華人商館

10年ほど前、異民族がハンスリームの港にやってきた。
煙を吐きながら動く巨大な船を操る彼らは、自らを「カ(華)」の国の物だと名乗った。
カ人は、侵略などの意思はなく、自由な貿易をしたいと言った。その要求は受け入れられ、以来、ハンスリームは大陸とカを結ぶ貿易の中継地点として、大きな発展を遂げてきた。


今回仕事に行くハウマン氏は、街の一等地に商館を構える、カ商人の中でも中心的な人物である。
「おお、よく来てくれたアル。ちょとそこにすわて。今お茶を出すアル」
ハウマン氏が茶を出してくれるなんて、どういう風の吹き回しだろう。なんとなく嫌な予感がしたが、言われるままに長椅子に腰かけた。
すると、奥からお盆を持った少女がやってきた。どこかで見た覚えがある。良い服を着て髪を整えているが、間違いなくあの密航者の少女だ。確か名前はシャオチィア……。
「ァ!」
少女もこちらに気付いたようだ。驚いた拍子に敷居につまずき、派手に茶をぶちまけてしまった。


「アイヤー、またやたアル! ほら、ボサとしてないでゾーキン、ゾーキン!!」
少女はあわてて奥へ戻り、雑巾を持ってきて床を拭く。やけにびくびくしているのをハウマン氏が不審がっていたので、今までのことを話した。
「成る程。小夏(シャオチィア)、恐がらなくてもいいアル。この人は今は私の使用人。お前に悪いことはさせないアル。
……明日にでも、小夏のことを私の親戚として届けとくアル。そうすれば、ここに居ても何の問題もないネ?」


シャオチィアは掃除中にいちどバケツを蹴飛ばしてしまい、結局2回分の床掃除をするはめになった。
彼女が掃除を終えた後、ハウマン氏は話した。
「あの娘、東の街道で途方に暮れてたところを、仲間の商人が拾てきたアル。身寄りもないようだし、カから独りぼちで長旅してきたような子、ほとけないアルヨ……。
でも、あのオチョコチョイなのは困たもんネ。おちおち掃除も任せらんないアル。なんか、あの娘が自立できるいい仕事があたら、紹介して欲しいネ」
鬼の目にも涙といったところか、ハウマン氏は話しながら涙ぐんでいた。
結局この日は、シャオチィアを交えてハウマン氏の家で食事をご馳走になり、帰り際には服の洗濯代まで貰ってしまった。


15Gp手に入れた。
5Exp手に入れた。
染みの付いた服を手に入れた!
2005年08月24日(水) 14:04:30 Modified by lunatic_dog




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