1924年4月5日広西壮族自治区生まれ、本名陳文統。新派武侠小説の開祖として名高い。嶺南大学卒業後、香港の新聞社『大公報』に就職、のちに同紙の娯楽紙面『新晩報』に小説を発表する。1954年、香港で武術家同士が新聞紙上で諍いをした挙げ句、公開試合を起こして注目を浴びたことがあった。これを見た『新晩報』編集主幹・羅浮が彼に武侠小説の執筆を依頼したのをきっかけに書き始めたという。1987年にオーストラリア・シドニーに移住。
　歴史的事件と女侠の恋物語を絡めた格調高い作風であり、端正な青年侠客の描写に優れているとされる。「悲劇侠情」の流れを汲み男女の紆余曲折した愛情を描いているのも特徴。なお、明清を舞台にしたものはすべて「天山シリーズ」というシリーズものになっている。初邦訳は2005年、天山シリーズ中の『七剣下天山』。

作品リスト
1954『龍虎斗京華』、『草莽龍蛇伝』
1956『七剣下天山』
1957『江湖三女侠』、『白髪魔女伝』『塞外奇侠伝』
1959『萍踪侠影録』、『冰川天女伝』『还剑奇情録』
1960『散花女侠』
1961『女帝奇英伝』、『聯剣風雲録』、『雪海玉弓縁』
1962『冰魄寒光剣』
1963『大唐游侠伝』、『冰河洗剣録』
1964『龍風宝釵縁』『挑灯看剣録』
1965『風雲震九州』
1966『慧剣心魔』
1967『侠骨丹心』
1968『瀚海雄風』、『鳴鏑風雲録』
1969『游剣江湖』
1970『風雲雷電』
1972『牧野流星』、『広陵剣』、『武林三絶』
1975『絶塞伝传烽録』、『剣網塵絲』、『幻剣霊旗』
1978『飛風擒龍』
1981『弾指掠雷』
1983『武当一剣』、『武林天驕』

邦訳作品
2005『七剣下天山』

おもな映画化作品
1994『白髪魔女伝1・2』
2005『七剣』