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SEKIROにハマった私は今ソウルシリーズと「ソウルライク」と言われる他社のフォロワーたちに次々と手を出しています。今作は、弟から存在を仄めかされ、「やってみたら」と言われました。ダークソウル2に進んでも良かったのですが、あんまりネット上の評判がよろしくなかったので、少し毛色の違う作品で口直しをしてみようということにしました。
<ソウルシリーズとの共通点>
・難易度の高いアクションRPG。
・敵の攻撃はだいたい2〜3発食らうと死ぬ。敵ごと、敵の技ごとに対処を頭に叩き込む必要がある。
・ザコであっても複数の敵に囲まれるとあっという間に死ねるので、できる限りタイマンの状況を作り出しながら戦っていくのがセオリー。
・スタミナゲージ(本作では「気力」という名称)があり、ダッシュや攻撃や回避やガードで減っていく。何もしなければすぐに回復するが、0になると大きな隙を晒す。
・ステージの各所にチェックポイントがあり、そこで体力の回復や消費アイテムの補充ができるが、いったんそこに寄ると一部の例外を除いて倒したザコが全て復活する。
・死ぬとそれまでに稼いだ経験値(本作では「アムリタ」という名称)を死んだ場所に落としてしまう。回収前にもう一度死ぬと、二度と戻ってこない。
・死ぬとそのままオートセーブがされる。一度使った消費アイテムは、死んだ場合でも基本的に帰ってこない。
・武器や戦術が豊富で、きちんと育てれば全部実用に堪えるレベルになる。
・周回すると難易度が上がっていく。その反面、敵を倒すと得られる銭やアムリタの量も増えていく。
・オンラインで対戦や協力プレイも可能
<相違点>
・戦国日本が舞台の和風ファンタジーである。SEKIROとも違い、実在の人物がたくさん出てくる。主人公はイギリスからやってきたウィリアム・アダムスである。もっとも、主人公の人物設定は実際のアダムスとはだいぶ異なる。
・ストーリーもきちんと分かるように説明してくれる。あってないようなものではあるが。
・キャストに役者も起用している。
・ソウルシリーズやSEKIROのように全部がひとつながりのマップということではなく、ステージ攻略制である。全体地図から「ミッション」と呼ばれるステージを選択してひとつずつクリアしていく流れである。
・チェックポイントからチェックポイントへのファストトラベルはできない。
・中盤以降のサブミッションに顕著だが、否応なしに複数の敵を同時に相手にさせられる場面が結構ある。
・「残心」というシステムがあり、攻撃後に一定の操作をすると気力(スタミナ)ゲージを一定量回復できる。
・全ての武器に上段中段下段の3段の構えがあり、振りや性能がだいぶ異なる。大雑把に言うと、上段は攻撃力が高いが隙が大きい。下段はその逆。中段は両者の間。
・「九十九武器」という一定時間ダメージを受けずに強力な攻撃ができる無双乱舞みたいな技がある。
・周回で難易度は上がるが、上がる前のものもいつでもプレイ可能。
<総評>
まあ、総合的にはおもしろかったですが、後半になればなるほど調整が粗くなっていると感じました。敵の動きを大幅に遅くできる「遅鈍符」や、敵を背後からリスクなく攻撃できるようになる「目潰しの術」といった強力な技がたくさんあって、これらを駆使すると攻略がかなり楽になります。他方で前述のように複数のザコとの乱戦や2体のボスとの同時戦闘を強要されるミッションがかなりあり、順当にそこにたどり着いた状態の装備とレベルだとこれらの強力なアイテムをフル活用してもクリアが難しいです。ソウルシリーズの魅力は「高難度ながら何度も死ぬうちにだんだんと対処法が分かっていくので、確実に自分の成長が実感できる」というところにあるのですが、こういう安易な形で難度を上げられるとこの魅力が全然出ません。ボスとの2対1をやらされたところで、順当に勝とうと思ったらかなりの時間がかかりますし、運もだいぶ絡んできますからね。このゲームで数的不利の状況をまともに乗り切るには、結局ハック&スラッシュを繰り返してキャラを成長させるとともに良い装備を整えるしかありません。これには、途方もない手間と時間がかかります。反面、極限まで整えればプレイヤー側も簡単に冗談みたいな値のダメージを出せます。「丸腰なら無理ゲー、装備を整えればヌルゲー」という両極端に振り切ったゲームなんです。このあたりの難易度調整は突き詰めれば突き詰めるほど作業効率が落ちていく(=時間をかければかけるほど、かけた時間当たりの効果が小さくなる)ので、ある程度のところで見切りをつけなきゃいけないのはその通りなのですが、見切りをつけるのが早すぎると思うんですよ。死にゲーと言うよりは、「じっくり時間をかけて装備を整え、自分をコテンパンにした敵を秒殺して復讐することに快感を見出すゲーム」という感じです。
サブミッションの舞台も同じステージを使い回している場合が結構あり、あまり新鮮味がありません(ストーリーは九州編→中国編→近畿編…という風に進んでいくのですが、場所が変わっているはずなのに編を跨いで同じ構造のステージが出てくることが何度もあるので、強く違和感を覚えます)。こういうところで手を抜くのは非常にコーエーテクモ的だと思います。
トロフィー等をコンプリートしようと思ったときに結構な作業量が要求されるものがあるのも、実にコーエーテクモ的だと思いました。
全体的に「良作」ではあるんですけど、「名作」になるにはあと1ポイント足りないんです。「惜しい」んですよね。この特徴がそのまんま、コーエーテクモという会社をよく表していると思います。
<追記>
私はDLCも含めたトロフィーをコンプリートしたところでやめました。これだけでも170時間ほどのプレイ時間になっています。
トロコンには、「修羅の道」という3周目の難易度で全てのミッションをクリアする必要があります。ネット上の情報を見ると、「強い」と言われているビルドは色々紹介されていますが、「クナイマン」というビルドで最新版ver1.22(2020年2月23日現在)の3周目も割合楽に乗り切ることができました。他のビルドは5周目や無間獄という追加コンテンツを深くやりこまないと作れませんが、クナイマンなら3周目で充分作れます。作り方は、色々な方々がネットで紹介されているのでそちらを参照してください。クナイマンはバージョンアップによりだいぶ弱体化させられたようですが、トロコンが目標であればまだまだ十分な強さです。
私は4周目の「転」というミッションでレベルを503まで上げてから3周目の難しいミッションに挑むという順序でやりました(5周目も解禁させておき、各ステータスの上限値を200にして、「忍」を160ぐらい、「技」を120ぐらいにしましたが、正直この2つをいくら上げてもあんまりクナイの与ダメージが上がっている感じはしませんでした)が、ウマい人ならここまで慎重にならなくても大丈夫だと思います。
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<ソウルシリーズとの共通点>
・難易度の高いアクションRPG。
・敵の攻撃はだいたい2〜3発食らうと死ぬ。敵ごと、敵の技ごとに対処を頭に叩き込む必要がある。
・ザコであっても複数の敵に囲まれるとあっという間に死ねるので、できる限りタイマンの状況を作り出しながら戦っていくのがセオリー。
・スタミナゲージ(本作では「気力」という名称)があり、ダッシュや攻撃や回避やガードで減っていく。何もしなければすぐに回復するが、0になると大きな隙を晒す。
・ステージの各所にチェックポイントがあり、そこで体力の回復や消費アイテムの補充ができるが、いったんそこに寄ると一部の例外を除いて倒したザコが全て復活する。
・死ぬとそれまでに稼いだ経験値(本作では「アムリタ」という名称)を死んだ場所に落としてしまう。回収前にもう一度死ぬと、二度と戻ってこない。
・死ぬとそのままオートセーブがされる。一度使った消費アイテムは、死んだ場合でも基本的に帰ってこない。
・武器や戦術が豊富で、きちんと育てれば全部実用に堪えるレベルになる。
・周回すると難易度が上がっていく。その反面、敵を倒すと得られる銭やアムリタの量も増えていく。
・オンラインで対戦や協力プレイも可能
<相違点>
・戦国日本が舞台の和風ファンタジーである。SEKIROとも違い、実在の人物がたくさん出てくる。主人公はイギリスからやってきたウィリアム・アダムスである。もっとも、主人公の人物設定は実際のアダムスとはだいぶ異なる。
・ストーリーもきちんと分かるように説明してくれる。あってないようなものではあるが。
・キャストに役者も起用している。
・ソウルシリーズやSEKIROのように全部がひとつながりのマップということではなく、ステージ攻略制である。全体地図から「ミッション」と呼ばれるステージを選択してひとつずつクリアしていく流れである。
・チェックポイントからチェックポイントへのファストトラベルはできない。
・中盤以降のサブミッションに顕著だが、否応なしに複数の敵を同時に相手にさせられる場面が結構ある。
・「残心」というシステムがあり、攻撃後に一定の操作をすると気力(スタミナ)ゲージを一定量回復できる。
・全ての武器に上段中段下段の3段の構えがあり、振りや性能がだいぶ異なる。大雑把に言うと、上段は攻撃力が高いが隙が大きい。下段はその逆。中段は両者の間。
・「九十九武器」という一定時間ダメージを受けずに強力な攻撃ができる無双乱舞みたいな技がある。
・周回で難易度は上がるが、上がる前のものもいつでもプレイ可能。
<総評>
まあ、総合的にはおもしろかったですが、後半になればなるほど調整が粗くなっていると感じました。敵の動きを大幅に遅くできる「遅鈍符」や、敵を背後からリスクなく攻撃できるようになる「目潰しの術」といった強力な技がたくさんあって、これらを駆使すると攻略がかなり楽になります。他方で前述のように複数のザコとの乱戦や2体のボスとの同時戦闘を強要されるミッションがかなりあり、順当にそこにたどり着いた状態の装備とレベルだとこれらの強力なアイテムをフル活用してもクリアが難しいです。ソウルシリーズの魅力は「高難度ながら何度も死ぬうちにだんだんと対処法が分かっていくので、確実に自分の成長が実感できる」というところにあるのですが、こういう安易な形で難度を上げられるとこの魅力が全然出ません。ボスとの2対1をやらされたところで、順当に勝とうと思ったらかなりの時間がかかりますし、運もだいぶ絡んできますからね。このゲームで数的不利の状況をまともに乗り切るには、結局ハック&スラッシュを繰り返してキャラを成長させるとともに良い装備を整えるしかありません。これには、途方もない手間と時間がかかります。反面、極限まで整えればプレイヤー側も簡単に冗談みたいな値のダメージを出せます。「丸腰なら無理ゲー、装備を整えればヌルゲー」という両極端に振り切ったゲームなんです。このあたりの難易度調整は突き詰めれば突き詰めるほど作業効率が落ちていく(=時間をかければかけるほど、かけた時間当たりの効果が小さくなる)ので、ある程度のところで見切りをつけなきゃいけないのはその通りなのですが、見切りをつけるのが早すぎると思うんですよ。死にゲーと言うよりは、「じっくり時間をかけて装備を整え、自分をコテンパンにした敵を秒殺して復讐することに快感を見出すゲーム」という感じです。
サブミッションの舞台も同じステージを使い回している場合が結構あり、あまり新鮮味がありません(ストーリーは九州編→中国編→近畿編…という風に進んでいくのですが、場所が変わっているはずなのに編を跨いで同じ構造のステージが出てくることが何度もあるので、強く違和感を覚えます)。こういうところで手を抜くのは非常にコーエーテクモ的だと思います。
トロフィー等をコンプリートしようと思ったときに結構な作業量が要求されるものがあるのも、実にコーエーテクモ的だと思いました。
全体的に「良作」ではあるんですけど、「名作」になるにはあと1ポイント足りないんです。「惜しい」んですよね。この特徴がそのまんま、コーエーテクモという会社をよく表していると思います。
<追記>
私はDLCも含めたトロフィーをコンプリートしたところでやめました。これだけでも170時間ほどのプレイ時間になっています。
トロコンには、「修羅の道」という3周目の難易度で全てのミッションをクリアする必要があります。ネット上の情報を見ると、「強い」と言われているビルドは色々紹介されていますが、「クナイマン」というビルドで最新版ver1.22(2020年2月23日現在)の3周目も割合楽に乗り切ることができました。他のビルドは5周目や無間獄という追加コンテンツを深くやりこまないと作れませんが、クナイマンなら3周目で充分作れます。作り方は、色々な方々がネットで紹介されているのでそちらを参照してください。クナイマンはバージョンアップによりだいぶ弱体化させられたようですが、トロコンが目標であればまだまだ十分な強さです。
私は4周目の「転」というミッションでレベルを503まで上げてから3周目の難しいミッションに挑むという順序でやりました(5周目も解禁させておき、各ステータスの上限値を200にして、「忍」を160ぐらい、「技」を120ぐらいにしましたが、正直この2つをいくら上げてもあんまりクナイの与ダメージが上がっている感じはしませんでした)が、ウマい人ならここまで慎重にならなくても大丈夫だと思います。
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