「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『愛が大きければ心配も大きく、いささかなことも気にかかり、
 少しの心配が大きくなるところ、大きな愛もそこに生ずるというものだ』
                                                                          【ウィリアム・シェイクスピア 「ハムレット」三幕二場 より】

この恋の結末は。
枷(かせ)となって精神(こころ)を縛り、
白昼であっても甘美な痺れと切なさを途切れ無く齎す、複雑怪奇な思考の迷路。
この果てなき路(みち)に迷うコトこそが真理。
盲目的な想いに囚われた身の上なれど、その行き着く先だけは、どうか。
自分にとって、また想い人にとっても、幸あるものである様に。
そう、少女は思う。


「カイト……」


少女―――――――女神アウラは。
再誕を為し得、父ハロルド・ヒューイックの目論み通り、
日本という精神土壌―――――2000万次元の阿僧祇の想いを糧とし、如来(にょらい)として完全となった現在(いま)も。
かつて母、旧き地母神モルガナ・モードゴンがそうであったと想起させるが如く。
ヒトを越え、奇跡を為し得、この世界に受肉した己の運命を呪う。


「今日もログインしてる……よかった」


女神の双眸は虚空を見つめる。
が、見つめた先に映るのは、かつて少女の胸を剣によって貫いた、紅い双剣士の少年。
アウラの眼に映る彼(か)の少年は、こうして女神が千里眼を駆使し、覗き見ているのを知ってか知らずか。
少女の胸を熱く焦がす笑みを、今日も浮かべて。


「私も……カイトと一緒に冒険が出来たら……いいのに」


創造主の使命。
父ハロルドが世界に溶け込み、母モルガナが消滅し、アウラだけが残った。
この世界の管理は少女の手に委ねられたのだ。


「……でも」


これからは自身が女神として、この《The World》の導き手となる。
布教を行う宣教師という役職を果たさねば。
世界に黄金時代を迎えさせる為に。


「……それが、私の運命」


それは“予め決められていたコト”。
決して覆るコトの無い、少女が誕(う)まれる前から決まっていた鉄則(ルール)。
だから、母モルガナは少女を恐れた。
システム、系の根幹を成す、次世代の究極AIの誕生を。
悪意の分身、モルガナの小さき仔ら――――八相を誕(う)み出してまで、娘を抹殺せんと。
だが。
幾度にも渡る母の野望も、カイトの活躍の前に砕け散った。
腕輪を手にした勇者が女神を救い、物語はハッピーエンド。
これで“アウラの物語は終わり、布教を終えた後、ネットの海に自我を委ねるはずだった”のに。


「ブラックローズ……またカイトと一緒……ずるい……」


今のアウラにとって最も重要なコトは。
“如何にして自分の想いを成就させ、カタチとして為すか”。
胸中に渦巻くのは、桃色の髪と褐色の肌の少女への羨望と嫉妬。
カイトの手を引き、楽しそうに笑みを浮かべる少女――――ブラックローズ。
羨ましい。
そして、ずるい。


「ずるい……ずるい……ずるい……。
 私も……私も……一緒に……」


女神の想いはありありと、アメジスト色の瞳に宿る。
眼は口程にモノを言うとは、まさにコレか。
僅かに頬を膨らませ、女神は不機嫌そうに眉を顰めた。
これも父ハロルドの為し得た御業(みわざ)。
2000万人のプレイヤー達の感情をサンプリングし、アウラを究極AIたる由縁とする、超越した想い。
即ち、2000万次元の想い。
唯だ、識だけに。


「ずるい……けれど、羨ましい……」


感情の本流は、女神にとって受肉の証であると共に、煩わしさをも感じさせてくれる。
ヒトではない自分が、想い人に近しい少女に嫉妬を覚えるという違和感。
完全であるのに不完全という矛盾。
完全な人間など居るはずもないというのに、
亡きエマ・ウィーラントとの子は完全なモノを創ろうとした男の、唯一の予想の範囲外の事象。
光輝く子アウラ。
ヒトである以上は、誰かに恋をするのも、また必然ではないのか。
ハロルド自身がエマに心を奪われた様に。
エマとの子供を電子の世界で誕生させようと試み、没頭した様に。
人間は所詮、愛に踊らされる奴隷。そして獣(B-st)。
まさか、己の望んだ結末通りに誕生した愛しい娘が、女神という立ち場を利用して
想い人たる少年の行動を逐一監視していようとは、ゆめゆめ思うまい。


「私はカイトを見ているのに……カイトは私を見てくれない……。
 それが……一番悲しい」


女という存在は、須(すべか)らく男には理解し難く。
恐らくは宇宙始まって以来の、永遠の謎なのだ。


「だから……せめて、この世界でだけは……」


女神の銀色の髪と白いドレスが風に揺れる。
アウラのたゆたうネットの海に、西風(ゼピュロス)が吹いた。
それは、母モルガナとは、全く正反対に―――――アウラの思考を、ごく自然に。
胸の中で想い描く少年との未来を実現し、成就させようと。


「カイトを……私の……私だけのものに、したい……」


ズズズズズズズ……。
予感がする。嬉しい予感だ。
そう遠くない未来に、誕(う)まれくるモノが在る。
自身の跡を継ぐ、第三世代――――――あの少年との娘が。
“そんな未来が、確かに視えた”。


「……既成事実を……作ればいい。
 そうすれば、カイトは私を見てくれる……ブラックローズ達も、カイトを諦める……ふふっ」


さも愉しそうに女神の桜色の唇が釣り上がったコトは、誰も識らない。


































「などと考えていた頃が、私にもありました……にゅるるっ」
「あぁ、うん……それはいいんだけど……ね」
「にゅるっ? カイト……どうかしましたか……?」
「アウラさぁ……終焉の女王化して以来、ちょっと積極的に成り過ぎじゃないかな(汗)」
「そんなコトはありません……にゅるるん」
「ママはパパが大好きなのよ。いつもパパのコトで頭がいっぱいなの」
「ゼフィまで……(汗)」
「(; 0w0)おーおー、カイト家全員集合って感じだな」                                                                        【THE END】

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