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メトロイド ドレッド

 SEKIROから死にゲーの沼にハマり、色々とやり漁った私が次に辿り着いた沼がメトロイドヴァニアでした。元々ソウルシリーズは、「3Dメトロイドヴァニア」と言ってもいいくらいメトロイドヴァニアとは類似点があるので、この流れも自然なものでしょう。

ソウルシリーズメトロイドヴァニアの類似点
・ひとつながりの複雑で入り組んだマップと、そこに点在する数々のアイテムたち。それらを探索する楽しさ
・マップを探索し、ボスを倒しながら、レベルを上げたり新たな技や能力を習得したりして、段々と主人公を強くしていく
・全体的な難度が高め。特にボスが強め

 そんな中で本家本元のメトロイドの新作が発売されるというので手を出してみたわけです。
 うんまあ、普通におもしろかったですよ。メタスコア80点台後半のお手本のような出来でした。
 本家にこの言い方をするのも妙ですが、メトロイドヴァニアのツボは全部押さえています。私はメトロイドシリーズをプレイするのは初めてだったので、シリーズの他作品がどうなっているのかは分かりませんが、本作の特徴を箇条書きにしておきます。
・複雑で入り組んだマップ。
・マップはいくつかのエリアに分かれており、エリア間を移動する際はわりと長めのロード時間を挟む
・エリアを1つずつクリアしていく感じではなく、色々なエリアを行ったり来たりすることになる。
・ボス戦の難度は高めだが、フロム死にゲーほどではない。ロード時間中のTIPSにも表示されるが、避けられない攻撃はなく、対戦しているボスの全ての攻撃の避け方を覚えてしまえばあとはなんということはない。ここに更にフェイントみたいな要素を入れてもう一段階難しくしてくるのがフロム死にゲーである。
・また倒すべきボスの中にE.M.M.I.という敵が7体いる。一部エリアを除き、基本的には各エリアに1体ずついる。素の状態では倒せないのでこいつが出没するエリアでは逃げ回ったり隠れてやり過ごしたりするしかないのだが、E.M.M.I.が出るエリアに1つずつ設置されている対抗手段を手に入れると倒せるようになる。ただしこの対抗手段は使い捨てなので、別のエリアのE.M.M.I.を倒すにはそのエリアでまた別途手に入れる必要がある。逃げ回るしかないうちは自由な探索もできないのでかなりストレスが溜まるが、立場が逆転してE.M.M.I.を倒せた時のカタルシスはなかなかのものである。ただそれに先立つストレスの方が大きいという人もいると思う。そこは好みが分かれるだろう。E.M.M.I.との戦闘は全部似たような感じになるので飽きが来るという人もいると思う。ただE.M.M.I.以外のボスも数が少ないわけではない。
・レベルの概念はない。主人公サムスの強化は新技や新装備の習得のみで行う。
・落ちているアイテムも基本的には主人公を恒久的に強化するもの(体力の最大値か、弾薬の所持数の最大値を上げるもの)ばかり。その他のもの(お金・消費アイテム・クラフト素材的なアイテム・一時的な強化アイテム等)は一切ない。そもそも売買やクラフトといった概念はこのゲームにはない。
・敵の一撃は重いが、その分サムスの体力も多いというバランスのとり方になっている。
・ストーリーは、シリーズの先発作を一切やっていない私には理解が難しかった。基礎知識があった方が理解は早いだろうが、任天堂らしくストーリーそれ自体があんまり重視されてはいないので、さほど気にしなくてもよい。
・ボリュームは少ない。1周は初見でもちゃっちゃかやれば10時間を切れる。迷いながら虱潰しに探索をしたとしても20時間もいかないだろう(完璧主義の私が、マップの全てのマスを塗りつぶすようなプレイをしてもクリア時間は15時間台だった。また参考ながら、隠し要素の入手のために求められるクリア時間は4時間である)。一応1周目のクリア後はハードモードが解禁され、前述のタイムアタック要素もあるため、何周もすればそれなりに時間はつぶせるが、逆に言うとそういう遊び方が前提のボリュームに収まっている。

 さあて、これ以降他のメトロイドヴァニアにどんどん手を出してみようと思います。ちょっと調べただけでもインディーズレーベルのタイトルが山のように出てきますからね。死にゲーより深い沼ですよこれは。


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