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発売直後に若干話題になっていた『キャプテン翼』のゲームです。PS4版をやりました。
メインコンテンツとなるストーリーモードは、原作主人公・大空翼が所属していた南葛中を操って中学の全国大会に挑む"EPISODE OF TSUBASA"と、プレイヤーがエディットで作る新規キャラを主人公に据えた"EPISODE OF NEW HERO"という2つのモードがあります。後者では、プレイヤーは主人公の所属中学を選ぶことになり、まずは日本での大会を通して日本代表に選ばれることが目標となります。選ばれた後は、日本代表チームの一員としてジュニアユースの世界大会に挑む展開になります。またこちらは、大会を通して主人公を成長させる育成ゲームの面も有しています(最終的に出来上がったキャラクターは新規キャラとして他のモードでも使えるようになります)。
"EPISODE OF TSUBASA"と、"EPISODE OF NEW HERO"の後半のジュニアユース編は、ストーリーが原作に準拠しているようですが、プレイ内容によっては異なる展開にもなる感じです(私は原作を読んでいないので、はっきりしたことは言えません)。
さて本作で一番話題になったのはそのゲーム性です。プレイ画面を瞥見しただけであればウイイレやFIFAシリーズのようなサッカーゲームにも見えてきますが、内容はまるで違います。実際は似ている部分もありますが、「まるで違う」という覚悟を持って臨まないとこのゲームをクソ認定してしまうような気がします。
そもそも原作からしてそうなのですが、我々が対峙する相手は「サッカー」という競技ではなく、「キャプテン翼」というオリジナルの競技だということを理解するところから始めないといけません。例えば、オフサイドはありますが、それ以外のファウルは一切ありません。相手の横や後ろからタックルしてもカードが出ることはおろか笛が吹かれることもありません。一流選手の打ったシュートはキーパーが捕球してから加速しますし、ときにキーパーの体を吹き飛ばしてゴールに入ったり、ゴールネットを突き破ったりすることもあります。そのため本作で有効な戦術は、「『サッカー』ではファウルになりそうな危険なタックルも辞さずにとにかくがむしゃらにボールを奪った後に、(上記のような人外じみた)シュートをバカスカ撃つ」というものになります。人外じみたシュートなので、打つ場所はあまりこだわらなくても大丈夫です。センターライン近くからでもコーナー近くの角度がない場所からでもさほど影響はありません。もたもたしていると相手からタックルが来るので、さっさと打った方がいい場合が多いです。
そしてそのような戦法をとっても、スコアは意外と常識的な範囲に収まります。乱打戦にはなかなかなりません。なぜかと言えば、キーパーも上記のようなスーパーシュートを止めてくる人外だからです。フィールドプレーヤーが人外なので、それを相手にするには人外じゃないと務まらないわけです。人外と人外が戦っているのが『キャプテン翼』なのです。
本作では、彼らの人外っぷりはスピリットゲージというもので表現されています。スピリットゲージは、上記のスーパーシュートやスーパーセーブを繰り出す際に消費するMPのようなもので、キーパーを含めた全選手に設定されています。ただキーパーに関して言えば、これを切らすとセーブができなくなるということなので、「体力」と理解して差し支えありません。そして強いキーパーほど防御力が高くてこのスピリットゲージがなかなか減らないのです。そういうキーパーを相手にするときは、人外シュートを何度も撃ってキーパーの体力をだんだん削っていく必要があります。
はい、そういうことです。そういう、ゲームなんです。 ちゃんとした「サッカー」をやるゲームではないのです。
ゆえに本作に「サッカー」を期待すると落胆が激しいと思います。本作はあくまで原作の「キャプテン翼」という競技をゲーム化したものだと思って見てください。ただ逆に、その視点で本作を見ると、「キャプテン翼」という競技をうまくゲームのシステムに落とし込めた良作だと言えると思います。そういう意味では原作再現度が高いのです。
グラフィックはアニメ絵が動く感じになっており、同じ会社の作ったドラゴンボールZ KAKAROTに似ています。ストーリーの原作再現度も高いらしいので、原作ファンは楽しめるかと思います。
あんまり重そうな内容ではないのに頻繁に入る細かなロード時間が若干長いことが気になりますが、全体的にはよくできていると思います。
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メインコンテンツとなるストーリーモードは、原作主人公・大空翼が所属していた南葛中を操って中学の全国大会に挑む"EPISODE OF TSUBASA"と、プレイヤーがエディットで作る新規キャラを主人公に据えた"EPISODE OF NEW HERO"という2つのモードがあります。後者では、プレイヤーは主人公の所属中学を選ぶことになり、まずは日本での大会を通して日本代表に選ばれることが目標となります。選ばれた後は、日本代表チームの一員としてジュニアユースの世界大会に挑む展開になります。またこちらは、大会を通して主人公を成長させる育成ゲームの面も有しています(最終的に出来上がったキャラクターは新規キャラとして他のモードでも使えるようになります)。
"EPISODE OF TSUBASA"と、"EPISODE OF NEW HERO"の後半のジュニアユース編は、ストーリーが原作に準拠しているようですが、プレイ内容によっては異なる展開にもなる感じです(私は原作を読んでいないので、はっきりしたことは言えません)。
さて本作で一番話題になったのはそのゲーム性です。プレイ画面を瞥見しただけであればウイイレやFIFAシリーズのようなサッカーゲームにも見えてきますが、内容はまるで違います。実際は似ている部分もありますが、「まるで違う」という覚悟を持って臨まないとこのゲームをクソ認定してしまうような気がします。
そもそも原作からしてそうなのですが、我々が対峙する相手は「サッカー」という競技ではなく、「キャプテン翼」というオリジナルの競技だということを理解するところから始めないといけません。例えば、オフサイドはありますが、それ以外のファウルは一切ありません。相手の横や後ろからタックルしてもカードが出ることはおろか笛が吹かれることもありません。一流選手の打ったシュートはキーパーが捕球してから加速しますし、ときにキーパーの体を吹き飛ばしてゴールに入ったり、ゴールネットを突き破ったりすることもあります。そのため本作で有効な戦術は、「『サッカー』ではファウルになりそうな危険なタックルも辞さずにとにかくがむしゃらにボールを奪った後に、(上記のような人外じみた)シュートをバカスカ撃つ」というものになります。人外じみたシュートなので、打つ場所はあまりこだわらなくても大丈夫です。センターライン近くからでもコーナー近くの角度がない場所からでもさほど影響はありません。もたもたしていると相手からタックルが来るので、さっさと打った方がいい場合が多いです。
そしてそのような戦法をとっても、スコアは意外と常識的な範囲に収まります。乱打戦にはなかなかなりません。なぜかと言えば、キーパーも上記のようなスーパーシュートを止めてくる人外だからです。フィールドプレーヤーが人外なので、それを相手にするには人外じゃないと務まらないわけです。人外と人外が戦っているのが『キャプテン翼』なのです。
本作では、彼らの人外っぷりはスピリットゲージというもので表現されています。スピリットゲージは、上記のスーパーシュートやスーパーセーブを繰り出す際に消費するMPのようなもので、キーパーを含めた全選手に設定されています。ただキーパーに関して言えば、これを切らすとセーブができなくなるということなので、「体力」と理解して差し支えありません。そして強いキーパーほど防御力が高くてこのスピリットゲージがなかなか減らないのです。そういうキーパーを相手にするときは、人外シュートを何度も撃ってキーパーの体力をだんだん削っていく必要があります。
はい、そういうことです。そういう、ゲームなんです。 ちゃんとした「サッカー」をやるゲームではないのです。
ゆえに本作に「サッカー」を期待すると落胆が激しいと思います。本作はあくまで原作の「キャプテン翼」という競技をゲーム化したものだと思って見てください。ただ逆に、その視点で本作を見ると、「キャプテン翼」という競技をうまくゲームのシステムに落とし込めた良作だと言えると思います。そういう意味では原作再現度が高いのです。
グラフィックはアニメ絵が動く感じになっており、同じ会社の作ったドラゴンボールZ KAKAROTに似ています。ストーリーの原作再現度も高いらしいので、原作ファンは楽しめるかと思います。
あんまり重そうな内容ではないのに頻繁に入る細かなロード時間が若干長いことが気になりますが、全体的にはよくできていると思います。
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