「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

「よっ、ハセヲじゃないか!」
「女ゾロゾロ連れたナンパ師がいると思ったら、やっぱクーンかよ」


腹ごしらえも終わっていよいよ俺達の試合時間が迫る。
再ログインし終えてアリーナに入ろうとした矢先、ハーレム作ったクーンご一行様にバッタリってワケ。
相変わらずコイツもゲームの中でよくやるよ……。


「クーンはいいのか? 
 結構強いんだし、出場すりゃ女にキャーキャー言われたんじゃね?」
「いや〜。
 俺はどっちかって言うと女の子達と一緒にワイワイ試合を見る方が向いてるしさ」
「納得w」


だよな。
クーンはそーいう奴だもんな。
この取り巻きの女どもも何処に惹かれてクーンにくっ付いてんだか……分からん。


「それはアレだ。『男の一念、女性に通ず』と言うが、気がつけばこの通りさ」
「どこのアサシンのサーヴァントかと小一時間」


アトリに続いてお前まで聖杯戦争に参加してんのか。
まーコイツの場合は口がよく回るし、俺みたいな無愛想とは違うベクトルで生きてんだろうな。
生き方上手っぽいし。


「ハセヲはこれから試合だろ? 俺もこれからこの子達と見に行く予定だから頑張れよ」
「そりゃどーも」
「もう大丈夫だとは思うが、ボルドーや揺光の時みたいなコトは――――――――――
「それもわーってるよ。『大いなる力には大いなる責任が伴う』、だろ?」
「なら大丈夫だな!」


もう憑神は使わねぇよ。
インチキで勝ったって嬉しかねーしな。
紅魔宮トーナメントの時は憑神を開眼するために必死過ぎて、三爪痕を追ってて周りが見えなくて……。
けど今の俺は違う。
スケィスを理解して使いこなせるようになった。もう間違ったりなんかしねぇ。

















******************


















「なつめ、ぴろし3。準備はいいか?」
「はははは、はいぃっ! だだだだ大丈夫ですっ!」
「準備は万端である! 相手が誰であろうとこの情熱は消せんよ、ぬわっはっはっは!!!」
「(コイツはいつも通り、っと……)」


もー間もなく今日最後の試合、つまりは俺達の試合が始まる。
エントリーは早めにしておいたけど、結局は遅めの試合になっちまったな……いいけどさ。
相手は【チーム:Avenger】……カールの忠告通りなら一筋縄じゃいかねぇかもな。気合入れっか。
















**********************













「すみません、アトリ参上ですっ!」
「遅いよアトリ! もうハセヲの試合、始まっちゃうとこだったぞ!」
「怪物王女の収録が長引いちゃって……間に合ってよかったですっ><……はふぅ」
「怪物くんだか妖怪人間だか知らないけど、とにかく間に合ってよかったじゃん」
「これでいつものメンバーは全員集合だね^^」
「だぞぉ」


やや遅れ気味でアリーナに到着、シラバス達と合流したアトリ。
これで揺光、カール、アトリ、シラバス、ガスパー、いつものメンバーが揃った。
ハセヲの試合への期待に胸躍らせながら、その視線をアリーナ中央舞台へと移してゆく。
「自分もハセヲと出場したかった」という後悔の念もちょっぴり交えつつ……。


『アリーナにご来場の皆様! 
 大変っ、大変長らくお待たせいたしましたぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!
 これよりトーナメント第一日目最後の試合!
 【チーム:ProjectG・U】対【チーム:Avenger】の試合が始まりま――――――――――――――――す!!!!』


わっと湧き上がる歓声。
それはそうだろう。これから始まる試合は恐らく、今日一番の目玉となる試合。
すでにプレイヤーの中にはハセヲチームとカオちんチーム、どちらが勝つかの賭けに話題が集中している。
チート疑惑はあるものの三階級制覇を初めて成し遂げたカリスマプレイヤーの姿を見るために、
ジャパンサーバーには夜間にも関わらず100万人単位のプレイヤーが詰め掛けていた……。


『まずは【チーム:Avenger(アヴェンジャー)】の入場です!
 カオティックPKとしてもその名が知られるカオちん選手、ぽこたん選手、ジアハート選手!
 観客の皆さんの中にも彼女達にお世話になった人は多いでしょう!
 しかしPKされて以来熱狂的なファンになってしまったプレイヤーもいるとかいないとか!
 彼女達の行くところ、今日も血の雨が降るのかっ!? 気分は月蝕グランギニョルッ!!!』


いかにも殺気を漂わせながら現れた【チーム:Avenger】。
ハンターであるハセヲへの恨みとこんな時間まで待たされた恨みの両方で怒り心頭の様子。


『そして【チーム:ProjectG・U】!
 皆さんご存知、アリーナ三階級制覇の最強宮皇チャンピオンハセヲ選手率いる、今トーナメント優勝最有力候補ッ!!!
 リーダーのハセヲ選手は初心者救済ギルド・カナードのギルドマスターも兼ねており、ただいまギルド志願者募集中だそうです!
 そしてエッジマニアで知られるベテランプレイヤーなつめ選手と、自称・鈍き俊足のドーベルマンこと白銀のぴろし3選手!
 その戦いぶりはまさにいわゆる神、アイアムゴーッド! アリーナは今日も暗黒天国と化してしまうのかっ!?』


「ハセヲち〜ん。
 カオちん、ずっとアンタに会いたかったんだよねぇ……宮皇だからって調子ぶっこいてんじゃねーぞ」
「……俺はお前らに用なんざねーけどな」
「それとエッジマニアのなつめちゃ〜ん? この前はよくも……!
 アンタもタダじゃ済まさないよ……その緑髪見ると、アイツ思い出してムカツクんだよ……!」
「わっ、わっ、私ですかぁっ!?」


なつめの場合はエッジマニアの時の人格で恨み買われてそーだよな。
大方、このカオちんとか言うのもなつめにPKKされたってとこか。
厄介だな、こーいうタイプのプレイヤーはさ。負ける気はこれっぽっちもねーけど。


『大火様、いよいよハセヲチームの出番となりましたねぇ』
『お手並み拝見ってとこだな。
 腕が鈍ってなけりゃいいんだがよ、かっかっか!』
『では両者ともよろしいですかっ!? これより試合開始で―――――――――――――――す!!!!!』


「なつめ、ぴろし3!」
「はいっ!」
「任されよ!」


アリーナの基本は散開しての個々の戦い、つまりはマンツーマンによる戦いが基本になる。
仮に1人を集中攻撃したところで、そいつの仲間が“反撃”してくりゃ一発逆転だってありえんだ。
俺がPKKやってた時はアリーナになんか足を踏み入れたことなんざ無かったが、今は俺が宮皇。
退く様な戦いは見せねぇっ!


「ハセヲちんの相手はカ・オ・ち・んw」
「うりゅりゅん♪ じゃー、ぽこたんはエッジマニアのお相手するお!」
「あたしが一番貧乏クジじゃ〜んよ〜! まーいーけどねー♪ ドッカーン!!!」


敵も1対1は望むところってか……。
俺の相手は重槍士(パルチザン)、あのカオちんって女!
PCタイプは女のクセに意地の悪そうなツラしてんな、ボルドー以上だぜありゃ。


「ほーらほらほらほらぁっ! グチャグチャにしてやんよ!!!」
「お前をなッ!」


「同じ双剣士なら魔法少女のぽこたんの方がつおいに決まってるおw グリグリしちゃうから覚悟するおwww」
「まっ、ままま負けませんよっ! カイトさんのためにも……!」


「ドリル、それは男の浪漫! 私のドリルが天を突く! そこの少女、顔が2つとは生意気であるぞっ!」
「御託はそれだけ〜? どーせ全部吹き飛ばしちゃうしぃ〜♪ てか、顔2つ無いし!」



一方、観客席では……。



「おぉ〜。ハセヲ頑張ってるねぇ!」
「何かもう僕らが踏み込める次元じゃないって感じ^^;」
「一度レベルが133から1に戻ったんだろ、ハセヲって。
 よくまぁそれがあそこまで登りつめたもんだ……ちょっと見直したかもw」
「……やらないぞ」
「揺光は独占欲強いんだからぁ〜」
「お、お願いですから揺光さんもカールさんも、場外乱闘だけは止めてくださいね……?」


ハセヲが舞台で死闘を繰り広げる中、こちらもこちらで女同士の戦いが始まったり始まらなかったり……。


「カールの目から見てどう? あの人達、強いの?」
「強いよ、アイツら。
 あたしもハンターやってたから分かるんだけどさ、ゲームにのめり込んでる奴ほど強いもんだ」
「欲求がストレートだからな。強さとか名声とか自己顕示欲とか」
「確かに……今のところ、ほぼ互角の戦いしてますよね。ハセヲさん、まだ本気じゃないのかな……」
「ハセヲは手を抜いたりしてない。それくらい、あの3人はヤバイくらい強いってこと」
「思わぬダークホースってワケだ。さーハセヲ、きみはどーする?」





数々の思惑が交錯する中、死闘は続く。




「ぬぉぉぉおおおおっ! 崩天裂衝!!」
「反撃ッ!! シアーハートアタ〜ック!!!」
「あぎゃばぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! ばっ、爆弾戦車ぁッ……!?」


「だっ、大丈夫ですかっ、ぴろし3!」
「よそ見はダメだお♪ 
 バクドーン、バクドーン、バクドーン!!! も1つおまけにぃぃ〜、バクド――――――ンッ!!!」
「きゃぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!?」


「なつめ、ぴろし3!」
「行かせないよぉ〜。ハセヲちんはぁ、カオちんとオトモダチになるんだからさぁっ!」
「チッ、どけよネカマ野郎ッ!!!」


『す、凄まじい攻防が繰り広げられておりますっ! 瞬きする暇さえありません!!!
 ですが先程まで五分と五分の戦いかと思いきや、やや【チーム:Avenger】が優勢かっ!?
 会場からは早くもハセヲチームに賭けていた賭け師達の怒号や悲鳴が響き渡っております!』
『ハセヲ達はそんなヤワじゃねぇ、お前さんだって知ってんだろうが』
『た、大火様はまだハセヲチームが本気を出していない、と?』
『そうじゃねぇが……この試合、何かが起きる気がすんだ。妙な高揚感の反面、胸騒ぎがしやがる……』
『はぁ……』


カオティックPKと呼ばれるプレイヤーは、そもそもCC社公認のPKである。
PKという行為が会社公認で行われるようになった昨今の《Thw World》において彼らPKの存在は、実はAIDAをおびき寄せるための贄であったのと説もある。
PKの求める快楽や名声を求める心こそ、AIDAの観察対象に相応しい。
この世界にもうAIDAはいない。黄昏の鍵キー・オブ・ザ・トワイライトたる少年が屠った。
だがその少年自身、まだ気がついてはいない。
己のうちに潜む、もう1つの反存在――――――――――二重存在ダブルウェアに。


「ラッキー♪ 睡眠カウンターで動けないなら、今がとっどめのチャ〜ンス♪」
「のわわわわわっ、ま、待つのである―――――――――――――――――――!!!」


「追い詰めたお。グリグリキルキル、たっのしぃお〜www」
「あうぅ……! カ、カイトさん……なつめ、これまでのようです……」


「あはは! お仲間2人はもーダメみたいだね、ハセヲちん!」
「(コイツら、マジに強ぇ!)」


まさか、AIDA=PCか!?
いや、それならスケィスが反応するだろうし、八咫がそんな奴らを出場させるはずがない。
カオちんもぽこたんもジアハートも、どいつも俺が倒したPKのはず、つまりは一度戦って勝ってる。
なのに俺達はこうして追い詰められて……これが、ゲームやり込んだプレイヤーの格ってヤツか?
俺は1年ちょっと、このカオちんってのは最低でも7年……ゲームへの思い入れの違い?
例えそれが邪な想いでも、ゲームは、《The World》は受け入れる?
じゃあ俺の、俺のあの八ヶ月は……何だったんだ? 全部無駄だったのか? 俺の想いは世界に否定された?



――――それはちっが〜うよん。よーするにさぁ、もっと肩の力抜いて楽しめってことぉ♪



「ぽこたん、ジアハート! 
 その2人殺っちゃったんならこっち来てよ。3人でコイツ、ボコろーぜぇ!」
「りょーかいだおw」
「オッケェ〜♪」



――――あっはっは。ズタボロじゃーん、助けてあげよっかん?



「何だ、何なんだ……お前っ!?」


俺の頭の中に、誰かが直接話しかけてる!?
デス・ランディが話しかけてる時とは全く違う、頭ン中全てに響いてきやがる!
誰だ、誰なんだコイツは!?


『ピンチ、大ピンチで―――――――――――――――す!!!!!
 ハセヲチーム、一気になつめ選手とぴろし3選手が倒され、残るはリーダーのハセヲ選手のみ!
 対する【チーム:Avenger】は3人と圧倒的に不利! アーツを出そうものなら即座に“反撃”されてしまいます!
 大火様、この戦いやはりハセヲチームがこのまま……大火様?』
『ハセヲの奴……誰と喋ってやがんだ……?』
『は?』


「どどどどどどうしましょうっ!? ハセヲさん負けちゃいますよ!」
「シ、シラバスゥ……」
「僕らにはどうすることもできないよ……^^; ハ、ハセヲを信じようっ!」
「ハセヲは……負けない! アタシに勝ったハセヲがこんなとこで負けるもんか!」
「(あたしの知ってるきみなら……こんなのちょちょいのちょいでこなすはずなんだけどな……。
  やっぱり、あたしの勘違いだったのかな? さぁ、ハセヲ。見せてよ、本当のきみを}」


観客席の揺光達が固唾を飲んで見守る反面、カールの視線は冷ややかだった。
カールの言う“彼”が本当にハセヲだとしたら、こんな状況はピンチでもなんでもない。
自分と彼はもっと恐ろしい修羅場を幾つも潜り抜けてきたのだから。
もしこのままハセヲが負ければ、やはりハセヲはカールの想う“彼”ではなかった。
それだけのこと。ハセヲへの想いは変わりはしない。
ただし、もしハセヲがカールの思い描く“彼”だったとしたら? 
答えは単純シンプル、殺してでも奪い取る。


「あっはっは! グッチャグチャだぜぇ!!!」
「きゃははっ! 快感だぉ〜w」
「死の恐怖っつっても、仲間がいなきゃこんなもんかぁ〜♪」


……今までの俺なら、「仲間」とか言われても単に切り捨てるだけの存在でしかなかった。
でも今は、その仲間をコイツらにヤられたことが無性に悔しい。
自分がボコられてることよりも、なつめとぴろし3が倒されたことが……悔しいんだ!



――――どーでもいーけどさぁ、勝ちたいの? 勝ちたくないの? ハッキリしてほしーにゃ〜。



勝ちてぇよ……揺光と約束したんだ、絶対に決勝まで行くって。



――――だったら戦えばいーじゃん。まさかもう戦意ソーシツしちゃったワケぇ?



うるせェ……何なんだ、てめぇ……!? 俺の頭の中に話かけてるお前はぁっ!?



――――戦えないならさぁ、ボクちんが変わりに殺ってやろ〜かぁ?



んだと? 俺の変わりにお前が……!?



――――もちろんタダじゃないけどねぇ。ギブアンドテ〜クはとーぜん!



冗談じゃねぇ、見も知らないテメェなんぞに……!



――――知らない? 嘘ばっか、ホントは気づいてたクセにィ〜。



おい……マジでお前なら倒せるのか、アイツらを。倒せるとしても、お前の力なんざ借りねぇぞ!



――――倒せるよん。でもそれにはキミの身体をボクちんにちょっとの間、返してもらわないとぉ。



返す? 貸すじゃなくて、返すだと? そりゃ、どういうこった!?



――――まどろっこしぃにゃ〜。もうボクが殺っちゃうよん? 運転手はボクだっ♪ 車掌はキミだ〜っ♪



ちょっ、待てっ!!!!!














「これで、オワリだぜぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
「―――――そりはどーかにゃ〜?」
「! ッ……受け止めたっ!?」


勝利を確信したはずのカオちんの表情が一瞬曇る。
それはぽこたんもジアハートも同様で、何か薄ら寒いものが背筋を走る程に。
ハセヲのHPは本当にもうあと僅か、一撃でも加えれば自分達が勝利するはずなのに。
なのに、踏み出せない。誰1人。
獰猛な獣が檻から解き放たれ、ちょうどその現場に出くわすというのはこういう気分なのだろうか。
カオちん、ぽこたん、ジアハート、リアルの3人はほぼ同時に冷や汗が身体を伝うのを感じた。
目の前の、残りHP僅かのPCを前にして、だ。


『ハ、ハセヲ選手、HPあと僅かと言うところでカオちん選手の攻撃をガード!
 次いでメインウエポンを大剣から双銃にチェンジ! これが反撃の糸口となるかぁっ!?』



「くっくっく……えっへっへっへぇ〜! 僕ちん、参上っ!!!」



俺がお前で、お前が俺で―――――二重存在ダブルウェア
止まっていた俺のときの歯車が、再び動き始めた――――――――


【 TO BE CONTINUED... 】

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