日本が朝鮮を植民地支配したことはご存知と思います。
その時代に日本の労働力を補うための募集に応じて、多くの朝鮮人(当時は韓国人という表現がありませんでした)が、日本国民として、日本の内地(日本列島のこと)に移住してきました。留学したものも多くいました。
また、日本の植民地支配の結果として土地を失った農民たちが、朝鮮でのほかの職業では暮らしていくだけの賃金を得ることができず、生活の糧を求めて日本に移住し、家族を呼び寄せました。
戦争が激化する中で、国家総動員法や徴用令によって、労働者として強制連行されたり、日本軍の兵士や軍属にかりだされました。そして、日本人と同じく、多くの朝鮮人が命を失いました。
日本が敗戦して、朝鮮や中国をはじめとしたアジア太平洋地域全域に移住していた日本人が日本に帰還するのと反対に、日本にいた朝鮮人や台湾人の多くも自分の故郷に帰りましたが、戦後の混乱と貧困、さらには祖国の地の政情不安が重なり、祖国の地に帰るに帰れない状況にあった朝鮮人が数多く残されました。この人々が今日でいう在日韓国・朝鮮人として日本に在留することになりました。
なお、この人々は、国際法的にも国内法的にも、1952年4月28日の
サンフランシスコ講和条約発効の日まで、日本国籍を有していたということができます。