さくらタンの日
部室の窓から、児文研のカーテンが揺れているのが見える。
春も近づき、外には暖かな風が吹いているようだ。
桜のつぼみも、もうじき開こうとしている。
斑目は児文研のカーテンから、手に持っているアニメ誌に目を移した。
アニメ誌の記事には「EEさくら」再放送の文字が大きく躍っている。
「桜と言えば、EEさくらの再放送が始まったな！」
「ああ、そういえば。斑目さん、録画とかしてるんですか？」
「いや、DVDボックス購入済みだから録画はしてないぞ。しかしあの時間のチャンネルは、絶対にN●Kにしておる！」
斑目はそう言って鼻の穴を膨らませた。
一応都内にある某大学の部室。
斑目と笹原以外に、部員はいない。
机上には雑然とアニメ雑誌や同人誌が重なり、それらを肴に、彼らは時間をつぶしていた。
「俺はパソゲーやってて、ついつい見ない事が多いんですけど・・・」
「笹原ー！いかん、いかんぞ！マガヅン連載中の『シバサ』さくらタンより
『EEさくら』のさくらタンの方が萌えるのだぞ！見よ、このつるぺたっぷり！」
アニメ誌の再放送の記事には、スクール水着でにっこりと微笑む
「さくら」が載っていた。斑目にその記事を突き出され、笹原は苦笑いをする。
「斑目さんはつるぺた属性ですもんね〜。俺は逆に『シバサ』さくらの方が萌えですよ。幼なじみ属性で、成長してるじゃないですか。」
「むぅ、幼なじみ属性は捨てきれんところではある。」
「このアニメって、原作者が同人やってたじゃないですか。しかも女性向けで。そのせいもあって、そっち方面でも狙ってるフシがありますよね？」
笹原は雑然と重なった本の山から、一冊の同人誌を取り出した。
それは大野が友達から借りたと言う、EEさくらの801本であった。
前日に部室に来た大野が、再放送を機に、咲さんを
こちら側に引き込むんです！と意気込んで置いていったモノだ。
「当弥×由紀人か。春日部さんのような、初心者にはいいんじゃねぇの？」
制服を着た男のキャラ二人が抱き合っている表紙。
「春日部さんはこんなオタクっぽいマンガは見ませんよ。エロ同人誌には触れもしなかったじゃないですか。」
「801・・・理解できなくはないがなー、イエみてサークル＝百合同人だから。」
「俺、恵子が大野さんから借りた本見て思ったんですけど、
尻の穴に、どうやってアレを入れるんですかね？」
しばらく同人誌をパラパラとめくっていた笹原は、一つのコマを指して言った。
そのコマには、どう見ても尾てい骨の部分に男性器を差し込んでいる男同士のセックスシーンがあった。
「ありえない体位だよな・・・。こんなところにケツの穴あったか？」
「女性に前つきとかあるように、男にも後ろつきがある、とか・・・」
「ちょうど誰もいないことだし、検証してみっか？」
「検証･･･って、俺達でヤるんですか?!」
「バカ、検証してみるだけだよ。お前、そこに寝てみろよ。」
斑目は、笹原から801同人誌を奪い取り、床を指した。
渋々パイプ椅子から降りて、床に仰向けになる笹原。
「･･･女役は這うようなカッコしてるぞ。四つ足になるんだよ。」
「俺が女役ですか！」
「年下だからな。四つ足になったら頭を下げろ。そこに男役が・・・」
斑目は801同人誌を手に持ったまま、這うような姿勢になった笹原の後ろに来ると、ひざを床に落とした。
「違う違う、ほふく前進じゃねぇよ、犬みたいな感じで！」
「え、こうですか？」
「違うよ、なんつーか・・・」
「ああもう、それ貸してください！」
笹原は飛び起きて、斑目から801同人誌を奪い返した。
そして、その一コマを確認すると、逆に斑目を押し倒した。
「へ？あれ？」
「よつんばいって事じゃないですか！斑目さん、尻を突き出して！」
「はひ・・・笹原？」
「このコマではこのへんですね、どうですか、斑目さん！」
よつんばいになった斑目の尻に、ジーンズの上からマジックを突き立てる。
「いや、そこは」
「ここですか！」
グサ
「えと、あ・・・」
グサ
「どうなんですか、斑目さん！」
グサ グサ
「・・・・・・！」
斑目の顔が赤くなった、その瞬間、
「コーサカいるー？」
斑目と笹原の二人はその後一週間、春日部の誤解を解くべく
自分の属性がいかにノーマルであるか説いたのだという・・・・・・。
春も近づき、外には暖かな風が吹いているようだ。
桜のつぼみも、もうじき開こうとしている。
斑目は児文研のカーテンから、手に持っているアニメ誌に目を移した。
アニメ誌の記事には「EEさくら」再放送の文字が大きく躍っている。
「桜と言えば、EEさくらの再放送が始まったな！」
「ああ、そういえば。斑目さん、録画とかしてるんですか？」
「いや、DVDボックス購入済みだから録画はしてないぞ。しかしあの時間のチャンネルは、絶対にN●Kにしておる！」
斑目はそう言って鼻の穴を膨らませた。
一応都内にある某大学の部室。
斑目と笹原以外に、部員はいない。
机上には雑然とアニメ雑誌や同人誌が重なり、それらを肴に、彼らは時間をつぶしていた。
「俺はパソゲーやってて、ついつい見ない事が多いんですけど・・・」
「笹原ー！いかん、いかんぞ！マガヅン連載中の『シバサ』さくらタンより
『EEさくら』のさくらタンの方が萌えるのだぞ！見よ、このつるぺたっぷり！」
アニメ誌の再放送の記事には、スクール水着でにっこりと微笑む
「さくら」が載っていた。斑目にその記事を突き出され、笹原は苦笑いをする。
「斑目さんはつるぺた属性ですもんね〜。俺は逆に『シバサ』さくらの方が萌えですよ。幼なじみ属性で、成長してるじゃないですか。」
「むぅ、幼なじみ属性は捨てきれんところではある。」
「このアニメって、原作者が同人やってたじゃないですか。しかも女性向けで。そのせいもあって、そっち方面でも狙ってるフシがありますよね？」
笹原は雑然と重なった本の山から、一冊の同人誌を取り出した。
それは大野が友達から借りたと言う、EEさくらの801本であった。
前日に部室に来た大野が、再放送を機に、咲さんを
こちら側に引き込むんです！と意気込んで置いていったモノだ。
「当弥×由紀人か。春日部さんのような、初心者にはいいんじゃねぇの？」
制服を着た男のキャラ二人が抱き合っている表紙。
「春日部さんはこんなオタクっぽいマンガは見ませんよ。エロ同人誌には触れもしなかったじゃないですか。」
「801・・・理解できなくはないがなー、イエみてサークル＝百合同人だから。」
「俺、恵子が大野さんから借りた本見て思ったんですけど、
尻の穴に、どうやってアレを入れるんですかね？」
しばらく同人誌をパラパラとめくっていた笹原は、一つのコマを指して言った。
そのコマには、どう見ても尾てい骨の部分に男性器を差し込んでいる男同士のセックスシーンがあった。
「ありえない体位だよな・・・。こんなところにケツの穴あったか？」
「女性に前つきとかあるように、男にも後ろつきがある、とか・・・」
「ちょうど誰もいないことだし、検証してみっか？」
「検証･･･って、俺達でヤるんですか?!」
「バカ、検証してみるだけだよ。お前、そこに寝てみろよ。」
斑目は、笹原から801同人誌を奪い取り、床を指した。
渋々パイプ椅子から降りて、床に仰向けになる笹原。
「･･･女役は這うようなカッコしてるぞ。四つ足になるんだよ。」
「俺が女役ですか！」
「年下だからな。四つ足になったら頭を下げろ。そこに男役が・・・」
斑目は801同人誌を手に持ったまま、這うような姿勢になった笹原の後ろに来ると、ひざを床に落とした。
「違う違う、ほふく前進じゃねぇよ、犬みたいな感じで！」
「え、こうですか？」
「違うよ、なんつーか・・・」
「ああもう、それ貸してください！」
笹原は飛び起きて、斑目から801同人誌を奪い返した。
そして、その一コマを確認すると、逆に斑目を押し倒した。
「へ？あれ？」
「よつんばいって事じゃないですか！斑目さん、尻を突き出して！」
「はひ・・・笹原？」
「このコマではこのへんですね、どうですか、斑目さん！」
よつんばいになった斑目の尻に、ジーンズの上からマジックを突き立てる。
「いや、そこは」
「ここですか！」
グサ
「えと、あ・・・」
グサ
「どうなんですか、斑目さん！」
グサ グサ
「・・・・・・！」
斑目の顔が赤くなった、その瞬間、
「コーサカいるー？」
斑目と笹原の二人はその後一週間、春日部の誤解を解くべく
自分の属性がいかにノーマルであるか説いたのだという・・・・・・。
2006年07月11日(火) 15:59:27 Modified by korewanetadesu