≪前回までのあらすじ≫
全ては、あの日から始まった。
アルファワン達、神機使い(ゴッドイーター)の戦いは熾烈を極めた。
疑惑、怒り、迷い、悲しみ、別れ、裏切り。
数々の運命のカードが彼女らに配られた。
幾つかの出会いが在った。
それを上回る、数えきれない争いが在った。
そう言った試練を全て乗り越え、しかし今、彼女らは信じていた。
戦いの終わり、ノヴァの終末捕食は近い。
終末捕食を引き起こす特異点たるアラガミさえ封印すれば、全ては終わる。
だが、彼女らの知らない所で、最大の試練が目覚めつつあった。
切り札は何処だ? 切り札は誰だ? この世界は、やはり滅びに向かうのか?
戦いは終わらない。
運命のうねりは今、最終局面(クライマックス)へと加速していく!
「この距離ならバリアは張れな―――――――きゃあぁああぁあああぁああぁっ!?」
「橘(たちばな)殿っ!?」
「サクヤさん……っ!!!^^; し、しっかりしてくれよっ!!」
「リンドウ……。
貴方との思い出は、数える程しかないけど……貴方を思い出させるものは、数え切れないぐらいある……。
そして……なにより、貴方の笑顔が忘れられない……遅すぎるかしら……? 今頃になって言うのも……。
私は……私は……私は、貴方が、好きだった……貴方の事を……大切に思っていた……ぐふっ」
「サ、サクヤさ――――――――――――――――んッッッ!!!!^^;」
「阿呆! コウタ、大声を出すでないわ! 橘殿はまだ死んでおらぬわいっ!!!」
「で、でも、瀕死の重傷だぜ!? アリサもソーマも、もう限界だし……!
リーダーの神機も動作不良で使いもんにならないし、ここは一旦撤退して態勢の立て直しを……^^;」
「……撤退は汝(なれ)らだけでせい。ワシは残る」
「残るって……おいおいっ!? 正気かよ、リーダー!!!」
「例え神機などなくとも、アラガミのコアを喰らい、封印出来るはずじゃ……ワシに、神機使い(ゴッドイーター)の資格があるなら!」
「アンタが強いのは俺も十分知ってるけど、今回ばかりはヤバいって!
あ、あのアルダノーヴァの堕天種、マジハンパないって見て分かるじゃんかよっ!!!」
「心配せずともよい。ワシには、とっておきの切り札がある」
「き、切り札……?」
「ただ、一度使うと疲れ切って数日は寝込むハメになってのぅ……ま、やむをえまい」
「だ、大丈夫なのかよ!?」
「ワシが時間を稼いでおるうちに、汝らはさっさと去(い)ね!
迎えのヘリで、この一帯からうんと遠ざかるのじゃ! 分かったな!? 隊長命令じゃからなッ!!!
状況が終了したら、ワシを拾いに戻ってくればよい! ……アリサを任せたぞ、コウタ!!」
「リ、リーダー……ッッッ^^;!!!」
「……行ったか。
コウタめ、ワシのアリサにちょっかいを出せねばよいのじゃが」
『■■■、■■■■■■―――――――――――――!!!!』
「吼えるでない。汝(なれ)の相手は、ワシがしてやるわい」
『■■■■■、■■―――――――――――――!!!!!』
「……さーて。ヴィーナスよ、汝の力を貸してもらうぞ」
ウフフ……気ヲツケテ? 私ヲ封印シタツモリガ、逆ニ支配サレナイヨウニネ……クスクス。
「ふん……是非も無いわ!」
ABSORB-KING !! EVOLUTION-QUEEN !!!
『■■■■■■■―――――――――――――――!?』
「じゃがな、ヴィーナスよ。
ワシの体を動かすのは、義務とか使命ではない!
そこに居るアリサを守りたいという想い……アリサを愛しておるから、ワシは戦っておるのだ!!
……汝の力を制し、今それを証明してやろうぞ」
「これは……まさか、ありえませんっ……!!!」
「ヒバリ君、落ち着きたまえ! どうしたと言うんだ!?」
「あ、アルファワンと神機の融合係数が、規定値を超えて大幅に上昇!
それに伴い、アルファワンを中心とした半径数百メートルに、未知の偏食場パルスが発生しているのですが……その……」
「……! アルファワンの周囲に、新たなアラガミのオラクル反応が多数!?」
「ヴァジュラ、シユウ堕天、ボルグ・カムラン堕天、ハガンコンゴウ、ディアウス・ピター、ツクヨミ、ヴィーナス……その他、多数!!!
し、信じられません、実際にはアルファワンの周囲に……そんなアラガミ達の姿は、何処にも無いのに……!!!」
「……まさか! 彼女の使用している神機からか!!!」
「榊支部長、それは一体……」
「これまでアルファワンが、その神機でコアを喰らい、倒してきた数多くのアラガミ達。
その中でも特に強大な力を持つ13体のアラガミ達の力が、どういう理由かは分からないが、
今のアルファワンに神機を通して発現しているとしか思えない。
……その中核を担うのが、このアラガミ、ヴィーナスだ!
一匹のサリエルが究極の美を求めるあまり、数多くのアラガミ達を捕食した成れの果てと言われる、アラガミの女王たる存在……!
つい先日、極東支部にて初めて確認された新種であるヴィーナスを神機で捕食出来たのは、アルファワンだけだった……
原因は分からないが、捕食したヴィーナスの意識が未だアルファワンの神機に残留し、今回の現象を引き起こしているとするなら……」
「ア、アルファワンは、どうなってしまうのでしょうか……?」
「……ここから先は、ヨハネスも予見出来なかった未知の領域だろうね。
13体のアラガミを従える女王そのものとなったアルファワンは、その力を何に、どう振るうのか。
人類を救う最後の切り札となるのか、それとも――――――――――――――」
【また見て 神喰い!!】
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