映画を作るという人間の行動には１００年以上の歴史がある。
映画を見て、そこから、深く考えるというようなことに、大きく力を入れることをスタートしたのは、約３０年前、英国のウォリック大学においてであるという。
映画の主流は、物語を持つ映画、いわゆる「物語映画」（劇映画）だが、そこには、必ずといっていいほど「ジャンル」が存在してきた。（ウォリック大学講師Ｎ.レイシー氏の考察を見よう）
ジャンルの概念は、「物語映画」という映画表現より、ずっと以前から存在していました。すでに、古代ギリシャ世界で開催されていた仮面劇において、「悲劇」と「喜劇」というジャンルに分かれていたのです。（紀元前）
「物語映画」を見る時に、その作家（映画監督）によって、見る作品を選ぶこともあるが、一般的には、「ジャンル」によってカテゴリー分けされたところから作品を選ぶ場合が多いだろう。（レンタルビデオ・ＤＶＤ店において、「ＳＦ」「ホラー」「コメディ」等といったような分類は普通である）
ジャンルの定義
映画鑑賞者は、暗黙のうちに、ジャンルというものを理解している。
映画製作者は、ジャンルの概念を使用しながら、観客層のターゲットを絞り込んだり、映画の内容を説明したり、映画の販促活動（ポスター制作や予告制作）を行う。
１つのジャンルの中での、さまざまな映画には、繰り返されている「型」がある。（とくに「ホラー」で、顕著に見られるパターンは存在する・・・ジェイソンやフレディやブギーマン等のパターン化された悪者がいる）しかし、観客は、この「型」を期待して、そのジャンルを選ぶという面がある。そして、同時に観客は、そのなかに「小さな目新しさ」（これまでと違う何か）も求めている。
ジャンルは、映画の内容を知るために有効だが、不変のものではない。２つのジャンルがミックスされて新たなジャンルにもなる。流動的概念とも言える。
我々観客は、ジャンルを前提にしているからこそ、物語映画を受け入れられるのである。
例えば、ミュージカル映画というジャンルがあるが、ミュージカル映画では、突然、主人公が歌いだす、といったことが普通だが、戦争映画の中で、そのような表現はない。
ＳＦ映画の中では、しばしば未来的景観が風景描写されるが、それは、ＳＦ映画であるという前提があるから観客に受け入れられる。
映画を各ジャンルに分けるとき、いくつかの要素が判断材料にされる。
それは、図像、物語、状況、そしてキャラクターである。
図像
「図像」という言葉は、美術史から発生した。この図像によってジャンル分けできるのは、ＳＦである。ＳＦ（サイエンス・フィクション）において、図像は、ジャンル判別のために大きく根をはっている。たとえば、単純に宇宙船が登場すれば、ＳＦである、と言える。
ＳＦは、多くのファンを獲得しているジャンルである。ＳＦは歴史があるジャンルだが、２つの大きな流れに分けられる。未来世界を描きながら、実際は、人間性についての考察を扱うものをハードＳＦといい、この問題に取り組まないものをソフトＳＦという。
＊ＳＦというジャンルは、何十年もハリウッドの重要なジャンルであり続けている。なぜなら、これを通して、最先端の映像を見せることが出来る理想的形式であるからだ。しかし、おもしろいことに、ＳＦは、日本、香港の例を除くと、西洋のジャンルなのである。（中国メインランド、インド、インドネシア、エジプトという場所は映画産業が繁栄しているが、ＳＦジャンルがない）
ＳＦは、人間性を描くジャンルでもあるが、誤解されて、表面的に子供向けのように考えられることもある。ＳＦが楽しまれるのは、その中に壮大なスペクタクル映像が生み出されるからでもある。それは魅力的なジャンルだ。
物語
「物語」の内容によってジャンルが特定されるものもある。
家庭内の争いの物語なら、メロドラマである。
麻薬の帝王が、ある地域を支配しようとする物語なら、ギャングスター映画である。
西部劇には７つの物語パターンがある。
�＼症瑤亮�然の厳しさに打ち勝ちビジネスを作り出す人々の物語
��農業主と雇用者の争いの物語
�Ｎ�派な西部の法律家の物語
�に匸貭觜餝領�と２代目の堕落物語
�ゥ▲Ε肇蹇爾世�、良き人の物語
�ι�讐もの
�У格実發肇ぅ鵐妊�アンの戦い
ほとんどのジャンルは、事件が解決し、再び観客を安心させるという内容の物語を提供する。
たとえば、殺人者は逮捕され罰を受ける。
状況（セッティング）
映画のジャンルを判断することにおいて、セッティングは、さほど窮屈ではない。
西部劇では、１８６５−１８９０年の間にセッティングされることが多い。
ＳＦでは、セッティングは大きく変化する。遠い過去から遠い未来までという幅がある。（２００１年宇宙の旅）
キャラクター
ジャンルによって、独特のキャラクターが存在する。
宇宙人が登場すればＳＦ映画である。
ジャンルは、観客にどのような感情を引き起こすか、によっても定義されうる。
ホラー＝恐怖
スリラー＝スリル
コメディ＝笑い
ジャンルは、それぞれのテーマを持っている。
西部劇においては、「野生と文明の衝突」
ＳＦにおいては、「人間と、人間でないものとの衝突」
ジャンルの進化
�￣撚茲箸いΔ發里蓮△修發修癲△�なり形式的な表現である。（「型」「形式」が存在する）
それは、モーツァルトの音楽が「ソナタ」という形式の中で作曲されていることと似ている。
（ビートルズは「ロック」という形式なのである）
�▲献礇鵐襪箸蓮◆峽拭廖峽措亜廚反爾�関係している。
これらをベースにしつつ、ジャンルは、他のジャンルとミックスされ、変化してゆく。
変化しなかったら観客はすぐに飽きてしまうのだ。
アクション映画のヒットシリーズ「ターミネーター」でも、第３弾では、女ターミネーターが登場する、という変化をつけている。
『エイリアン』は、ＳＦとホラーをミックスした点が新しかった。（1979当時）
『ブレードランナー』は、荒廃して環境汚染された未来を描いたのが新しかった。（1982当時）
常にジャンルは、新しいアイディアが結びついて進化してゆく。映画は新鮮であろうとして進化する。
また、１つのジャンルがヒットすると、そのジャンルで、いくつかの映画が作られる。
映画を見て、そこから、深く考えるというようなことに、大きく力を入れることをスタートしたのは、約３０年前、英国のウォリック大学においてであるという。
映画の主流は、物語を持つ映画、いわゆる「物語映画」（劇映画）だが、そこには、必ずといっていいほど「ジャンル」が存在してきた。（ウォリック大学講師Ｎ.レイシー氏の考察を見よう）
ジャンルの概念は、「物語映画」という映画表現より、ずっと以前から存在していました。すでに、古代ギリシャ世界で開催されていた仮面劇において、「悲劇」と「喜劇」というジャンルに分かれていたのです。（紀元前）
「物語映画」を見る時に、その作家（映画監督）によって、見る作品を選ぶこともあるが、一般的には、「ジャンル」によってカテゴリー分けされたところから作品を選ぶ場合が多いだろう。（レンタルビデオ・ＤＶＤ店において、「ＳＦ」「ホラー」「コメディ」等といったような分類は普通である）
ジャンルの定義
映画鑑賞者は、暗黙のうちに、ジャンルというものを理解している。
映画製作者は、ジャンルの概念を使用しながら、観客層のターゲットを絞り込んだり、映画の内容を説明したり、映画の販促活動（ポスター制作や予告制作）を行う。
１つのジャンルの中での、さまざまな映画には、繰り返されている「型」がある。（とくに「ホラー」で、顕著に見られるパターンは存在する・・・ジェイソンやフレディやブギーマン等のパターン化された悪者がいる）しかし、観客は、この「型」を期待して、そのジャンルを選ぶという面がある。そして、同時に観客は、そのなかに「小さな目新しさ」（これまでと違う何か）も求めている。
ジャンルは、映画の内容を知るために有効だが、不変のものではない。２つのジャンルがミックスされて新たなジャンルにもなる。流動的概念とも言える。
我々観客は、ジャンルを前提にしているからこそ、物語映画を受け入れられるのである。
例えば、ミュージカル映画というジャンルがあるが、ミュージカル映画では、突然、主人公が歌いだす、といったことが普通だが、戦争映画の中で、そのような表現はない。
ＳＦ映画の中では、しばしば未来的景観が風景描写されるが、それは、ＳＦ映画であるという前提があるから観客に受け入れられる。
映画を各ジャンルに分けるとき、いくつかの要素が判断材料にされる。
それは、図像、物語、状況、そしてキャラクターである。
図像
「図像」という言葉は、美術史から発生した。この図像によってジャンル分けできるのは、ＳＦである。ＳＦ（サイエンス・フィクション）において、図像は、ジャンル判別のために大きく根をはっている。たとえば、単純に宇宙船が登場すれば、ＳＦである、と言える。
ＳＦは、多くのファンを獲得しているジャンルである。ＳＦは歴史があるジャンルだが、２つの大きな流れに分けられる。未来世界を描きながら、実際は、人間性についての考察を扱うものをハードＳＦといい、この問題に取り組まないものをソフトＳＦという。
＊ＳＦというジャンルは、何十年もハリウッドの重要なジャンルであり続けている。なぜなら、これを通して、最先端の映像を見せることが出来る理想的形式であるからだ。しかし、おもしろいことに、ＳＦは、日本、香港の例を除くと、西洋のジャンルなのである。（中国メインランド、インド、インドネシア、エジプトという場所は映画産業が繁栄しているが、ＳＦジャンルがない）
ＳＦは、人間性を描くジャンルでもあるが、誤解されて、表面的に子供向けのように考えられることもある。ＳＦが楽しまれるのは、その中に壮大なスペクタクル映像が生み出されるからでもある。それは魅力的なジャンルだ。
物語
「物語」の内容によってジャンルが特定されるものもある。
家庭内の争いの物語なら、メロドラマである。
麻薬の帝王が、ある地域を支配しようとする物語なら、ギャングスター映画である。
西部劇には７つの物語パターンがある。
�＼症瑤亮�然の厳しさに打ち勝ちビジネスを作り出す人々の物語
��農業主と雇用者の争いの物語
�Ｎ�派な西部の法律家の物語
�に匸貭觜餝領�と２代目の堕落物語
�ゥ▲Ε肇蹇爾世�、良き人の物語
�ι�讐もの
�У格実發肇ぅ鵐妊�アンの戦い
ほとんどのジャンルは、事件が解決し、再び観客を安心させるという内容の物語を提供する。
たとえば、殺人者は逮捕され罰を受ける。
状況（セッティング）
映画のジャンルを判断することにおいて、セッティングは、さほど窮屈ではない。
西部劇では、１８６５−１８９０年の間にセッティングされることが多い。
ＳＦでは、セッティングは大きく変化する。遠い過去から遠い未来までという幅がある。（２００１年宇宙の旅）
キャラクター
ジャンルによって、独特のキャラクターが存在する。
宇宙人が登場すればＳＦ映画である。
ジャンルは、観客にどのような感情を引き起こすか、によっても定義されうる。
ホラー＝恐怖
スリラー＝スリル
コメディ＝笑い
ジャンルは、それぞれのテーマを持っている。
西部劇においては、「野生と文明の衝突」
ＳＦにおいては、「人間と、人間でないものとの衝突」
ジャンルの進化
�￣撚茲箸いΔ發里蓮△修發修癲△�なり形式的な表現である。（「型」「形式」が存在する）
それは、モーツァルトの音楽が「ソナタ」という形式の中で作曲されていることと似ている。
（ビートルズは「ロック」という形式なのである）
�▲献礇鵐襪箸蓮◆峽拭廖峽措亜廚反爾�関係している。
これらをベースにしつつ、ジャンルは、他のジャンルとミックスされ、変化してゆく。
変化しなかったら観客はすぐに飽きてしまうのだ。
アクション映画のヒットシリーズ「ターミネーター」でも、第３弾では、女ターミネーターが登場する、という変化をつけている。
『エイリアン』は、ＳＦとホラーをミックスした点が新しかった。（1979当時）
『ブレードランナー』は、荒廃して環境汚染された未来を描いたのが新しかった。（1982当時）
常にジャンルは、新しいアイディアが結びついて進化してゆく。映画は新鮮であろうとして進化する。
また、１つのジャンルがヒットすると、そのジャンルで、いくつかの映画が作られる。
