「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

「2人はさ、将来子供が出来るとしたら男の子と女の子、どっちがいい?」


アンタは突然何を言い出すのか、と小一時間(問い詰めたい)。
思わずそう口走りそうになり晶良は慌てて口元を抑えた。
良子の手前、飽くまで冷静にしなければと本能的に悟ったからだ。
これまで共にパーティを組んだ経験からして、寺島良子という少女はどうにもお嬢様育ちの影響なのか
世間一般の常識に疎い所がある。
こういう時こそ、自称一般人代表として彼の―――――――――カイトの真意を的確に判断すべきではないのか。
いや、判断以前に、ある意味コレはセクハラでは……?
『将来子供が出来るとしたら〜』と遠まわしな言い方ではあるが、子供が出来る……ということは
その前提に生殖行為……性交があるのは明らかなワケで。
いくらカイトと言えど、まだそういうコトを知るのは早いんじゃないの?
……などと思ったり思わなかったり。


「え、えっと……。アンタ、そーゆーコト突然言い出しちゃうようなキャラだっけ……?」
「カイトさんは……子供が欲しいのですか?」
「ちょっ、寺島さんはストレートすぎ……!」
「はい?」


ある意味、そのズレ具合が羨ましくもあるが。


「だって、女の子に面と向かって『将来子供が〜』とか……」
「うーん。ほら、僕は男だから子供、産めないし」
「あぁ、成る程」
「納得してる場合じゃないっちゅーのっ!」


カイトと良子、この2人はある意味似ているのかもしれない。
時として場の空気が読めないと言うか……。
天然なのかロール(わざと)なのか……それが返ってブラックローズの心に不安の影を落とす。
アンタ、あたしをからかってんじゃないでしょーね……と。


「ミストラルがこの前、女の子を産んだでしょ。昨日メールで話してたらその話題になってさ。
 で、ミストラルに『キミは将来、男の子と女の子どっちが欲しい?』って聞かれちゃって……」
「いや、だからってあたし達に聞かれても困るんだけど……」 
「男性であるご自身よりも女性である私達に聞いた方が、
 より実のある答えが得られるかもしれない……そういうことですね。分かります」
「さすが。寺島さんは理解が早いなぁ」
「(!?)」


良子が……自分よりも先にカイトの真意を汲み取った……ッ!?
天然で世間知らずのお嬢様の良子が……。
ブラックローズに誤算があるとすれば、それは生まれ持っての教養の差である。
最馬女子大付属高校でも常に学年上位に位置する高い学力を有する良子。
それでなくとも良子には16歳になって以降、何度も見合い話が来ている(良子の父が全て断っているが)。
良子もいずれは自分が殿方の下に嫁ぎ、子供を産むことになるであろう運命を自覚しているからこそ、安易に導き出せた答え。
尤も良子の父は、娘を嫁がせる気など全く無い様だが―――――――――――――――――――


「寺島さんは男の子と女の子、どっちがいいと思う?」
「そうですね……私、一人っ子ですので……以前から妹が欲しいと思っていました。
 ですので、最初に産むとしたら……その、女の子……でしょうか……」
「ふんふん。寺島さんは女の子かぁ」
「で、でも! 
 お相手の方が『男の子が欲しい』と仰るなら、頑張って男の子を産もうかと……」
「(無理でしょ……産む前に性別選べるなら苦労しないっての……)」


カイトの前で照れながらそんなコトを言っている良子を見ていると
何となくであるがブラックローズにも対抗心(のようなもの)がフツフツと込み上げてくる。
ついさっき、カイトの前で良子と仲直りしたばかりというのに自身を抑えられないコトに
内心驚きつつもイラッと来るのは何故だろうか。
目の前で軽くイチャつかれれば誰しもそうなるのかもしれないが、未だにカイトに対しての自分の感情が
恋愛なのか友情なのか、その区別がつき難いブラックローズにとってはあまりよくない兆候と言えるだろう。


「ブラックローズは?」
「うぇっ!?」


いけない。
考え事をしている最中に名前を呼ばれたせいか、思い切り変な声で返事をしてしまった。
が、ライバルの良子の前なのだ……と自分に言い聞かせ、何とか平静を保つように努力。
結果的に数秒のラグはあったものの、ブラックローズこと速見晶良はいつもの自分を取り戻すのだった。


「男の子と女の子、どっちがいいか教えてよ」
「え、えっと……あたしも、女の子……かな……?」
「へぇ。何で?」
「あたしも妹が欲しかったってゆーか……あたし、下は弟しか居ないし……」
「あー、そっか。
 ブラックローズはカズの他にもう1人、弟が居たんだよね」


ぶっちゃけると、母が2番目の弟の幸太を身籠った時は
今度こそ妹だと思ったのだが……コウノトリは気まぐれらしく、またしても男の子、弟だった。
そういう意味では、もし将来自分が子供を産むとすれば……出来れば、最初に女の子を産んでみたいと
ブラックローズは思うのだった。
まぁ、それも相手が居なければ成立しない話ではあるが――――――――――――――――
考えれば妙な話だ。
保体の授業で子供の出来方などとっくに習っているのに、今になって変に意識してしまう。
確か……精子と卵子が受精して……子宮内で着床すると……いや、その前にまず性交が必要だから……。


「(子供産むための前提条件とは言え……や、やっぱ、何かヤラしい気が……)」
「2人とも女の子かぁ……。僕はどうしようかな……」
「カイトさんはどちらをご希望ですか?」
「(ご希望ですか、ってアンタ……寺島さんがカイトの子供を産むワケじゃないんだから……いや、将来的にはアリかもだけど……)」
「うーん……せっかく2人から意見も聞けたし、僕も女の子……かな?」


果たして、あんなしどろもどろの回答が意見と呼べるかは別として。
カイトも将来、女の子が欲しいと言う。
と言うことは彼もやはり、いつかは意中の女性と恋仲になって……その、そういうコトをするのだろうか。
人間ならば誰しも、いつかは体験することになるのだろうが、どうにもブラックローズは腑に落ちない。
いくら弟のために尽力してくれた仲間とは言え、数ヶ月前までは赤の他人のはず。
彼が将来、何をしようが誰と交際しようが、自分には関係ない。
関係ないはずなのに。
何故か、言いようの無い不安感と痛みが晶良の胸に走った。
無論、表情には出さないが、晶良の隣に佇む良子も同様である。
まあ……良子は自身の感情が恋であることに無自覚なようだったが、それでも女の本能とでもいうものが心に警鐘を促している。
しかし、2人にとって一番致命的だったのは……カイトという少年はまだまだ
恋愛に関心を寄せるより、皆で仲良く遊んだ方が楽しいじゃない……という感性の持ち主であること。
そして何より――――――――――――――――――――――――――――彼には先約が居たこと。
でなければ「女の子って面倒だなぁ」などと口に出せるはずもなく。


「へ、へぇ〜。アンタも女の子がいいんだ?」
「うん。イベントが終わった後、ミストラルにメールしてみるよ」
「お役に立てて、何よりでした」


アンタ、そんなコトくらい自分で考えなさいよ!
と言いたい。言いたかったが……ここはグッと我慢するブラックローズ。
今日は月に一度の月例イベントの日。当日にケンカなどすべきではない。
せっかくフツーにカイトと《The World》で遊べるようになったのだから。
例え良子が居ようとも、それはそれ、これはこれ。
気持ちを切り替えてイベントに臨む……つもりだったのだが、どうにも先程の話題が頭から離れない。
今でこそ気楽に女子高生気分を満喫できているが、やがて大学に進学し、社会に出て……どうなるのだろう?
漠然とした未来図だけに、どう想像すればいいのだろう。
大学でカッコいい彼氏でも見つけて付き合い、そのまま社会に出た後も付き合い続け、結婚するとか?
……超鈍感で空気も読めないが、魅力的な年下の少年がすぐ傍に居るのに?
現在(いま)の自分の気持ちが数年先まで維持できる保証は何処にも無い。
なのに、自然とカイトとの未来を想像してしまう自分が居ると云う矛盾。
年下なのに? 自分が大学に入学した時、彼はまだ高校2年生でしょ? 年下もイケたの、あたし? と。


「(あ、あたし……何考えてんだろ……変なの……お、おかしいよね、絶対……!?)」
「(ブラックローズのPCが震えてる……イベント開始前の武者震いかな……?)」


カイト本人がこの有体では、まだまだ先は長そうだ。
一方で――――――――――――――――――――――――――――――――――――
































「カイトは女の子が欲しい……。カイトは女の子が欲しい……。カイトは女の子が欲しい……。カイトは女の子が欲しい……」
 






































何処とも知れぬ空間で。
少女が1人。
独り言を幾度となく繰り返していた。
瞳は閉じられたまま、銀色の髪と白いドレスが風に揺れる。
―――――――――――――――――――――――――――――――風?

































「あっ」




























不意に少女の両眼が開く。
湖面の如く澄んだ瞳は、歓喜の輝きに満ちている。
何か心躍らせる発見でもあったと言うのか。







































「そっか……簡単なことだった。
 ―――――――――――――――――――――――創っちゃえばいいんだ」


































ズ  ズ  ズ  ズ  ズ  ズ  ズ





























                                                                                     【 TO BE CONTINUED... 】

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