「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『私も物語を―――――ネット小説もどきを書いたことあります。
 設定を考えたり書き始めは楽しいんですよね!
 でもうまくつづかなかったり矛盾を解決するのがめんどくさくなって
 結局飽きて放置しちゃう……でもオーヴァンさんは書き上げた。
 たとえ望まれない物語であっても……』                                                 【浜崎達也原作  「.hack//G.U.+」第十七話『雛形』より】



「ある……よな……?」


思わず。
“三崎亮”は、消失した左腕のリアル(現実)での有無を確認すべく、小刻みに震える右手で左腕に触れた。
腕は……確かに在る!


「(なのに……!?)」


だが、感覚が無かった。
肩から指までにかけての感覚が、一切ないのだ。
カールの放った魔刃ノ召還により、スケィスの左腕は切り落とされてしまった。
スケィスの碑文使いであるハセヲの左腕もそれにリンク、痛覚を伴って―――――――――切断!
いや、最初は痛みよりも熱さを感じた。
恐らく、ではあるが。
超速のスピードで迫る鎌の刃によって切断面に摩擦が生じ、結果的に、痛みよりも熱さを感じてしまったのだろう。
痛覚を持って生まれてきたことを、後悔せざるを得ない。
一生のうち、まさか腕を切断して失うことなど、当のハセヲだってまさかあるはずがない、と思っていたはず。
カールとの決戦を甘く考えていたツケが……この結果!


「くッ……ってぇ……ッ!!!」


双銃による迎撃は完全ではなかった。
無理もない。
あの無限に近い数の鎌の群れを捌くことなど、レベルがカンストであっても不可能。
スケィスにも迎撃させたが後の祭りだったことは明白。
ハセヲ自身、一度カール及び彼女のスケィスと対戦し勝利していたことが今回の油断に繋がったのだろう。
あの時は確かに余裕で勝てた。
しかしながら、今の彼女はどう見ても尋常ではない。
試合開始前にカイトから「常識を疑え」とアドバイスをされていたにも関わらず、だ。


「(歯ァ食いしばらねーと……。意識がトびそうで……ヤベー!)」


時間は待ってくれない。
気を抜いたら遠のきそうな意識、それを妨害する激しい痛み、この先どうするべきか……
色々なものがいっぺんに頭に流れ込んできて、どうにかなりそうだった。
けれど……智香との約束がある。
退けない。
負けられない。
死ねない。
弱音は絶対に吐かない。
朦朧とする意識を、沸き立つ気合でハッキリとさせ、
ハセヲは眼前の黒衣の少女を、己が双眸で睨み殺さんとする勢いで、見据えたッ!


「やって……くれるじゃねーかッ……。カール……ッ……!」
「あぁ、今のきみの顔……スクショに撮っておきたいくらいにイイ……。
 ゾクゾクしちゃう……。
 こんなに心が躍るのは……きみからアウラを守るって決めた時以来……!
 楚良、あたしの楚良……!」
「楚良じゃねーっつってんだろーがッ!!!」


左腕を失っても尚、ハセヲの闘志は―――――――健在!!!
クネクネと身を捩じらせて身悶えるカールを他所に、残った右腕だけで何とか立ち上がり、銃を構える。
この一連の動作、何と隙だらけだったことだろうか。
カールがその気になれば魔刃ノ召還の第二波で、好きな部位を容易に切り落とせたはず。
にも関わらず、彼女がハセヲにいい様に言わせ、いい様に迎撃態勢をとらせたのは……
全て、彼の一挙一動を目に焼き付けるために他ならない!
左腕を失って苦しむハセヲ。
苦痛の叫びを挙げるハセヲ。
重要部位を失いながらも自分に対し、凛とした態度を崩さないハセヲ……。
彼の全てが、
狂わんばかりに、
思わず踊りだしそうになるくらい、
嗚呼、
とても愛しくて、愛しくて!




















パァン!

















紅黒く染まった憑神空間に、乾いた銃声が1つ。
溜まりかねたハセヲが、銃の引き金を絞り、銃弾をカールに向けて放った音。
連射ではなく、ただ1発のみ。
それまで身悶えていたカールの動きが止まる。
弾は……当たっていない。


「(……チッ)」


寸でのところでスケィスがケルト十字の杖で遮り、カールの眼前で静止していた。
当たらなかった。
だが、スケィスが止めていなければ、確実にカールの顔面を突き抜けていただろう。
カールにとっては楚良を呼び出す前の前座に過ぎない、余興にも似たこの決勝戦。
しかし、ハセヲにとっては自分の命がかかった試合。
殺す気で闘らなければ……殺されるのは、自分。
なら全身全霊をかけて。
目の前の女を、想い、愛すしかない。
彼女が自分に対してそうしているように……
生きるか死ぬか、ギリギリのラインで、憎いのか愛しているのかも分からない戦場(線上)で。



「決めた」
「んー? 何を」
「お前がカールだろうがAIDAだろうが……もうそんなの、気にしねぇことにした」
「そ。で?」
「……今はとにかく。
 お前の頬っぺた、思いっきり引っ叩いて、目ェ覚ましてやりたいッ! 
 俺は……そう言ってんだッ!!!」


スケィスと共に疾駆する。
その間にメインウエポンを銃から大剣に再度チェンジ。
普段ならば両腕で大剣を持つところだが、今は右腕しか残されていないがために剣先がステージに触れ、
火花をチリチリと散らしながら金切り音の悲鳴を挙げる。
鎌闘士(フリッカー)の特性はハセヲも十分すぎる程に理解していた。
理解していて尚、カールと彼女のスケィスの未知の力を恐れず立ち向かう。
勇気か、それとも無謀か。
答えはどちらでもない。
理屈抜きに、打算などというものを全く考慮せず、ハセヲはカールに挑んでいる。


「(俺は……)」


恐怖などとうに枯れ果てている。
三爪痕(蒼炎のカイト)と初めて戦った時、怒りが彼を支配していた。
オーヴァンが真実を語り挑んで来た時、失望が彼を支配していた。
クビアと戦った時、勇気が彼を支配していた。
けれど今は、そのどれにも属さない感情がハセヲを突き動かしている。


「(今度こそ……取り戻さなきゃならねェんだよッ!!)」


それが、愛惜である。
カールと過ごしたあの日々が。
皆と少し距離をとりつつも、常に良きハセヲの友人として振舞ってくれた彼女。
あの頃のカールを……取り戻すために!


「……殺れ、スケィスゼロ」
『■■■■■■―――――――――――――――!!!!!』


魔刃ノ召還、第二射発動!
再び幾つもの鎌が憑神空間を突き破り、カールの背後に顕現、一斉に放たれる。
回避は無論、不可。
が、元よりハセヲには避ける気など更々ない。
かと言って、真っ向勝負を仕掛ける気もない。
ではどうする?


















「イニス!!!」




























ズ  ズ  ズ  ズ  ズ  ズ


























ハセヲの絶叫と共にスケィスが構える。
イニス。
アトリのPCの中に宿った、第二相“乱惑の蜃気楼”
それがイニス。
元々は志乃が開眼するはずであった憑神。
榊に操られたアトリと戦った際、ハセヲのスケィスはイニスの碑文を喰らって(データドレインして)いる。
故にアトリと同じくハセヲにもまた、イニスの能力が……在る!


「(……捉えたッ!)」


アトリが度々【Δ 隠されし 禁断の 絶対城壁】、
モーリー・バロウ城砦にて『音』を耳にしていたことを覚えているだろうか。
かつてクーンこと香住智成が高校時代に付き合っていた恋人・水無瀬舞が、
スケィス出現時のハ長調ラ音を絶対音感にて聞き分けることが出来たように、アトリのイニスもまた「聴覚」を強化する憑神である。
ハセヲは今、自分とスケィスに向けてカールが放った魔刃ノ召還の鎌の本数を、音だけで全て理解(把握)。
これにより今現在の憑神空間の面積と自身とカールの立ち位置を計算し、
“ある技”の発動の準備を整えたッ!


「(……どうして避けないのかな?)」


これには一瞬。
本当に一瞬ではあるが……カールも虚を突かれた。
もうハセヲとスケィスを鎌の群れで切り裂くのは時間の問題。
なのに。
彼は歩みを止めることなく、大剣を引きずりながら自分に向かって咆哮と共に駆けてくる。
勝算があるのか、それともただ開き直っただけなのか……。
いずれにしてもカールにとっては都合がい。
どうせ、ハセヲが自分を楚良だったと思い出すまで、斬り刻むのを止めるつもりなどなかった。
解体、バラしてでも楚良をハセヲから取り出す。
彼の腕が斬れようが、脚が斬れようが、首が斬れようが、どうでもよかった。
だってそれもハセヲだから。
大好きな彼が苦痛に悶える姿を見、声を聞くだけで……少々下品な話になるが、何度もイける気がした。
けれど。
今は全く、そんな気になれない……!


「……!?」


鎌の群れがハセヲとスケィスの身体を斬り刻むのは、これが二度目。
だが一度目とは何かが違う。
確かに、カールが何処かより呼び出した鎌はハセヲとスケィスの身体を突き抜け、
あたかも人形に針を幾つも突き刺した如く、異様なオブジェを完成させた、はずなのに。
違和感が……ある!
その違和感が何であるか、カールが気づくよりも早く。


「ちゃんと“俺”を見てなきゃ……ダメだろーが」
「!?」


いつの間にか。
カールの背後に回り身構えていたハセヲの大剣が、空を凪いだ。
その一合にて、刃に鮮血が滴ったのも、また同時であった。


「っ……!?」


致命傷には至らない。
ハセヲの声が聞こえ、脳が次の動作を判断する電気信号を送るか送らないかの刹那、
カールはこれまで培ってきた野生の勘とも言うべき反射神経で大剣の一撃を……回避。
彼の腕が両方とも揃っていればもっと違う結果が待っていただろう。
それだけに惜しい。
千載一遇のチャンスを、ハセヲはわざわざ逃した。
かつてエンデュランスと紅魔宮トーナメントの決勝でそうした様に、カールと……対話するため!
ただし、フツーの説得は無効なコトは百も承知。
それでは馬の耳に念仏を唱えるのと同義に等しい。
だから訊くのだ。
彼女の精神(ココロ)に!


「(そうか……アトリの……イニスの能力……!
  蜃気楼で作ったダミーで、あたしの気を惹いておいて……本物のハセヲは背後に……)」


カールの放った無数の鎌がスケィスとハセヲを貫いた時……「反逆の陽炎」発動!
本来は敵の攻撃を無効化、そのままカウンターで反撃する技である。
しかしながら、ここにハセヲのアレンジが加わる。
カールがハセヲとスケィスだと思っていたものは、実際には蜃気楼(のようなもの)。
気配も匂いも何もかもが上手く覆い隠された、薄っぺらな嘘。
見えている現実。
見えない現実。
両方を上手く使い分け、上手くカールがダミーを攻撃した瞬間、
既にハセヲは、カールの背後に到達!


「きみが、あんな電波女の憑神の能力に頼るなんて……ね」
「電波は……ッ……お前も、お互い様……だろーが……!」


侮っていた。
片腕になったところで、ハセヲはハセヲ。
まごうコト無き“死の恐怖”。
むしろ、手負いとなったことで。
更に凶暴性を増した、野生の獣の如く。


「ゆっくり話そうじゃねーか、カール……お互いの今後について……な!」
「イヤって言ったらどーする?」
「それでも訊く……。
 お前の精神(ココロ)に……強姦(レイプ)みたいで気が引けるけどな……!」
「おっけー。
 なら、あたし……ビビらせてくれたご褒美に……侵食率、上げてあげる!」                                               【 TO BE CONTINUED... 】

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