「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『行くぞ英雄王――――――――武器の貯蔵は十分か』                                                    【衛宮士郎  「Fate/stay night」より】



「どう? あたしのB-stフォームは」
「お前……AIDAに感染してたのか……!?」
「そう。きみを手に入れるためなら何でもするもの」
「……俺じゃねェだろうが」


カールの目的は楚良。
楚良を取り返すため……そのために彼女はAIDAにまで感染してしまった。
どういう経緯で感染したのかは理解(わか)らない。
碑文はAIDAを呼ぶ……エンデュランスも、アトリも、朔も、オーヴァンさえもAIDAに感染してしまった事実を踏まえれば、
イレギュラーな碑文使いとは言え、カールが感染してしまっても何らおかしいことはない。
AIDAはそうやって人の心を、一番覗かれたくない秘部を見つけ、つけこむ。
今までがそうだったように。
だが……。



「てめェは……カールじゃねぇ。今喋ってるお前は、AIDAじゃないのか……!?」
「どうかな? 
 あたし(カール)かもしれない、でもあたし(AIDA)かもしれない。
 どうでもいいじゃん……ねぇ、楚良……」











ズ  ズ  ズ  ズ  ズ  ズ












戦慄!
猛吹雪が吹き荒れる雪山に真っ裸で放り出されたような、
そんな薄ら寒ささえ覚えるカールの微笑。
同時に全身に走った悪寒と前後して、カールの憑神空間が侵食に打ち勝ちハセヲを自らの空間に引きずり込んだ。
憑神の操作は碑文使いの精神状態によって大きく左右される。
何らかの精神的動揺などが原因で本調子にならないこともあれば、今回のように一瞬の動揺が命取りとなって
結果的に敵憑神に憑神空間を展開させる、という主導権を握られてしまうこともある。
AIDAは感染することで感染者の心の闇や欲望を増幅させる特性を持っているのは
件のアトリや榊、ボルドーや天狼の事例で明らか。
今回はカールの心が、AIDAに付け入る隙を与えてしまった。
いや、もしかすると逆でカールが力を得るため、AIDAにわざと感染したのかもしれない。
どんなに月日が流れても癒すことのできない渇き……楚良を求めての彷徨の日々。
その目的達成が今、最悪の形で成されようとしている。


「(オーヴァンや榊でさえ、完全にAIDAを制御することなんざできやしなかったってのに……馬鹿野郎がッ!)」


カールを狂わせたのはAIDAかもしれないし、彼女自身がそれを望んだのかもしれない。
自分ならどうだろう。
あの“死の恐怖”として過ごした時間……志乃を未帰還者から救う方法が、AIDAしかなかった、としたら?
……きっと、自分もカール同様にAIDAに身を委ねた。
今なら間違ったことだ、と言える。
でも当時の自分はそれが一番ベストな答えだと信じて疑わなかったはず。
目の前に最良の方法があるのに、何故ベストを尽くさないのか?
そう思うはずだ。
けれど……ここまでの異形に身を窶してまで得た結果に、何の価値があるだろう。
この戦いが終わった後、下手をすればカールは心身ともに傷ついて、二度とゲームが出来なくなる可能性だってある。
なのに……。


『■■■(ふが)』
「スケィスゼロの言う通り。きみ、あたしを非難できる立場じゃないだろ」
「……かもな」


紅布の拘束から解放された、スケィスゼロの真の姿。
ハセヲのスケィスよりもややクラシックな雰囲気ではあるが、
その姿は紛れもなく7年前に多くの未帰還者を出したあのスケィスそのものである。
手にするのは鎌ではなく、矛先がケルト十字と化した杖。
ギラリと三つの目玉を光らせ、これまでカールがその心のうちに留めていたであろう
悪意を放出しながら低く、だが冥府の底より響くような声で吼え、ハセヲを威嚇している。
邪悪さは7年前の比ではない。
AIDAによって増幅されたカールの悪意や憎悪を糧にし、より禍々しさを増している。
アウラの守護者としてモルガナの尖兵たるスケィス(楚良)と戦っていたカールとスケィスの因縁……
7年目にして勝利したのは、旧き地母神――――――モルガナ・モードゴンの執念!


「(思った以上に厄介だ……AIDAのせいでますます手がつけられなくなってやがる……!)」
「来ないなら……こっちから仕掛けようか?」


仕掛ける? 
いくら憑神を召喚して憑神空間も展開しているとは言え、彼女は手ぶらだ。
何も武器を持っていない。
今しがた交戦した際に使っていた紅い大鎌は何処かへ消え失せてしまっているし……。
まさか昨日の試合で見せたように魔法で勝負を挑むつもりだろうか?
AIDAによって力が増幅されているなら、確かに脅威ではあるが―――――――――――――――


「(武器も持ってねぇってのに、どうやって仕掛けんだ? 憑神同士で殴り合いでもさせるつもりか……!?)」


直後。
















ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ


















何かが。
得体の知れない何かが、憑神空間を突き破るような音が聞こえた。
最初は何の音か判断するのにコンマ数秒かかったものの、すぐにハセヲは理解する。
カールの、彼女の背後の空間が鋭利な何かによって引き裂かれていたのが視えたからだ。
引き裂かれた憑神空間の向こうは赤黒い不気味な光を放ち、否応なしにも嫌な予感を抱かずにはいられない迫力がある。
カールはその空間に手を伸ばすと、徐に1本の鎌を取り出して手に携えた。
いや、最初は1本だった。
1本のはずだったのに。
いつの間にか空間の切れ目から“数え切れない程の無数の鎌”が、文字通り顔を出しているのに気づき―――――――――――――


「これがあたしの――――――――魔刃ノ召還」


カールが指をクィッと動かした直後、鎌の雨が一斉に、ハセヲ目掛けて爆ぜた。
まるで鎌の1つ1つが意思を持っているかのように迫る。 
異空間を勢いよく飛び出し、束になってうねりながら蛇の如くハセヲに向かってくる無数の鎌、鎌、鎌!
1万本? 
100万本? 
1000万本?
いや、この世界に存在する全ての鎌が、今この場にあるのかもしれない。
マズイ、と判断したが既に遅く、回避行動を取る余裕などハセヲにはなかった。
試合開始前、あれだけカイトに「常識を疑え」と言われていたのに。
どうする? 
決まっている―――――――迎撃あるのみ!














「(カァァァァァァァルゥゥゥゥゥ!!!)」















メインウエポンを大剣から双銃にチェンジ。
とにかく弾切れまで撃って撃って撃ちまくる!
幾つかはこちらに向かって来る前に叩き落すことができたが、それでも勢いは衰えることもなく。
ターゲット、即ちハセヲに向けて突き進んでくる無数の鎌!
その全ての刃先に、ありったけの想い――――殺意と悪意を込めて。















「スケィスッ!!!」
『□□□□□―――――――――!!!!!』














スケィス3rdフォームの大鎌から放たれるスラッシュウェーブ、衝撃波を伴う斬撃。
轟音と共に薙ぎ払われていく鎌の群れ。
この状況下に置いてもハセヲのスケィスの強靭さは健在。
いや、むしろキー・オブ・ザ・トワイライトとなった今、以前とは比べ物にならぬ性能を得ているはず。
勝てる。
いくらAIDAに感染し、B-stフォームなるワケの分からない力をカールが手に入れたとしても……
脳裏にそんなコトが過ぎった矢先、スケィスが小さく唸るのをハセヲは聞き逃さなかった。


「(おいっ、まさか……!)」


……押されている!?
徐々にではあるがスケィスのスラッシュウェーブを押しのけながら、鎌の洪水が再接近を仕掛けてくる。
回避行動をとらねばヤバイ! 
ハセヲがそう感じ取るのと時を同じくして、ついに決壊の時が来た。
それまで押し留めていたスラッシュウェーブが破れ、
巨大な鎌が水流のように弧を描きながら迫り、結果―――――――――――――――――――――


『□□……□□□……□□□□―――――――!!!!』
「(熱ッ……!?)」
「まずは左腕をもらう。
 次は……右腕かな? それとも脚? クスクス……」


―――――スケィスの左腕が切り落とされるのと同時に、ハセヲの左腕の感覚も喪失していた。                                 【 TO BE CONTINUED... 】

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