「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

「ララは本当に可愛いな。さすがは俺の妹だ」


―――世の中には2種類の女の子が存在する。
可愛い、と言われて喜ぶ女の子と、そうでない女の子だ。
大抵は前者の割合が多く、それが高身長で顔も頭も良い美男子からの褒め言葉であれば、尚更だと思う。
きっと皆、こんな素敵な人から「可愛い」と褒められるなんて、自分は特別な存在なんだと錯覚するだろう。
……でも、私の場合は違う。


「そ、そうだね、お兄ちゃん……」


今の私は、圧倒的に後者の気分だった。
そう、私。
クララ・ランフランク―――――否、クララ・ランペルージの場合は……。


「ふわふわの桃色の髪に、ルビーの様な紅い瞳、小動物を思わせる無邪気さ、
 スラッとしたラインによく合った高等部の制服……フッ、フフフッ……ああ、ララ……可愛いよ、ララ……」
「(ひぃぃっ……きっ、気持ち悪いッ……!)」


こんな感じで。
エリア11、トウキョウ租界に位置するアッシュフォード学園、その生徒会室で。
隣で私の顔を見つつ、私の髪を指先に絡めて弄んで恍惚の笑みを浮かべる、この男こそ。


「ララとこうしている時が、俺には一番の幸せだ」
「へ、へぇぇ……そーなんだ……(お、怖気が走るッ……!)」


私の監視対象であるルルーシュ・ランペルージ―――またの名を、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
神聖ブリタニア帝国の元第11皇子にして、第17皇位継承権を持つ、祖国に反旗を翻した異端の皇子。
顔だけ見れば悪くない感じだし、頭も相当にキレるって話だけど……だけども!


「(パパの命令だから仕方ないけど……どーしてクララが、こんな変態の相手しなきゃいけないのぉ!?)」


打倒ブリタニアを掲げるテロ組織「黒の騎士団」の総帥ゼロとして、ルルーシュはエリア11―――旧日本にてブラックリベリオンを目論むも失敗。
皇帝直属騎士ナイトオブセブンこと枢木スザクによって捕縛された後、一時的にルルーシュやゼロとしての記憶を封じられ、
ここ1年程はユーロ・ブリタニアの軍師としてE.U.(ユーロピア共和国連合)方面で
イレヴンで構成された民兵組織を相手にしてたはずなんだけど……帰って来たら帰って来たで、御覧の有り様。


「ルルーシュはホントにクララが好きなんだな〜」
「当たり前だろ、リヴァル。血を分けた兄妹、家族なんだから」
「(分けてないしっ!)」


リヴァルの問い掛けに対し、当然だという表情カオでルルーシュは応える。
て言うか、そろそろ私の髪をいじるのは止めてほしい。本気でキモイから。


「これからも兄妹2人、助け合って生きていこう。なあ、ララ」
「う、うん……」


ブリタニア帝国の機情―――機密情報部のサポートもあって、今のルルーシュは私を実の妹と思い込んでいる。
パパの弟、つまりは現ブリタニア皇帝のかけたギアスによって記憶を改変され、
自分がブリタニア皇族であったコトも、黒の騎士団のゼロであったコトも、
本当の妹はナナリー・ヴィ・ブリタニアだったコトも忘れて、E.U.から帰国後、
何も知らずにアッシュフォード学園に再編入したルルーシュは、初対面である私に対し、こう言ったのをハッキリと覚えている。


『ただいま、ララ。
 ああ……ララ。本当に久しぶりだ、会いたかったよ』


と、満面の笑みを浮かべて。
こちらからすれば初対面だけど、相手からすれば1年間ずっと会えなかった愛しの妹……
という設定になっているので嫌な顔をするコトも出来ず、ルルーシュと同じく皇帝のギアスによって
私をルルーシュの妹と思い込んでいる生徒会の面々が見守っていたのもあって
(ルルーシュがエリア11に帰国する以前から私はアッシュフォード学園に潜入、生徒会とも面識を持ち、兄の帰りを待つ妹を演じていた)、
だから……仕方なく。嫌々ながら、私は言ったのだった。


『……うんっ。お帰りなさい、ルルーシュお兄ちゃん!』


こんな言葉を、オルフェウスお兄ちゃん以外に言うハメになるなんて……。
でもルルーシュはパパの甥っこだし、何よりもパパ―――V.V.からの直々の命令だし、
これも仕事なのだと自分に言い聞かせて早数ヶ月。


「それに妹を可愛がるのは全ての兄の義務だ。
 ララを愛でるコトこそ、俺の生き甲斐と言っても過言じゃあないな」
「シスコンもここまで来ると、ある意味立派よねぇ」
「何を言うんですか、会長。
 俺はただ純粋に、兄として妹のコトを想っているだけで……」
「あー、はいはい。
 アンタがララ大好きなコトは、私だってずーっと昔から知ってますから」


……私の忍耐は、とっくに限界に達していた。
ルルーシュの過剰(異常?)とも言えるシスコンぶりに毎日翻弄され、ストレスで胃に穴が空きそうなくらいに。
そしてルルーシュの私への溺愛ぶりを見ても、まったく変に思わない生徒会の連中の常識の無さ加減にも辟易する
(シャーリーは何処となく、面白くなさそうな視線を私に向けて来るコトがあるけど)。


「そんなに好きなら、ルルもララちゃんと最初から一緒に本国から帰国すればよかったのに……」
「そう言わないでくれよ、シャーリー。
 俺だって本当ならすぐにでもララと会いたかったさ。本国での用が少し長引いたのは想定外だったんだ」
「ま、そりゃそうか。
 せっかく手術でララの脚も治って、やっと車椅子から解放されたんだしな」
「ホントにね。成功して良かったわね、ララ」
「……はい」


彼らの中では、私はブリタニア本国で手術を受け、動かなくなっていた足が奇跡的に完治したコトになっている。
勿論、これも嘘。
私の身体は最初から五体満足だもの。
ルルーシュの妹、ナナリーのポジションに私が居付いた為、記憶が混同しているに過ぎないのだ。
ナナリーは幼少期に母親のマリアンヌを狙った暗殺事件に巻き込まれ、視力と脚の自由を奪われている。
今は本国でシュナイゼル殿下の目の届くトコロに居るってハナシだけれど……多分、ルルーシュにはもう一生縁が無い存在のはず。
皇帝のかけたギアスが、解除でもされない限りは。


「しかしだな、ララ。
 学園に居る間は帽子を取りなさいと、いつも言っているだろう?
 せっかくの可愛い顔がよく見えないじゃないか……
 どこぞの恋愛サーキュレーションを歌っている“塵も積もれば大和撫子”じゃあないんだから……」
「(神様ありがとう、運命のいたずらでも、巡り合えたコトが幸せなの!?)」


どーせ巡り合うなら、オルフェウスお兄ちゃんの方が断然良かったのにッ。
ルルーシュはルルーシュで、どうにもユーロ・ブリタニアで軍師としてE.U.を相手にしていた時に何かあったらしく、
時々よく分からない話を唐突にするから反応に困るし……それ何物語?


「あーら。そんなコト言っていいの、ルルーシュ?
 ただでさえ可愛いララが帽子を取っちゃったら……
 中等部も高等部も問わず、ますますアンタの大事な妹に悪い虫が寄り付いて来るんじゃない?
 ……現にアンタが本国に居る間、ララってば何回も告白されてたのよ」
「フッ……ならばその虫、俺が排除するまで……な、何ッ、告白ッ!?」


ミレイ会長、また余計なコトをッ!
ルルーシュは見るからに取り乱し、わなわなと肩を震わせ始めた。
確かに事実だけど、全部丁重にお断りしたんだし、今になってどーしてその話をするかなぁ……。


「そーよ。兄が思ってる以上にモテるのよ、アンタの妹は」
「クッ、どこの輩どもだッ……!? 
 俺の留守中に俺のララにッ……可愛い妹に手を出そうなどと……ゆ、許さんぞ、絶対にだッ!! 
 必ず一人残らず見つけ出して、2度と不埒な狼藉を働けない様にしてやるッ……全力でッ!!!」
「(何が全力なんだか……運動神経ゼロで、腕力もロクに無いクセに……)」


ルルーシュの母親のマリアンヌはKMFナイトメアフレームの操縦も巧みで、
「閃光のマリアンヌ」の異名で呼ばれた元皇帝直属騎士――ーナイトオブラシックスだと言うのに……
その子供のルルーシュには、どうもそういう部分が全然遺伝しなかったみたいだった。
この前なんか、


『どうだろう、ララ。ちょっと兄さんがお姫様抱っこをしてやろうか』
『……は?』
『むっ、どうしたんだ? そんなに声を荒げて……嫌なのか?
 車椅子に乗ってた頃は兄さんがいつもしてあげていたじゃないか』
『う、ううん、そんなコトないよ? お兄ちゃん……(いちいち気持ち悪いヤツね……)』
『よし、じゃあ早速……』
『ふにゃぁっ!?』
『くっ、お、重いッ!? な、何だッ、以前よりもララの重量が増しているッ……!!』
『(そりゃアンタの妹が私より年下で小柄だったからだっつーの!!)』
『だ、だが、ララの為にも俺は……全力でッ!!!』
『ちょっとぉ!? 
 だ、抱っこしてから5秒も経ってないのにもう息切れしてるよ、お兄ちゃんッ!?』
『はーっ、はーっ、だ、大丈夫だッ……!
 そ、それにしてもララは良い匂いがするな……可愛いよ、ララ……。
 もうララは嫁には出さず、ずっと俺と暮らすという選択肢もありだな……フッ、フハハハハハ!』
『(うわぁぁぁぁあああああああぁぁぁああああぁあぁぁぁんっ、変態の妹なんてヤダヤダヤダァァァァッ!!!)』


こんな感じで、情けないったらありゃしなかった。
……やっぱりこの任務、ロロに変わってもらってた方が良かった、絶対に。
オルフェウスお兄ちゃんはエリア11でのミッションが終わって、中華連邦に行っちゃったし……
なんか、クララだけ貧乏クジ引かされた気分……。


「ルルーシュが居ない間、イロイロあったんだぜ〜?
 第88皇女のマリーベル様とお付きのグリンダ騎士団が学園にやって来たり、黒の騎士団に学園が占拠されたりさぁ」
「ああ、その話は俺も聞いている。大変だったみたいだな」


放課後の生徒会室で紅茶とお菓子を嗜むのが日課の現在いま
ルルーシュが居なかった頃を思い出した様に、リヴァルがそんな話を口にする。
アレはちょうど、オルフェウスお兄ちゃん―――そして、お兄ちゃんの双子の妹のオルドリン・ジヴォンが
エリア11に来てから最初に起きた事件だっただろうか。何だか、もう随分と昔の出来事の様な気がする。


筆頭騎士ナイトオブナイツのオルドリンって子が凄く強くてね。
 KMFに乗って、あっという間に黒の騎士団をやっつけちゃったんだよ」
「へぇ。さすがは筆頭騎士だな」
「(オルフェウスお兄ちゃんだって活躍したもん!)」


って、シャーリーはお兄ちゃんのコト知らないから、言っても仕方ないのだけれど。


「でも黒の騎士団とは言っても、学園の生徒を人質にしての身代金が目当ての、末端のゴロツキだったみたい。
 ゼロが居なくなって以降、ああいう連中が暴走を起こす様になってるのがエリア11の現状なのよね。
 ……ただでさえアッシュフォード家ウチは財政難だってのに、身代金とか筋違いもいいトコだわよ、ホント」
「はは。大半の生徒が本国に帰国してしまってますからね」
「挨拶も無しに真っ先に本国に帰った、アンタがそれ言う!?」
「ララの脚の手術が最優先事項でしたので」
「(E.U.で軍師やってたクセに……覚えてないんだろーけどさぁ)」


……とまあ、こんな具合に。


「そうだ、ララ。今夜の夕食は何がいい?
 兄さんとしてはカレーうどんとか良いと思うんだが……」
「わ、わーい!
 ララ、兄さんのカレーうどん大好き―(またアレっ!? 今月に入って何度目のカレーうどんッ!?)」
「そうだろう。
 何せ、ララへの愛情がたっぷり詰まったカレーうどんだからな……フッ、ハハハ!」
「(そこ笑うトコロなの!?)」


私の毎日は、大体こんな感じである。
なんかもう毎日がお祭り騒ぎで、気が休まる瞬間がまったく無い。
まともな神経してたら、クララはとっくに過労死してるよ、パパ……。


「……いいよね、ララちゃんは。
 ルルの妹で……毎日可愛がってもらえて……家族って感じするよね……いいなぁ、ララちゃん……フフフ」
「……」


シャーリーはシャーリーで、何か視線が怖いし。
ウザったいけど、でも私のギアスでっちゃうワケにもいかないしなぁ。


「夕食を食べ終わったら、兄さんが勉強を見てやろう。
 これまで会えなかった分の埋め合わせはちゃんとするから安心してくれ、ララ」
「う、嬉しいよ、お兄ちゃん……(ちっとも嬉しくない……)」
「(勉強が終わった後は……一緒に風呂に入ろうな。兄さんが隅々までララを綺麗に洗ってやろう)」
「〜〜〜〜!!!!(コッ、コイツ、やっぱりそっちが本命なんじゃんッ!!!)」


そうなのだ。
このルルーシュという男は妹への愛が過剰で、未だに妹とお風呂に入りたがっている困った兄なのだ。
ルルーシュの中では私がつい数ヶ月前まで脚が悪く、車椅子で生活していたというコトになっている為、
これまでずっと私のお風呂の世話やら着替えはルルーシュがやっていた……ってコトになっているみたいで……。


「(ララも兄さんと風呂に入るの、好きだろう?)」
「う、うん……スキダヨ?」


嫌いだよ!


「(ララはお風呂の中で“ぎゅー”されるのが大好きだものな。
  フフッ……いつまでも兄離れ出来ない、困った子猫ちゃんだな、俺のララは………)」
「(むしろアンタが妹離れ出来てないだけでしょーがッ!!)」


こんな偽りの生活を続けている私にとって、心が休まるの瞬間とはトイレに入った時とお風呂の時だけだった。
それを、この男はッ……よもや、エリア11に帰国した初日から、


『――――ララ、湯加減はどうだ?』
『ギャァァアアァアアァアァアアァァアアアァァアアッ!!!!???』
『おいおい。……どうしたんだ、そんな大きな声を出して?』
『お、お兄ちゃんッ!? 
 な、なんで、お風呂にルルーシュお兄ちゃんが入って来るのッ!!
 クララがもう入ってるの知ってるでしょ!? ……って言うか、どーして裸なの、お兄ちゃんッ!?』
『何を言ってるんだ……ずっと前から一緒に風呂に入ってただろう? 久しぶりに一緒に入ろうと思ってな』
『ひいぃぃっ……!?』


一緒にお風呂に入るコトになるなんて、完全にクララの想定外だったしね……。


「(今日も兄さんがいっぱい“ぎゅー”してやるからな……。
  そして風呂から出た後は……ララが寝つくまで兄さんが一緒に寝てあげるよう。……フフフ)」
「(助けてー!!!)」


パパ。クララは元気です。



【また見て ギアス!!】

SSリストに戻る





このページへのコメント

続きお願いします!!

0
Posted by 名無し(ID:zs2vKfIYhA) 2018年07月03日(火) 23:18:50 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

×

この広告は60日間更新がないwikiに表示されております。

管理人/副管理人のみ編集できます