迷い森の魔獣

ハンスリームの東にある森は「迷い森」と呼ばれている。
木々が密集している上に全体が湿地で、あちこちに底なし沼が点在する。足下の沼に気を取られているといつのまにか奥に迷い込んでしまい、恐ろしい魔獣に食べられてしまう……という言い伝えがあり、キコリや狩人も滅多に立ち入ることはない。


迷い森には今まで聞いたこともない異様な動物の鳴き声がこだまし、極彩色の虫が木の枝を這っている。
進路を塞ぐ蔓草を切ろうとすると、それはぐにゃりと曲がって刃をかわした。
気のせいかと思い、もう一度切ろうとするが、やはり蔓は刃をかわした。
もう一度、今度はしっかりと蔓を押さえて切ろうとしたとき、足下から何本もの蔓が襲いかかってきた!!


絡みつく蔓を全て切り払いし、先を急ぐ。
迷わないよう、持っていた小麦を少しずつ地面に撒いて、目印にすることにした。
奥へと進んでいくと、木々の向こうで何かが動いているのを発見した。はじめは山羊のように見えたが、山羊のようなのは首から上だけだ。その体は人間のように直立し、枯葉色の衣を身につけている。
どうやら向こうもこちらに気付いたらしい。突然、目の前に炎の玉が飛んでくる!


山羊の頭と人の体を持つ魔獣は強力な魔法を使ってきたが、なんとか持ちこたえ、勝利することができた。
そのとき、小さくて固い木の実が頭の上に落ちてきた。珍しい物だったので拾って行くことにする。
さらに進むと少し開けた場所に出た。他の沼とは違う、綺麗に澄んだ水をたたえた池があり、対岸では2頭の鹿が水を飲んでいる。
そのとき、急に空が暗くなった。
何事かと見上げると、巨大な魔獣が翼を広げ、池に降りてくるところだった!!


その魔獣は巨大な鷲の頭と翼を持ち、体はライオンのそれだった。優雅に翼を畳んで着地し、鷲の嘴で水を飲む。鹿がまったく逃げようとしないところを見ると、取って食われるような相手ではないのかもしれないが……。
魔獣は今初めて気付いたという風で、こちらを向いた。
「ヒトか……。私に何か用か?」
驚いたことに、その魔獣は言葉を話した。
「私はオピニンクス。ヒトによって造られ、ヒトによってこの森を護るように定められた。森の魔獣たちは迷いこんだヒトを傷付けることはしないはずだが、無闇に奥へ入り我々の領域を侵そうとする者や、我々を傷つけようとする者は相応の報復を受けるだろう」
オピニンクスの鋭い両眼がこちらを見据える。
「お前たちはすでに森の者たちを傷つけすぎたようだ。このままでは他の獣たちの手前、私も黙ってはおれぬ。命のあるうちに引き返すがよかろう」
この場は忠告を聞いておいた方がいいようだ。オピニンクスに礼を言い森を出ることにする。
先程撒いたばかりの小麦が、戻るときにはすでに立派な穂をつけていた。この森の持つ魔力のせいだろうか……。おかげで迷うことなく街へ帰ることができた。


1Gp手に入れた。
19Exp手に入れた。
クルミを手に入れた!
2005年09月11日(日) 09:30:17 Modified by lunatic_dog




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