「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

「ハセヲに指示は出しておきましたが……八咫様、あれでよろしかったのですか」
「本来ならば、ぴろし3の代わりにエンデュランスを加えても良かったのだが……。
 彼もハセヲ同様にアリーナでのチート疑惑がある以上、
 同時にパーティを組むことによる余計な誹謗中傷は避けたかった……私のかつての仲間だからな。
 いや、今もか……」


珍しく、僧形の妖扇士―――――八咫が機嫌よく笑う。
普段は表立って感情を顕にしない彼が、である。
7年前の戦いで結成された伝説のパーティ・ドットハッカーズ。
パイとてその存在はCC社に入社してすぐに知ることとなったが、
どのような人物達だったのかまではデータが失われてしまった以上、知る術は限定されてしまう。
分かっているのは、少なくとも碑文使いの中では八咫とエンデュランスが該当するということのみ。
ドットハッカーズに近い存在としてクーンやカールと言った2010年の事件で
未帰還者となってしまった者達もいるが、いずれも伝説に昇華する程の関連性を秘めていないことも分かっている
(それでもクーンはメイガスの碑文使いとして、カールもスケィス旧型種の碑文使いとして開眼してはいるが)。


「時にパイ。君は同窓会に参加したことはあるかね」
「同窓会、ですか? いえ、招待されても、その都度断っていましたので……」


八咫から思いがけなく飛び出た「同窓会」という言葉。
事実、令子はこれまでに中学校、高校ともに同窓会に呼ばれてはいるものの一度も出席したことがなかった。
彼女自身が過去に興味がないのと、システムエンジニアとしてデスクから離れられないこと、
義兄が急逝したことなど、要因は多いが……記憶が確かならば、八咫がこんな言葉を発したのは初めてのことである。


「今回のトーナメント、私なりの趣を加えて開催しようと思っている。
 かつてのユーザー達を呼び戻すのが目的ならば……R:1時代のユーザーとて例外ではないだろう?」
「! では、同窓会とは……」
「彼女が愛した伝説が……もう一度帰ってくることを、切に願おう」


1200万人がプレイする世界有数のオンラインゲーム《The World》。
フラグメントと呼ばれていたテストプレイ時代から、決して誰も見ることのできなかった
ブラックボックスを垣間見た者達が居た。それがドットハッカーズ。
あれから7年の歳月が過ぎた、いや、もう8年か。
小学生だった八咫も飛び級で大学に進学する程の歳月が。
妖怪カード集めと、サッカーが大好きで、周りの子よりも勉強ができた男の子。
賢者のロールをしていた自分が心を開けた数少ない相手が、ドットハッカーズ達。
特に中心をなしたPCカイトは、フィアナの末裔に次ぐ親友。
ケガが原因でサッカーを継続することを断念した時の無念ささえも彼は受け止めてくれた。
あれから随分と時間が経って……ロールを続けるうちに、どちらが本当に自分なのか分からなくなってしまう程の時間。
彼は元気だろうか? ここのところ連絡は取り合っていない。R:1の世界が失われてからは特にだ。
だが大学に進学して上手くやっているとは聞く。もう一方のフィアナの末裔も同様に。
あぁ、そう言えば。かの勇者の周りもハセヲ同様、いつも華やかだったことを思い出した。
性格も生き方も主張も年齢も違うはずなのに。何処か、同じものを彼らに感じるのは……偶然ではないのだろう。


「君も、彼も……女神に愛されていたな。
 私には君達が眩しく、そして純粋に、心から羨ましかった……なぁ、カイト」















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「今日も楽しかったなぁ〜」


コントローラーを机に置き、ん〜と背筋を伸ばして彼女は唸る。
定時通りに図書館から帰宅、洗濯物を取り込んだ後に夕食を摂り、洗い物を済ませてから《The World』にログイン。
ギルドの活動とメンバーアドレスを交換し合った友人らと気ままに過ごし、今に至るのだ。


「そうだ。忘れないうちに」


1人暮らしを始めて4年が経つと、さすがに独り言が多くなっても気にしなくなったなぁ
などと心の中で笑いながらも、不慣れな手つきでメールフォームを開く。
一応パソコン歴は長いはずなのだが、未だにメールやワードと言った文章関連のスキルに
不安が残るのが玉に傷。せっかく図書館司書の資格も取得できたというのにこれでは意味がない。
館内所蔵の本の管理は当然のことながらデータベース化されているため、こればかりは嫌でも覚えなければならないのだ。
かつて赤い双剣士の少年が教えてくれたように、嫌なことから逃げていてばかりでは何も始まりはしないから。


『良子さん、お元気ですか。なつめです。今日はご報告したいことがあります。
 実はですね、私今度CC社主催のバトルトーナメントに出ることになったんですよ〜!
 戦いは昔から得意じゃない私ですけど、出場する以上は優勝目指して頑張ろうと思っています。
 もしかしたら、噂を聞いてカイトさんも見に来てくれるかもしれませんし……。
 お忙しいとは思いますが、もしよろしければ予選を見に来てくださいね!』

 
寺島良子。 
なつめ同様、2010年において勇者カイトと共に《The World R:1》の危機を救ったドットハッカーズの1人。
本人にその自覚なし。九州在住の世間知らずのお嬢様。彼女も今では24歳。
当初は大学卒業後、父親の経営する子会社に入社予定だったのだが
親の七光りと言われるのを嫌い、周囲の反対を押し切り海外留学中(要はスケールのでかい家出である)。


「次は晶良さんっと」


さすがに定型分を打つスピードだけは早くなってきた気がする。
と言っても挨拶ばかりなのだがそれでも彼女、大黒なつめにとっては大した進歩と言えるだろう。
何よりも、友人達の送るメールを打つ時はいつも心が躍るから。


『晶良さん、こんばんは。なつめです。
 お仕事の方はどうですか? 私は相変わらず毎日図書館通いです(笑)
 ……って、今時(笑)使う人って少なくなっちゃいましたねw
 あのですね、実は今度、CC社が主催するバトルトーナメントがあるんですが
 私もぴろしさんともう1人お友達と一緒にエントリーしてるんです。
 エキシビジョンマッチですので、晶良さんも応援ヨロシクお願いします!
 
 P.S.カイトさんがヨーロッパに留学してから結構経ちましたよね。
   ネットスラムで最後に会ってから1年……早く会いたいですヽ(`Д´)ノ』


速水晶良。
言わずと知れた勇者カイトのパートナー・ブラックローズのリアル。
一時期は別のプレイヤーにPCデータが譲渡されたこともあったが
2016年に起きたCC社の火災事故により、ブラックローズのデータもまた失われたと言う。
現在、晶良も社会人1年目を頑張っている。だが相変わらず「告白してくるのはタイプじゃない男ばっか」だそうな。

























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「やっぱりトーナメントに出る以上、出場する選手のことは調べておかないとね^^」
「情報収集はオイラ達にお任せだぞぉ!」
「お前らが出場するワケでもねーのに、張り切ってどーすんだよ」


一応、ギルマスである以上はシラバス達にもトーナメント出場を知らせておかねーとな。
特にガスパーは俺がアリーナバトルに参加する度に嫌な思いさせちまってるし……。
まぁ、情報集めてくれるってんなら裏方に廻ってもらうってのもアリな選択か。


「今回のトーナメントはぁ、参加資格も特に制限がないから、いっぱい参加しそうだねぇ」
「以前のPKトーナメントの時とは出場選手の傾向もガラリと変わるだろうね。
 一般プレイヤー、PK、PKK、誰が出てきても全然おかしくないんだもん」
「(主催は八咫だったな……全プレイヤーに参加資格与えるとか……粋な計らいじゃねぇか)」


建前上はゲーム離れちまったユーザーを呼び戻すため、ってことだからな。
そりゃ制限があっちゃ戻ってこねぇわ、特にPKとかPKKってのは。
祭ってのは派手な方が食いつきやすいもんだ、そこんとこは八咫も分かっててやってんだろうよ。


「今の時点で出場が決定してるチームのメモ取っておいたから、見ておいてね。ショートメールに添付して送信したから」
「どれどれ――――――げぇっ」









『チーム:森の住人(参加PC:太白、三郎)』
『チーム:北の国から(参加PC:揺光、カール、天狼)』
『チーム:師匠見参!(参加PC:八宝菜、東方不敗、ジャッキー・チュン)』
『チーム:月桂樹(参加PC:松、柊、槐)』
『チーム:NAOOの騎士団(参加PC:IGA、Vanguard、シグナレス)』
『チーム:がびだぞぉ(^ω^)(参加PC:がび、Iyoten、アスタ)』
『チーム:マシンガンズ(参加PC:スグル、テリー、ミート)』
『チーム:Avenger(参加PC:カオちん、ぽこたん、ジアハート)』
『チーム:黄金の旋風(参加PC:ジョルノ、ブチャラティ、ナランチャ)』
『チーム:魔法少女倶楽部(参加PC:朔望、しゃけ、アイナ)』
『チーム:ああああ(参加PC:ああああ、いいいい、うううう)』
『チーム:ProjectG・U(参加PC:ハセヲ、なつめ、ぴろし3)』









「強豪ばかりだよね!」
「明らかにイタズラ目的のチームと、到底勝てる気のしねぇチームが出場してるように思えるんだが……」
「オイラ、何だかワクワクしてきたぞぉ!」


予想はしちゃいたが……やっぱこうなったか。
見事に知ってる奴ばっかエントリーしてやがるし……他にも正義超人やらスタンド使いやら……どーなってやがる。
しかもリーダーさえ変更がなけりゃ仲間も試合ごとにチェンジ可能だしな、同じ奴と何度も戦う可能性もなくねぇ。
最初の予選でイタズラや売名目的の連中はほぼ脱落するだろーけど。


「太白さんのチームは何か凄そうだなぁ。彼のチームだけ2人しかエントリーしてないんだ」
「オイラは揺光のチームがイチオシだぞぉ。3人とも宮皇経験者だから、すごく気になっちゃうよねぇ」
「他に気にしなきゃいけねぇ奴らが大勢いるだろ」


まだ登録期間中なのにコレだから……トーナメント当日は何十チームが出場するのか……頭痛ぇ。


「トーナメント当日は観客席がいっぱいになるだろうなぁ」
「きっと皆、見にくるぞぉ」
「集まったところでイレヴン皆殺しとかは勘弁だぞ」


見せる戦いよりも魅せる戦いを、ってな。
松じゃねぇけど派手に戦えば観客はそれだけ盛り上がる。
俺の性分じゃねーが、相手が相手だし。結構楽しめるかもしれねーぜ?


「でも優勝商品がトーナメントの受付が始まってるのに公開されてないのが謎だよね」
「今までみたいに、レアな武器とかじゃないのぉ?」
「これだけ大規模な大会なんだ、大会限定のレアアイテム関係なのは間違いねぇだろうな」


俺も最初は八咫から聞こうと思ったんだが……そりゃ野暮だろ。
あいつもあいつなりにゲームの運営に携わってんだ、GUメンバーとは言え
口出すのも何かな、って感じもするし。


「せっかく普通に遊べるようになったんだ。祭の時くらい楽しまなきゃな」
「あはは。ハセヲもぉ、そういうこと言うようになったんだねぇ〜」
「感慨深いなぁ^^」


な、何だよ……。


「べっ、別にいーだろ。
 毎月払ってるプレイ料金が勿体ねぇって思っただけで……」
「うんうん」
「分かってるぞぉ」
「聞けよ!」


ダメだ……こいつらとの付き合いも結構経ってんのに、何かダメだ……。
……いつまでもギルドにいても仕方ねぇし、街ん中ブラブラするか。















***********************















「あれ〜ハセヲじゃん。何その白髪、脱色?」
「……どっかで会ったか?」
「酷っ。
 あんたが痛みの森でHP0になった時、助けるどころか回復アイテム全部あげた私を忘れるとは」
「……あぁ、お前な。
 相変わらずタマ姉やリナリーみたいな声してたから気づかなかったw」
「声認識してる時点で気づいてるだろ、それ」


思い出した、三郎だ。
俺がシラバス達に会うちょっと前まで周りをうろちょろしてた撃剣士か。
しばらく見ねーと思ってたら……そういや、太白のチームにコイツの名前があった気がする。
チーム名も“森の住人”、なるほど。確かに途中退場とは言え、お前もあのイベントに参加したプレイヤーには違いねぇ。


【 TO BE CONTINUED... 】

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