「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『世界を変えるのは、強い想い』


―アウラ 劇場版「.hack//G.U. TRILOGY」より―


勇者カイト。
7年前の2010年、ドットハッカーズと呼ばれるパーティを率いて
意識不明者事件を解決に導いた《The World》の英雄。
長らく姿を消し、引退すら噂された伝説の勇者が――――――――――――帰ってきた。
ケストレルの長“がび”率いるチームの猛攻により
劣勢を強いられていたハセヲチームの試合に突如乱入、息もつかせぬ間にIyotenとアスタを瞬殺し
華々しく世界に復活するという事態を、誰が想像できただろう。
トーナメント2日目の夜は祭状態となり、誰もが勇者カイトの復活を熱く語りあった。
勇者は死の恐怖ハセヲの率いるチームに加入、トーナメント3日目の決勝戦に臨む。
こんな一大イベントは《The World》史上、初めてかもしれない。
しかしながら、そんなプレイヤー達の期待や好機とは別に―――――――――――――――――――――


「カイト……俺……」


マク・アヌのゲート前。
「誓い」のグリーティングカードをカイトに送り
不思議な縁で結ばれた互いの友情を確かめるため、ハセヲは眼前の赤い双剣士の少年に語りかける。
カイトは振り向かない。ハセヲと同じように緊張しているのか?
ハセヲの緊張は無理もない。
何しろ「誓い」のカードはレア中のレア。
手放せば、普通にプレイしていたらまず二度と入手することは出来ない……と言われている。
クビアとの戦いを終え、女神アウラから届いた「誓い」のカード。
誰に送ればいいのか迷っていた時、彼は現れた。
勇者カイト。
皆に希望と勇気を与える、《The World》最高の英雄。
いざメールで話をしてみると、ハセヲとカイトは思った以上に気があった。
まるで10年来の旧友であるかのように。
「誓い」のカードを送るなら、彼しかいない。
カイトと自分なら、この世界を、《The World》をもっといい方向に持っていける。
ハセヲはそんな期待に胸を躍らせながら、マク・アヌのカオスゲートにログインした。
しかして―――――――――――――――――


「俺、アンタとなら……カイト……?」
「アアァァ……」
「げぇっ! お、お前はッ!?」


ずっと後ろ向きのままだったカイトに近寄ると、思わぬ事実が明らかになる。
今の今までハセヲが話しかけていた相手は、カイトであってカイトに非ず。
三爪痕―――――――――蒼炎のカイト。
女神によって生み出された、《The World》の浄化プログラム。
志乃をPKした宿敵と信じてハセヲが6ヶ月の時間をかけて追い続けた因縁の相手。
何故、その三爪痕がマク・アヌのゲート前に?
自分がメールしたのは確かにカイトだったし、カイトから返事だってちゃんと返ってきた。
なのに。
どうして。
目の前に居るのは。
カイトであって、カイトでないのか。


「オォォ……」
「グゥゥ……」
「!?」


更に、ハセヲの死角となった背後から殺気が2つ。
俗に言う三蒼騎士の残る2人、蒼天のバルムンクと蒼海のオルカ。
ハセヲ曰く「羽男」と「裸男」。
そのバルムンクとオルカが白煙を口から吐きながら、ゆっくりと近寄ってくる。
既に両者ともに剣を抜き、臨戦状態であった。
そしてハセヲの眼前の三爪痕―――――――――蒼炎のカイトも
昨夜の試合でカイトが使用していた双剣・虚空の双牙を展開し、ジリジリと歩んでくる。
カイト、バルムンク、オルカ。
これは――――――――――この三人こそは。























女神直属……護衛軍……!!!






















女神アウラの生み出した最強の三戦士。
それが三蒼騎士こと女神直属護衛軍。
かつて《The World》を見舞った災厄を打ち払ったプレイヤーの中でも
最も女神の信頼を得た三人のプレイヤーを模した対AIDA駆除プラグラム。
その三蒼騎士が、どうして自分の前に立ちはだかるのか?
ワケが分からない。
本来ならばカイトと落ち合って、互いの友情を深めていたはずなのに。
どうしてコイツらが現れる? 自分が何をしたと言うのか。
まさかAIDAに感染? それはない。今の自分はキー・オブ・ザ・トワイライトだ。
AIDAの駆除と女神の護衛のために生み出されたコイツらと戦う理由はない。
けれども、ハセヲが脳内で思考する間も一歩、また一歩と三蒼騎士はにじり寄って来る。
獲物を追い詰める狩人のように。


「アァァ……」
「グゥゥ……」
「オォォ……」
「ま、待て! 俺は別に、お前らとやりあうつもりは――――――――――――――――




















カッ!
















「!?」


刹那、眩い光がゲート前に疾る。
あまりの光量にハセヲは思わず手で顔を覆った。
だがそれも一瞬のこと。
いつ三蒼騎士に襲い掛かられるか分からないこの状況で、自ら五感の一つである
視力を封じるなど言語道断である。
すぐさま目を見開き、両の腕に双銃を顕現、こちらも臨戦態勢に入る――――――――――――――のだが。


「なッ……!? 
 マッ、マク・アヌじゃねぇっ!? ど、どこだよ、ここはッ……!!!」


ハセヲが目を開いた時、そこは既にマク・アヌのゲート前ではなかった。
目の前に広がるのは、どこまでも白い地平の広がる巨大な空間。
以前、オーヴァンが妹のアイナと共に刻を過ごした「創造主の部屋」に似ていなくもない。
理屈は分からない。
だが、これだけは言える。
自分はマク・アヌからこの空間に強制移転させられたのだと。
しかし、誰がそんな真似を?
三蒼騎士か?
いや、彼らは確かにズバ抜けた戦闘力を有するものの、こんな魔法使いのようなことはできなかったはず。
いくら仕様外の存在とは言え、こちらも仕様外、言うなれば異形。
安易に手を出すこと出来ない。
この世界で、キー・オブ・ザ・トワイライトとなったハセヲに直接手を下せる存在と言えば―――――――――――


「あ……」


女神、アウラ。
跪き頭を垂れる三蒼騎士の頭上に、さも最初からそこに存在していたかのように
薄紫色の髪と白いドレスを着た少女が居た。
あの時、グリーマ・レーヴ大聖堂でアイナを寄り代にして《The World》に再臨したのをハセヲも覚えている。
と言うよりも、まるで焼印を押したかの如く、ハッキリと覚えているのだ。
女神の髪、女神の瞳、女神の肌、女神の唇、女神のドレス。
旧いアルバムの写真を眺めている気分。
会うのはこれで2度目のはずなのに、妙な既視感があるのだ。
が、今はそれどころではない。
この非日常的な状況を、どうにかしなければ。


「なぁ、こりゃどういうことだ!? 俺に何か用でもあんのか!? おい、女神サマッ!」


アウラは応えない。
しかしその表情は、雄弁に今の彼女の気持ちを語っていた。
怒っている。
指で触れればプニプニと弾き返してくること間違いなしの薄桃色の頬は膨れ、
澄み切った蒼空を映した美しい湖面のような瞳は怒りを湛えている。
口の端は歪み、今にも呪詛の言葉を吐いて、女神らしからぬ口汚い言葉を紡ぎ出してもおかしくない。
普段全く女性の気持ちに疎いハセヲこと三崎亮であったが、
この時ばかりは彼女の気持ちが言葉でなく、心で理解できた。


「な、なんだよ……俺が、何したってんだよ……!?」
「……」


まるで虫けらを見るような目で、睨み返された。
西洋人形を思わせる完璧な容姿を持つ世界を統べる女神。
ハセヲは、その女神によって見下されている。
屈辱感よりも恐怖感の割合が大きい今、下手な抗議の言葉は自身を危うくするだけ。
跪いてる護衛軍三人は、いつ襲い掛かってきてもおかしくない。
それこそ


―――――――――――――――――――懲らしめて」
「アァァァッ!!!!}」
「オォォォッ!!!!}」
「グゥゥゥッ!!!!}」


女神の合図一つで。


「ちょっ、待っ――――――――――――――――――――


女神の愛らしい桜色の唇から発せられた処刑命令と共に、三体の猛獣は駆ける。
女神を護るために生まれ、女神の命令を実行するために生きる。
それが女神直属護衛軍の使命。
例え《The World》に安寧を齎した救世主であっても、女神の命令ならば躊躇無く殲滅する、非情の戦士達。
その戦士達が今、ハセヲに向かって迫る。
三体とも目をギラギラ光らせ、口から雄叫びとも奇声とも区別のつかない声をあげながら。
ハセヲという女神の怨敵を倒すために……仕る!























「ちょっ、や、止めっ、あっ! 
 アッ、アァッ、アッ――――――――――!!!!」












































****************




















「いやーゴメン、ゴメン。
 ログインする寸前、いきなり停電になっちゃってさ。
 復旧するのに時間がかかっちゃった。ホントに待たせてゴメンね、ハセヲ君…………ハセヲ君?」


三蒼騎士との遭遇から数十分後。
ようやくハセヲの本来の待ち合わせの約束をした相手、カイトが現れた。
ハセヲから「誓い」のグリーティングカードを貰い、
これで自分もようやく彼と真の友情を築けると喜び勇んでいた矢先。
カイトの下宿していたアメリカ・サウスダコタ州一帯を謎の大停電が襲う。
変電所に何らかのトラブルが起きた、と
復旧後にネットニュースは伝えていたが、カイトがサウスダコタに来て以来、初めての事態である。
特に《The World》のサーバーは深刻な影響があったらしく、
ログインしようとしても一向にサーバーに接続できず、首を傾げたものだった。


「ハ、ハセヲ君!? ど、どうしたんだいっ!?」


そしてやっとログイン出来た。
ハセヲとの約束の場所、マク・アヌのゲート前に降り立つカイト。
しかし、カイトの目の前にはぐったりと地面に這い蹲ったハセヲの姿。
他のプレイヤーはおらず、彼だけだった。
生きてはいるようだが、ハセヲの息は絶え絶えで、まるで雨の中震える子犬のよう。
すぐさまカイトは駆け寄り、ハセヲの上体を起こし、呼びかける。
一体何が起きたのか、と。


「ハセヲ君! 何が、何があったの!?」
「め、めが……めが……あう、あうっ、ら……やら、れ……」
「目が合ったヤツらにやられた、だって!? PKされたのかい!?」
「さん、そう、そう……きしぃ……!」
「うん、そうだ、くやしい……!? 分かるよ、誰でもPKされれば悔しいよね……!」
「ちが、ちがっ……!」
「大丈夫、血は出てないよ! これゲームなんだから(汗)」


必死に訴えても、まるで通じていなかった。




























後日―――――――――――――――――


「ったく……。えらい目に合ったぜ……」


女神率いる三蒼騎士にハセヲがボコボコにされてから、数日が経った。
トーナメントは無事に終わり、全ては解決。
カールも元に戻った、ハセヲ自身も楚良だった頃の記憶を取り戻した、理想郷(アヴァロン)なる新ロストグラウンドも見つかった。
しかし、未だに自分が女神らの襲撃を受けた原因は判らない。
グリーマ・レーヴ大聖堂で戦った際は自分以外に八咫や他の仲間が居たものの
さすがに女神直属護衛軍三人を相手にするのはハセヲでも無理だったようだ。
今でも引っ叩かれた頬っぺたがヒリヒリする始末。
だがそれは蒼炎のカイト、蒼天のバルムンク、蒼海のオルカによる攻撃のダメージではない。
アウラからのものだった。
気を失う寸前、ドレスの裾から女神の白く細い腕が伸びたかと思うと、思いっきり頬を引っ叩かれたのだ。
何処までも白い地平線が続く不思議空間に響く、乾いた音。


「(あの目はマジだった……)」


親の前では聞き分けの良い子を演じていた亮にとって、あんな強烈なビンタを喰らったのは生まれて初めてだったかもしれない。
母さんにもぶたれたことないのに……そう口にしようとした後のことは覚えていない。
気がつくとマク・アヌのゲート前に戻されており、数十分遅れで駆けつけたカイトによって
発見された次第である。
あれ以来、カイトとは会っていない。
と言うより、会えない。
彼にメールを送っても何故か文字化けメールが戻ってくるし、
ルートタウンで声をかけようとするとボイスが再生されず、
挙句の果てにはログインした途端に全く見知らぬ空間に飛ばされる始末。
他の仲間に頼んで自分の書いたメールをコピペしてカイトに送信してもらう、
という手段も試みたが結果は同じ、文字化けメールが量産されるだけけだった。
最悪だ。
何が起きているか分からないが、今の自分は間違いなく世界に見放されている。
いや、まさかとは思うが「世界を敵に回してしまった」のではないだろうか?
どうして? 何故?


「! メール……?」


自分の身に起きている事態を熟考していた、そんな時。
メールボックスに新着のメールが来たことを知らせるアラームが鳴る。
差出人は――――――――――――――――


「ア、アウラッ!?」


件名はこうある。


「……『警告』だぁ……?」


三崎亮は、恐る恐るメールアイコンにカーソルを合わせた。
そして、女神からのメッセージを開封してみると―――――――――――――――――――――――――













【件名:警告】



あなたは、あたしの敵。

二度とカイトに近寄らないで。

お邪魔虫。










































「……ずいぶん御転婆な女神様だな」


【BAD END】

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