ゴッサム・ナイツ

　バットマンアーカムシリーズが「ナイト」で完結した後にリリースされた新たなバットマンのオープンワールドアクションRPGです。PS Plusのゲームカタログに追加されたのでやってみました。
　アーカムシリーズとは、直接の関連はありません。ただ本作の開発元は、アーカムシリーズの3作目（スピンオフ？）であり、アーカム4部作の中で一番評判の悪い「ビギンズ」と同じところ（WB Games Montreal）です。ちなみにのアーカムシリーズの1作目・2作目・4作目を開発したRocksteadyは、本作と同時並行で「スーサイド・スクワッド」というゲームを制作していました。本作がバットマンのサイドキックを主人公に据えたゲームなのに対して、「スーサイド・スクワッド」の方はバットマンの人気ヴィランを主人公にしたゲームです。両社の間でどういう話があったのかは分かりませんが、上記のような経緯があったため、本作は「スーサイド・スクワッド」と比較される形でその出来がなんとなあく不安視されていました。

　リリース直後は、この不安が的中したと言っていいでしょう。本作の出来は、「決してクソゲーではなく充分遊べるのだが、細かい粗の目立つ凡ゲーと良ゲーの間ぐらいの微妙なゲーム」という感じでした（※ただ、本作の後にリリースされた「スーサイド・スクワッド」の方も、結局本作以上に不評を集める出来になったようです）。とはいえ当然人によって気になる部分・気にならない部分は分かれてくると思われるので、あとは箇条書きにしておきます。

・コンソール版は30fps限定です。個人的にはそこまでグラフィックは気にしないのですが、リリース直後はこの点がかなり叩かれていました。
・日本語音声はなく、英語音声に日本語字幕のみです。私は英語音声の方が好きなので気にしませんが、致命的な弱点だと感じる人がいるのも分かります。
・日本語字幕は改行の位置が変で非常に読みづらいです。これは、擁護しようがありません。
・ストーリーは元からあってないようなものであるため、加点要素にも減点要素にもなりません。
・バットマンらしくワイヤーアクションでビルの谷間を飛んでいけるのですが、スパイダーマンシリーズと比べればAIがアホであり、全く意図していなかったところにワイヤーを飛ばす事故が結構な頻度で起きます。これも、擁護しようがありません。
・アーカムシリーズには完全なステルス態勢で攻略する必要のある局面がたまに挟まっていましたが、本作ではステルスはおまけ程度の要素でしかありません。ちょうどバイオRE4のステルスと同じくらいの位置付けです。マップの構成はそれほど練られておらず、「頑張れば最初から最後まで見付からずに全敵を始末できる」ということはほとんどありません。コソコソいけば最初の何体かをステルスで処理できるかな、という程度のものです。私はステルスアクションが好きなので残念でしたが、派手に戦うのが好きな人もいるでしょうから、ここは好みの問題です。
・肝腎要の戦闘も、なんとなく単調だという声があります。確かに敵の攻撃を避けながら殴っているだけなのですが、スパイダーマンシリーズやアーカムシリーズみたいな名作も基本的には一緒であり、私はそこまで違いはないと感じます。ただ、銃持ち、盾持ち、ドローン使いといった鬱陶しい敵をアーカムシリーズのように綺麗に処理する技がなく、ただ単に鬱陶しくなっているだけという気はしました。私がほぼバットガールしか使っていなかったためにそういう技を見つけられていないだけかもしれませんが、全員にあって然るべき技だとは思います。
・そのうえ難易度ミディアム（ノーマル相当）でも敵が固すぎて戦闘が長引き、ダレやすいという点は指摘できると思います。これは、本作に若干のハクスラ要素があり、常に装備をいいものに更新し続けていかないと、敵が相対的に固くなっていってしまうためです。ハクスラ嫌いの私からしてみればこの点はマイナスポイントでしかありませんが、ハクスラ好きの人からするとこういう仕様も楽しいのですかね。
・ミッション中の指示が曖昧かつあんまり細かく入らないので、次に何をすべきか、どこに行くべきかが分からず迷うことが何度もありました。アーカムシリーズもそういう傾向がありましたが、直して欲しいところです。

　そんなもんですかね。安く手に入るなら、やって損はないと思います。ちなみに無料アップデートで最大4人で協力プレイをしながら深いダンジョンに潜っていく「ヒロイック・アサルト」というモードが追加されていますが、こちらは完全なハクスラのコンテンツとなっています。すなわち、強装備がなければ技術があっても敵が固すぎてダレる、強装備を手に入れると途端に楽になる、というバランスどりです。無料なので好きな人だけやればいいでしょう。

追加DLCトロフィーコンプリートガイド

　まとまった情報がなかったので記しておきます。

トロフィーリスト

ヒロイックアサルト

	トロフィー名	条件文
ブロンズ	お上品なハンマー	決戦でハーレイ・クインを倒す
ブロンズ	アイスブレーカー	決戦でミスター・フリーズを倒す
ブロンズ	メカでも大したことない	決戦でメカ・フリーズを倒す
ブロンズ	これが芸能界	決戦でクレイフェイスを倒す
ブロンズ	心の中の悪魔と向き合え	決戦でタリア・アル・グールを倒す
シルバー	頂上決戦	すべてのヴィランの決戦を完了する
ゴールド	ゴッサムの最深部	ヒロイックアサルトで30フロアをクリアし、宇宙からの脅威を追放する

ケルビン事件

	トロフィー名	条件文
ブロンズ	ハンマーとアイシクル	ブラックゲート刑務所でミスター・フリーズと予想外の仲間たちを倒す
ブロンズ	犯罪はやらなきゃもったいない	下水道を探索し、クレイフェイスの傑作を破壊する
ゴールド	冷たく、悪賢く、醜い三悪人	S.T.A.R.ラボでハーレイ・クインの壮大な立てこもりを阻止する
ブロンズ	再生可能エネミー	スーパーチャージ状態の犯罪者を75回倒す
シルバー	ご指名のお相手	ケルビン事件でゴッサム最重要指名手配犯をそれぞれ倒す
シルバー	エレメントサプライズ	エレメンタル効果の弱点を使ってスーパーチャージ状態の犯罪者を50回倒す

流れ

　無料DLCのコンテンツは大きく分けると「決戦」と「ヒロイック・アサルト」（ケルビン事件は、ヒロイック・アサルトの一部）であり、いずれも本編ストーリーをある程度のところまで進めるとアクセスできるようになる。
　「決戦」は本編のボス5体（①ミスター・フリーズ②メカ・フリーズ③ハーレイ・クイン④クレイフェイス⑤タリア・アル・グール）の強化版それぞれと再戦できるコンテンツである。NG+なら、ベルフライ（拠点）に到達したタイミングから挑めるようになるはずである。強化版といってもステータスが強化されているだけで、立ち回りには違いがないはずである。ベルフライの出入口向かって左側に置いてある各ボスの武器のフィギュアにインタラクトすると始められる。なおわりと強いうえに固くてダレるので、設定難易度をベリーイージーまで下げた方がよい。また、ヒロイック・アサルトをある程度進めて装備を整え、推奨ステータス（前記の武器のフィギュアにインタラクトすると戦闘開始前に確認できる）に達してから始めた方が良い。
　ヒロイック・アサルトの方は、全30階層のフロアを敵と戦闘しながら進めていくハクスラモードである。本編マップの北部に入口があり、ここに一度赴くとメニュー画面から直接始められるようになる。「スターロ」と「ケルビン事件」の2種があり、前者がDLC第1弾、後者が第2弾である。ケルビン事件はスターロよりも難度が高いので、素直にスターロから始めるとよい。
　いずれにせよハクスラなので、敵がドロップする装備品を集めて自キャラを強化しつつ進んでいくことになる。30階層を通しでクリアしなければならないわけではなく、1階層クリアするごとにセーブされ拠点に帰ってくるのでご安心あれ。なおケルビン事件の方は、全15階の追加階層である。前述の通りスターロよりも難度が高く、実質的に31階～45階に当たると思ってよい。基本的にやることは変わりはない。
　なお最高4人でのオンライン協力プレイが可能であるが、ソロでも十分攻略可能な難易度である。ただし、私は難易度をずっとベリーイージーにしてプレイしていた（この難易度の設定がヒロイック・アサルトにも反映されるのかは不明。また設定難易度が違うプレイヤー同士がオンライン協力プレイをしたときにどのようになるのかも不明）。

　ヒロイック・アサルトは本編をクリアしていることが前提の難易度になっているため、少なくとも本編トロフィーをコンプリートしてから始めた方がよい。NG+をある程度やっていれば、キャラクターのレベルは上限の40に達しており、装備品もレベル45～50あたりの物が揃っているはずである。

　なお決戦でもヒロイック・アサルトでもお勧めキャラクターはバットガールである。ザコを倒すとHPを一定量回復するスキル、HPが尽きても最大2度まで復活できるスキル（セカンドウィンド）を持っており、長期戦における継戦能力が非常に高い。特に本作のボス戦ではほぼ例外なく無限湧きのザコがいるため、定期的にHPを回復できる。ただ私はバットガール以外のキャラクターをほとんど使っていないので、他のキャラにも似たようなスキル持ちがいるかもしれない。

トロフィー各論

お上品なハンマー～頂上決戦

　決戦の5体のボスを倒すと手に入る。強装備さえ揃えてステータスの暴力で殴っていけば属性の相性等はそこまで考慮する必要はない。

ゴッサムの最深部

　ヒロイック・アサルトの30階をクリアすると獲得できる。時間がかかるうえに同じことの繰り返しなのでソロでやっているとダレるが、根気さえあればクリアできる。

ハンマーとアイシクル～冷たく、悪賢く、醜い三悪人

　ケルビン事件の全15階層をクリアすると獲得する。
・5階（メカ・フリーズ及びハーレイとの同時戦闘）クリアで「ハンマーとアイシクル」獲得
・10階（ミスター・フリーズ及びクレイフェイスとの同時戦闘）クリアで「犯罪はやらなきゃもったいない」獲得
・15階（ミスター・フリーズ、ハーレイ及びクレイフェイスとの戦闘。最初はハーレイ単体との戦闘であり、一定時間経過（あるいはハーレイのHP一定値以下？）でフリーズが参戦し、どちらかを倒すとクレイフェイスが参戦してくる）クリアで「冷たく、悪賢く、醜い三悪人」
　なおいずれのボス戦も第2形態やこのモードオリジナルの裏ボス等の隠し玉は存在せず、画面に表示される各ボスの体力ゲージを削り切ればクリアとなるので安心してほしい。

再生可能エネミー

　ケルビン事件には、球状のオーラ（赤・白・青・雷の4種？）を身にまとった敵がたまに出てくる。これがスーパーチャージ状態であり、この敵を75体倒せばよい。なお後述するとおり弱点属性を用いればこのオーラを消すことが可能であるが、ごり押した方が早く倒せる。

ご指名のお相手

　ケルビン事件には、固有名を持っているザコ（名前が画面上に表示される）が出てくる。そのザコを全種倒すと本トロフィーを獲得できる。誰がどの階層に出現するかは決まっているようであるが、ソロで14階までクリアすれば本トロフィーを獲得できるはずである。ただ自分でトドメを刺さないと倒したとカウントされないようなので、協力プレイをしていると結構ややこしいことになる。

エレメントサプライズ

　前述の球状のオーラを弱点属性で累計50回消すと獲得できる。オーラを消す前にその敵を倒してしまうとカウントされないらしい。近接攻撃だとオーラを消す前に敵のHPが無くなってしまうことが多いと思われるので、属性攻撃付きの遠距離武器で攻撃するとよい。それでも威力が高すぎるようであれば、敢えて威力の低い遠距離武器を作成・装備するべし。

　なおオーラと弱点属性の対応は以下。氷属性で消せるオーラはない。
　赤←酸属性
　白←雷属性
　青←炎属性
　雷←スタン属性

　私は何となく一番見かける気がした赤オーラに酸属性の遠距離武器を投げ続けていた。数を稼ぐ場合は、「発電機を修復しろ」というミッションのマップがおすすめである。このマップでは発電機を修復せずに戦闘し続けていると無限にザコが湧いてくるので、それを利用するのである。

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