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風ノ旅ビト

 本作もFloweryからの流れでやりました。metacriticでメタスコア順のランキングを眺めていたら上位で発見したという経緯です。しかもFloweryと一緒でthatgamecompanyという会社が制作しているうえに、ボリュームも控えめではありませんか。

 中身は、いわゆる「雰囲気」重視のアクションゲームです。プレイヤーは「旅ビト」を操って、目的地である山を目指すことになります。操作はとても単純で、旅ビトは徒歩移動と一定時間の滞空(説明が難しいですが、ボタンを1回押すとフワリと浮き上がるという仕様なので、カービィの飛行に近いです。ただカービィと違って無制限にはできません)しかできません。ゲームはステージクリア形式ですが、オープニングステージを含めて全部で7ステージしかなく、一切探索せずに突き進めば1時間もかからずにエンディングを見ることができるでしょう。
 旅ビトも一切しゃべらず、他の登場人物もほとんどいません。文字情報もほとんどなく、世界観や「旅」の目的については想像の余地が大きいです。
 こんな感じのゲームなので、ゲーム性よりは作品全体に漂う清澄で静謐な雰囲気を楽しむ仕上がりになっています。このような本作の雰囲気それ自体は、上田文人氏の世界観にも近いものがあると私は思いました。
 したがって、本作を気に入るかどうかは個人の好みによるというのもFloweryと一緒です。動画を見るだけでも本作のインプレッションを得ることはできるでしょうから、興味を持った方は色々と調べてみてください。

※トロフィーについて
 私としてはあるまじき失態なのですが、「どうせFloweryと似たようなトロフィー構成だろう」と高を括り大して調べずに本作を購入したところ、なんとオンライントロフィーが4つもありました。
 そうなんです。本作ではオンラインで他のプレイヤーとランダムにマッチングする要素があるのです。マッチングすると、その時プレイしていたステージを一緒に攻略できるわけです。ただエモートやメッセージ等のコミュニケーションの手段はほとんどない(そもそも誰とマッチングしたかがスタッフロール後じゃないと分かりません)ので、色々と難儀します。
 特に私を一番震え上がらせたのは、異なる10人とマッチングすると獲得できる「驚異」というトロフィーでした。私が本作をプレイしたのは2021年11月末〜12月1日にかけてでしたが、本作は、PS3版が2012年発売、PS4版が2015年発売であり、どう贔屓目に見ても「旬」とは言えないゲームでした。このように「旬じゃない」ゲームは、ゲームのおもしろさ云々とは別に深刻な過疎に陥っている可能性があるので、数を稼ぐ系のオンライントロフィーは何をどう頑張っても取得できない危険があります。1人と協力できれば獲得できるトロフィーなら、知人と談合すれば芽が出てきますが、10人ものマッチング人数を要求されると、私が持つリアルのネットワークが極めて狭小なことも鑑みれば、談合するにしても自ずと限界があるわけです。
 ただ、実際にやってみたら何も意識せずに進めた1周目でも2人とマッチングしたので、粘れば大丈夫だろうと考えて、最後のステージで放置して勝手にマッチングさせるという作戦をとりました。この作戦が無事奏功し、5時間ほどの放置の末に「驚異」のトロフィーを獲得することができました。本作も2021年の年末セールで半額になっていたので、人が一時的に若干戻っていたのかもしれません。
 この作戦には、注意点が1つあります。本作は操作をせずにしばらく放置するとスクリーンセーバー的な画面に移行するという仕様があり、この状態になるとマッチングしてもカウントされなくなってしまうとのことなのです(ネット上で見つけた情報なので真偽のほどは分かりません。そもそもマッチングしなくなる可能性もあると思います)。ゆえに私は、放置中は連射コンにひたすら○ボタンを連打させていました。

 ここまで読んだ方には分かったと思いますが、これは、自慢話です。

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