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ウィッチャー3 ワイルドハント

 ついにやりましたよ。「PS4の名作ゲーム」とか「おもしろいオープンワールドゲーム」とかを紹介する文脈では必ずと言っていいほど名前の挙がる作品だったので。やったのは、GAME OF THE YEAR EDITIONのバージョンです。

 中身は、オープンワールドのアクションRPGです。作中で「ウィッチャー」と呼称される魔物退治の専門家・ゲラルトを操って、行方不明になった娘のシリを探すというストーリーになっています。舞台は、中世ヨーロッパらしきものをベースにしたよくある洋風ファンタジーの世界になっています。Z指定だけあって、エログロ描写は頻繁に盛り込まれています。日本版は流石にエロに規制が入っていますが、グロの方は緩めで、欠損描写は普通に何度も見ることになります。登場する女性キャラが美女ぞろいというのもよく指摘されるところです。アメリカ製のゲームはポリコレ的な理由で登場人物を美男美女ばかりにできないという言説は、本当なんでしょうかね。このゲームは、ポーランドの会社が開発しています。

 それで、正直な感想は「こっちが事前に期待を高めすぎちゃったかしら」というものです。さすがに2015年発売のゲームを2020年にプレイしているので、あんまり目新しさを感じられないのは仕方ないと思います。オープンワールドはよくできていますが、開けた遠景があんまりないのは惜しいところです(なぜか木々に邪魔されて遠くまで見渡せない場所が多い気がします)。プレイヤーがはっと息を飲んでしまうような遠景は、大事だと思いますよ。ストーリーに強制的にそういう局面を入れ込んでまでプレイヤーに見せてやった方がいいと思います。
 戦闘は、あんまり楽しくありません。2〜3回斬りつけてはステップで距離をとるというのが基本的な戦法になりますが、こちらのレベルが圧倒的に高くない限り敵が妙に硬いので、上記の1セットを何度も繰り返す必要があり、ふとセミの抜け殻を噛み砕いているような徒労感に苛まれます。リアルを志向したのかもしれませんが、視覚的な効果も聴覚的な効果も弱めなのが良くないかもしれません。それにせっかくのファンタジーなんですから、もっとド派手な魔法とかがあっても良かったと思います。
 戦闘以上に機会が多いのはウィッチャーの鋭敏な感覚を用いての探索です。ウィッチャーは魔物退治の専門家なので、メインストーリーにしろサイドクエストにしろお客さんからの依頼を受けて魔物が暴れた現場を捜索するシチュエーションがたくさんあります。ミステリーのゲームのように現場を見て回ることになりますが、L2を押すと調べるべきところの色が変わって見えるようになるうえに推理要素も極めて稀薄なので、大しておもしろくありません。これを何度もやらされるのは骨が折れます。
 メインストーリーは、原作小説等々に触れていないと深く理解するのは難しいと思います。設定はちゃんとしたものがありそうですが、あんまり説明してくれません。
 サイドクエストも量は豊富で、(「龍が如く」シリーズのサブストーリーほどとは言いませんが)中身もひねりのあるものが多くなっています。ただ唐突に始まってなんだか分からないうちに失敗判定になってしまうこともあり、全部をやりたい人には不親切な仕様かと思われます。
 バフアイテムや装備品も種類は豊富ですが、メインは剣戟アクションになるので正直あんまり使いませんでした。所有アイテムが増えていくとインベントリが重くなり開いたり倉庫に移したり売ったりするだけでワンアクションごとに数秒かかるので結構イライラします。やたらとたくさんあるアイテムはインベントリにダーッと並んでいくので、いくらソートができても「たくさんある」という一点だけでだんだん管理がしづらくなっていきます(これでも、アップデートでだいぶマシになっているようですが)。私みたいに見つけたものはとりあえず拾っていくプレイスタイルだとインベントリがどんどん重くなって開くのが億劫になっていきます。

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