「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『違う、違うんだ。ゴン。逆なんだ。
 ゴン。俺、お前に会えて―――――――――――本当によかった』
                                                          【キルア・ゾルディック  冨樫義博原作「HUNTER×HUNTER」コミックス13巻 より】

「何だったんだ、朔の奴……?」


朔と分かれて、俺はカオスゲートから再びアリーナに向きを変えて歩き出す。
まだ決勝が始まるまで時間はあるにはあるが、登録だけは済ませておかねーと。
今日の試合に出場すんのは俺となつめ、あとカイトの野郎で良かったんだよな?
ぴろし3の野郎は嫁サンとの結婚記念日とかでログインしてねーらしいし……。


「(ったく、何がドンドンドコドンッだよ……)」


八咫の奴もパーティ組ませるなら、ちゃんと一緒に試合するメンツのスケジュールとかもチェックしとけよな。
ま……カイトの奴が強ぇのは事実だし、別に不満はねーんだけどサ。
……にしても。


「(デートって呼べるかどーかも分かんねぇが……久しぶりだな、ああいうの)」


望と、そして朔と。
フィールドに出てバトルをするワケでもなく、ただ一緒に歩き回って時間を過ごす。
人の生涯ってのは無限ではなく有限。
三爪痕(トライエッジ)を追いかけてた頃じゃ考えたれなかった
“ゆとり”みたいなものが俺にも生まれつつあるらしい。
勿論、リアルの方の無教養なゆとり野郎は御免被るけどな。
昨夜は智香と一緒にドル・ドナを散策したりしたけど、ありゃデートって呼べる程のもんでもなかったし。
あとは……碧とかな。


「(碧……アダマス……。アイツら……今どこで何やってんだろーな……?)」


灼眼……じゃなくて、碧眼の撃剣士の碧と斬刀士のアダマス。
殴られ屋をしながらPK相手に小銭を稼いでいた碧と彼女のマネージャー、アダマス……。


「(いつの間にかアイツらの姿も、BBSの書き込みも見かけなくなっちまったな)」


まぁ、碧とのはデートっつーかトライエッジのコトを聴く為に勝負しただけなんだが。
……強かったな、アイツ。
竜華樹だったか……大剣とは思えねぇくらいに速ぇ斬撃だった。
俺の知ってる限り撃剣士の中でも5本指に入るぜ、碧は。
前に大聖堂でカールと戦った時も思ったけどこのゲーム、強い女が多すぎだろ……常識的に考えて……。
って、さっきカイトの奴に「常識を疑え」って忠告されたばっかだったな。
やべぇやべぇ。


「決勝の受付済ます前に、もう一度シラバス達のとこに行ってみるか」


クーンも居るとは言え、やっぱギルマスの俺が居ねぇとダメだろうしな。
……最初の頃はあんなに嫌だったのに、いつの間にかギルドマスターが板について来たよなぁ、俺。
煩わしいだけで用が済んだらさっさと抜けようと思ってたんだが……恨むぜ、全く。
ホント、俺をとんだ甘ちゃんにしてくれたもんだ、シラバス達はよ。


「(……悪くはねーんだけどな)」


ここ3日の間に思うことが多すぎて頭の中の処理が追いつかねーって言うかさ。
もし、俺が楚良のままだったら……アイツらとも出会えてたんだろうか?
モルガナ因子を持ってる以上、碑文使いとしてG.U.に加わってたのは間違いねぇだろうけど
……今以上に、みんなと接することが出来ただろうか?
それに……志乃を好きだった気持ちとか、志乃を未帰還者から救いたいとか……
もし俺が楚良のままだったら……そういう気持ちに、なれたのかな……。














――――つまんないお利口さんとおもしろいバカ、どっちがい〜い?
――――指名手配。懸賞金かけて、イベントにしちゃってもいいな。
――――オレ、裏切るねぇ♪
――――クリムは気をつけた方がいいよ。
――――黄昏の眼が開くのを待たなくても、伝説の地に至る3つの言葉と司の力があれば、行けるだろ。



《Come with me in the twilight of a summer night for awhile.》
(夏の夜の黄昏に少しのあいだ私と共に行こう)


《Tell me of a story never ever told in the past.》
(語っておくれ、今まで何処にも無かった物語を)


《Take me back to the land where my yearnings were born.》
(私を連れ戻して、私の憧れが生まれた彼(か)の地へと)


《The key to open the door is in your hand.》
(扉を開く鍵は君の手の中に)


《Now fly me there.》
(さあ、連れて行って)



――――銀漢を押さえといてよ。
――――気ぃ、抜いてると死んじゃうよぉ〜?
――――もしかして見つけちゃった?
――――司のためでしょ。仲良くしよーよw
――――いっち抜っけた〜♪
――――クリムゥ、決着つけようぜェ〜!



《Fanatics find their heaven in never ending storming wind.》
(狂信者達は終わることの無い嵐の中で、彼らの楽園を見つける)


《Auguries of destruction be a lullaby for rebirth.》
(破滅の前兆が、再誕のための子守唄であるようにと)


《Consolations, be there in my dreamland to come.》
(来たる私の夢の国に、どうか安らぎを)


《The key to open the door is in your hand.》
(扉を開く鍵は君の手の中に)


《Now take me there.》
(さあ、連れて行って)






『キー・オブ・ザ・トワイライト?』


――――んっ。カールきゅんの腕で光ってるソレ♪


『この腕輪が……?』


――――それさぁ〜。オレにくんねぇ〜かなぁ〜?


『で、でも、アウラが誰にも渡しちゃダメって……』


――――……カールきゅん、オレのコト好きって言ったよねぇ?


『言ったよ! 言ったけど……』


――――オレも好きになってあげるからさぁ……くれよ、その腕輪


『……ッ!』


――――ねぇ。いいっしょ?


『……ヤダ』


――――あっはぁ〜ん?


『楚良になら、あげてもいいと一瞬だけ思った……。
 でも、ダメ。これが無くなったら、もうきみは、あたしを追いかけてくれなくなる……違う?』


――――ん〜。モルガナのオバちゃん、アウラと腕輪始末したら帰って来いって言ってたしぃ〜そうなるねぇ〜。 


『なら渡さない。アウラも、腕輪も、今の楚良には……渡せないっ!!!』


――――……そ〜言うコトはさァ。……キャラ見てモノ言えよ。






《I belive in fanatasies invisible to me.》
(目に見えぬ幻想を私は信じているから)

《In the land of misery I'm searchin' for the “SIGN” to the door of mystery and dignity.》
(この苦痛の地で、私は神秘と尊厳に通じる扉へのサインを探す)

《I'm wandering down the secret sun....》
(秘密の太陽の下を彷徨いながら……)




『姉ちゃん! ブラックローズって、姉ちゃんだろ!?』


『バルムンク! アンタだけにいいカッコはさせないぜ!』


『ばっ、みゅんっ! ちゅばっ』


『待って……楚良、待って! 行っちゃダメ!』




《Come with me in the twilight of a summer night for awhile.》
(夏の夜の黄昏に少しの間だけ共に行こう)

《Tell me of a story never ever told in the past.》
(語っておくれ、今まで何処にも無かった物語を)

《Take me back to the land where my yearnings were born.》
(私の憧れが生まれた彼(か)の地へ、私を連れ戻して)

《The key to open the door is in your hand.》
(扉を開く鍵は君の手の中にある)

《Now take me there.》
(さあ、連れて行って)

《To the land of twilight....》
(かの黄昏の地へと)





『お友達……だよ』


――――……うんっ。


                                                                【key of the twilight  作詞・作曲:梶浦由記 vocal:Emily Bindiger】



























「(ッ……!? クソ、またかよ……!)」


あの時と同じだ。
カオちんや“がび”との試合と同じ様に、頭がズキズキ痛みやがる……!
身に覚えのねぇコトや風景、知らねぇ連中の顔が浮かんで、声が聞こえるようになってくる。
日に日に酷くなってきてねぇか……!?
冗談じゃねぇ、このままイカレちうまワケにゃ……いかねぇんだよ。
智香と約束したんだ……カールとも、決勝で戦うと約束した。
あと少し、あと少しだけ……待ってくれ!


「(はぁっ、はぁっ……クソが! 決勝前に何やってんだ俺は……)」


頭痛は何とか気合で治まった。
でもまたいつ起こるか分かんねぇ。
試合中に頭痛くなったら厄介だな……別に言い訳にするってコトじゃねーけど、頭痛を理由に負けたくもねぇ。
それもこれも楚良が初日のカオちん戦で俺の身体を乗っ取ってからだ、こんなことになっちまったのは。
……カールはあんな奴の何処が良いんだろう。
俺も自慢できる程に人間出来てるワケじゃねーからあんまこーいうコト言えねぇけどさ。
いや、他人じゃなくて俺自身……7年前に俺が無くした記憶。
両親が喋りたがらない封印された真実……それが楚良だってのは俺も
やっとだが理解はし始めてる。でも、理解はできても存在を認めるか、っつーのとはまた別問題だ。


「(いいぜ……今夜の決勝で、全てにケリつけてやるよ)」


今度こそ取り戻すんだ……全てを。


「ハセヲ〜!」
「おぉ〜い」
「シラバス……ガスパー……?」


コイツら……。


「お前ら……。ショップは……?」
「商品殆ど売れちゃったから、早めに店じまいしたんだよ^^」
「アリーナで席を確保しようと思って大通りに出たらぁ、丁度ハセヲが見えたから走ってきたんだぞぉ」
「……そっか」


ったく……ホントにお節介な奴らだな。
大丈夫だよ、俺は。
まだ、大丈夫だ……。


「いよいよトーナメントも今夜で終わりかぁ。
 なんか、たったの3日間だけなのに、“もう4年くらいトーナメントが続いてる気がする”よ^^;」
「シラバスもぉ? オイラもだぞぉ〜」
「あぁ、うん……。
 まぁ……“最初は一ヶ月ちょいで終わらせる予定だった”らしーんだけど……気づけば4年も……」


たった3日の間に色んなコトがあったよなァ……。
勇者が……カイトの野郎がこの世界に戻ってきたり、俺の中の楚良が目覚めそうになったり……。


「とにかく頑張ってね、ハセヲ。僕達も一生懸命応援するよ^^」
「勇者もついてるし、きっと大丈夫だよぉ」
「あぁ……そだな」


でも……何か引っ掛かる。
何か大事なことを見落としてるんじゃないか……そんな薄く粘っこい不安。
俺は目先の……楚良やカールのことに囚われ過ぎて、何かを忘れちまってるんじゃないだろうか。
……杞憂か。
シラバス達の言う通り、今は数時間後に迫った決勝にだけ専念しねぇと。


「でもぉ、オイラもハセヲが決勝まで勝ち進んで、同じカナードの一員として、とっても鼻が高いよぉ。
 冨樫先生が2007年にHUNTER×HUNTERの連載を再開したのと同じくらい、嬉しいぞぉ〜!」
「さすがガスパー。カナードきってのハンタマニアだね^^(※ 『.hack//G.U. The World vol.08』 40ページ参照)」
「冨樫と同レベルって、喜んで良いのか悪いのか……」


確かに冨樫の長期休載の理由の1つに「ネトゲにハマってる」って説もあったけど……ど、同類なのか?
つーか2007年ってガスパーその頃まだ3歳くらいだろ。
……いや、深く考えたら負けな気がする。
でもまさかゴンがあんな奇抜な方法でネフェルピトーに勝っちまうとは、当時誰も予想できなかったよな……さすが冨樫。


「何だか、ハセヲと出会ったのが、随分と昔のような気がするねぇ」
「お前らが俺を初心者と間違わなきゃ、今頃はこうしてるコトもなかったかもな」
「あぁ〜うん。そのコトなんだけどね^^;」


何だよ、気まずそうな顔しやがって。


「今だから言えるんだけど……僕達、ホントは知ってたんだ。
 ハセヲが初心者なんかじゃなく、PKKの“死の恐怖”だってコト」
「……は?」
「クーンさんにねぇ、頼まれたんだぞぉ。
 そのうち“死の恐怖”が困ることになるからぁ、助けてやってくれないか、ってぇ……」
「クーンが……?」


何だよ、それ……初耳だぞ。
つか、え? 
俺のコト、“死の恐怖”のハセヲだってちゃんと分かってて……?


「ハセヲ、クーンさんを怒らないであげてほしいんだ。
 クーンさん、カナードを立ち上げたばかりなのに急に他に専念しなきゃいけない大事なコトが出来て……
 僕にギルドマスターの座を譲って、最後にハセヲのことを頼んでカナードを抜けて……」
「オイラ達、
 ホントに“死の恐怖”がレベル1になっちゃってたなんて、あの時は思わなくて……」
「結果的にハセヲを騙したことになるね……ゴメン!」
「ゴメンだぞぉ〜!」
「お前ら……」


そうだ、最初はただの成り行きだった。利用するだけ利用して、さっさと断ち切るつもりだったのに。
それが一緒にダンジョン行かされて初心者講座やらボルドーに襲われるやら
パイに出会ったりやら碑文使いへの開眼やらで有耶無耶になっちまって……気づいたら、ギルマスになってて。
いつの間にか、コイツらと一緒に居るコトが当たり前になっちまって……
コイツらが誰かに馬鹿にされたりするのが、無性に許せなくなって……
コイツらが《The World》を心底楽しんでることを知っちまって……俺は。


「……バーカ。今更、何言ってやがんだか」
「ハセヲ……」
「ハセヲォ……」
「……仲間っつーか……友達だろ、俺達」
「! ハセヲ……!」
「ハ、ハ、ハセヲ〜ッ!!!」


だから、そんなオーバーな声出すなって。


「オ、オイラ、オイラ……!
 オイラ、ハセヲと友達で、ホントに良かったぞぉぉぉ〜〜〜!!!」
「……ハセヲ。これからも僕達の……カナードのギルドマスターで、居てくれるかい?」
「……あぁ。たりめーだ」
「うわ〜〜〜ん! ハセヲォ〜〜〜〜〜!!!」



違う、違うんだ。
逆なんだ。2人とも、俺の方なんだ。
シラバス。ガスパー。
俺、お前らに会えて―――――――――――――本当に良かった。                                                      【 TO BE CONTINUED... 】

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