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自分が書いた原作の感想記事を読み返しましたが、1行で終わっていますね。一応精進目録からコンプリート要素まで全部総なめするほどやり込んだはずなんですよ。それだけでは飽き足らず、限界突破後の2周目も含めて全てのスキルを取得したんですよ。
それぐらいハマっていた記憶があったので、本作もやろうとは思っていました。特に0で存在感を放っていたVシネ三銃士(小沢仁志・竹内力・中野英雄)がまた出演するとのことだったので、発売前はそれなりに期待を寄せていたんですよ。でも蓋を開けてみたら、ネット上の評判はあまり良くなかったのです。特に「(同じ「極リメイク」とはいえ1の極や2の極と異なり)配役以外の中身はほとんど変わらず、追加要素もほとんどない」という声が多かったので、「あれだけやり込んだゲームなのだから(中身が変わらないのであれば)フルプライスで買ってまでもう1回やらなくてもいいな」と思ってしまったのです。そのため、ゲームカタログに入るタイミングまで手が出ずに私の方寸で積まれていました。
実際にやってみたところ、ネット上の意見はほぼ間違っていないなという感想に落ち着きました。
とはいえ原作の感想記事に中身がなかったので、本稿では原作と共通する部分も含めてちゃんとした感想を書いていこうと思います。
それぐらいハマっていた記憶があったので、本作もやろうとは思っていました。特に0で存在感を放っていたVシネ三銃士(小沢仁志・竹内力・中野英雄)がまた出演するとのことだったので、発売前はそれなりに期待を寄せていたんですよ。でも蓋を開けてみたら、ネット上の評判はあまり良くなかったのです。特に「(同じ「極リメイク」とはいえ1の極や2の極と異なり)配役以外の中身はほとんど変わらず、追加要素もほとんどない」という声が多かったので、「あれだけやり込んだゲームなのだから(中身が変わらないのであれば)フルプライスで買ってまでもう1回やらなくてもいいな」と思ってしまったのです。そのため、ゲームカタログに入るタイミングまで手が出ずに私の方寸で積まれていました。
実際にやってみたところ、ネット上の意見はほぼ間違っていないなという感想に落ち着きました。
とはいえ原作の感想記事に中身がなかったので、本稿では原作と共通する部分も含めてちゃんとした感想を書いていこうと思います。
そもそも本作は、龍が如くシリーズのスピンオフです。舞台は幕末、勤王志士と幕府勢力が日ごと夜ごとに切った張ったを繰り広げていた激動の京都です。歴史上実在した幕末のビッグネームが、わんさかと登場します。そしてそんなビッグネームを、龍が如くシリーズの人気キャラたちが役者のように演じているのが本作です。例えば、桐生ちゃんは坂本龍馬と斎藤一を演じています。これは、一人二役ということではなく、本作では坂本龍馬と斎藤一は同一人物(「斎藤一」は龍馬が脱藩して身を隠すために使った偽名)という設定になっています。そうです。完全な史実ではなく、龍が如くのフレーバーをふんだんにまぶした改変が為されているのです。そして、前述のとおり原作からは若干配役が変わっており、0の堂島組若頭補佐3人衆を始めとする0と7(両作とも、原作より後にリリースされた作品)の人気キャラが多数起用されています。
ストーリーそのものに、原作と本作とで違いはありません。肝腎の出来はと言えば、中の中などという贅沢は言いません。まあ、大目に見て中の中の上ぐらいじゃないでしょうかね。本シリーズお得意の「謎を適度にばらまいてプレイヤーの興味を持続させる(=続きを見たいと思わせる)」ストーリーテリングは、十全にできていると思います。序盤に「(龍馬の育ての親という設定の)吉田東洋を殺した覆面の男は誰なのか」「常に不在の近藤勇は何をやっているのか」「そもそも一番最初のムービーで桐生ちゃんに殺されていた史実龍馬顔の男は誰だったのか」といった謎をばらまいて、プレイヤーをラストまで引っ張っていきます。細かく見ていくと、おかしなところは色々あるのだと思います。私が特に気になったことですが、近藤勇の正体についてネタバラシを受けた後も、彼が新撰組の幹部会にほとんど顔を出さない理由があまりないような気がしてしまいした。要は、謎だけを作ろうとしていてその落としどころまであまり深く考えていないのです。でもまあ、このシリーズが持っているバカゲー要素のおかげでかなりの部分を「まあそんなもんやろ」と飲み込むことができたので、読後感はそこまで悪くはありませんでした。たった2人で江戸城に乗り込んで将軍に直談判する11章なんかはバカゲーの極致だと思いますが、あんな展開でも納得できてしまうのが本シリーズの良さなのです。最後の最後に突如たった一人で龍馬に突撃してくる山内容堂公も、よく考えるとやっていることはバカ丸出しなのですが、「バカだなあ」で笑って見過ごせるのです。
とはいえ、明確な欠点は2つ指摘できます。まず、目玉であると思われていた0の堂島組若頭補佐3人衆が、全然目立っていないことです。顔の怖さに定評のある小沢の叔父貴と竹内の叔父貴については、全然その迫力が活かされる役どころではありません。そもそも出番が少ないうえに0の久瀬や阿波野のような役者としての彼らの良さが出るキャラクターではないので、2人を起用した意味がほとんどありません。単なる客寄せパンダとして無理やりねじ込んだと言われても反論ができないと思います。中野英雄の叔父貴については0と同じく裏で絵をかいていたラスボスなので、一番美味しい役回りなのは確かですが、肝腎の演技力がやっぱり小沢と竹内の叔父貴に比べると今一つだと思ってしまいました。0の時からその傾向はありましたが、本作ではより悪目立ちしてしまっていると思います。
もう1つが、横山脚本三段活用の「何?」「なんだと?」「どういうことだ?」を多用しすぎだという問題ですね。本シリーズ(の中でも出来もあまりよろしくない方の作品)では、ネタバラシの際に事情を知っている人がその「事情」そのものを長々と説明してくれるのが通例なのですが、その際に聞いている側(主には桐生ちゃん)がこの3つの台詞を多用します。これを言われた説明者は、更に掘り下げた説明をしてくれるのですが、この会話パターンが多用されすぎでだんだん鬱陶しくなってくるのです。これは裏を返せば、ネタバラシを「言葉で説明」というワンパターンのやり口に頼っており、その際の会話の展開もワンパターンであるということです。演出の引き出しが乏しいのです。
ストーリーそのものに、原作と本作とで違いはありません。肝腎の出来はと言えば、中の中などという贅沢は言いません。まあ、大目に見て中の中の上ぐらいじゃないでしょうかね。本シリーズお得意の「謎を適度にばらまいてプレイヤーの興味を持続させる(=続きを見たいと思わせる)」ストーリーテリングは、十全にできていると思います。序盤に「(龍馬の育ての親という設定の)吉田東洋を殺した覆面の男は誰なのか」「常に不在の近藤勇は何をやっているのか」「そもそも一番最初のムービーで桐生ちゃんに殺されていた史実龍馬顔の男は誰だったのか」といった謎をばらまいて、プレイヤーをラストまで引っ張っていきます。細かく見ていくと、おかしなところは色々あるのだと思います。私が特に気になったことですが、近藤勇の正体についてネタバラシを受けた後も、彼が新撰組の幹部会にほとんど顔を出さない理由があまりないような気がしてしまいした。要は、謎だけを作ろうとしていてその落としどころまであまり深く考えていないのです。でもまあ、このシリーズが持っているバカゲー要素のおかげでかなりの部分を「まあそんなもんやろ」と飲み込むことができたので、読後感はそこまで悪くはありませんでした。たった2人で江戸城に乗り込んで将軍に直談判する11章なんかはバカゲーの極致だと思いますが、あんな展開でも納得できてしまうのが本シリーズの良さなのです。最後の最後に突如たった一人で龍馬に突撃してくる山内容堂公も、よく考えるとやっていることはバカ丸出しなのですが、「バカだなあ」で笑って見過ごせるのです。
とはいえ、明確な欠点は2つ指摘できます。まず、目玉であると思われていた0の堂島組若頭補佐3人衆が、全然目立っていないことです。顔の怖さに定評のある小沢の叔父貴と竹内の叔父貴については、全然その迫力が活かされる役どころではありません。そもそも出番が少ないうえに0の久瀬や阿波野のような役者としての彼らの良さが出るキャラクターではないので、2人を起用した意味がほとんどありません。単なる客寄せパンダとして無理やりねじ込んだと言われても反論ができないと思います。中野英雄の叔父貴については0と同じく裏で絵をかいていたラスボスなので、一番美味しい役回りなのは確かですが、肝腎の演技力がやっぱり小沢と竹内の叔父貴に比べると今一つだと思ってしまいました。0の時からその傾向はありましたが、本作ではより悪目立ちしてしまっていると思います。
もう1つが、横山脚本三段活用の「何?」「なんだと?」「どういうことだ?」を多用しすぎだという問題ですね。本シリーズ(の中でも出来もあまりよろしくない方の作品)では、ネタバラシの際に事情を知っている人がその「事情」そのものを長々と説明してくれるのが通例なのですが、その際に聞いている側(主には桐生ちゃん)がこの3つの台詞を多用します。これを言われた説明者は、更に掘り下げた説明をしてくれるのですが、この会話パターンが多用されすぎでだんだん鬱陶しくなってくるのです。これは裏を返せば、ネタバラシを「言葉で説明」というワンパターンのやり口に頼っており、その際の会話の展開もワンパターンであるということです。演出の引き出しが乏しいのです。
原作からほぼ変わりません。原作はあんなにやり込んだはずなのに、2025年に本作をやるとすごく古臭く感じるのは不思議です。たかだか10年前のゲームなのに、なぜなんでしょうね。
死にゲー好きの私としては、敵のロックオンをできないのが不便です。そのうえ強敵と戦う際は、こちらのレベルを上げ、装備品を改良し、回復アイテムを大量に持ち込んでジャブジャブ使いながら、ステータスの暴力でゴリ押すのが大体の場合における最適解になっています。これらの準備をせずに強敵に挑んだ場合でも戦えないことはないのですが、大抵の場合固すぎてダレます。そのうえ喰らうと長いことダウンを余儀なくされる攻撃も多々あり、敵のターンが長めになってしまうのも面倒くささを助長しています。本作でも原作と変わらず「短銃の型」という拳銃一本で戦うバトルスタイルが最強格であるため、逃げ回りながら敵に銃を打ち込んでいくのが最も確実で安全です。そのためどのボスを相手にする場合でもこちらの戦い方は基本同じになり、単調で飽きます。そのくせ体力や防御力が高いボスも多く、単調なのに時間もかかるのです。やっぱり、龍が如くシリーズの戦闘はバランスが大味だなあという感想は変わりません。
ちなみに「印」という集め物の仕様が結構変わっており、コンプリートを目指す人にとってみれば面倒くささが増しています。
死にゲー好きの私としては、敵のロックオンをできないのが不便です。そのうえ強敵と戦う際は、こちらのレベルを上げ、装備品を改良し、回復アイテムを大量に持ち込んでジャブジャブ使いながら、ステータスの暴力でゴリ押すのが大体の場合における最適解になっています。これらの準備をせずに強敵に挑んだ場合でも戦えないことはないのですが、大抵の場合固すぎてダレます。そのうえ喰らうと長いことダウンを余儀なくされる攻撃も多々あり、敵のターンが長めになってしまうのも面倒くささを助長しています。本作でも原作と変わらず「短銃の型」という拳銃一本で戦うバトルスタイルが最強格であるため、逃げ回りながら敵に銃を打ち込んでいくのが最も確実で安全です。そのためどのボスを相手にする場合でもこちらの戦い方は基本同じになり、単調で飽きます。そのくせ体力や防御力が高いボスも多く、単調なのに時間もかかるのです。やっぱり、龍が如くシリーズの戦闘はバランスが大味だなあという感想は変わりません。
ちなみに「印」という集め物の仕様が結構変わっており、コンプリートを目指す人にとってみれば面倒くささが増しています。
原作を遊び尽くした人は、サブストーリーが若干追加されたぐらいであとはほとんど変わらない(新キャストもほとんど活かされていない)ので、わざわざやらなくてもいいと思います。
原作をやっていない人は、安く手に入るならやってみてもいいんじゃないですかね。
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原作をやっていない人は、安く手に入るならやってみてもいいんじゃないですかね。
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