「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『誰もが自分自身の視野の限界を世界の限界だと思い込んでいる』                                        【アルトゥル・ショーペンハウアー  ドイツの哲学者】



「(勇者の蒼炎が更に燃え上がる……俺を近づけさせない算段か)」


トーナメント3日目、カイトVS天狼戦。
今回の決勝戦に限り3対3のバトルロイヤルではなく、
ブロック分けされた個人同士での戦いとなり、リーダーを倒せば勝利という条件も無効となったせいもあり、
アリーナに集った観客達はブロック分けの抽選を固唾を呑んで見守った。
結果はハセヲVSカール、カイトVS天狼、なつめVS揺光の3ブロック戦に決定。
その中でも異彩を放つのがカイトVS天狼戦だった。
伝説の勇者と元碧聖宮宮皇の戦い……オッズはややカイトが有利か。
だが前評判など天狼は全く気にならない。
勇者と呼ばれ、高みに上り詰めた漢(おとこ)との戦い……これこそ、武人たる天狼が待ち望んでいた戦いに他ならない。


「(奴が舞台全体を覆っていた蒼炎を解除したことと関係しているのは確実。
  俺が攻撃を仕掛けると同時に発動する性質のカウンター型の能力だろうか……。
  昨夜の試合でIyotenとアスタは、それによってフィールドの壁に叩きつけられ、大ダメージを負ってしまった……)」


踏み込むタイミングを見誤らぬようにして、
カイトの領域(テリトリー)へと天狼は間合いを詰め、ジリジリと近づいてゆく。
その間にもカイトの蒼炎の後光(オーラ)は力強く燃え上がり、猛っている。
だが……恐れは、もうありはしない。


「(秘めた能力が未知数である以上、俺も覚悟を持って挑む他ない。
  何よりも……もう誇りを失うような戦いだけはしたくはない……!)」


先に動いたのは天狼。
数十秒前にカイトの炎によって負傷したにも関わらず、恐れを抱くこともなく間合いを一気に詰めてきた。
同時にカイトの蒼炎が火柱となって天狼に向かって疾り出す。
しかしそれは勇者の防御が手薄になったことも意味する。
蒼炎を掻い潜りながらカイトに接近する天狼と、双剣を掲げて身構えるカイト。
拳術士(グラップラー)と双剣士(ツインソード)、どちらもスピードにかけては全職業の中でもトップクラス。
攻防も一瞬、互いの思惑を見抜くのも、一瞬!
天狼の手刀とカイトの双剣、交錯する2つの“刀”が風を凪ぐヒュッヒュッという音が、不気味に数回木霊するのみ。
そして間合いをとり、再び無言の睨み合いとなる。


「(やはりな……。
  蒼炎を身体から離すと、次の炎を打ち出すまでに少々のロスがあると見た。
  常に間合いを計りさえすれば恐るるに足りず……曇りなき眼で立ち向かえば、勝てぬ相手ではない!)」
「(迷いがなくなっている……。
  僕にブランクがあるとは言え、ここまで肉薄してくるなんて……相当の使い手ってコトか……)」


何よりも恐ろしいとカイトに感じさせたのは、天狼の拳の軌道が全く視えなかったこと。
カイトは攻撃を喰らう刹那、
危機的状況における第六感とでもいうべき反射神経によって天狼の手刀による連続攻撃の全てを、ほぼ勘によって嗜めた。
ただし最後の攻撃だけは受けきれず、頬を紋章以外の紅が一本線となって彩っている。
超高速のスピードで繰り出された手刀が掠り、勇者に傷をつけた決定的瞬間。
やはり本気を出すに相応しい相手……。
野生動物は本能によって一瞬で互いの力量を察知、弱者は強者の前から去ると言う。
だがこの戦い……。
互いの力量を推し量ってもなお、底の知れぬ言いようの無い心地よい緊張感がある。
少なくとも7年前は体験できなかった、未体験の面白さ。


「(神の見えざる手……《神拳》ってところか。
  僕の攻撃を全て回避しつつ、あの瞬時の反撃……僕より速い……!)」
「(俺の攻撃もちゃんと当たり、ダメージを与えることができる……
  勇者と言えども無敵キャラではない、ということか……いける!)」















ズズズズッ……!!!


















「(天狼の闘気(オーラ)が更に鋭さを増した……今までの数倍、いや数十倍もの攻撃が来る……!)」
「(……奴も察したか。
  臨戦態勢に入ると同時に、奴にも力が漲ってゆくのが分かる……!!
  しかしながら俺は今、心底嬉しくもある。悪くない気分だ。
  このゲームに是ほどの気骨のある男が居たこと……その男と戦えること……。
  日本のサムライはとうの昔に滅んだと思っていたが……見当が違ったらしい。
  俺の神拳と貴様の蒼炎、俺の武道家としての誇りと貴様の勇者としての誇り……どちらが強いか……いざ尋常に勝負ッ!!!)」
「(蒼炎を発動させず、攻撃を待って回避に懸ける?
  いや、それじゃダメだ。それじゃ逃げたことになる……逃げる手は無しだ。
  彼の踏み込みの速さを見る限り、コンマの遅れが命取り……
  純粋な格闘勝負となると彼は僕よりやや上……! 
  接近戦では拳術士である彼の方が手数の多さで勝るだろう……。
  戦いに絶対なんてものはない、一瞬の気の緩みが勝敗を決する。
  揺蕩っていて当たり前……なら僕も、もう一度君の覚悟に敬意を表して迎撃させてもらうッ!)」

















ゴ  ゴ  ゴ  ゴ  ゴ















『て、天狼選手とカイト選手、互いに睨み合ったまま、こう着状態が続いております!
 い、一体いつまで続くのでしょうかッ!?』
『ゾクゾクすらぁ……。
 互いが必殺の一撃を出し合う瞬間の、この“空気”……!』



「(……この一撃で決めるッ!)」
「(……来るッ!)」                                                                               【 TO BE CONTINUED... 】

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