「.hack//G.U.」と「コードギアス 反逆のルルーシュR2」と「LAS(LMS)」と「ゴッドイーター」と「仮面ライダーディケイド」の荒唐無稽恋愛活劇SSサイト(のつもり)。

『……カイト…おまえは強い……。
 だがどんなに強い者でも絶対に勝つことができないものがある。
 ……なんだかわかるか? それはな……「時間」だよ』                                【フリューゲル  漫画「.hack//Link 黄昏の騎士団」アクセス:2 より】




『あ……ありのまま、今起こったことを話させていただきます……。
「天狼選手はカイト選手に接近したかと思いきや、拳を突き出してすれ違い、そのまま倒れてしまった」……!
 な、何を言っているのか分からないと思いますが、私も何をしたのか分かりませんでした……!
 催眠術だとか……超スピードだとか……そんなチャチなものでは断じてありませんッ……
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わった……そ、そんな気分です……! た、大火様、今のは一体……大火様……!?』
『……』
『大火様ッ!?』
――――――――怪物!』



潜在能力(ポテンシャル)……完全開花!
結果、闘争本能と防衛本能が瞬発的にではあるが同時に働き、敵を迎え討った。
天狼の拳も確かにカイトを捉えている。
あと数ミリでも届いていれば、カイトは致命傷……いや、この試合の敗者となっていたかもしれない。
だがそれよりも疾く、カイトの剣から放たれた全身全霊を込めた蒼炎(オーラ)が……天狼を斬り裂いていた!



『天狼が今しがた繰り出した一撃……!
 ありゃどう考えても掠っただけで悶絶ものの、とんでもねぇ威力の拳だったはず……
 だが勇者の野郎はあえて真正面から攻撃を受け、天狼が拳を見舞おうとした瞬間ッ――――――――――――――――――――――――――――


























オォォォォオォォォォォォォオォォォォォオッ!!!

はぁぁぁぁぁああぁあぁぁあぁあぁぁぁぁぁッ!!!



































咆哮が重なり。
天狼の神拳が勇者の身体を貫くかと思われた刹那、すれ違いざま、カイトの剣が閃光となって疾っていたッ!



『とんでもねぇ野郎だ……別格の底知れねぇ強さを秘めてやがる。
 潜在能力だけなら……このゲームのプレイヤーの中でも最強クラスかもな……。
 昨夜の闘いは、ほんの準備運動みてぇなもんだったってコトかい……!
 正直、ただ試合見てるだけで、ここまでコントローラー持つ手が震えるたぁ思ってなかった……天狼が負けるワケだぁな!』
『て、天狼選手が、ま、負けッ……?』
『見ろッ!!!』



大火の指差した先に佇んでいた天狼。
……ゆっくりと舞台に崩れ落ちてゆく。
天狼のHPは――――――――――――――0。
カイトの放った渾身のクリティカル。
友への想いを込めた三爪炎痕―――――約束された勝利の剣。
しかし、決して天狼が弱かったからではない。
今回ばかりは……カイトの覇気が、天狼に勝っていた!
無論、カイトがこの試合に心を燃やしていなければ勝利していたのは僅差で天狼であっただろう。
互いに五分と五分、カイトは規格外の力をあえて使わず、一プレイヤーとして天狼の挑戦に応え……狼の牙を砕くに至った。
彼を特別視しているワケでも、贔屓目に見ているワケでもない……どちらが勝っても可笑しくなかったはず。
蒼炎の力だけでは天狼に対抗しきれないと判断し、
直ちに迎撃態勢を切り替え……カイトは最後の武器を使い天狼に勝利した。
勇者に残された最大最後の武器……それが勇気と希望と、友情の力!



『てッ、天狼選手、ダウ――――――――――――――ンッ!! 
 HP0、戦闘不能ッ! よってこの勝負、カイト選手の勝利です!!!』



我を忘れて見入っていたジャッジマンも正気を取り戻し、
まずはカイトの勝利をアリーナの観客達に高らかに宣言する。
どんな時も常にクールであれ、と自分にいつも言い聞かせてはいたが、こんな試合は前代未聞。
ジャッジマンたる彼も、これが試合であることをすっかり忘れてしまう程の極限バトル。
どちらの選手も応援したいが、贔屓はしてはならない。



『ハセヲチーム、まずは1勝目! 
 しかし勝利したカイト選手も残りHPは1ケタ……何と言う、何と言う激しい攻防だったことかッ!? 
 本当にどちらが勝ってもおかしくない素晴らしい試合でしたッ!!!
 私もジャッジマンであることを忘れ、思わず両選手とも応援したくなる程の極限のスーパーバトルッ!
 しかし私も審判者の端くれッ! 
 一つ、贔屓は絶対せずに! 二つ、不正は見逃さず!! 三つ、見事にジャッジするッ!!!』



ジャッジマンが饒舌に実況を進める最中にも
大火は静かに今の攻防を脳裏でリフレイン、勝敗を分けたのが何であったのかを分析する。
彼が今回のトーナメントに参加せずあえて解説者の立場を取った理由。
強者同士の戦いの中で起きうる、あらゆる状況を冷静に分析、この闘いに集う猛者らの強さを見極めるため――――――――



『天狼の奴は確かに惜しかった……。 
 攻撃が当たってりゃ勝てたかもだがよ、当たった所でそれが“残像”だったらシャレんなんねぇからな』
『ざ、残像と申しますとッ!?』
『勇者の野郎が“瞬間移動”したみてぇに見えただろう?
 こりゃワシの推測だがよ、互いの攻撃がぶつかるか、ぶつからねぇかって瞬間、
 勇者の野郎のスピードが捉えきれねぇ程の速さになり……CG処理が追いつかずに“そこに居るはずのない実体”を作り出しちまったのよ。
 天狼も天狼で0.5秒先の攻撃を見通せる人間離れした野郎だが、
 勇者は自身の行動を0.4秒以内に抑え、実行したってワケだぁな。
 恐らくあのまま天狼が勇者を殴っていても手応えはあったはずだ……
 ただし、そりゃあ飽くまで、残像に蓄積された勇者の闘気(オーラ)の残り香(カス)だがよ……』
『し、“質量を持った残像”……というコトでしょうかッ!?』 
『ま、そういうこった。勇者の称号は伊達じゃねぇな、かっかっ!』



先程ジャッジマンは
「催眠術だとか……超スピードだとか……そんなチャチなものでは断じてありませんッ……」
と説明していたが、カイトは大火の予測通り「超スピード」によって天狼の神拳の速度を凌駕した。
蒼炎(オーラ)を込めた剣以外に、カイトも無意識のうちに発動させていた第2のスキル――――――――――「縮地」!
Xthフォームとなったハセヲの「ダッシュ」に似た能力であるが、そのスピード差は歴然。
発祥としては中国拳法もしくは沖縄武術であるとされ、
古くは明治時代に「天剣」と呼ばれた少年剣士が使えたとか、沖縄代表の中学生テニスプレイヤーが使っていたとか、10歳の魔法先生が使用していた、
等の未確認情報もあるが、定かではない。
それ以前にネトゲで縮地を再現できる人間がいようとは、誰が想像できるだろうか。
しかしカイトはそれを(無意識とは言え)やってのけた。
潜在能力を解放させ己の限界を突破した時、新たな世界への入り口が開けたのだ。
これはチートではない。カイトの勇者としての資質の開花によって生まれた新たなスキル!


「お疲れ」
「……チッ」


ダウンした天狼の手を取り、カイトが笑う。
負けてしまった。けれど……彼の笑顔を見ていると、それもバカバカしく思えてしまう。
全力を出し切り負けた。悔いは無い。
それよりもこの強者と出会い、拳を交えることの出来た歓喜が勝る……そんな気分だった。



















**************************















「ほ〜。やるもんだな〜」
「団長ほどじゃないけどネ」


カイトと天狼の試合を、彼方より見つめる影が2つ――――――――――――――――


「ほーん、アレが勇者か。
 ジーニアスの言ってた通り、結構厄介そうだな〜」
「ブリーラー・レッスルがあるでショ……戦う前から弱音吐いてどーするのヨ!」
「アイツと戦うってまだ決まったワケじゃないしな〜。ま、戦うとしてもまだ当分先の話さね」


アメを咥え、右目にモノクルをかけた長身の男と、頭の大きなリボンが特徴的な少女。
何者だろうか。
カイトの戦闘力を調査していたようだが……。


「戻ろうや、チェロ。お目当ての勇者の試合も見れたし」
「え、も、もう? もうちょっと見ててもいいでショ?」
「もう“この世界”に用はない。ほれ、行くぜ〜?」
「ちょっ、待ちなさいヨ! 団長ッ! ……もうっ、フリューゲルの馬鹿ッ!」


結局、フリューゲルとチェロの2人はカイトと出会うことなくルミナ・クロスを去り何処かへ消えた。
それが互いにとって幸運だったのか否かは―――――両者が出会うまでわからない。                            【続きは漫画「.hack//Link 黄昏の騎士団」で!】

戻る

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます