みんなの練習帳

一昔前まで、「アダルトショップ」と聞けば、薄暗い路地裏、のぞき込むように入る秘密の空間というイメージが強かったかもしれません。どこか恥ずかしくて、人には言えない場所。けれども、そんなイメージは今、大きく変わりつつあります。

近年のアダルトショップは、明るく、清潔感があり、オープンな雰囲気の店舗が増えています。大型モールの中に入っていたり、女性専用フロアを設けていたり、まるでコスメショップのようなおしゃれな空間も珍しくありません。オンラインショップの普及もあり、誰でも気軽にアダルトグッズを手に取る時代になったのです。

アダルトグッズといっても、その種類や目的はさまざま。単に快感を得るための道具ではなく、セルフプレジャーの充実、パートナーとのコミュニケーションの向上、性機能のサポート、さらには更年期対策や骨盤底筋トレーニングなど、健康維持やQOL（生活の質）向上を目的とするものまで登場しています。

たとえば、女性向けの「吸うやつ」や振動ローターは、見た目もかわいくてスタイリッシュ。初めて使う人でも抵抗が少なく、パッケージも化粧品のようにおしゃれなものが多いです。男性向けのオナホールも、内部構造や素材にこだわった高性能モデルが多く、まるでテクノロジー製品のような進化を遂げています。

アダルトショップの役割も変わってきました。単なる販売店ではなく、「自分の性について学ぶ場」としての存在感が高まっています。実店舗では、スタッフが親身に相談に乗ってくれるところも多く、恥ずかしさを感じることなく、自分に合ったアイテムを選ぶことができます。ネットショップでは、レビューや詳細な説明、動画での紹介など、初心者にも分かりやすい情報が充実しています。

また、アダルトグッズの世界では、ジェンダーや性的嗜好への配慮も進んでいます。LGBTQ+フレンドリーな製品や、バリアフリー設計のグッズなど、誰もが自分らしく“快感”を追求できるような環境が整ってきているのです。

とはいえ、日本社会ではいまだに「性」に対するタブーや偏見が根強く残っている面もあります。アダルトショップに入るのをためらう人もいるでしょうし、「アダルトグッズを使っている」と公言しづらい風潮もあるかもしれません。しかし、それは自分自身の欲望や体を否定することにほかなりません。

性は誰かのためだけにあるものではなく、自分のためにあるもの。自分の体の反応を知り、どんなことが好きで、何が心地いいのかを探ることは、決して恥ずかしいことではなく、自分を大切にするための大事なプロセスです。

アダルトショップは、その手助けをしてくれる場所。アダルトグッズは、その旅路を楽しくしてくれるパートナー。もっと自由に、もっと素直に、自分の“性”と向き合ってみませんか？