「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『ニトロ博士、事情を説明してもらおうか』
『今少しの時間と予算をいただければ……』
『弁解は罪悪と知りたまえ! お前達、これで終わったと思うなよ〜〜〜〜!!!』                               【ゼロ卿&ニトロ博士  「モンタナ・ジョーンズ」より】

「CC社も都合がいいものだ」
「? どういうこと?」
「3年前、俺が管理者だった頃はアウラをあれ程に煙たがっていた連中が……今度はそのアウラを求めようとはな」
「利用価値が分かって考えを改めた、ってとこじゃないのか?
 今回のRA計画ってのは2年前に失敗したって計画のやり直しなんだろう?」


バルムンクが《The World》の管理者としてCC社に勤めていた2014年頃。
ドットハッカーズの限定PC抽プレに当選した2人のプレイヤーが居た。
シューゴとレナ。
カイトとブラックローズのレプリカPCを引き継いだ2人の前に、
かの番匠屋が“《The World》最後の日”に遭遇したというサフラン色の髪の少女が現れる。
腕輪に惹かれた少女と共に仲間達の協力を得てCC社の妨害を退けたシューゴは、世界の秘密の一端を知る。
彼も漸く気づいたのだ。
ハロルドの作ったこのゲームの、本当のルールに……。


「微妙に違うよヤスヒコ。
 Project Return to Avalon....これが僕達のRA計画。
 八咫の前任の天城って人がやろうとしてたのは Project Recall of Aura....ほら、同じRA計画でも全然違うだろ?」
「納得。でもヤスヒコ禁止」
「だがその天城とかいう男の計画……本当に失敗したのだろうか……」
「? 失敗したから1年前にCC社で火災事故が起きたんじゃないのか?」
「表向きはな。……俺はどうも嫌な予感がしてならん」


勘の鋭さでは3人のうちで最もバルムンクが秀でている。
伊達に一介のユーザーからCC社に入社して《The World》の管理者になってはいない、ということか。
内部事情に詳しいのも元社員の特権だろう。


「決勝が始まると完全に別行動になるからそのつもりで。
 僕はトーナメント、バルムンクとオルカはタルタルガで待機。
 八咫は知識の蛇で試合の推移の監視。OK?」
「タルタルガでもココ(知識の蛇)同様の操作が出来る、と聞いたが?」
「八咫、パイって助手の人とこっちにギリギリまで残るんだってさ」
「ワイズマン……じゃなかった、八咫にも八咫なりの考えがあるんだろう、バル」
「……ふむ」


ネットスラムが巨大な1つのタウン、タルタルガとして機能していることに
最初は驚いていたバルムンクとオルカだが「まぁ、そういうこともあるか」とばかりに既に順応。
カイトから伝えられた通り、トーナメント終了と同時に侵攻してくるであろう
深淵(アビス)の軍勢に備えての待機となる。
ハッカーのヘルバが作り上げた楽園に対してまだ少しばかりの憤りが
バルムンクにはある様だが彼も大人だ、気にしたら負けの精神で今回のミッションに挑むつもりであるらしい。
CC社側が容認しているのならば、もう彼が口を挟むこともないだろう。


「にしても……。
 でっかい亀が空を飛ぶのって……結構シュールだよね(笑) ガメラみたい」
「ほう。カイトは知らなかったのか」
「何が?」
「タルタルガってのは黄昏の碑文の一節に登場する
 “真の冥府に住まう太古の知識を持つ亀”のことだ。だから、アレの外観は亀でいいのさ」


と。
こんな感じで数年ぶりの再会に3人が盛り上がっていた頃――――――――――――


「ケペル博士、始めてくれ」
『了解じゃ。
 ではこれより鉄巨人シリーズの起動実験を開始するぞい。
 チム玉のエネルギー供給問題は何とか解決できたが、紋章砲の設置にえらい時間がかかってしまったのぅ……
 では、動かしますぞ!』


八咫らのRA計画に欠かせない存在、それが12体の鉄巨神シリーズである。
ドクター・ケペルの協力によってプレイヤー達から回収した
「鉄巨神のパーツ」を元に、古代戦争において人族が開発した伝説の戦闘兵器の復活を試みたのだ。
いかに勇者とフィアナの末裔が加勢してくれると言っても限度がある。
八咫も彼なりの方法でこのミッションを成功に導けるように苦心した挙句の選択が、鉄巨神の復活だった。


「紋章砲の充填時間問題の解決は?」
『各機体の残存チム玉次第ですな。メカ・グランティとは比較にならん程の消費ですからの』
「戦況に関わる。起動実験終了次第、スムーズな充填方法の模索を頼む」
『出来ることは全てやったつも……むむっ!?』


八咫とドクター・ケペル……2人が起動実験を見守る中、突如として
チム玉エネルギー供給ケーブルから火花が走り、
今にも起き上がろうとしていた12体はその動きを止め、再びピクリとも動かなくなってしまう。
起動実験は失敗だったのか? 
NPCとは言え、ケペルにはそれ相応の機械工学の知識が新たに与えられているはずなのだが……。


「……ケペル博士。事情を説明してもらおうか」
『今少し時間と予算をいただければ……』
「……弁解は罪悪と知りたまえ」
『も、申し訳ない! すぐに再調整および再起動実験にとりかかりましょうぞ!』


どうやらまだ完全ではないらしい。
無理もない、フィールドに配置された固定ボスならまだしも
この鉄巨神達には紋章砲が内蔵されている……エネルギーを食い過ぎ、動くことすらままならないのでは?
という懸念は八咫にもあったこと。
だが、今は時間がない。
もうすぐ日が暮れる。
そうすれば逢魔ヶ刻……夜がやってきてしまう。
夜は闇の住人の世界――――――――――異界への扉であるのだから。















「作戦前に聞いておきたいんだが……そもそも理想郷(アヴァロン)ってのはどういう場所なんだ。
 ガンダーラみたいなものなのか? 
 最後のロストグラウンドってコト以外、分かってないんだろ」
「ガンダーラは実在してる場所だけど……バルムンク、パス」
「……ケルト神話に登場する伝説の島、というのはお前達も知っているな。
 初期は美しいリンゴで名高い島だったようだがアルスター伝説のアーサー王物語の流布と共に
 12世紀頃、アーサー王の遺体が眠る場所とされるようになった」


さすがにフラグメント時代からのヘビーユーザーたる蒼天のバルムンク。
歩く《The World》時点と呼んでも差し支えのない知識であった。


「古くから理想郷、楽園と呼ばれる場所は東西問わず存在している。
 沖縄のニライカナイ、中国の蓬莱や崑崙、チベット密教に伝わるシャンバラ(シャングリラ)、
 ギリシャのアルカディアやエリュシオン、南米の黄金郷(エルドラド)、
 ケルト神話なら他にもティルナノーグ、影の国…… 多種多様なものがな。
 ムーやアトランティス、レムリアと言った伝説上の大陸も、解釈の仕方によっては理想郷や楽園と呼べるかもしれん」
「まさに、ユートピア(何処にも無い場所)か」


異界。
前人未到の、人の侵入を拒む限界線。


「ある意味、創造主……エマとハロルドへの挑戦かもな。
 ブラックボックス扱いってことは、誰にも見せたくないってことだろ」
「僕達の計画はバベルの塔(※)ってコト?」     ※空想的で実現不可能な計画のこと
「俺もオルカに同意見だ。
 最初から敵との争奪が想定されている、ということは相当に危険な場所だと言っているのと同義……」
「……誘わない方がよかった?」
「いや。怖い反面ワクワクしてるのも事実だからな」
「怖いもの見たさ、それだけだ。CC社に加担する気は毛頭ない。
 これは……俺達の同窓会、だろう?」
「……そうだね。うん、そうだった」


こうして三人が顔を合わせるのも、今では滅多にないから、と。


「しかしお前の口からバベルの塔なんて言葉が聞けるとはな……意外だ」
「そう?」
「思い入れでもあるのか」
「塔には全然無いよ。どっちかって言うと、塔の絵を描いた人かな」
「絵? 
 バベルの塔と言えば16世紀に“ピーテル・ブリューゲル”が描いた絵画が有名だが……」 
「ブリューゲル……うーん。ちょっと惜しいかな」
「(どういうことだ?)」
「(さあ……)」
「(――――――――――――――フリューゲル)」                                                            【 TO BE CONTINUED... 】

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