エル・アーツ・キャラクターズが織り成す、エル・ユニバースのロジック世界で展開されるSF物語である。


物語における中心人物・・・『サンフランシスコのヨウゾウ』(山田拓磨・出演)

ウォンが、森を歩いている。
(ナレーション)「彼は、ウォン・フェイホンだ。アジアで、彼の名を知らないものはいない。
彼は、旅の最中に出会った、・・・オリハルコン・マスクに!
そのマスクは、準備の出来たものに、グレートパワーを与える。
かくして、フェイホンはワールドワイドなカンフーマスターとなり、一説には、アメリカ合衆国サンフランシスコ・チャイナタウンに道場を開き、多くのアメリカの弟子を得たといわれる。
その道場は、フェイホンの昇天後も密かに受け継がれ、数々の優秀な門下生を出し続けている。」

(アジアの森を守るスーパーヒーローとなった)カルロス・ホンコン、ジョー・マルーン、ウララ・X、.....だが、堕落した門下生もいた・・・・。(ヨウゾウのこと)

映画タイトル『THE LEGEND OF THE FRANCISCAN』





字幕「(ヨウゾウが爆発の最中サンフランシスコ市から脱出して)1ヶ月後・・・。」

字幕「日本・SAGAエアポート・ゲート・・・。」

飛行機が着陸する。
ヨウゾウがゲートから出てくる。(後姿)
* カメラは、後ろから追う
濃いめの中長のコート(濃紺)と、ニット帽(がらなしサイド)の後姿(全身&肩まで)。
カメラが、回り込んで、前面の顔がアップに。
オレンジのサングラスをかけているヨウゾウ。
ヨウゾウ「ここが、日本・・・。祖父の故郷とはいえ、はじめて見る土地だ。」
ヨウゾウ、サングラスをさわる。
ヨウゾウ「この土地に私を知る者はいない。一応、サングラスは変えてみたが・・・。アラン・ドロンは、この国にかつて居た、SAMOURAIに憧れていたって聞いた。私も、そのSAMOURAIについて知ってみようか。だが、世の中は甘くないだろう。」
ヨウゾウは、佐賀空港を後にする。
ヨウゾウの歩き去る姿をカゲで見ている男。
ルービークルー財団の制服を着ている。
男「あれが、あの危機的状況から見事、サンフランシスコを脱出成功したヨウゾウ・・・。」

ヨウゾウ、白壁町を歩いている。
古い江戸期のような町並みの通り。(パラレルワールドのような世界。)

ヨウゾウ「この国では、だれも、私の顔を分からない、と確信する」
(ヨウゾウ、サングラスとニット帽をはずし、ポケットにしまう)

ヨウゾウ「この辺りに、SAMOURAI(サムーライとフランス調に発音)の子孫が住むと聞いた。」

サムーライの家(少し、高台になっている)。
石垣を見ながら、サムーライの母屋の方へ歩くヨウゾウ。

サムーライの家・内側
ヨウゾウが入ってくる。
ヨウゾウ「もし。 こにちは。 私は、サムーライの指南を受けたく、ここにまいった。」

サムーライ「まず、自らを向き合う事じゃ。オヌシとは、何か?それを問い直すのじゃ。第一の修行じゃ。」

焼きソバの店

焼きソバを焼いている店員の女性。
(頭にひょっとこお面をつけている。これは、整形して別人になったエヌーである。)

ヨウゾウ、はっとする。ヨウゾウ、店員の女性にはなしかける。
ヨウゾウ「私のことを覚えているかい?」
店員あたまをふる。
ヨウゾウ、サングラスとニット帽を出して、つける。
「私だ。君は整形したんだね。顔を変えても、中身はなかなかかわらないものさ。
なんてね、そんなものつけてたら、誰かわかるさ」
ひょっとこのお面を指していう。

とつぜんの銃声。

ヨウゾウ、おどろく。

エヌー「ギャングよ! おいかけられてるの! もう、今日で、ここのバイトもおわりね、にげるわよ」

あわてて、逃げる2人
ヨウゾウ(にげながら)「なんで、あんたは、いつも、そんなにぶこわれてんだよ!???!」

エヌー「ぶっこわれたくないけど、いつも、そーゆーのとでくわすのよ!」


ZENを組みながら、考えるヨウゾウ。
サムーライの家、庭の池の鯉、月あかりの入る座敷。静かな夜。外の松明のあかり。
ヨウゾウ「私とは、何か。死への恐怖。それは、自己の喪失を予感することに起因する。つまり、死は、恐怖を思わせる、大きな要素だ。私とは、恐怖する人間・・・。私には、当然ながら、父がいた。彼は、小国の将軍だった。大戦車隊を持ち、国を支配していた」

(フラッシュバック)砂漠の大戦車隊。

ヨウゾウ「父は、その精神の中に闇を持っていた。その闇は、恐怖が作り出したものだ。彼が持ってしまった恐怖とは何だったのか。恐怖の裏返しは、過ぎたる権力への欲望だった。父の一族は、常に支配されてきた。それゆえ、彼は、軍事力のある国の、上から押さえつけてくる支配力を恐怖した。つまり、父は、恐怖を克服するために、自分が恐怖そのものになろうとした。そして、そうなった。私は、父の恐怖政治に反感を覚えた。独裁恐怖政治は、民の魂を食べつくし、国民のほとんどは、ぬけがら人間になってしまったからだ。」

サムーライ「バカなことをしでかさないってだけで、大変なんだ。人間の人生ってやつはね」

「中国ホンコンゲート・・・。」

飛行機が香港市街をかすめて降下する。
香港ビクトリア湾のグリーンの水面が見えてくる。
香港空港。
(飛行機から降りた)ルービークルー財団のジョシュ調査員が空港内へ。
ジョシュ調査員の顔アップ。
字幕「ジョシュ調査員・・・。彼はサンフランシスコから脱出したヨウゾウを追ってきた。ルービークルー財団からの命令を受けて・・・。」
ジョシュ調査員の着ている制服は、ルービークルー財団のマーク入り。
* マークは、(仮面奇譚シリーズの)「角の生えた仮面」。
ルービークルー財団のマークのクロースアップ。
字幕「」

ジョシュ「ミスター・ヨウゾウ、君の類まれなる危機対処能力、すべて見ていた。それが、ルービークルー財団の調査力だ。君は、その類まれなる才能を、憎しみと復讐のために使ってきた、そうだろう?」

ホンコン・重慶マンション。
異国籍の人々が行き交う。
ヨウゾウ(ナレーション)「このマーケットには、多くの国々からやってきた人々が行き交っているのだ。インド系の人々も多い。現在のインド本国について、私は、ほとんど全く知識がない。おそらく外国人の多くがインドについて思い描くイメージ、・・・それは、インドのカレー、ターバン、サリー、タージ・マハル、ブッダ、ヒンズー教、ガンジー、ボリウッド、ダンスムービー、IT推進国、インド数学、そして、マザー・テレサ、・・・ということぐらいか。移動していると、異国的な雰囲気の店がいくつも軒をつらねてる。じつは、前からターバンが欲しかったので、サリーなどを売ってる店で購入を考えはしたが、やめといた。ケバブ・ハットで、ゴートのカレーを食べてみた。うまかった。




ヨウゾウ「ホンコンゲートから、チャイニーズ・メインランドへ入り、シルクロードへと向かう道中、酩酊してしまい、全てを失い、気づくとボロをまとい、野山をさまよい、わずかながら、平原の民から施しを受け、感謝を知った。」



コウイチロウ「愛の力が重要なのだ。全ての力の源は愛だ。」

ヨウゾウ「あなたが、パンダ・コウイチロウ先生ですか?」

コウイチロウ「いかにも、そのとおり。」

ヨウゾウ「しかし、あなたは、アニメのように見えますが。」

コウイチロウ「そんなことは、たいしたことではない。大切なのは、命じゃ。」

(フラッシュバック)
伝説のカンフーの達人フェイホンが、ヌンチャックを練習している。

コウイチロウ(ナレーション)「そなたも、名前くらいは知っておろう、あのウォン・フェイホン先生が、カンフー指南書の中に、わたくしを描いたのじゃ。」

カンフー指南書を描くフェイホン。
月明かりの入り込む部屋。
たくみな筆先。
カンフーの型々を、パンダのキャラクターの絵で描いている。
コウイチロウ(ナレ)「そのように、わたくしは命を受けた」


コウイチロウの家
家は、歴史を感じさせる外観。
家の前に飼い犬ダックスがいる。こちらをじっと見ている。何か言いたそうな目だ。
家の中。東洋の間。
壁にかけてある書「正思共神」

ヨウゾウ「その書はなんですか?」

コウイチロウ「それか、それは、私の師匠から頂いた書だ・・・。正しい事を行い、思いやりを持って、へりくだって神と共に歩もうとすれば人生はいいものになる、と教えられた。」


パンダ・コウイチロウは、空を飛ぶブリキの犬の形の車に乗って移動する。

コウイチロウ「周囲の全てに耳を澄ませ。かすかな音が、何かを教えてくれる。人の心の悪も、そこから見つけ出せる。」

コウイチロウ「昆虫学者ファーブルが、家の裏庭から、無限の宇宙を見出したように、無限の宇宙のパワーを味方にするのだ。信じることだ。信じる方法、信じ方は、人それぞれ。他者の権利を侵害しないこと。そうすれば、君自身に、限りない力があふれる。その小梅をごらん。」

枝についている小梅。

コウイチロウ「宇宙を満たす生命の力が、そこにも結実している!」

コウイチロウ「なぜ、人は邪悪になるのか、考えたことがあるか?」

ヨウゾウ「多くの時間はありません」

コウイチロウ「邪悪は、おそらく、傲慢と同じ何かがあるのだ。感謝をしない心とか、劣等感とか、恐怖とか、人生への絶望、悲しみ、いくつかの要素が作り出す。信じる気持ちの欠如、そして、自分をよく見せるための嘘、多くの嘘は、人間の世界に満ちている。しかし、そういったものは、結果として良いものをもたらさない。共感、慈悲、愛を探求しなければならないのだ」

ヨウゾウ「私は、私自身の中の憎しみから抜け出さねばならなかったのだ。その1つの方法は広い世界を見ることだった。この世界の複雑な相互関係性を体験して、言い知れぬ何かを知り、憎しみから解き放たれたのだ。」

(フラッシュバック)
バイクにまたがるヨウゾウ。
世界各地・特産物の写真が3コマごとに無数に映る。


ヨウゾウ、米軍訓練歌のような唄を歌いながら、腕立て伏せなどをする。
ヨウゾウ「よくきけ、宇宙の破壊者よ♪ 私が地球を守るんだ♪」


ヨウゾウ「修行に時間がかかりすぎる。わたしは、はやく、たたかいの天才になりたい」

コウイチロウ「時間など重要ではない。
1000年は1日。1日は1000年。」

ヨウゾウ「1000年は、やはり1000年ではないでしょうか」

コウイチロウ「ものの見方が、せまいからそう思う。だが、私が教えられることは、このくらいなのだ。君は君自身のやり方を作り出さねばならないのだ。」

コウイチロウ「今日は最期の試験的な闘いだ。さあ、きなさい。」

ヨウゾウ、パンダ・コウイチロウの出す衝撃波で飛ばされる。

コウイチロウ「君の完全なる負け。オリハルコンマスクはやれぬ」

そこに、エヌーが現れる。

エヌー、ひょっとこお面を出し「これでどうですか」

パンダ・コウイチロウ、狂気ラン舞。
コウイチロウ「うおっほーーーー!」

ヨウゾウ「しょせん、動物だな」

ヨウゾウ、エヌー去る。

2人が去ったあと、ひとりのこった、パンダ・コウイチロウ
「狂気ラン舞の振りでもしないと、やつは、永久にオリハルコンマスクを手に入れられなかった・・・」

コウイチロウ「やつは、まだ発展途上だ。まにあわなかったかもしれない。あとは、ラッキーをいのるのみ・・
達者で行け。生命そのものが神からのものだ。行って、全ての地球人の生命を救うのだ、ヨウゾウ!」
多くの誘惑と自らの弱さと向き合え。」

ルービークルー財団の飛行場に、着陸する飛行機。
ヨウゾウが降りてくる。
ルービークルー財団職員「修行が完成されましたか。まっていました、ミスター・ヨウゾウ」
移動手段などは、万全の準備ができてます。
財団滑走路に並ぶ、小型ジェットと、黄色い車。

国際宇宙ステーション
オリハルコンマン「私は、ここから、地球、そしてこの世界を支配する!このオリハルコンマスクを持ったから、このあまねく宇宙、その全てを、この私が我が物にできる!」

ヨウゾウ「このあまねく宇宙を、君だけのものにする?! しかし、人間の肉体の寿命は、たかだか100年。その100年間だけなんだぞ!」

オリハルコンマン「私の子がつづいて支配するのだ!」

ヨウゾウ「君の子が、君と同じ考えを持つかなんてだれにも分からない!」

オリハルコンマン「私がそのように教育するのだ・・・!私と同一の考えを持つ人間に私の子を私が造形するのだ!」

(ヨウゾウの父の小国の将軍のフラッシュバック、戦車隊のFB)

ヨウゾウ「そうはならないさ。人間を育てるのは、本質的には人間ではない・・・、目には見えない別の存在だ」


たたかい。

宇宙の日陰に放逐されたエネミー。こおってしまう。

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