過疎地域に図書館をつくろう - 第174回参議院総務委員会委員への要請文
                                                  2010日図協第19号
                                                        2010 年3 月1 日

各議員(政党) 様
                                                     
                                                      社団法人日本図書館協会
                                                         理事長 塩見昇

            過疎対策事業債の「図書館整備」への運用についての要望

 拝啓、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
国政のご精励に敬意を表するとともに、図書館振興のご尽力に感謝申し上げます。
さて、私ども日本図書館協会は、過疎地域自立促進特別措置法の継続と、過疎対策事業
債の対象事業に「図書館の整備」を加えていただくよう法改正をお願いしてまいりました。
この要請について深くご理解いただき、今国会において上程、成立する見通しを得るこ
とができました。ご尽力に感謝申し上げます。
 過疎地域488 市町村のうち図書館設置は222、法改正により新たに過疎地域に指定され
る58 市町村のうちでは34、図書館設置率は合わせて46.9%に過ぎません。全市町村の図
書館設置が73.1%であることとの比較でみたとき、明らかに大きな格差があります。
このたびの法改正により、これが大きく改善されることが期待されます。図書館は資料、
情報の提供を基本的な機能としていますが、それは子どもたちに読書の喜びを与え、若も
のたちに意欲をもたらし、高齢者に生きがいを感じさせる、そういった役割を果たしてい
ます。人と人とが交流する場、地域の情報の発信の拠点でもあります。単なる施設ではな
く、人々の生活や仕事に必要な広がりをもった機能があります。このような図書館が身近
な生活圏域に設置されることになります。この実現を願う住民、これに応えようと腐心さ
れている市町村長や関係者は、このたびの法改正を大きな喜びをもって迎えています。改
めて感謝申し上げる次第です。
 この法改正の趣旨をいっそう意義あるものとするためには、今後建設される図書館のみ
に適用することだけでは適切でないと考えるものです。旧法により図書館を名乗ることが
できない読書や資料情報提供機能をもつ施設があります。その機能を十分に発揮できるよ
う名実ともに改善する機会とすべきです。
また老朽化した図書館施設も少なからずあります。これらの改築についてもこの法が適
用されるべきものと考えます。
 過疎対策事業債の運用について、以下のように要望するものです。よろしくお願い申し
上げます。
                                 敬 具
                      記

1 かつて過疎債を活用してつくられた「読書施設」など資料・情報提供機能をもつ施設
について、自治体が図書館法に基づく条例による図書館とする場合は、これを認めるこ
と。
2 老朽化した図書館の改築にも過疎対策事業債を適用すること。
                                     以上
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