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ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時


 2013年。大晦日に移ってからもう8年目らしい。

 思い出す思い出す。初めて家のテレビでガキを見たのが、「笑ってはいけない」が初めて大晦日に放映された回だった。「笑ってはいけない警察」でした。このころはまだ5人全員参加じゃなかったし、ロケ地で一晩明かしてたし、しかも山崎vsモリマンと抱き合わせというほとんど視聴率戦争から逃げたような内容でした。まだまだ過渡期でした。

 うちの父は,ダウンタウンが嫌いでした。とんねるずとウッチャンナンチャンも嫌いでした。お笑い第3世代が全部嫌いでした。唯一ヒロミだけは,「あいつは少し司会ができる」と認めていました。なまじBIG3世代と仕事をしてきたからか、それより下のお笑いの好き嫌いは非常にひねくれていました。波田陽区やキシモトマイみたいな変な奴しか好きになれないとも言っていました。
 だから自分の子にもお笑い第3世代を見せまいとしていました。隠されていました。我々兄弟は、ごっつも生ダラも知らないまま育ちました。唯一ウリナリはなぜか見ていた記憶がありますが、多分、父はダウンタウンやとんねるずの尖鋭さと下劣さがより嫌いだったのだと思います。
 もちろんダウンタウンやとんねるずの顔と名前は知っていました。彼らはそれぐらいテレビに出ていたということです。ただ筆者がダウンタウンの笑いに初めて本格的に触れたのは、高校時代に友人からガキの動画を見せられてからです。別に衝撃を受けたとか人生観が変わったとかいうまでのことはなかったですが、単純におもしろかったわけです。それまでめちゃイケぐらいしか知らなかった筆者のお笑い新たなオプションが加わったと思いました。
 そのガキが、大晦日に特番をやるというではありませんか。父が嫌がるのは目に見えていましたが、どうせ紅白も嫌いな人だったから、見てみようと思ったわけです。そのまま、ズルズルと8年付き合い続けています。弟にも伝播して、今ではガキの通常放送を見るまでに兄弟は成長しました。
 「笑ってはいけない」も、確かにハマればむちゃくちゃおもしろかったのです。「ホテルマン」の新おにぃやジミーちゃん、「空港」の藤岡さんや今崎ホセは奇跡だと思えたのです。

 ダウンタウンの発見と受容は、筆者が父なる支配から逃れる最初期の契機だったわけです。こんな出会いがあるからこそ、ダウンタウンにはずっとダウンタウンでいてほしいし、ガキにもずっとガキであってほしいし,「笑ってはいけない」にもずっと「笑ってはいけない」であってほしいのです。
 ガキも、通常放送では実験的な企画が多く、正直当たり外れは激しいです。とはいえ今年の「笑ってはいけない」は、本放送で放映された企画は過去に行われたものの焼き直しばかりで、あまり新鮮味はありませんでした。奇跡かと思えるほど笑えるシーンもなかった。それもこれもやっぱり紅白の最有力の対抗馬という位置にまでのし上がってしまい、「外れ」が来ることを怖がったのでしょうが、合計3時間分ぐらいも本放送に回せなかった部分があるのだから、もっと冒険してほしいというのが本音です。こういう形で安定を志向し始めると、いずれ敵だった紅白みたいに腐って壊死しますよ。
 あとはなんだ、ダウンタウンの2人がもう年だし、松本さんはカメラの有無を問わず方々で愚痴や文句を言って陰に陽にスタッフに圧力をかけているので、スタッフがお2人に無意識に気を使ってあまり無茶をしなくなっているのかなとは思いました。でも、ダウンタウンがやらないと「笑ってはいけない」ではないんだよなあ。

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