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虎 ◆tQar3mtsYE 15スレ目 本編2

159 名前: 虎 ◆tQar3mtsYE 投稿日: 2006/10/31(火) 22:52:04.76 ID:NVEKR8dg

「し……死ぬ…………」
 シャントット宅にある地下室の一つ。その中でベッドに突っ伏したタルタルは今にも命の
 灯火が掻き消えそうな声で唸っていた。
 なし崩し的にシャントット宅の家政夫となってしまった俺は、毎日多忙に過ごしていた。
 炊事・洗濯・雑用・助手とありとあらゆる家事を押し付けられた挙句、実験台と称して
 妖しげな新魔法の試し撃ちの標的とされていた。実用性の測定も兼ねるとかで逃げ回る事は
 許可されていたが、あの魔手からそうそう逃げられようはずもなく毎度散々な目に遭っていた。
「その台詞、32回目クポ。弱音を吐けるようじゃまだまだ余裕みたいクポね?」
 相変わらず辛辣なクポクポ星人がボロボロの体に言葉の鞭を打つ。
 本来、モグハウス勤務のモーグリが何故ここいるのかというと……「貴方もこの世界に来た
 ばかりで常識の欠片も持ち合わせていないでしょうし、特別にワタクシ自ら組合に掛け合って
 レンタルしてきましてよ。勿論その分の賃金は貴方が支払うのですけれど」とのこと。

160 名前: 虎 ◆tQar3mtsYE 投稿日: 2006/10/31(火) 22:53:28.90 ID:NVEKR8dg

「お前にはもっとこう主人を労わる気遣いとかいうのは無いのか?」
「そんなモノはとうの昔にアットワ地溝に捨ててきたクポ」
「てめぇ…………」
 そもそもこいつよく今までモグハウス勤務をこなせてたよなとつくづく思う。
「そういえばご主人様。さっきアジドマルジドさんが来てこれを渡しておいてくれって言ってた
 クポよ」
「あんがとよ」
 アジドマルジド院長とは、度々ここシャントット宅で会っている。最初に会ったときはなんとも
 いえない哀れみと同情の混ざった目を向けられたりもしたが、ノビている所を何度も介抱して
 くれたりシャントット博士の凶行を止めてくれたりした命の恩人だ。この人が来てくれるから
 未だ生きているといっても過言じゃないかもしれない。
 ほれ、と常に身に付けているバッグから一通の封筒をとりだしモーグリ手渡してくる。
 封が切れているが。
「時に何故封が切れているのかな?モーグリ君」
「そりゃモグが見たからに決まってるクポ」
「いけしゃあしゃあと言ってんじゃねええええええ!」
 もう勘弁ならん。ここらでこいつをきっちり教育しておかねば……!
 そう思い手近なところに立てかけていたダークスタッフを乱暴に掴むと、そのままの勢いで
 上段から豪快に振り下ろす!


161 名前: 虎 ◆tQar3mtsYE 投稿日: 2006/10/31(火) 22:54:04.92 ID:NVEKR8dg

 ぱしっ

「何ッ!?」
「甘いクポよ……ロランベリーパイより甘いクポ」
 確実に捕らえたと思われたその一撃は、しかし華麗に身を捻ったモーグリの短い両手で器用に
 キャッチされてしまう。
「ひんがしの国の技を会得したモグにそんな両手棍なんかララブのしっぽ同然クポ」
「いつのまにそんな技を……」
「水の区の調理ギルドにいるひんがしの国の出身の人に習ったクポ」
「そういや居たな、そんな人」
「常日頃から精進を怠らないのがモーグリ族クポ。
 ところで手紙読まないクポ?なんかアジドマルジドさん急いでたみたいクポけど」
「そういう事は先に言え!」
 怒号と共に、ダークスタッフを受け止めた体勢のままのモーグリごと床まで振り抜く。
「クポァッ!?」
 ごきゃっ、とか鈍い音がしたけど気にしないでおこう。
 既に封が切られた封筒から一枚の手紙を取り出すと、そこには短くこう綴られていた。

162 名前: 虎 ◆tQar3mtsYE 投稿日: 2006/10/31(火) 22:54:54.61 ID:NVEKR8dg


─重要な話がある。博士の家では話せないので日付が変わる頃『オバケの家』にて待つ。
                                  アジド=マルジド─

 簡素な文がいかにもアジドマルジド院長らしい。だが此処で話せない話とはなんだろう?
 シャントット博士の暗殺計画とか?……いや、それだけはありえないな。そんな事がもし
 可能ならもうとっくに俺が実行してるし。
「重要な話、ね」
 まぁ景気の良い話でない事は確かだろう。が、アジドマルジド院長がこうまでして話そうと
 している事に少しばかり興味が沸いてきた。どのみち此処にいたって景気の良い事なんか
 何一つありゃしないんだ。行くだけ行ってみるか。
 読み終えた手紙をポケットの中に突っ込んで、壁に掛けたバストゥーク製の時計をみると
 もうそろそろ日付が変わろうとしていた。未だに床をゴロゴロ悶絶しているモーグリを尻目に
 イギラ装束に身を包むとその上からブラッククロークを羽織る。冬を目前にしていて夜風が
 寒いのもあるが、これならシャントット博士に見られてもさほど怪しくは見えないだろう。
「博士、ちょっと寝る前に散歩してきますよ」
 玄関のドアに手を掛けた所で一応声を掛けておくが、返事は無い。確か外出の予定は無かった
 と思うが……まぁいいか。居ないなら居ないで都合が良い。
 気を取り直し、ドアを開けて夜の闇へと歩みを進めた。 
2006年11月19日(日) 23:44:13 Modified by ID:6/8PM8EgBQ




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