里親さん応援の為のお助け資料室 - 児童福祉法改正に伴う親権〜4
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・里親と施設長の親権の整理

ここまで述べた親権について、判りやすく一覧表に整理します。
※○権利あり

親  権

(民法条文) 実  親 施設長
(親権者なし) 施設長
(親権者あり) 里  親
(法改正前) 里  親
(法改正後)

ヾ童邯 (820条) ○ ○ ○ × ○
教育権 (820条) ○ ○ ○ × ○
5鐔蟷慊蠍(821条) ○ ○ × × ×
つ┣権 (822条) ○ ○ ○ × ○
ソ業許可権(823条) ○ ○ × × ×
財産管理権(824条) ○ ○ × × ×
代表権 (824条) ○ ○ × × ×
養子縁組の承諾 ○ 知事の許可 × × ×

・里親と親権に関する問題点

さて、親権などについて整理してきましたが、里親が子どもを養育する際の問題点について整理します。民法では、親権を行使する者がいない場合は、未成年後見人を選定することを定めているため、法的には、法定代理人がいない子どもはいないことになっています。また、児童福祉法でも、児童相談所長が家庭裁判所に未成年後見人の選任の請求を行うことを定めています。

しかし、現実問題として、親などの親権を行使する者がいない子どもであるにもかかわらず、未成年後見人を選定されない子どもが少なくありません。そのような子どもでも、児童福祉施設では、施設長が児童福祉法第47条第1項により、親権を行うことが出来ます。しかし、親権者がいなくて、里親に委託された子どもについては、親権を行うものがいないため、子どもは無権利状態にあります。
また、児童養護施設でも、実親がいる場合には、施設長の親権が制限されていますので、以下に述べる、さまざまな不都合が生じていました。

○住民基本台帳の登録、関係書類の交付申請
法定代理人が申請しなければ、登録・交付等が出来ない。
○銀行、郵便局の預貯金通帳
法定代理人の同意が必要。さらに本人確認法により、里親姓での通帳の作成は不可。
○携帯電話などの契約
法定代理人の同意が必要。
○契約の取り消し
未成年者が法定代理人の同意を得ないで行った契約は、法定代理人が取り消すことが出来ますが、里親には取り消すことが出来ません。
○アルバイト、措置解除時の18歳の就業承認
未成年者が労働契約を締結するには、法定代理人の同意が必要
○子どもがアパートを契約する際に、繁華街のすぐそばなど不適切な場所に借りようとしている。
居所指定権がない里親には、子どもの居住地を決めることや反対することが出来ません。

これらの問題は、児童福祉法改正により里親に親権の一部付与をされても、「居所指定権」「就業許可権」「財産管理権」「代表権」がないため解決されません。

・委託児童の不法行為と里親の損害賠償責任

民法では、未成年者が他者に対して、故意又は過失で損害を与えた場合、責任能力がなかった場合は、責任無能力者として、損害賠償責任を負わないことになっています。(民法712条)

この責任能力とは、自分の行為の結果、何らかの責任が生じるか否かを判断する能力を意味するものとなっており、12〜13歳程度になれば責任能力があるものと考えられています。

責任能力のない未成年者が、不法行為により第三者に対し損害を与えた場合には、未成年者が責任を負わない反面、法定監督義務者又は代理監督義務者が十分な監督義務を尽くしたことを証明しない限り、未成年者の不法行為に対する賠償責任を負うことになっています(民法714条)。

知事から児童の養育を委託され、親権(監護権)をもたずに養育する里親は、「法定監督義務者」ではなく、「代理監督義務者」だと考えられます。しかし、「代理監督義務者」であっても、里親は委託された児童の不法行為の賠償責任を免れることは出来ません。(民法714条◆




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