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ギャグ漫画
��アドリブというものがない
��台詞を読む順番に絵面が制約される
�４屬良集修�難しい
強み
アニメについて
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ギャグ漫画 
ギャグ漫画は、笑いの表現手法としてどの程度優れたものでしょうか。結論から述べると、筆者は「強みもあるけど、総合的な見地からはテレビ・舞台に軍配が上がる」と考えています。
ギャグ漫画（というより、漫画）という表現手法の特性と、制約を以下に述べます。
ギャグ漫画（というより、漫画）という表現手法の特性と、制約を以下に述べます。
��アドリブというものがない
これが、一番致命的な欠点です。テレビや舞台は、即興・思いつきでおもしろいことを言うということができますが、漫画ではそれができません。無論、作者はパッと思いついたことをそのまんま描いてしまっている場合があると思いますが、それは読者には伝わりません。漫画という形で一つの作品として提示されている以上、読者は「事前に十分に考えて練ったんだろうな」と理解してしまいます。
即興・アドリブの利点は、他の場所でも書いていますが、一つには客の意表を突ける（油断していてハードルが下がった状態の読者にボケを提示する）ので、多少クオリティが低くても笑いを呼び起こしやすいという点があります。この利点を、そっくりそのまま放逐しているのがギャグ漫画なのです。だから必然的に、ボケにかなりの高さのクオリティが求められてしまいます。こうやって上がったハードルを、軽々超えてくる作品も存在するのは確かですが、全体から言うと僅かなものに止まります（筆者の一押しは、山上たつひこ先生の『がきデカ』と、吉田戦車先生の『伝染るんです。』です）。
アドリブのもう一つの利点として、「客の反応を見ながら内容を調整することができるので、実際にウケたくだりをしつこく繰り返すことができる」という点も指摘できるでしょう。ギャグ漫画は、世に出した時点では一つの完成された作品としてパッケージ化されていますので、その作品の中でどこがウケてどこがウケないかというのは出してみるまで分からないのです。まあ漫画でも、連載作品であれば「前回ウケたくだりをまたやる」ぐらいのことはやっているでしょうが、次回作が出る頃にはもう客は冷え切っているので、時機を失しているのもいいとこです。
即興・アドリブの利点は、他の場所でも書いていますが、一つには客の意表を突ける（油断していてハードルが下がった状態の読者にボケを提示する）ので、多少クオリティが低くても笑いを呼び起こしやすいという点があります。この利点を、そっくりそのまま放逐しているのがギャグ漫画なのです。だから必然的に、ボケにかなりの高さのクオリティが求められてしまいます。こうやって上がったハードルを、軽々超えてくる作品も存在するのは確かですが、全体から言うと僅かなものに止まります（筆者の一押しは、山上たつひこ先生の『がきデカ』と、吉田戦車先生の『伝染るんです。』です）。
アドリブのもう一つの利点として、「客の反応を見ながら内容を調整することができるので、実際にウケたくだりをしつこく繰り返すことができる」という点も指摘できるでしょう。ギャグ漫画は、世に出した時点では一つの完成された作品としてパッケージ化されていますので、その作品の中でどこがウケてどこがウケないかというのは出してみるまで分からないのです。まあ漫画でも、連載作品であれば「前回ウケたくだりをまたやる」ぐらいのことはやっているでしょうが、次回作が出る頃にはもう客は冷え切っているので、時機を失しているのもいいとこです。
��台詞を読む順番に絵面が制約される
漫画には、台詞を読む順番に制約があります。このせいで、他の部分にも色々な制約が出ています。
具体的に言うと、左綴じ（横書き）の作品では台詞は左から右の順番に読んでいくことになり、右綴じ（縦書き）の作品では台詞は右から左の順番に読んでいくことになるということです。
漫画は縦書き（右綴じ）のものの方が多数派だと思いますので、ここからはそれを前提に論を進めますが、左右を反転させればそのまま横書き（左綴じ）の漫画に適用できる話になるので、そのつもりでお読みください。
この図の通り、縦書きの漫画であれば右から左に台詞が読まれることになるため、最初に発言する人は漫画の右側に配置する必要があります。そのため、登場人物の立ち位置がどうしても台詞の順番に拘束されてしまうのです。
テレビ・舞台・アニメといった音があるメディアにおいては、下段のような立ち位置でも発声の順番で聞かせたい台詞の順番を自由にいじることができますが、漫画ではそれができないのです。
立ち位置だけであれば大した問題ではないとお考えになるかもしれませんが、台詞を読まれる順番というのは案外重要なもので、ボケより先にそのボケに対するツッコミを読まれたり、ボケより先にそのボケに先立つフリを読まれたりしたら、目も当てられない事態になってしまいます。
またコマが移った時に前のコマで最後にしゃべらせた人間をまたしゃべらせる時も、注意が必要です。
この図の下段のように台詞を書いてしまうと、読者は「異星か？」への返答である「そうだよ」を先に読んでしまいます。これを避けるにはどうすればいいでしょうか。上段のようにまたコマを分けるというのは一つの方法です。
この図の上段のように2コマ目で立ち位置を変えるという方法はありますが、これはなぜか漫画の世界では御法度とされています（恐らく急に位置だけ入れ替わると読者が違和感を覚えるから）ようなので、変えるのであれば下段のように漫画チックに大きく構図を変えていくのがいいでしょう。
また、立ち位置を入れ換えずにやるとすると、吹き出しの位置だけ入れ換えるという方法もありますが、これは分かりづらいので読者の誤解を招く危険性があります（特に、下段の図のような大声の吹き出しだと分かりにくいです）。あまりやらない方がいいでしょう。
また登場人物が3人・4人と増えていくと、更に制約は多くなっていきます。
2人の場合と比較しても更に目まぐるしく、台詞を読ませたい順番に応じて立ち位置を変える必要があります。他方で吹き出しの順番だけイジって対応するという手段も、2人の場合より更に分かりにくくなります。
そもそも多くの登場人物に目まぐるしく喋らせると、どの台詞を誰が喋っているのかがよく分からなくなってきます。吹き出しの中に話者の顔を書いたり、登場人物ごとにフォントを変えたりといった工夫はあり得ますが、それでも分かりにくいし、フォントは語調や声量を表す記号にもなるものであるため（大声に野太いフォントを使ったり、小声に情けないフォントを使ったり、おどろおどろしい声におどろおどろしいフォントを使ったりといったことです）、できることなら話者を明らかにするためだけにイジりたくはないものです。
このように漫画という表現手法、読者に正しい順番で台詞を呼んでもらおうとすると、どうしてもそのために登場人物の立ち位置が制約を受けてしまうという欠点があります。テレビ・舞台・アニメといった音のあるメディアでは、発声の順番がそのまま受け手が台詞を受容する順番であるため、登場人物の立ち位置は自由自在です。漫画は、そうはいかないのです。
具体的に言うと、左綴じ（横書き）の作品では台詞は左から右の順番に読んでいくことになり、右綴じ（縦書き）の作品では台詞は右から左の順番に読んでいくことになるということです。
漫画は縦書き（右綴じ）のものの方が多数派だと思いますので、ここからはそれを前提に論を進めますが、左右を反転させればそのまま横書き（左綴じ）の漫画に適用できる話になるので、そのつもりでお読みください。
この図の通り、縦書きの漫画であれば右から左に台詞が読まれることになるため、最初に発言する人は漫画の右側に配置する必要があります。そのため、登場人物の立ち位置がどうしても台詞の順番に拘束されてしまうのです。
テレビ・舞台・アニメといった音があるメディアにおいては、下段のような立ち位置でも発声の順番で聞かせたい台詞の順番を自由にいじることができますが、漫画ではそれができないのです。
立ち位置だけであれば大した問題ではないとお考えになるかもしれませんが、台詞を読まれる順番というのは案外重要なもので、ボケより先にそのボケに対するツッコミを読まれたり、ボケより先にそのボケに先立つフリを読まれたりしたら、目も当てられない事態になってしまいます。
またコマが移った時に前のコマで最後にしゃべらせた人間をまたしゃべらせる時も、注意が必要です。
この図の下段のように台詞を書いてしまうと、読者は「異星か？」への返答である「そうだよ」を先に読んでしまいます。これを避けるにはどうすればいいでしょうか。上段のようにまたコマを分けるというのは一つの方法です。
この図の上段のように2コマ目で立ち位置を変えるという方法はありますが、これはなぜか漫画の世界では御法度とされています（恐らく急に位置だけ入れ替わると読者が違和感を覚えるから）ようなので、変えるのであれば下段のように漫画チックに大きく構図を変えていくのがいいでしょう。
また、立ち位置を入れ換えずにやるとすると、吹き出しの位置だけ入れ換えるという方法もありますが、これは分かりづらいので読者の誤解を招く危険性があります（特に、下段の図のような大声の吹き出しだと分かりにくいです）。あまりやらない方がいいでしょう。
また登場人物が3人・4人と増えていくと、更に制約は多くなっていきます。
2人の場合と比較しても更に目まぐるしく、台詞を読ませたい順番に応じて立ち位置を変える必要があります。他方で吹き出しの順番だけイジって対応するという手段も、2人の場合より更に分かりにくくなります。
そもそも多くの登場人物に目まぐるしく喋らせると、どの台詞を誰が喋っているのかがよく分からなくなってきます。吹き出しの中に話者の顔を書いたり、登場人物ごとにフォントを変えたりといった工夫はあり得ますが、それでも分かりにくいし、フォントは語調や声量を表す記号にもなるものであるため（大声に野太いフォントを使ったり、小声に情けないフォントを使ったり、おどろおどろしい声におどろおどろしいフォントを使ったりといったことです）、できることなら話者を明らかにするためだけにイジりたくはないものです。
このように漫画という表現手法、読者に正しい順番で台詞を呼んでもらおうとすると、どうしてもそのために登場人物の立ち位置が制約を受けてしまうという欠点があります。テレビ・舞台・アニメといった音のあるメディアでは、発声の順番がそのまま受け手が台詞を受容する順番であるため、登場人物の立ち位置は自由自在です。漫画は、そうはいかないのです。
�４屬良集修�難しい
笑いでは「間」が大事です。同じ内容でも食い気味で言ったらおもしろくなるとか、少し間を開けてから言ったらおもしろくなるとか言ったことがいくらでもあります。
漫画でもこの「間」をこれを表現する方法はあります。食い気味の間を表現するときは吹き出しを吹き出しにかぶせたりしますし、間を開ける時は無言のコマを一つはさんだりします。
ただ飽くまで文字情報での表現でしかないので、この演出を使っても読者がどの程度食って読んでくれるか、どの程度の間を開けて読んでくれるかは分かりません。作者の想定した間で読者も読んでくれるかどうかは分からないのです。ここに齟齬があると、途端に笑いが崩れてしまうほど微妙なのが間というものなのです。
漫画でもこの「間」をこれを表現する方法はあります。食い気味の間を表現するときは吹き出しを吹き出しにかぶせたりしますし、間を開ける時は無言のコマを一つはさんだりします。
ただ飽くまで文字情報での表現でしかないので、この演出を使っても読者がどの程度食って読んでくれるか、どの程度の間を開けて読んでくれるかは分かりません。作者の想定した間で読者も読んでくれるかどうかは分からないのです。ここに齟齬があると、途端に笑いが崩れてしまうほど微妙なのが間というものなのです。
強み
ここまで散々漫画の弱点を書きましたが、漫画にも当然強みはあります。それは非現実的な絵面を低コストかつコミカルに表現できるということです。筆者の画力では表現しきれないのでイラスト化は避けますが、例えばテレビ・舞台のような実写のメディアで半魚人を出すと、着ぐるみの作製にかなりのコストがかかるうえにかなりグロテスクになってしまいますが、漫画・アニメのイラストであれば（画風にもよるでしょうが）ファンシーでコミカルなレベルに抑えることがうえに、絵を描けばいいだけなので着ぐるみ作製にかかるようなコストがかかりません。
また、さっきまで持ってなかったピコピコハンマーを次の場面でいきなり取り出すとか、いきなり空からクジラが落ちてくるとかいった絵面も、絵を描けばいいだけなので低コストで実現できます。それをやって本当におもしろいかどうかは考えないといけませんが、そういう絵面が実写のテレビ・舞台よりも簡単に表現できるというのは一つの強みなのです。
この利点を生かすためには、当然非現実的な絵面をきちんと描ける必要があるので、ギャグ漫画家がきちんと漫画という表現手法の利点を生かした漫画を描くには、やっぱり画力が必要なのです。ギャグ漫画にはストーリー漫画より画力が求められないというような風潮もあるような気がしますが、そんなことはないということです。山上たつひこ先生にも、吉田戦車先生にも確かな画力があります。
また、さっきまで持ってなかったピコピコハンマーを次の場面でいきなり取り出すとか、いきなり空からクジラが落ちてくるとかいった絵面も、絵を描けばいいだけなので低コストで実現できます。それをやって本当におもしろいかどうかは考えないといけませんが、そういう絵面が実写のテレビ・舞台よりも簡単に表現できるというのは一つの強みなのです。
この利点を生かすためには、当然非現実的な絵面をきちんと描ける必要があるので、ギャグ漫画家がきちんと漫画という表現手法の利点を生かした漫画を描くには、やっぱり画力が必要なのです。ギャグ漫画にはストーリー漫画より画力が求められないというような風潮もあるような気がしますが、そんなことはないということです。山上たつひこ先生にも、吉田戦車先生にも確かな画力があります。
アニメについて
ついでに述べると、アニメは「非現実的な絵面を低コストかつコミカルに表現できる」という手法は漫画と共通しています。また、音を使えるので��台詞の順番に画が制約される�４屬良集修�難しいというデメリットはありません。ただ、�．▲疋螢屬�ないという一番のデメリットは漫画と共通しています。
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