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メタファーだけでペルソナシリーズを測るのはいかがなものかと思っていたので、ゲームカタログに追加されたタイミングでやってみました。なお無印はやったことがありません。
結論から言うと、ゲームシステムは当然ながらメタファーにそっくりでした(本作の方が先に世に出ているのでこの言い方も妙ではありますが)。ただ、私個人としてはメタファーの方が楽しめました。
メタファーと本作を両方やってようやく私の中でもクリアになってきたのですが、本シリーズの特徴は、仲間との交流というADV的な部分にかなりの比重を割いたコマンドRPGであるということかと思われます。そしてこの仲間との交流がパーティの強化に直結している(仲間との親密度を上げたり色々なイベントをこなしたりすることで各種パラメータが上がったり新たな技を覚えたりします)ので、ADV部分のプレイを避けては通れません。
メタファーも、本作も、ADVの部分を抜きにするとゲームバランス等々は手堅くまとまった良コマンドRPGになります。一応ダンジョンの攻略時はアクション操作や謎解きも必要にはなりますが、どれも単独で売り物になるほどのクオリティにはなっていません。ちょっとした賑やかし程度のものです。全体的にシャレオツな各種の演出はハマる人にはハマるのでしょうが、その一方でグラフィックの質はそれなりです。というわけで、やっぱり本作で楽しむべきゲーム性はコマンドRPGの部分になるのだと思います。そしてメタファーの稿でも述べていますが、私は、コマンドRPGというものの楽しさはその時々の敵に応じて最適な戦略を自分で考え出すパズルゲーム的な試行錯誤にあると思っています。ただ本作は、メタファーとは異なり、いつでもワンボタンで戦闘を最初からやり直すということもできなかったので、快適な試行錯誤が可能な環境整備がまだまだだと感じました。加えて、特に強敵相手の戦闘は長引きがちで作業的になってしまうという問題点の方はメタファーと共通していました。
さてそのあたりはコマンドRPGとしての本作の特徴ですが、前述の通りADV部分のプレイを避けては通れない以上、本作を語る上で一番大事なのはストーリーになってきます。ただ純粋に楽しめない部分が多かったので、私が問題に感じた部分を箇条書きにしておきます。
・そもそもパーティの強化につながる各キャラとの親密度上げは各キャラごとに(メインストーリーとは別に)用意されたサブストーリー的な内容になっている。このサブストーリーは、良く言えばベタ、悪く言えば陳腐であり、分かりやすい悪役が登場し、それを主人公陣営の特殊能力で成敗して終わり、みたいな水戸黄門的ワンパターンに陥っている。そのため、はっきり言って退屈である。15人以上いる仲間キャラ全てのサブストーリーでこんな感じであり、ウィッチャー3や龍が如くシリーズのサブストーリーで見られるような捻りもどんでん返しもほとんどない。パーティ強化のために見ることを強制されるからには、もっと全体的なクオリティをブラッシュアップして欲しい。
・メインストーリーの方の問題点として、メタファーでも感じたことであるが、そもそも本作独自の特殊設定が多すぎて全容の把握が困難である。敢えて分かりにくい作りにする作品もあるのではあるが、本作のような痛快復讐譚の側面が強いお話(大衆からの人気を得た主人公陣営が一度どん底に突き落とされ、そこからまた這い上がるストーリーラインはメタファーとほぼ同じ)を敢えて分かりにくくすべきだとは思えない。プレイヤーには、すんなりと気持ちよくなってもらうべきである。加えて言うなれば、特殊設定が多すぎるとご都合主義的な匂いも強くなってしまうものである。特にピンチに陥った主人公を助けようとするたびに主人公に有利な新たな特殊設定を足していくのはご都合主義の極致であり、下手なシナリオライターのやり口である。特殊設定は少な目に抑えてそれをどうやって自分に有利なように活かすのかを主人公たちに頭で考えさせた方がよい。「その設定にそんな使い方があったのか!」という感動は、確実に受け手に刺さる。設定が多すぎると、そういう展開を見せても感動できず、「そもそもそんな設定あったっけ?」という感想になってしまうのである。
・この分かりにくさが最大値に達するのが(本作の一番の読ませ所だと作り手側が考えていそうな)「主人公陣営が逆に明智をハメた」という展開の部分である。この策略については、基本的に延々台詞という文字での説明が為されるばかりであり、実際に作中で誰がどういうことをやったのかが極めて分かりにくい。簡単に言うと、新島冴の手で主人公の携帯電話を見せ、その携帯電話を通して明智をイセカイに入らせて、『認知上の主人公』(本作独自の用語。イセカイに現れる主人公の幻影のようなもの)を殺させたというのが大まかな策の流れである。ただそもそも携帯電話にどういう操作をすればイセカイに入れるのか、認知上の主人公が明智に見える条件はどのようなものなのか、新島冴が明智に主人公の携帯を見せるタイミングをどうやって合わせたのかといったあたりの説明が乏しいので、ご都合主義的にうまくいってしまったようにしか見えない。結果的に、画で説明しようとするとかなり成功率の低そうな作戦だということがバレてしまうので、文字での説明に止めて誤魔化したという印象を受けてしまうのである。
・本シリーズの伝統ではあるが、主人公はプレイヤーが名前を自由に決められるプレイヤー自身の分身なので、基本的にしゃべらない。ただしゃべらないせいで要所要所での感情が非常に分かりにくく、こちらとしても感情移入が難しい(他のキャラクターがよくしゃべることもあり、相対的にも何も思っていないように見えてしまう)。主人公は作中で本作の黒幕の一人である獅童から冤罪を被せられて転校までさせられるというかなり理不尽な仕打ちを受けているのではあるが、しゃべらないせいでその因縁をあまり気にせずに飄々としているようにも見えてしまう。主人公をプレイヤーの分身にするのであれば重要な局面での選択はその時プレイヤー本人が覚えた感情に委ね、できるだけ様々なパターンの感情に対応するためにもっと選択肢やストーリー分岐を充実させるべきだと考えられるが、本作のストーリーは全体的に一本道であり、要所要所で主人公が持ったであろう感情についても作り手が事前に敷いたレールの上に乗っかることが要求される。会話時の選択肢も、実質的には同じ意味のものが並んでいる中から選ばされる(=選択肢を設けることにあまり意味がない)局面が多い。故に、本作の一本道なストーリーとしゃべらない主人公という設定は、食い合わせが悪いと言わざるを得ない。なお主人公はアニメ版ではしゃべっているようなので、ストーリーを一本道にするのであればもっとガンガンしゃべらせる手もあったと思う。
・主人公の両親が影も形もなく、そのことに大した説明もないので、やっぱり主人公が自分が孤児であることを気にしていないサイコパスに見えてしまう。それがやはり主人公という人間への感情移入を妨げるので、獅童の対決の際にも熱くなれない。
・佐倉惣治郎が主人公を預かった理由もあんまりはっきりしない。そのうえ自分で預かっておきながらあんなに主人公のことを邪険に扱う理由も、実はあんまりはっきりしない。そのせいで惣治郎が事件に巻き込まれて色々と被害を受けてもやっぱり可哀想だと思えず、燃えない。
・竜司の言動がバカすぎるうえに、高い隠密性が求められる活動をしているはずなのに声もでかすぎるので、イライラする。
・獅童は表向きは国政選挙に立候補している候補者なのに、主人公と二度目に会った時や選挙演説後に主人公陣営に絡まれた時など、他の人の目もある場所で悪態をつきすぎである。第三者の目がある場であれば、普通は善人を装うであろう。この描写のせいでただのバカにも見えてきてしまうので、悪役としての叩き甲斐が減衰している。
・色々な仲間の力を結集して巨悪に立ち向かうアヴェンジャーズ的な展開は個人的には大好きなのであるが、本作ではメタファーほど熱狂できなかった。主人公陣営の人間が10代の学生ばかりで属性に多様性が無かったのが一因である。また、主人公陣営の中でのいがみ合いも大して描かれておらず、フリが弱かったのが今一つの原因である。メタファーは、実に色々な背景の実に色々な種族が、当初は本気でいがみ合いつつも最終的に共通の敵の打倒のために団結をしたから感動的だったのである。
・池田秀一はやっぱりそんなに巧くないと思う。
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結論から言うと、ゲームシステムは当然ながらメタファーにそっくりでした(本作の方が先に世に出ているのでこの言い方も妙ではありますが)。ただ、私個人としてはメタファーの方が楽しめました。
メタファーと本作を両方やってようやく私の中でもクリアになってきたのですが、本シリーズの特徴は、仲間との交流というADV的な部分にかなりの比重を割いたコマンドRPGであるということかと思われます。そしてこの仲間との交流がパーティの強化に直結している(仲間との親密度を上げたり色々なイベントをこなしたりすることで各種パラメータが上がったり新たな技を覚えたりします)ので、ADV部分のプレイを避けては通れません。
メタファーも、本作も、ADVの部分を抜きにするとゲームバランス等々は手堅くまとまった良コマンドRPGになります。一応ダンジョンの攻略時はアクション操作や謎解きも必要にはなりますが、どれも単独で売り物になるほどのクオリティにはなっていません。ちょっとした賑やかし程度のものです。全体的にシャレオツな各種の演出はハマる人にはハマるのでしょうが、その一方でグラフィックの質はそれなりです。というわけで、やっぱり本作で楽しむべきゲーム性はコマンドRPGの部分になるのだと思います。そしてメタファーの稿でも述べていますが、私は、コマンドRPGというものの楽しさはその時々の敵に応じて最適な戦略を自分で考え出すパズルゲーム的な試行錯誤にあると思っています。ただ本作は、メタファーとは異なり、いつでもワンボタンで戦闘を最初からやり直すということもできなかったので、快適な試行錯誤が可能な環境整備がまだまだだと感じました。加えて、特に強敵相手の戦闘は長引きがちで作業的になってしまうという問題点の方はメタファーと共通していました。
さてそのあたりはコマンドRPGとしての本作の特徴ですが、前述の通りADV部分のプレイを避けては通れない以上、本作を語る上で一番大事なのはストーリーになってきます。ただ純粋に楽しめない部分が多かったので、私が問題に感じた部分を箇条書きにしておきます。
・そもそもパーティの強化につながる各キャラとの親密度上げは各キャラごとに(メインストーリーとは別に)用意されたサブストーリー的な内容になっている。このサブストーリーは、良く言えばベタ、悪く言えば陳腐であり、分かりやすい悪役が登場し、それを主人公陣営の特殊能力で成敗して終わり、みたいな水戸黄門的ワンパターンに陥っている。そのため、はっきり言って退屈である。15人以上いる仲間キャラ全てのサブストーリーでこんな感じであり、ウィッチャー3や龍が如くシリーズのサブストーリーで見られるような捻りもどんでん返しもほとんどない。パーティ強化のために見ることを強制されるからには、もっと全体的なクオリティをブラッシュアップして欲しい。
・メインストーリーの方の問題点として、メタファーでも感じたことであるが、そもそも本作独自の特殊設定が多すぎて全容の把握が困難である。敢えて分かりにくい作りにする作品もあるのではあるが、本作のような痛快復讐譚の側面が強いお話(大衆からの人気を得た主人公陣営が一度どん底に突き落とされ、そこからまた這い上がるストーリーラインはメタファーとほぼ同じ)を敢えて分かりにくくすべきだとは思えない。プレイヤーには、すんなりと気持ちよくなってもらうべきである。加えて言うなれば、特殊設定が多すぎるとご都合主義的な匂いも強くなってしまうものである。特にピンチに陥った主人公を助けようとするたびに主人公に有利な新たな特殊設定を足していくのはご都合主義の極致であり、下手なシナリオライターのやり口である。特殊設定は少な目に抑えてそれをどうやって自分に有利なように活かすのかを主人公たちに頭で考えさせた方がよい。「その設定にそんな使い方があったのか!」という感動は、確実に受け手に刺さる。設定が多すぎると、そういう展開を見せても感動できず、「そもそもそんな設定あったっけ?」という感想になってしまうのである。
・この分かりにくさが最大値に達するのが(本作の一番の読ませ所だと作り手側が考えていそうな)「主人公陣営が逆に明智をハメた」という展開の部分である。この策略については、基本的に延々台詞という文字での説明が為されるばかりであり、実際に作中で誰がどういうことをやったのかが極めて分かりにくい。簡単に言うと、新島冴の手で主人公の携帯電話を見せ、その携帯電話を通して明智をイセカイに入らせて、『認知上の主人公』(本作独自の用語。イセカイに現れる主人公の幻影のようなもの)を殺させたというのが大まかな策の流れである。ただそもそも携帯電話にどういう操作をすればイセカイに入れるのか、認知上の主人公が明智に見える条件はどのようなものなのか、新島冴が明智に主人公の携帯を見せるタイミングをどうやって合わせたのかといったあたりの説明が乏しいので、ご都合主義的にうまくいってしまったようにしか見えない。結果的に、画で説明しようとするとかなり成功率の低そうな作戦だということがバレてしまうので、文字での説明に止めて誤魔化したという印象を受けてしまうのである。
・本シリーズの伝統ではあるが、主人公はプレイヤーが名前を自由に決められるプレイヤー自身の分身なので、基本的にしゃべらない。ただしゃべらないせいで要所要所での感情が非常に分かりにくく、こちらとしても感情移入が難しい(他のキャラクターがよくしゃべることもあり、相対的にも何も思っていないように見えてしまう)。主人公は作中で本作の黒幕の一人である獅童から冤罪を被せられて転校までさせられるというかなり理不尽な仕打ちを受けているのではあるが、しゃべらないせいでその因縁をあまり気にせずに飄々としているようにも見えてしまう。主人公をプレイヤーの分身にするのであれば重要な局面での選択はその時プレイヤー本人が覚えた感情に委ね、できるだけ様々なパターンの感情に対応するためにもっと選択肢やストーリー分岐を充実させるべきだと考えられるが、本作のストーリーは全体的に一本道であり、要所要所で主人公が持ったであろう感情についても作り手が事前に敷いたレールの上に乗っかることが要求される。会話時の選択肢も、実質的には同じ意味のものが並んでいる中から選ばされる(=選択肢を設けることにあまり意味がない)局面が多い。故に、本作の一本道なストーリーとしゃべらない主人公という設定は、食い合わせが悪いと言わざるを得ない。なお主人公はアニメ版ではしゃべっているようなので、ストーリーを一本道にするのであればもっとガンガンしゃべらせる手もあったと思う。
・主人公の両親が影も形もなく、そのことに大した説明もないので、やっぱり主人公が自分が孤児であることを気にしていないサイコパスに見えてしまう。それがやはり主人公という人間への感情移入を妨げるので、獅童の対決の際にも熱くなれない。
・佐倉惣治郎が主人公を預かった理由もあんまりはっきりしない。そのうえ自分で預かっておきながらあんなに主人公のことを邪険に扱う理由も、実はあんまりはっきりしない。そのせいで惣治郎が事件に巻き込まれて色々と被害を受けてもやっぱり可哀想だと思えず、燃えない。
・竜司の言動がバカすぎるうえに、高い隠密性が求められる活動をしているはずなのに声もでかすぎるので、イライラする。
・獅童は表向きは国政選挙に立候補している候補者なのに、主人公と二度目に会った時や選挙演説後に主人公陣営に絡まれた時など、他の人の目もある場所で悪態をつきすぎである。第三者の目がある場であれば、普通は善人を装うであろう。この描写のせいでただのバカにも見えてきてしまうので、悪役としての叩き甲斐が減衰している。
・色々な仲間の力を結集して巨悪に立ち向かうアヴェンジャーズ的な展開は個人的には大好きなのであるが、本作ではメタファーほど熱狂できなかった。主人公陣営の人間が10代の学生ばかりで属性に多様性が無かったのが一因である。また、主人公陣営の中でのいがみ合いも大して描かれておらず、フリが弱かったのが今一つの原因である。メタファーは、実に色々な背景の実に色々な種族が、当初は本気でいがみ合いつつも最終的に共通の敵の打倒のために団結をしたから感動的だったのである。
・池田秀一はやっぱりそんなに巧くないと思う。
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