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メトロイドヴァニアの名作として各所で評判が良かったので、ゲームカタログに追加されたのを機に手を出してみました。
「プリンス オブ ペルシャ」といえば1989年に発売された2Dアクションゲームが高名(日本では1992年に発売されたスーパーファミコンへの移植版が特に著名ですが、原作とはほぼ別物と言えるほど作り替えられているそうです)でありますが、その流れを汲む作品です。ちなみにこの89年版も92年スーファミ版も、複雑な宮殿が舞台ではありますが、基本的には一本道であり、メトロイドヴァニアとは言いづらい作品に仕上がっています。
その後シリーズの権利をユービーアイソフトが買い取り、ちょこちょこと新作が作られていた中で、2024年にリリースされたのが本作と言うことになります。私がシリーズの過去作をプレイしたことがない(92年スーファミ版を弟がやっていたのをちらっと見たような記憶はあります)ので、各作品にストーリー的なつながりがあるのかどうかは分かりませんが、本作のストーリーは本作単体だけで理解できるようになっています。
さてメトロイドヴァニアとしては、非常に質が高いです。アクションゲームの醍醐味と言えばアスレチック(プラットフォームアクション)とボス戦になるかと思いますが、そのどちらもが、失敗しても再チャレンジしたくなる絶妙な難易度に調整されています。難易度の設定自体も細やかにいじることが可能で、上げればボス戦はほとんど死にゲーになりますし、下げればこの手のゲームが苦手な方でもそれなりに食らいついていけるようになります。あとは、砂と熱に塗れていそうな古代ペルシャのフレーバーを気に入れるかどうかでしょう。ちなみにフレーバーに関していえば、私は「フィスト紅蓮城の闇」の方が好きでした。ただ、ここは多分に好みの問題です。
唯一難点を挙げるとすれば、以下の点です。クラッシュ4でも同じことを言いましたが、本作のプラットフォームアクションには、操作の難易度云々以前に頭(と手)を使って試行錯誤しながら手順を考えないと突破できない局面が多々出現します(特に終盤や追加DLCといった高難度の舞台で顕著)。そして、ようやっと正解を導き出したとしても、その正解の手順がかなり複雑で覚えるのも難しい場合が多いです。試行錯誤をしなければならないということは、自分と主人公の体力を削りながら何度も失敗を重ねていく必要があるということですが、最終的にしくじった場合に戻される距離が長く、区間Aを度重なる試行錯誤の末抜けたとしても、区間Bや区間Cでしくじったら、また区間Aからやり直しということになってしまいがちなのです。そうなると区間Bや区間Cで試行錯誤をするにはまた長くて複雑な操作手順を履践して区間Aを抜ける必要があり、面倒なのです。この面倒さが区間Bや区間Cでの自由な試行錯誤を妨げているのです。
ゆえに、戻される距離をもっと短くする(=チェックポイントをもっと細かく入れる)か、体力を削らずに自由に試行錯誤ができる練習モードみたいなのを実装するといった工夫を施して、快適な試行錯誤を可能にすべきだったと言えましょう。
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「プリンス オブ ペルシャ」といえば1989年に発売された2Dアクションゲームが高名(日本では1992年に発売されたスーパーファミコンへの移植版が特に著名ですが、原作とはほぼ別物と言えるほど作り替えられているそうです)でありますが、その流れを汲む作品です。ちなみにこの89年版も92年スーファミ版も、複雑な宮殿が舞台ではありますが、基本的には一本道であり、メトロイドヴァニアとは言いづらい作品に仕上がっています。
その後シリーズの権利をユービーアイソフトが買い取り、ちょこちょこと新作が作られていた中で、2024年にリリースされたのが本作と言うことになります。私がシリーズの過去作をプレイしたことがない(92年スーファミ版を弟がやっていたのをちらっと見たような記憶はあります)ので、各作品にストーリー的なつながりがあるのかどうかは分かりませんが、本作のストーリーは本作単体だけで理解できるようになっています。
さてメトロイドヴァニアとしては、非常に質が高いです。アクションゲームの醍醐味と言えばアスレチック(プラットフォームアクション)とボス戦になるかと思いますが、そのどちらもが、失敗しても再チャレンジしたくなる絶妙な難易度に調整されています。難易度の設定自体も細やかにいじることが可能で、上げればボス戦はほとんど死にゲーになりますし、下げればこの手のゲームが苦手な方でもそれなりに食らいついていけるようになります。あとは、砂と熱に塗れていそうな古代ペルシャのフレーバーを気に入れるかどうかでしょう。ちなみにフレーバーに関していえば、私は「フィスト紅蓮城の闇」の方が好きでした。ただ、ここは多分に好みの問題です。
唯一難点を挙げるとすれば、以下の点です。クラッシュ4でも同じことを言いましたが、本作のプラットフォームアクションには、操作の難易度云々以前に頭(と手)を使って試行錯誤しながら手順を考えないと突破できない局面が多々出現します(特に終盤や追加DLCといった高難度の舞台で顕著)。そして、ようやっと正解を導き出したとしても、その正解の手順がかなり複雑で覚えるのも難しい場合が多いです。試行錯誤をしなければならないということは、自分と主人公の体力を削りながら何度も失敗を重ねていく必要があるということですが、最終的にしくじった場合に戻される距離が長く、区間Aを度重なる試行錯誤の末抜けたとしても、区間Bや区間Cでしくじったら、また区間Aからやり直しということになってしまいがちなのです。そうなると区間Bや区間Cで試行錯誤をするにはまた長くて複雑な操作手順を履践して区間Aを抜ける必要があり、面倒なのです。この面倒さが区間Bや区間Cでの自由な試行錯誤を妨げているのです。
ゆえに、戻される距離をもっと短くする(=チェックポイントをもっと細かく入れる)か、体力を削らずに自由に試行錯誤ができる練習モードみたいなのを実装するといった工夫を施して、快適な試行錯誤を可能にすべきだったと言えましょう。
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