libxml2チュートリアル
Libxml Tutorial
John Fleck <jfleck@inkstain.net>
Copyright © 2002, 2003 John Fleck
１．序文
Libxmlは、XMLデータを解読し、作成し、操作するための、C言語ライブラリです。このチュートリアルはコード例と、その基本的な機能性の説明を提供します。
Libxmlとその利用についてのより詳細な情報は、プロジェクトのホームページが利用できます。そこでは完全なAPIドキュメンテーションを含んでいます。このチュートリアルは、完全ドキュメンテーションの代わりというものではありませんが、基本的な処理を操作するのにライブラリを使用するのに必要とされる関数を説明しています。
このチュートリアル内のコード例は、以下をどのように行うかを実演しています。
２．データタイプ
Libxmlは、我々が何度も扱うであろう多数のデータタイプを宣言しており、厄介な事柄を隠していて、いくつかの特殊な要求がない限り、それらを扱う必要はありません。
３．ファイルを解析して要素を取り出す例
� �xmlDocPtr doc;
�◆�xmlNodePtr cur;
�� doc = xmlParseFile(docname);
�ぁ�if (doc == NULL ) {
fprintf(stderr,"Document not parsed successfully. \n");
return;
}
�ァ�cur = xmlDocGetRootElement(doc);
�Α�if (cur == NULL) {
fprintf(stderr,"empty document\n");
xmlFreeDoc(doc);
return;
}
�А�if (xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *) "story")) {
fprintf(stderr,"document of the wrong type, root node != story");
xmlFreeDoc(doc);
return;
}
�─�cur = cur->xmlChildrenNode;
�� while (cur != NULL) {
if ((!xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *)"storyinfo"))){
parseStory (doc, cur);
}
cur = cur->next;
}
xmlFreeDoc(doc);
return;
�� パースされたドキュメントを指し示すためのポインタを宣言します。
�� ノードのポインタを宣言します。
�� ドキュメント名からパースするlibxml2 APIを使用します。
�� エラーチェック、エラーの場合この時点のエラーを記録して停止します。
NOTE：共通したエラーの例としてエンコーディングの扱いが重要です。XMLの標準は、UTF-8,UTF-16以外では、明確な宣言を含んだエンコーディングで格納されることを要求します。もし宣言がそこにあるならば、libxmlは、自動的に必要に応じてUTF-8へ変換します。XMLのエンコーディングについての詳細な情報は、標準の中に含まれています。
�� ルート要素を抽出します。
�� ドキュメントが自動的に何かを含んでいるか確かめます。
�� ここでは、ドキュメントが正しい形式であることを確認する必要があります。”story”は、このチュートリアルで使用されるドキュメントのルートの形式です。
�� 最初の子ノードを取得します。この点では、curはドキュメントのルートを指しており、それは”story”要素です。
�� このループは、”stryinfo”要素を探しながら、”story”の子供となる要素間をイテレートします。”storyinfo”は、このプログラムが探している”keywords”を含む要素です。Libxmlの文字列比較関数であるxmlStrcmpを使用しています。もし一致したならば、parseStroy()を呼び出します。
void
parseStory (xmlDocPtr doc, xmlNodePtr cur) {
xmlChar *key;
�� cur = cur->xmlChildrenNode;
�� while (cur != NULL) {
if ((!xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *)"keyword"))) {
�� key = xmlNodeListGetString(doc, cur->xmlChildrenNode, 1);
printf("keyword: %s\n", key);
xmlFree(key);
}
cur = cur->next;
}
return;
}
�� 再度、最初の子ノードを取得します。
�� 上記のようなループでは、興味ある要素（ここでは”keyword”）との一致を探しながら、ノード間をイテレートします。
�� “keyword”要素を見つけたとき、この内容をプリントします。XMLでは、要素中に含まれるテキストは、要素の子ノードとなっていることを思い出してください。そのため、cur->xmlChidrenNodeを返しています。これを抽出するためにxmlNodeListGetString()関数を使用します。これもまた、docポインタを引数にとります。この場合、ちょうどそれをプリントすることができます。
NOTE：xmlNodeListGetString()は、文字列用にメモリをアロケートするため、これをフリーするためにはxmlFree()を使用しなければなりません。
４．Pathを使用して要素を取り出す例
要素を見つけるためにドキュメントtreeを歩き回ることに加えて、Libxml2は指定された基準と一致するノード集合を取り出すためにXPath式の使用を提供しています。XPathの完全なドキュメントはここにあります(?)。
XPathは、ドキュメントを通して指定された基準に一致するノードをみつけるようにします。以下の例では、ドキュメントを通してすべてのkeyword要素の内容を見つけるものです。
NOTE：完全なXPathの説明は、このドキュメントの範囲を超えています。利用に際しての詳細は、XPath 仕様書を参照してください。
この例の完全なコードは、付録D、Code for XPath Exampleにあります。
XPathの利用はxmlXPathContextをセットアップし、XPath式とコンテキストをxmlXPathEvalExpression関数に与えます。関数は、xmlXPathObjectPtrを返します。これはXPath式を満たすノード集合を含んでいます。
xmlXPathObjectPtr
getnodeset (xmlDocPtr doc, xmlChar *xpath)
{
� �xmlXPathContextPtr context;
xmlXPathObjectPtr result;
�◆ �context = xmlXPathNewContext(doc);
�� result = xmlXPathEvalExpression(xpath, context);
xmlXPathFreeContext(context);
�ぁ �if(xmlXPathNodeSetIsEmpty(result->nodesetval)){
xmlXPathFreeObject(result);
printf("No result\n");
return NULL;
}
�� 最初に変数を宣言します。
�� context変数を初期化します。
�� XPath式を適用します。
�� 結果を検査し、もし結果がないのであれば、result用にアロケートしたメモリを開放します。
関数から返されるxmlPathObjectPtrは、ノード集合と、集合内をイテレートするのに必要とされる他の情報を含んでいます。この例では、関数はxmlXPathObjectPtrを返します。ドキュメント中のkeywordノードの内容をプリントするのに使用します。ノード集合オブジェクトは、ノード集合内の要素数(noedNr)とノード配列(nodeTab)を含んでいます。
nodeset = result->nodesetval;
� �for (i=0; i < nodeset->nodeNr; i++) {
�◆ �keyword = xmlNodeListGetString(doc, nodeset->nodeTab[i]->xmlChildrenNode, 1);
printf("keyword: %s\n", keyword);
xmlFree(keyword);
}
�� nofeset->nodeNrの値は、ノード集合中の要素の数を保存しています。ここでは、配列内をイテレートするのにそれ（要素数）を使用しています。
�� ここでは、返されたノードの各々の内容をプリントしています。
NOTE：返されたノードの子ノードをプリントしていることに注意して下さい。これはkeyword要素の内容は子供のテキストノードだからです。
５.要素の内容を書き出す例
要素の内容の書き出しは、上記に使用したのと同じ多くのステップを使用します−ドキュメントをパースしてツリーを歩き廻ります。ドキュメントを解析し、投入したい要素の位置を見つけるためにツリーをトラバースします。例えば、再度”storyinfo”要素をみつけて、同時にkeywordを入れる場合です。そして、ファイルをディスクに書き出します。完全なコード：付録E、Code for Add Keyword Example
この例の中の一番の違いは、parseStoryにあります：
void
parseStory (xmlDocPtr doc, xmlNodePtr cur, char *keyword) {
�� xmlNewTextChild (cur, NULL, "keyword", keyword);
return;
}
�� xmlNewTextChild関数は、ツリー内で、curで示されるカレント・ノード・ポインタの位置に新しい子供の要素を追加します。
一度ノードが追加されると、ドキュメントをファイルに書いてもよいです。もし要素に名前空間を持たせたいならば、そのようにここに加えられます。ここでは、名前空間はNULLです。
xmlSaveFormatFile(docname, doc, l);
最初のパラメータは書き込まれるファイルの名前です。このファイルが読み込んだファイルと同じであることに注意してください。この場合、古いファイルに上書きします。２番目のパラメーターはxmlDoc構造体へのポインタです。三番目のパラメータの設定は、インデント出力を保障するというのと同じことです(?)。（訳注：テキストノードにインデントを入れるためのパラメータのようであるが、マニュアルではよくわからず利用しないほうがよいようである。）
６.属性を書き出す例
属性を書き出すことは、テキストを新しい要素に書き出すのに似ています。この場合では、ドキュメントに参照URIを追加しています。完全なコード：付録F、Code for Add Attribute Example.
referenceは、story要素の子供であり、そのため新しい要素と属性を書き込むための場所を見つけるのは単純です。parseDoc中でのエラーチェックテストと同時に、要素を追加するための正しい位置にいます。しかし、それを行う前に、我々がまだ見たことのないデータタイプを使用するという宣言を行う必要があります。
xmlAttrPtr newattr;
また、追加のxmlNodePtrも必要です。
xmlNodePtr newnode;
parseDocの残りの部分は、ルート要素がstoryであるかのチェックを行う前の部分までと同じです。もしそうであるならば、自分たちが要素を追加するのに正しい位置にいることがわかります。
� �newnode = xmlNewTextChild (cur, NULL, "reference", NULL);
�◆�newattr = xmlNewProp (newnode, "uri", uri);
�� 初に、現在のノードポインターであるcurの位置に、xmlNewTextChildを使用して、新しいノードを追加します。
�� xmlNewPropで新しいノードに属性を追加します。
７．属性を取り出す例
属性の値の取り出しは、ノードのテキスト内容を取り出した上記の例に似ています。ここでは、前のセクションで追加したURIの値を取り出します。完全なコード：付録G、Code for Retriving Attribute Value Example.
この例の最初のステップは、前のものと似ています。:ドキュメントをパースして、興味ある要素を見つけ、要求された指定タスクを実行する関数を起動します。ここでは、getReferenceを呼びます：
void
getReference (xmlDocPtr doc, xmlNodePtr cur) {
xmlChar *uri;
cur = cur->xmlChildrenNode;
while (cur != NULL) {
if ((!xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *)"reference"))) {
� �uri = xmlGetProp(cur, "uri");
printf("uri: %s\n", uri);
xmlFree(uri);
}
cur = cur->next;
}
return;
}
�� 主要な関数はxmlGetPropであり、属性値を含んだxmlCharを返します。ここでは、それをプリントしています。
NOTE：もし、属性用に、固定、もしくはデフォルトの値を宣言しているDTDを使用しているならば、この関数はそれを取得するでしょう。
８．エンコード変換
データ・エンコードの互換性の問題は、一般的にはXMLにおいて、そして特にlibxmlにおいて、プログラマーが出会う共通の最も難しい問題の１つです。この問題を考慮してアプリケーションの設計を通して考えることは、後に困難なことを避ける助けとなるでしょう。内部的には、libxmlはデータの格納や操作はUTF-8で行っています。別の形式であなたのプログラムで使用されているデータ、例えば一般に使用されているISO-8859-1エンコーディングなどは、xlibxml関数に渡される前にUTF-8に変換されなければなりません。もし、あなたのプログラム出力をUTF-8以外のエンコーディングにしたいならば、それも変換しなければなりません。
libxmlは、データ変換のために利用可能であるならばiconvを使用します。iconvがない場合は、UTF-8とUTF-16とISO-8859-1だけが外部形式として使用可能です。iconvでは、iconvがUTF-8へ、またはから、変換できる多数の形式が利用可能です。現在では、iconvは任意形式から任意形式への変換能力をもつ約１５０の違った文字形式をサポートしています。実際のサポート形式の数は実装によって違っているものの、すべてのiconv実装は、誰でもが聞いたことのあるすべての形式をサポートすることを、ほぼ保障しています。
注意：共通の間違えは、内部コードとして、あるコード中の部分毎に違った形式を使用することです。最も共通のケースは、アプリケーションはISO-8859-1を内部データ形式と想定し、UTF-8を内部データ形式と想定しているlibxmlと結合することです。結果は、どのコード部分が実行されるかに依存して、内部データを違ったものに扱うアプリケーションとなります。コードのどれかの部分は、必然的に、データを間違って解釈します。
この例は、簡単なドキュメントを生成し、そしてコマンドラインから取得した内容をドキュメントのルート要素に付け加え、そして適切なエンコーディングで結果をstdoutに書き出します。この例では、ISO-8859-1エンコーディングを使用します。コマンドラインから入力された文字列のエンコーディングはISO-8859-1からUTF-8に変換されます。完全なコード：付録H、Code for Encoding Conversion Example
変換（convert関数内部のコード例でカプセル化されているところ）は、libxmlのxmlFindCharEncodingHandler関数を使用します：
� �xmlCharEncodingHandlerPtr handler;
�◆�size = (int)strlen(in)+1;
out_size = size*2-1;
out = malloc((size_t)out_size);
…
�� handler = xmlFindCharEncodingHandler(encoding);
…
�ぁ�handler->input(out, &out_size, in, &temp);
…
�� xmlSaveFormatFileEnc("-", doc, encoding, 1);
�� handlerは、xmlCharEncodingHandler関数へのポインタとして宣言されています。
�� xmlCharEncodingHandler関数は、与えられる入力と出力文字列のサイズが必要です。それらは、文字列inとout用に、ここで計算されます。
�� xmlFIndCharEncodingHandlerは、引数としてデータの初期エンコーディングをとり、libxmlのビルトインの変換ハンドラーを検索して、関数へのポインタか、もし見つからなければNULLを返します。
�� handlerによって識別される変換関数は、引数として、入力と出力文字列へのポインタと、各々の長さを要求します。長さは、アプリケーションによって別々に決定されなければなりません。
�� UTF-8とは別の特定のエンコーディングで出力するためには、xmlSaveFormatFileEncを使用し、エンコーディングを指定します。
A. Compile
Libxmlは、スクリプトである、xml-configでインクルードします。このスクリプトは、作成されたプログラムとライブラリのコンパイルとリンクのためのフラグを生成します。プリプロセッサーとコンパイラ用のフラグは、xml2-config –cflagsを使用してください。ライブラリとのリンク用のフラグは、xml2-config –libsを使用してください。その他のオプションは、xml2-config –helpが利用可能です。
John Fleck <jfleck@inkstain.net>
Copyright © 2002, 2003 John Fleck
１．序文
Libxmlは、XMLデータを解読し、作成し、操作するための、C言語ライブラリです。このチュートリアルはコード例と、その基本的な機能性の説明を提供します。
Libxmlとその利用についてのより詳細な情報は、プロジェクトのホームページが利用できます。そこでは完全なAPIドキュメンテーションを含んでいます。このチュートリアルは、完全ドキュメンテーションの代わりというものではありませんが、基本的な処理を操作するのにライブラリを使用するのに必要とされる関数を説明しています。
このチュートリアル内のコード例は、以下をどのように行うかを実演しています。
- ドキュメントの解析
- 指定された要素に含まれるテキストの取得
- 要素とその内容の追加
- 属性の追加
- 属性値の取得
２．データタイプ
Libxmlは、我々が何度も扱うであろう多数のデータタイプを宣言しており、厄介な事柄を隠していて、いくつかの特殊な要求がない限り、それらを扱う必要はありません。
| xmlChar | 基本的なcharの代用品であり、UTF-８エンコード文字列中のbyteとなります。もし、データが別のエンコードを使用するならば、libxml関数の利用のためにUTF-８に変換されなければなりません。エンコーディングについての詳細な情報は、libxmlのエンコーディングのサポート・ウエブページが利用できます。 |
| xmlDoc | 解析されたドキュメントから生成されたツリーを含む構造体です。xmlDocPtrは構造体へのポインタです。 |
| xmlNode | 単一ノードを含む構造体です。xmlNodePtrは構造体へのポインタであり、ドキュメント・ツリーをトラバースする際に使用されます。 |
３．ファイルを解析して要素を取り出す例
� �xmlDocPtr doc;
�◆�xmlNodePtr cur;
�� doc = xmlParseFile(docname);
�ぁ�if (doc == NULL ) {
fprintf(stderr,"Document not parsed successfully. \n");
return;
}
�ァ�cur = xmlDocGetRootElement(doc);
�Α�if (cur == NULL) {
fprintf(stderr,"empty document\n");
xmlFreeDoc(doc);
return;
}
�А�if (xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *) "story")) {
fprintf(stderr,"document of the wrong type, root node != story");
xmlFreeDoc(doc);
return;
}
�─�cur = cur->xmlChildrenNode;
�� while (cur != NULL) {
if ((!xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *)"storyinfo"))){
parseStory (doc, cur);
}
cur = cur->next;
}
xmlFreeDoc(doc);
return;
�� パースされたドキュメントを指し示すためのポインタを宣言します。
�� ノードのポインタを宣言します。
�� ドキュメント名からパースするlibxml2 APIを使用します。
�� エラーチェック、エラーの場合この時点のエラーを記録して停止します。
NOTE：共通したエラーの例としてエンコーディングの扱いが重要です。XMLの標準は、UTF-8,UTF-16以外では、明確な宣言を含んだエンコーディングで格納されることを要求します。もし宣言がそこにあるならば、libxmlは、自動的に必要に応じてUTF-8へ変換します。XMLのエンコーディングについての詳細な情報は、標準の中に含まれています。
�� ルート要素を抽出します。
�� ドキュメントが自動的に何かを含んでいるか確かめます。
�� ここでは、ドキュメントが正しい形式であることを確認する必要があります。”story”は、このチュートリアルで使用されるドキュメントのルートの形式です。
�� 最初の子ノードを取得します。この点では、curはドキュメントのルートを指しており、それは”story”要素です。
�� このループは、”stryinfo”要素を探しながら、”story”の子供となる要素間をイテレートします。”storyinfo”は、このプログラムが探している”keywords”を含む要素です。Libxmlの文字列比較関数であるxmlStrcmpを使用しています。もし一致したならば、parseStroy()を呼び出します。
void
parseStory (xmlDocPtr doc, xmlNodePtr cur) {
xmlChar *key;
�� cur = cur->xmlChildrenNode;
�� while (cur != NULL) {
if ((!xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *)"keyword"))) {
�� key = xmlNodeListGetString(doc, cur->xmlChildrenNode, 1);
printf("keyword: %s\n", key);
xmlFree(key);
}
cur = cur->next;
}
return;
}
�� 再度、最初の子ノードを取得します。
�� 上記のようなループでは、興味ある要素（ここでは”keyword”）との一致を探しながら、ノード間をイテレートします。
�� “keyword”要素を見つけたとき、この内容をプリントします。XMLでは、要素中に含まれるテキストは、要素の子ノードとなっていることを思い出してください。そのため、cur->xmlChidrenNodeを返しています。これを抽出するためにxmlNodeListGetString()関数を使用します。これもまた、docポインタを引数にとります。この場合、ちょうどそれをプリントすることができます。
NOTE：xmlNodeListGetString()は、文字列用にメモリをアロケートするため、これをフリーするためにはxmlFree()を使用しなければなりません。
４．Pathを使用して要素を取り出す例
要素を見つけるためにドキュメントtreeを歩き回ることに加えて、Libxml2は指定された基準と一致するノード集合を取り出すためにXPath式の使用を提供しています。XPathの完全なドキュメントはここにあります(?)。
XPathは、ドキュメントを通して指定された基準に一致するノードをみつけるようにします。以下の例では、ドキュメントを通してすべてのkeyword要素の内容を見つけるものです。
NOTE：完全なXPathの説明は、このドキュメントの範囲を超えています。利用に際しての詳細は、XPath 仕様書を参照してください。
この例の完全なコードは、付録D、Code for XPath Exampleにあります。
XPathの利用はxmlXPathContextをセットアップし、XPath式とコンテキストをxmlXPathEvalExpression関数に与えます。関数は、xmlXPathObjectPtrを返します。これはXPath式を満たすノード集合を含んでいます。
xmlXPathObjectPtr
getnodeset (xmlDocPtr doc, xmlChar *xpath)
{
� �xmlXPathContextPtr context;
xmlXPathObjectPtr result;
�◆ �context = xmlXPathNewContext(doc);
�� result = xmlXPathEvalExpression(xpath, context);
xmlXPathFreeContext(context);
�ぁ �if(xmlXPathNodeSetIsEmpty(result->nodesetval)){
xmlXPathFreeObject(result);
printf("No result\n");
return NULL;
}return result;
}
�� 最初に変数を宣言します。
�� context変数を初期化します。
�� XPath式を適用します。
�� 結果を検査し、もし結果がないのであれば、result用にアロケートしたメモリを開放します。
関数から返されるxmlPathObjectPtrは、ノード集合と、集合内をイテレートするのに必要とされる他の情報を含んでいます。この例では、関数はxmlXPathObjectPtrを返します。ドキュメント中のkeywordノードの内容をプリントするのに使用します。ノード集合オブジェクトは、ノード集合内の要素数(noedNr)とノード配列(nodeTab)を含んでいます。
nodeset = result->nodesetval;
� �for (i=0; i < nodeset->nodeNr; i++) {
�◆ �keyword = xmlNodeListGetString(doc, nodeset->nodeTab[i]->xmlChildrenNode, 1);
printf("keyword: %s\n", keyword);
xmlFree(keyword);
}
�� nofeset->nodeNrの値は、ノード集合中の要素の数を保存しています。ここでは、配列内をイテレートするのにそれ（要素数）を使用しています。
�� ここでは、返されたノードの各々の内容をプリントしています。
NOTE：返されたノードの子ノードをプリントしていることに注意して下さい。これはkeyword要素の内容は子供のテキストノードだからです。
５.要素の内容を書き出す例
要素の内容の書き出しは、上記に使用したのと同じ多くのステップを使用します−ドキュメントをパースしてツリーを歩き廻ります。ドキュメントを解析し、投入したい要素の位置を見つけるためにツリーをトラバースします。例えば、再度”storyinfo”要素をみつけて、同時にkeywordを入れる場合です。そして、ファイルをディスクに書き出します。完全なコード：付録E、Code for Add Keyword Example
この例の中の一番の違いは、parseStoryにあります：
void
parseStory (xmlDocPtr doc, xmlNodePtr cur, char *keyword) {
�� xmlNewTextChild (cur, NULL, "keyword", keyword);
return;
}
�� xmlNewTextChild関数は、ツリー内で、curで示されるカレント・ノード・ポインタの位置に新しい子供の要素を追加します。
一度ノードが追加されると、ドキュメントをファイルに書いてもよいです。もし要素に名前空間を持たせたいならば、そのようにここに加えられます。ここでは、名前空間はNULLです。
xmlSaveFormatFile(docname, doc, l);
最初のパラメータは書き込まれるファイルの名前です。このファイルが読み込んだファイルと同じであることに注意してください。この場合、古いファイルに上書きします。２番目のパラメーターはxmlDoc構造体へのポインタです。三番目のパラメータの設定は、インデント出力を保障するというのと同じことです(?)。（訳注：テキストノードにインデントを入れるためのパラメータのようであるが、マニュアルではよくわからず利用しないほうがよいようである。）
６.属性を書き出す例
属性を書き出すことは、テキストを新しい要素に書き出すのに似ています。この場合では、ドキュメントに参照URIを追加しています。完全なコード：付録F、Code for Add Attribute Example.
referenceは、story要素の子供であり、そのため新しい要素と属性を書き込むための場所を見つけるのは単純です。parseDoc中でのエラーチェックテストと同時に、要素を追加するための正しい位置にいます。しかし、それを行う前に、我々がまだ見たことのないデータタイプを使用するという宣言を行う必要があります。
xmlAttrPtr newattr;
また、追加のxmlNodePtrも必要です。
xmlNodePtr newnode;
parseDocの残りの部分は、ルート要素がstoryであるかのチェックを行う前の部分までと同じです。もしそうであるならば、自分たちが要素を追加するのに正しい位置にいることがわかります。
� �newnode = xmlNewTextChild (cur, NULL, "reference", NULL);
�◆�newattr = xmlNewProp (newnode, "uri", uri);
�� 初に、現在のノードポインターであるcurの位置に、xmlNewTextChildを使用して、新しいノードを追加します。
�� xmlNewPropで新しいノードに属性を追加します。
７．属性を取り出す例
属性の値の取り出しは、ノードのテキスト内容を取り出した上記の例に似ています。ここでは、前のセクションで追加したURIの値を取り出します。完全なコード：付録G、Code for Retriving Attribute Value Example.
この例の最初のステップは、前のものと似ています。:ドキュメントをパースして、興味ある要素を見つけ、要求された指定タスクを実行する関数を起動します。ここでは、getReferenceを呼びます：
void
getReference (xmlDocPtr doc, xmlNodePtr cur) {
xmlChar *uri;
cur = cur->xmlChildrenNode;
while (cur != NULL) {
if ((!xmlStrcmp(cur->name, (const xmlChar *)"reference"))) {
� �uri = xmlGetProp(cur, "uri");
printf("uri: %s\n", uri);
xmlFree(uri);
}
cur = cur->next;
}
return;
}
�� 主要な関数はxmlGetPropであり、属性値を含んだxmlCharを返します。ここでは、それをプリントしています。
NOTE：もし、属性用に、固定、もしくはデフォルトの値を宣言しているDTDを使用しているならば、この関数はそれを取得するでしょう。
８．エンコード変換
データ・エンコードの互換性の問題は、一般的にはXMLにおいて、そして特にlibxmlにおいて、プログラマーが出会う共通の最も難しい問題の１つです。この問題を考慮してアプリケーションの設計を通して考えることは、後に困難なことを避ける助けとなるでしょう。内部的には、libxmlはデータの格納や操作はUTF-8で行っています。別の形式であなたのプログラムで使用されているデータ、例えば一般に使用されているISO-8859-1エンコーディングなどは、xlibxml関数に渡される前にUTF-8に変換されなければなりません。もし、あなたのプログラム出力をUTF-8以外のエンコーディングにしたいならば、それも変換しなければなりません。
libxmlは、データ変換のために利用可能であるならばiconvを使用します。iconvがない場合は、UTF-8とUTF-16とISO-8859-1だけが外部形式として使用可能です。iconvでは、iconvがUTF-8へ、またはから、変換できる多数の形式が利用可能です。現在では、iconvは任意形式から任意形式への変換能力をもつ約１５０の違った文字形式をサポートしています。実際のサポート形式の数は実装によって違っているものの、すべてのiconv実装は、誰でもが聞いたことのあるすべての形式をサポートすることを、ほぼ保障しています。
注意：共通の間違えは、内部コードとして、あるコード中の部分毎に違った形式を使用することです。最も共通のケースは、アプリケーションはISO-8859-1を内部データ形式と想定し、UTF-8を内部データ形式と想定しているlibxmlと結合することです。結果は、どのコード部分が実行されるかに依存して、内部データを違ったものに扱うアプリケーションとなります。コードのどれかの部分は、必然的に、データを間違って解釈します。
この例は、簡単なドキュメントを生成し、そしてコマンドラインから取得した内容をドキュメントのルート要素に付け加え、そして適切なエンコーディングで結果をstdoutに書き出します。この例では、ISO-8859-1エンコーディングを使用します。コマンドラインから入力された文字列のエンコーディングはISO-8859-1からUTF-8に変換されます。完全なコード：付録H、Code for Encoding Conversion Example
変換（convert関数内部のコード例でカプセル化されているところ）は、libxmlのxmlFindCharEncodingHandler関数を使用します：
� �xmlCharEncodingHandlerPtr handler;
�◆�size = (int)strlen(in)+1;
out_size = size*2-1;
out = malloc((size_t)out_size);
…
�� handler = xmlFindCharEncodingHandler(encoding);
…
�ぁ�handler->input(out, &out_size, in, &temp);
…
�� xmlSaveFormatFileEnc("-", doc, encoding, 1);
�� handlerは、xmlCharEncodingHandler関数へのポインタとして宣言されています。
�� xmlCharEncodingHandler関数は、与えられる入力と出力文字列のサイズが必要です。それらは、文字列inとout用に、ここで計算されます。
�� xmlFIndCharEncodingHandlerは、引数としてデータの初期エンコーディングをとり、libxmlのビルトインの変換ハンドラーを検索して、関数へのポインタか、もし見つからなければNULLを返します。
�� handlerによって識別される変換関数は、引数として、入力と出力文字列へのポインタと、各々の長さを要求します。長さは、アプリケーションによって別々に決定されなければなりません。
�� UTF-8とは別の特定のエンコーディングで出力するためには、xmlSaveFormatFileEncを使用し、エンコーディングを指定します。
A. Compile
Libxmlは、スクリプトである、xml-configでインクルードします。このスクリプトは、作成されたプログラムとライブラリのコンパイルとリンクのためのフラグを生成します。プリプロセッサーとコンパイラ用のフラグは、xml2-config –cflagsを使用してください。ライブラリとのリンク用のフラグは、xml2-config –libsを使用してください。その他のオプションは、xml2-config –helpが利用可能です。
2006年04月18日(火) 10:29:38 Modified by koba24505