廃坑の歌姫

ランタンほか

ハンスリーム北東の銀山には、たいへん長い歴史がある。現在は2か所で採掘が行われているが、周辺にはいくつも廃止された鉱山跡があり、荒寥たる姿を晒している。
その中ひとつ・ナウト山中腹にある廃坑の奥から、女性の歌声が聞こえてくるという。問題の廃坑は、100年ほど前にモンスターが出たため閉鎖された場所であった。


廃坑の入り口には柵が立てられ、「怪物危険」との立て札があった。
奥の方に耳を澄ませてみるが、何の音も聞こえてこない。噂は本当なのだろうか?
「おや? あなた方も、歌姫様のお声を聴きにいらしたのですか?」
不意に、後ろから甲高い声がした。
振り向くと、そこにいたのは体長2フィートほどの巨大なバッタだった。2本の後ろ足だけで立ち、前足と中足を腰(?)に当てている。なんでこんな生物がいるのだろう……。


「私はホッパーと申しまして、しがない流浪の詩人でございます。ある日野犬に追われてこの辺りまで逃げて来ましたとき、偶然美しいお歌を耳にしまして。以来すっかり歌姫様のお声に惚れ込んでしまいましてね……。ここで暮らしているのでございます。たまにこうしていらっしゃる旅の方とお話しするのが、また楽しみでして……」
バッタの詩人(?)は片手(?)で触覚を撫で付けながら、口の部分をワシワシと動かしている。


「おや、面白い物をお持ちですね。フム、何かの暗号のようですな……」
何やら興味があるようなので、暗号の楽譜を見せた。ホッパーはそれを見て何か思い出したようで、
「そういえば、こんな話をご存知ですか? 大海賊ビルガノを支えた『三賢』の筆頭、吟遊詩人にして名軍師のアリダジャンスの話です。
例えばヒノルケンのジャングルでは、松明を括りつけた象の群れを放ち!
洞窟に籠るバザーナクの王を燻り出し!
そして、ナナルの姫は自らの魅力で奪い去る!!
おお、素晴らしい、若き策士アリダジャンス! なんと大胆な策略!!
彼は後世に、このような暗号をいくつも残したと言われます。それらの多くは千年経った今も解読されていないとか。なァ〜んと素晴らしき知謀でしょう!」
彼の話にはだんだん妙な節がついて、下手な吟遊詩人が語るサーガのようになってきた。わけが分からないので途中で止めさせる。


せっかく来たのだから、入り口にばかりいても仕方がない。ホッパーが止めようとするのには取りあわず、柵を外し、暗い坑道の中に踏み込む。
バサバサバサッ……。
中に入ってすぐ、奥の方から無気味な羽音がした。天井から、牙を剥いた巨大なコウモリが群がってくる!!


ローブが壊れた!
巨大コウモリを追い払って、さらに奥へと進む。
外の光が届かなくなったので、ランタンを点けた。
やがて横の坑道は行き止まりに達した。周囲にいくつかトロッコが転っている。まん中に大きな縦穴があって、その上には大きなフックがある。


長いロープをフックに引っかけ、体重をかけてみる。どうやらフックは使えそうだ。
慎重に降りていく。ロープが足りなくなるギリギリのところで、下の坑道に辿り着いた。


歌声は右手の方から聞こえてくるようだ。そちらの方へ歩いていく。
途中の坑道を、カエルとネズミを足して2で割ったような異形の石像が塞いでいた。なんとか脇をすり抜けて、奥へ進む。
すると、突然大きく開けた場所に出た。
広い礼拝堂のような場所だ。左右に立つ剣士の石像に守られるようにして、中央の一段高い場所に石棺が置かれている。天井は高すぎてランタンの明かりが届かない。
ギギギギギ……。
部屋の中を見回していると、重い物を無理に動かしているような、異様な音が響きだした。左右の石像が壁を離れ、こちらに向かってくる!!


石像はその場にうずくまり、動かなくなった。
歌声はまだ聞こえるが、石棺の中から聞こえているようでもあり、部屋の天井から聞こえているようでもあり、よく分からない。
石棺を開けてみようかと思ったが、魔法文字の封印らしき物があり、開けることはできかなった。
蓋に嵌めてあった深い青色をした宝石が外れたので、持ち帰ることにする。
「なるほど、石の棺ですか。その中で歌姫様は歌っておられるのでしょうかね……?」
ホッパーに見送られて廃坑を後にした。


2Gp手に入れた。
31Exp手に入れた。
深海の輝石を手に入れた!
2005年10月23日(日) 08:29:47 Modified by lunatic_dog




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