付けられた。1983年にはこの疾患の患者のリンパ節から新しいウイルスが発見され、これがヒト免疫不全ウイルス(Human immunodeficiency virus: HIV)と名づけられ、HIVがAIDSの原因ウイルスとされた(2008年、HIVを発見した業績で、パスツール研究所のバレシヌジ(Barré-Sinoussi)博士とモンタニエ(Montagnier)博士がノーベル医学生理学賞を受賞)。このウイルスはRNAを遺伝子とするレトロウイルスの一種で、Tリンパ球等の細胞表面上のCD4と呼ばれる糖タンパクをレセプターとしている。HIVは細胞内に侵入したのち、自らの逆転写酵素を用いてDNAとしてリンパ球遺伝子に組み込まれるため、体外へのウイルス排除は極めて難しい。
HIV感染後10年前後はほとんど無症状で経過するが、時間と共に血液中のCD4を持つTリンパ球が減少し、血中のCD4陽性リンパ球が200/μl以下になると、通常は病原性のほとんどない微生物による感染症(日和見感染症)などの合併症を発症するようになる。ニューモシスチス肺炎の発症など定められた診断基準に一致した場合にAIDSと診断される。現在は、AIDSとなる前にHAART(本用語集参照)など抗HIV薬を服薬しAIDS発症を予防することが多い。
HIVに感染している者の多くはAIDSを発症していないことなどから、「HIV/AIDS」と言う表現を安易に使用することは避けるべきである。例えば、「HIV/AIDSの予防」とは誤った表現で、HIV予防とAIDS予防は全く異なる意味である。「HIV」と「AIDS」のそれぞれの意味を正しく理解して使用するべきである。(垣本和宏)

参考:
http://www.unaids.org/sites/default/files/media_as...
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