「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。
 おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ』


【フリードリッヒ・ニーチェ著 「善悪の彼岸」146節より】

『明日の決勝へ進出するための準決勝第2試合、早くも熱く激しい戦いが繰り広げられております!
 まずは三郎選手VSカール選手! 序盤から素晴らしい対決となりましたッ! 
「暗くてお靴が見えないわ」「どうだ明るくなったろう」とばかりに
 カール選手のバクドーンとレイザスが三郎選手を急襲、大ダメージ! 
 しかし三郎選手も倒れる寸前カール選手を睡眠状態にし、一矢報いましたっ!!
 一方では太白選手を相手に揺光選手と天狼選手が奮闘しておりま―――――――――――――――――――す!!!』
『先読みに長けた太白を、どう攻略するかがカギだぁな。かっかっ!』



太白の奴があんなに強かった、ってのは想定外だ。
俺達と竜賢宮で戦った時はAIDAに感染してて真の実力を発揮できてなかった、ってことか?
伊達にずっと竜賢宮に居座ってたワケじゃねーな、やっぱ。


「ふーむ。太白は銃戦士スチームガンナーの中でも最強クラスだからなぁ」
「あ! クーンさんだぁ〜!」
「クーンさん。こんばんは^^」


取り巻きの女PC達を後ろに控えさせながら。
色男クーンがここで降臨……満を持して。
へぇ、やっぱアンタの目からも太白の強さって分かんのか。
ま……ネトゲ歴長いから人を見る目だけはありそうだしな、クーン。


「全然近寄らせないだろ、太白」
「……あぁ」
「揺光と天狼はどっちも接近戦タイプのジョブだけに辛いだろうな。
 例え接近できたとしても銃の次は剣での洗礼が待ってる」
「でも、太白さんと同じ銃戦士なのに、クーンさんは接近戦タイプだぞぉ?」
「それはだなガスパー。
 俺が以前使ってたPCが剣士だったからさ。
 その時のクセと言うか……遠くから撃つよりも近寄って斬る方がしっくりくるんだよ」
「同じジョブでも、プレイヤーによって、色んなタイプに分かれちゃうのか。勉強になるなぁ^^」
「クーン的にはこの試合どうよ」
「うーん。もっと熾烈なキャットファイトを期待してたんだが……」
「おい……」


キャットファイトって……。


「そうだな。
 カールちゃんのドスの効いた虫ケラを見るような目も良いけど、
 三郎ちゃんの人を値踏みするような好奇心に満ちた目も捨て難いよなぁ……」
「うげぇ……」


ここまで来るとアレだ、もう何でもありだなコイツ。
カールのドスの効いた虫ケラを見るような目つき、ってお前限定だろ?
俺そんな目で見られたコト一度もねぇし。
その点、三郎はいつも値踏みするよーな目で他人を見てそうだけど。


「ハセヲはカールちゃんと三郎ちゃん、どっちが好みだよ。え、え?」
「興味ないね」
「そんな大剣背負ったソルジャーみたいなツレないこと言うなよ。
 な、コッソリでいいからさ!」
「……」


だって俺、智香と付き合ってるし。
そりゃ楚良が現れてからはカールのことも意識し始めてるかもだけど……アンタみたく何人もの女の間ハシゴできる程、器用じゃねーっての。
ったく。
昨夜(ゆうべ)は「大いなる力には大いなる責任が伴う」とか「自分に挑め」とか何かカッコいいこと言ってたクセに……。
やっぱクーンはクーンか。


「そんな恥ずかしがるなってw」
「うるせー」


……ま、いい。
今は智香達の試合を優先しねーとな。
カールの奴は決勝まで必ず決勝まで上がってくる……太白に勝てないと判断したら
データドレイン使ってでも勝とうとするだろう。
憑神を開眼したばかりの、俺みたいに。


「……ハセヲさん?」
「どした、アトリ」
「いえ……何だか、怖い顔になってたから」
「ちょい考え事してただけだって」


カールにそんなコトさせるワケにはいかねぇ。
八咫もこの試合を知識の蛇からモニターしてんなら、何か対抗策くらいは考えてんだろうな?
そもそもこのトーナメント……
ゲーム離れしたユーザー引き戻すためにしちゃちょっと豪勢すぎね?
勇者まで戻って来てるし……俺の中の楚良まで目覚めた。
何が起ころうとしている?
オーヴァンが起こした真の再誕の時よりも……何て言やいいのか分かんねぇけど、
漠然とした不安みたいなもんが圧し掛かってくる感じ。


「おっ! ハセヲ、試合が動くぞ」
「何っ……!?」

























天狼のリアル。
民綿涛は自身も韓国の国技・テコンドーの達人。
更には徴兵制を経て韓国軍に2年間所属していた経歴もある(韓国では18歳以上の男性は全員が徴兵検査対象である)。
日本の支社に異動となってからも鍛錬は欠かしていない。
偉大なる祖国、大韓民国の誇りが彼を強くする。
碧聖宮宮皇の座に固執するあまりAIDAに感染したこともあった。
が、それを克服した今、彼は更に強くなった。
より高みを目指すためには越えなくてはならない壁もある。
まだ彼はそこに到達してはいない。
故に、戦う。


「フッ……ハァッ!」
「!」



『おぉ――――――――――とっ!?
 天狼選手、ついに太白選手の銃弾の雨あられを掻い潜り、懐に飛び込んだァ―――――――――――!!!』
『見事な見切りだ! 
 天狼め、この短時間でもうシュレディンガーの弾道を見極めやがったか!?』



確かに何処から跳んでくるのか分からない。
しかも防御を突き抜けてダメージを与えるという魔弾の付加効果は脅威に値する。
だが……そんなものは、覚悟さえあればどうということもない。


「まずは一撃……!」


一瞬で間合いを詰め、太白に急接近する天狼。
0.5秒先を見通す太白も一瞬だけ反応が遅れたらしいが、それでも迎撃。
だが天狼には一発も当たらない。
あたかも天狼も先が見えているかの如く。


「 Float like a butterfly (蝶のように舞い)」
「!?」
「 Sting like a bee !(蜂のように刺す!) 」
「ぬぐっ……!?」


それはこのトーナメント始まって以来、初めて太白がダメージを負った瞬間。
視認するよりも速く。
その拳は太白の顔面を捉えていたッ!



『きっ、決まったァ―――――――――――!!!
 天狼選手の渾身の右ストレートが太白選手にクリーンヒットォ! 
 太白選手が大きくバトルフィールドの壁に叩きつけられましたァ―――――――――――――!!!
 トーナメント2日目にして太白選手、ここで初めてダメージを受けたぞっ!?』
『なるほどな、ボクシングか。
 脚主体のテコンドーの技が来ると思った太白のとっさの判断ミスってとこだろうよ。
 にしても天狼の奴、いつの間にボクシングなんて芸当覚えやがったんだ? 
 野郎、やっぱ戦いに関しちゃ天才的だぁな……こりゃますます最後まで目ぇ離せねぇぜ、かっかっ!!』



キュッと両の拳を握り締めながら。
軽快なフットワークを天狼は続ける。
相手が先を読むなら、こちらはそれを読ませないまで。
正直言って、天狼はアメリカ人が嫌いだ。
在韓米軍とも軍籍時代にいざこざはあったし、何よりも祖国にいつまでも居座る彼らの態度も腑に落ちない。
だが同じ格闘家として唯一尊敬できるアメリカ人も居る。
ボクシング史上最も偉大なチャンピオンの1人。
生ける伝説となった人物が。


「天狼ー! すごいじゃん、太白を吹っ飛ばしちゃうなんてさっ」
「気を抜くな揺光……戦いはまだ終わった訳ではない」
「あ、ああ……そーだったっ!」


今のは不意打ちのようなもの……次も成功する保証はない。
だがこの高揚感……いける。
最強と謳われた竜賢宮の宮皇に、自分の拳が通用する。


「だが今夜は気分がいい。
 焼肉が食いたい気分だ……たっぷりの自家製キムチと一緒にな」


【 TO BE CONTINUED... 】

目次に戻る】【第25話

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます