「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

「帝王の腕輪は何処だ!?」
「帝王の腕輪でごじますか……?」


【Σ 双天都市 ブレグ・エポナ】。
CC社の本社が、その拠点を置く上級者向けサーバー。
ルートタウンの中も、都市内部のビルの中も、今ではCC社に身も心も捧げたAIDA=PC達が闊歩している。
そんな人類の天敵が渦巻く魔窟たるCC社の本社ビルで、戦いは既に始まっていた……。


「侵入者ですね(・〜・)ノ ゲームマスターの権限により削除させていただきます(´▽`)」
「!?」
「マ、マズイっ!!」


CC社・本社ビルには「蒼天の腕輪」と「蒼炎の腕輪」、2本の「帝王の腕輪」が隠されている。
その2本の腕輪は遥か昔《The World》の創造主たる女神Auraが作り出したもので、手に入れることが出来れば身につけた者は最強の力を発揮するという。
……いつの頃からか人類の間に、そんな噂が実しやかに流れ始めていた。
今、CC社のゲームマスターの1人である女性PCを羽交い締めにし尋問を行おうとしていたプレイヤー達も
危険を冒してネットスラム経由でカオスゲートを潜り、ブレグ・エポナのCC社・本社ビルまで腕輪を奪取しにやってきた
“勇気ある者達”であった。あったのだが――――――――――――――――


「すまんのう(´・ω・`)」
「うぐっ!?」


突如、女性PCの腕に巨大な鰭が生え、後ろから羽交い締めにしていたプレイヤーの躰を両断する。
あっという間に仲間を“破壊”され驚嘆の声を上げるプレイヤー達を余所に、彼女の躰は徐々にヒトの形から異形のモノへと変わっていく。
変身を終えたそれは、まるで半漁人。全身にビッシリと鱗を生やし、口をパクパクと開けながら、侵入者を睨んでいた。
AIDA=PC。CC社の社員達もまた、AIDAに魂を売った者達だった。差し詰め目の前にいるのは鮭……《シャケ=AIDA》と言ったところだろう。
女性PCならばCC社の社員と言っても簡単に斃せるはず……だが、それはどうやら、とんだ誤算だったようだ。


「松!」
「ウス!!」


撃剣士の青年の合図に応じ、紅い髪の青年が銃剣を構え、そして何の躊躇もなく敵目がけ発砲。
その間に他のメンバーは撤退を始めていた。彼は時間稼ぎ担当の様だ。
だが銃剣から放たれる弾丸は仄かな銃煙を巻き上げるだけで、AIDA=PCには殆どダメージを与えていなかった。
今日の日の為に用意した、対AIDA用の特別な銃弾なのに、だ。これは松と呼ばれた青年も焦りを隠せない。


「く、くそったれ……! 全然効いてねーじゃねーか、パオの野郎!!!」
「もう終わりでごじますか?(*゚ー゚)」


直後、半漁人とは思えないスピードで松の間合いに入って来る《シャケ=AIDA》。
鋭利な刃物の如き切れ味を誇る鰭が松を襲う。
しかし松も《The World》では嘗て「赤鉄の鬼人」と畏れられたPKの1人。野生の勘とも言える反応速度で鰭の一撃を回避すると
撃剣士の青年――――――――――――――榊と共に駆けだした。作戦は失敗した。脱出しかない。
CC社ビルを出て、カオスゲートまで行かねばならない。
もし帝王の腕輪の奪取に失敗した時の為に備え、カオスゲート前にはAIDA=PCに紛れた仲間を待機させてある。
後ろから凄まじい速度で追いかけてくる《シャケ=AIDA》に構わず、榊達はひたすらに1階まで駆けた。
だが如何せん、此処は敵の中枢。
例えCC社の本社ビルから逃れることが出来ても、ルートタウンの中にも何万というAIDA=PCが蠢いている。
その目を掻い潜りながら、果たしてカオスゲートまで辿り着けるだろうか? 


「こんにゃー(・〜・)ノ 逃がしません(*゚ー゚)」
「くっ!」
「ヤ、ヤバくないスか、榊さん……!」


ようやく本社ビルから脱出、ルートタウンの雑踏に紛れて逃げ出そうとした矢先、榊達の前に立ち塞がる《しゃけ=AIDA》。
榊や松は知る由も無かったが実はこの《しゃけ=AIDA》、「さけ座の聖闘士」と謳われる程の実力者だったのだ。
現在はCC社が毎月発行している月刊誌のイラストコーナーを担当しているが、その彼女ですら、これだけの実力を持っている。
つまり、それはCC社という組織の強大さを如実に物語っていた。イラストコーナー担当がこれ程の実力なら、他の社員達の実力は更に上だろう。
いつもは強気な榊も今回ばかりは恐怖で声が出せないでいる様だった……。
ジリジリと迫る《シャケ=AIDA》。とうとう榊も意を決したのか、大剣を掲げて身構えた。
CC社の本社ビル前には、この戦いを見物しようと大勢の野次馬が詰めかけ、榊達に罵声を送っている……皆、AIDA=PC達だ。
現実(リアル)に還るのを諦め、一生をこの《AIDAサーバー》で過ごすことを決め、AIDAに魂を売った者達。
彼らを見て、榊は歯をギギリと鳴らす。中には見知った、“月の樹”……嘗て榊が属していたギルドの元メンバーの姿もあった。
PK撲滅を掲げていたギルドのメンバーが今ではPK推進、人類撲滅を提唱する企業の下僕というのは、全く笑えない。
……血路を開き、カオスゲートまで走る。
松を始めとした仲間達に、そう促そうとした時、榊は見た。
人だかりの向こうから、1台の蒸気バイクがこちらに向かって疾走して来るのを。
それも只のバイクではない、《The World》でも仕様外の、サイドカータイプのカスタム(改造)バイク。
この世界でそんな蒸気バイクに乗っている者は―――――――――――――――――――――――榊の識る限りでは、たった1人。



「……オーヴァン!」



キキーッ。道路を焦がしながらのけたたましいブレーキ音と共に急停止する蒸気バイク。
急停止ついでにAIDA=PCを何体か轢き殺したが、構うことなく騎手(ライダー)は、その足を地に付けた。
その出で立ちは蒼い髪に茶色のサングラス、水色のマフラー。何よりも2mを超す長身が一際、目を惹く。
“左手”に銃剣を持っているということは銃剣士なのだろう。
オーヴァン―――――――――――――榊が呟いた名こそが、彼の名。
伝説のギルド「黄昏の旅団」のギルドマスター、オーヴァンこと犬童雅人その人だった。


「オーヴァン、てめえ! 俺達に偽の情報掴ませやがったな!?」
「松、よせ」
「けど榊さん!」
「よせ。ここは奴に任せておけ……撤退だ」
「……ウス」


松の言う通り、榊達に「帝王の腕輪はCC社の本社ビルに秘匿されている」という情報を与えたのはオーヴァンだった。
更に彼は、この世界では貴重な「碑文使い」の1人でもあった。
碑文使いとは女神Auraの作った2本の「帝王の腕輪」同様の力を発揮できるイリーガルアイテム「巫器(アバター)」を使用できる
資質を持った特別な力を持つプレイヤー達の総称である。



「フン……」



カオスゲートに向かって逃げ去る榊達を一瞥し、オーヴァンは哂う。
哂うついでに銃剣を乱射し、AIDA=PCで出来た人だかりを崩して道を切り開いていく。
撃たれたPC達は1人の例外も無く、灰となって崩れ落ちていった。
彼の持つ銃剣型の巫器《コルベニク》は、そんじょそこらの銃剣とはワケが違う。
この世界で唯一、AIDAを駆逐し、滅ぼすことの出来る最強の武器の1つなのだ。
何時からソレが使えるようになったかはオーヴァン自身も覚えていない。気がつくと、戦っていた。
守る為に。志乃を、そしてアイナを。



「邪魔せんでくだぁさーい(´▽`)」
……変神



変神。オーヴァンがその言葉を発すると同時に、全身に浮かぶ光の紋様。
幾つもの巨大な眼が躰の各所で瞬きをし、彼が左手に携えた銃剣を中心に光が一層の輝きを見せたかと思うと、
オーヴァンの姿はもうそこには無かった。代わりに立っていたのは巨人(アトラス)。



「お前に俺が斃せるか……?」
READY



それも相(カオ)のない巨人だった。左腕に大きな筒状の……大砲の様なモノを身に付けた異形。
オーヴァンの面影は無い。蒸気バイクに乗って現れた騎手(ライダー)の正体、それは仮面(ペルソナ)の戦士だった。
ここで普段から同僚に指摘されるくらいにおっとりとした気質の《シャケ=AIDA》も、彼の正体に気づいた。
碑文使い。巫器(アバター)。憑神(ツキガミ)。
そう、オーヴァンの変神した姿。あれは憑神と呼ばれる姿ではなかったか。
彼女が相対する敵を見据えながらそう考えていた刹那、稲妻よりも疾くオーヴァンが動いた。

































EXCEED-CHARGE


消えろ


……へっ?(´・ω・`)



































ドンッ!!




































超至近距離からのデータドレイン。
左腕の大砲が妖しく輝いたかと思うと、ワケも分からないまま《シャケ=AIDA》の腹に空洞が出来ていた。
その前後、耳を劈く様な轟音も聞こえた気もする。
……つまりは撃たれたのだ。碑文使いであるオーヴァンに。それは即ちAIDA=PCにとっては死を意味する。



「……はれ?」



グシャッ、ドサッ。
オーヴァンが彼女と戦闘を開始する前に斃されたAIDA=PC達と同じくして《シャケ=AIDA》もまた、灰となって散華するのだった。
周囲に居たAIDA=PC達もその巻き添えを食らい、次々と灰人形となって崩れ落ちていく。
まるで悪徳の蔓延った町「ソドムとゴモラ」の最後の日、町を逃げる途中に振り向いて塩の柱となったロトの妻の様に。
……いや。悪徳が蔓延っているのは、ここも同じことかもしれない。
正義は既に無い。だがオーヴァン自身は自分が正義であると思っていた。
志乃とアイナを守り、人類の希望である自分は正義――――――――――――――――――救世主なのだと。
嘗て世界を救ったと言う、伝説の勇者カイトをも超越する存在、それが自分。
第八相コルベニクの碑文使い。オーヴァン。




「帝王の腕輪など必要ない。救世主は――――――――――――――――――――この俺だ」














































遠くない未来。どこかの国。
世界は、ネット生命体AIDAと超巨大企業CC社によって支配されていた――――――――――




































.hack//G.U. 番外編
                   パラダイス・ロスト












































それは突然起こった。
全世界で1200万人もの人間がプレイするネットゲーム《The World》。
ある日を境に、プレイヤー達がゲームの世界からログアウト不能になるという奇怪な事件が発生する。
ジャパンサーバーだけでも数十万単位、世界換算でざっと600万人ちょっと。
半分程のプレイヤーがゲームの中に文字通り、閉じ込められてしまった。
この未曽有の事態に当然のことながらプレイヤー達はパニックを起こし、各サーバーで混乱が生じることとなる。
だが皆「きっと、もう少し待てば現実(リアル)に戻れるだろう」という希望は捨てないでいた。
しかし1日が経ち、10日が経ち、1ヵ月が経ち……どんなに待っても彼らが現実に戻れる日は来ない。
全ては罠だったのだ。
巨大企業CC社はネット上に生じた生命体《AIDA》と結託、《The World》のプレイヤー達を使い、違法な人体実験を開始したのである。
AIDAに感染したプレイヤー達は《AIDA=PC》と呼ばれ、次々とCC社に与していくようになってしまう。
1年が経過した頃には600万人も居た未帰還者達も、今では残すところ数千人にまで激減。《The World》はAIDA=PCが全サーバーに跳梁跋扈する地獄と化していく。
ログアウト出来ず、外界から何の情報も得られないまま孤軍奮闘する人類は《ネットスラム》に身を隠し、今も必死の抵抗を続けていた。
此れは、いつの日か必ず《勇者》が現れ、闇を斬り裂き光をもたらすという伝説を信じる、1人の少女の物語―――――――――――

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