「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『過去にしがみついて前進するのは、鉄球のついた鎖をひきずって歩くようなものだ』
                                                                                          【ヘンリー・ミラー アメリカの作家】

「(と、とにかく志乃を何とかして宥めねーと……!)」


《おねえちゃん……》


「えっ……?」
「ハセヲ? どしたぁ〜?」


こ、この頭にガンガン響く声はまさか……。
一難去ってまた一難な予感が……!


《おねえちゃん! わーいわーい! おねえちゃんだ、おねえちゃんだ!》


「(リュウタ……い、いや、楚良!? てめっ、こんな時だけ出張ってきやがって!!!)」


《ねぇねぇっ、おねえちゃんにメンバーアドレス聞いてもいいよね? 答えは絶対聞いてない!》


「(ま、待てコラ! 志乃とは絶対に……)」 


《お宝ゲ〜ット! きーみもゲ〜ット! おねえちゃんもゲ〜ット!》


「……ハセヲ、何してるの?」
「オイラ達にもよく分かんないんだけどぉ、2日くらい前からこうなんだぞぉ……」
「髪に緑色のメッシュ入ってるしね、こういう時だけ」
「(シラバスも立ち直り早いぞぉ……)」
「あ、震えが止まったみたいだよ」


突然頭を抑えて何やら独り言を始め、ブルブルと震えていたハセヲ。
ようやく震えが収まったかと思うとスタッと立ち上がり、普段滅多に見せない満面の笑みを見せる。
ステップは軽やかに、それでいて厳かに。
口の端を釣り上げ、新しい玩具を見つけた子供のような声で―――――――


「おねえちゃん、メンバーアドレスちょ〜だいっ♪」


と。
キラキラと瞳を輝かせて、そう言うのだ。


「お、おねえちゃん……?」
「うんっ。僕ちん、おねえちゃんのメンバーアドレスほしーの。
 おせーておせーてw」
「あ、そっか……。
 レベル1に戻っちゃった時、メールとかメンバーアドレスも消えた、って言ってたっけ。
 ……これでいい? もう失くしちゃダメだよ?」
「わーい! やっりぃ〜w」
「(い、いつものハセヲじゃないぞぉ……キャ、キャラが違い過ぎるしぃ……!)」
「(……ハッ、分かった! ハセヲはついにデレ期に突入したんだよ!)」
「(ぜ、絶対違う気がするぞぉ……)」


こここ、この野郎はァ〜ッ!!!
よりにもよって志乃の前で何てことしてくれんだコラァ!?


「(いーじゃんいーじゃん♪ 
  アンタもおねえちゃんのメンバーアドレス、もっかい欲しかったんでしょぉ?)」


うっ、ま、まぁ……そりゃ、確かに、そうだけどよ……
(つーか智香がコレ見てたら絶対誤解するぞ!)。


「(それに僕ちん、髪が銀色で黒い服着た女の人がタイプだしぃ? アンタもそーでしょ)」

 
髪が銀色で黒い服……それ、志乃のコトか? 
それともカールのコト言ってんのか?


「(少なくとも、アンタが最初に“ハセヲ”のエディットした時はぁ、
  カールきゅんのコト考えてたんだろーね、無意識にィ〜)」


銀色の髪で、黒装束……黒い錬装士(マルチウエポン)のハセヲ……。
カールも銀髪で、黒いドレス着てて……俺は……気づかないうちに、カールを意識して……
ハセヲのキャラメイクをしていた……? 
そんな……そんなコト……。
7年前、カールのとの間に起こったことと関係してんのか……!?


「(んふふ〜ん。それはまだシ・ミ・ツ♪ 自力で思い出したほーがさぁ、ドラマチックじゃ〜ん?)」













*****************














「シラバスにも悪気があったワケじゃねーし、許してやってくんねーかな……」
「許すも何も、私、別に怒ってないよ?」
「(メチャ怒ってたじゃん……)」


あれから何とか楚良を押さえ込むことは出来たのはいいが……状況はあんま芳しくねぇ。
シラバスにアトリと間違えられて白黒テレビなんて言われて
怒り心頭の志乃を宥めるのにえれぇ神経使っちまった……
決勝前からこんなんで大丈夫なんだろうか、俺……。


「とにかく、お前ももう間違えんじゃねーぞ(でねーとマジで首飛ぶぞ)」
「ははは、分かってるって^^(き、気をつけるね……^^;)」


シラバスの奴もやっとのこと志乃とアトリの区別が付くようになったみてーだし……
ったく、あんま命知らずなのも困りモンだな。


「そう言えばぁ、ハセヲと志乃さんってぇ、前は同じギルドに居たんだよねぇ?」
「あ、それ僕も聞いたことある。キー・オブ・ザ・トワイライトを捜してた伝説のギルドだよね!」
「ん、あぁ。まーな」
「ギルドの名前は確か……えーっと……帝國華撃団!」
「幻影旅団じゃ、なかったっけぇ?」
「あれ、ハセヲの反応を見る限り違うっぽいなぁ……分かった、SOS団!」
「どれもちげーよ……つーか団(旅団)しか合ってねー……ハッ!?」
「黄昏の旅団、だよ」
















ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ



















「ひぃっ!?」
「あわわ、あわわわわわ……!」


うわ……せっかく鎮めたはずの志乃の怒りメーターがまた上昇しているッ!?
そりゃそうだ、志乃からしてみりゃ旅団はオーヴァンとの大事な思い出、
それを「太正櫻に浪漫の嵐!」だの「ウボォーさん聞こえますか?」だの「マッガーレ!」だのと一緒にされちゃ、
俺だってキレるに決まってる……ッ!


「確かにイロイロないざこざがあって解散しちゃったけど」




















ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ





















「それでも、私とハセヲにとっては思い出の詰まったギルド、なんだよ?」






















ド ド ド ド ド ド ド ド ド























「黄昏の旅団……。
 こんな簡単な名前……“赤ちゃんでも分かる”でしょう……?
 それが分からないなんて……君達、赤ちゃん以下なのかな……? 
 精子からやり直した方が、いいんじゃないかな……?」
「ひぃぃぃっ! ごめんなさいっ、ごめんなさいっ!!! 二度と間違えませんから許してくださいィ〜!!!」
「ごごごご、ごめんなさいだぞぉ〜!」
「(またこのパターン……)」


【シラバス、ガスパー、再起不能(リタイヤ)】



…………。
………。
……。
…。



口じゃ怒ってねーなんて言っても、鈍感な俺にだって志乃がキレてたのは分かる。
そこそこ付き合いは長ぇつもりだしな。
シラバスとガスパーを退散させて志乃をもう一度宥めるのに、俺がどんだけ疲れたと思う?
試合前から胃が痛くなっちまったよ。
旅団編でゼノじいさんが「300mの“円(エン)”を使うと神経使ってしんどい」って言ってたが、まさにアレだ。
エン……そーいや、エンデュランスの奴は何処に行っちまったんだ?
いつもならどっからか俺のコトをストーキン……いやいや、視てるはずなんだが。
……気配感じねーな。
そんな日もあるか。


「わ、悪く思わねーでくれ。
 アイツら、確かにあんなだけど根は悪くねー奴らってゆーか……」
「ハセヲが気を許してるお友達だもんね……分かってたよ、ホントは」
「じゃあ……」
「ちょっと、ふざけてみただけ」
(そーは見えなかったけどな……ありゃ本気だった)」


志乃はオーヴァンが居なくなっても旅団を維持しようとしてた。
TaNの連中が居なくなって、やっと普通に遊べると思った矢先に解散なんて……ねーよな。
俺も、タビーも、匂坂も……空中分解した旅団から、離れざるを得なくなっちまった。
志乃はオーヴァンにPKされて未帰還者にされちまって……俺は蒼炎のカイトをトライエッジと思い込んで
追っかけ回して……何も気づいちゃいなかったんだ。
真実の行方……こんなにも傍に居たのに。


「オーヴァンの左腕」
「えっ?」
「ハセヲは、最初に見た時どう思った?」
「俺は……」


……ぶっちゃけ、何コイツってのは思ったな。
タビーは「腕の中で仔猫飼ってる」とか匂坂は「最終兵器彼氏」とかワケ分かんねぇコト言ってたし……。
まさか、あの腕の中にAIDAが詰まっててトライエッジ化してたなんて誰も想像出来ねぇだろ……
常識的に考えて。


「ハセヲは何だと思ってたの? オーヴァンの左腕……」
「……鬼の手、とか」
「ぬ〜べ〜じゃないんだから。……ある意味、間違ってない気もするけど」
「だよな……」


何故だろう。
今、匂坂が経文を唱えてる声が聞こえたような……げ、幻聴か……?
……幻聴だよな。
あいつ、もうこのゲーム辞めちまったんだし。


「志乃は……後悔、してねぇんだろ。オーヴァンに、PKされたこと……」
「……少しでも、あの人の役に立てればそれでよかった」
「……」
「それに」
「……?」
「オーヴァンがハセヲを信じていたのとおんなじ。
 私も……ハセヲを信じてたから。オーヴァンの左腕を通して、私もハセヲを見ていた。
 ハセヲが私のために頑張ってくれてるんだって……嬉しかったんだよ?」
「志乃……」                                                                                       【 TO BE CONTINUED... 】

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