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龍が如く7
龍が如く7 
アクションからコマンドRPGへの大胆なシフトチェンジを行い、賛否両論が吹き荒れた「龍が如くシリーズ」の最新ナンバリングタイトルです。
個人的な好みの問題でしかありませんが、私はコマンドRPGがそんなに好きではありません。過去にやったことがあるのはポケモンの緑と銀、あと「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド」（DQMシリーズの元祖の作品）ぐらいでしょうか。ドラクエとFFの本シリーズは1本もやったことがありません。小さい頃にスーファミのFF（スーファミなので4か5か6なのですが、最早どれだか分かりません）をやったことがあるのですが、当時の私には何をどうすればいいかが分からなくて序盤で投げた記憶があります。最早、ポリシーとしてあんまりやらないでおこうと思っているレベルです。
なので本作も世間の評価が固まるまで様子見をしておこうと思いました。ネット上の意見をざっと見た結果悪くはなさそうだということだったので、手を出しました。
結論から言うと、コマンドRPGになった点以外は完全にいつもの「龍が如く」でした。豊富な寄り道とふんだんに盛り込まれたバカゲー要素、魅力的なキャラクターに引き込まれるストーリー展開はこのシリーズの真骨頂です。特に、ぐちゃぐちゃになり過ぎた桐生一馬の年表をいったん放逐して新しく春日一番という主人公を担ぎ上げているので、ストーリーはとても魅かれる作りになっています（舞台設定は旧作と一緒で、ひとつながりの時系列になっています）。謎が謎を呼ぶ展開の連続で、最後にはバラまかれた伏線が綺麗に回収されるので、どんどん続きが見たくなります。この手のストーリー作りの肝は、謎それ自体を考えることよりも「どの謎をどういう順番でバラしていくか」を決める過程にあるのではないかと思っています。私なんか最初に全部を説明したがってしまうタチなので、ちょっとずつ小出しに謎解きをしていくお話が作れません。小出しにしないと、受け手を引っ張り続けることができません。
主人公の春日一番というキャラクターも魅力的です。この手のお話では、主要なキャラクターの初登場時にはきちんとその人と為りが分かるような小咄を入れ込んで、受け手にそのキャラクターがどういう人間かを分からせるのが重要ですが、そういった基礎はしっかりと押さえられています。春日は、身寄りのない生まれで、グレてヤクザになって、他人の殺人事件をかぶって長期の服役をしたおっさんという設定で、桐生ちゃんとかなり身の上が被っています。桐生ちゃんとの違いは明るくて声がでかくて同性からも異性からも分かりやすくモテそうなところでしょうか（桐生ちゃんもモテるんですが、第一印象はあんまり良くないと思います。春日は第一印象からモテそうなのです）。自分なりの価値観をしっかりと持っていて、それに反することがあれば直情径行ですぐに行動に移してしまう点は、キトゥンに似ていると私は思いました。本作は、そんな行動力オバケの春日が自分の信念に従って巨悪に立ち向かうという王道のストーリーです。プレイヤーは春日が身の危険も顧みずに突っ走るだけで世の中が変わっていく様子を追体験できるので、そういう意味ではしっかりとしたエンターテインメントが作られていると思います。現実世界は、そうは単純ではないですからね。身のため金のために自分を枉げなきゃいけない局面は多々あると思いますが、現実世界のそういった嫌な部分を暫し忘れさせてくれるからこそのエンターテインメントなのです。
コマンドRPGという新システムを受け容れられるかどうかは完全に好みの問題です。私には、残念ながらこのシステムはハマりきりませんでした。どうせならアクションで春日を動かしてみたかったと強く思いました。RPGなので春日の他にプレイアブルの仲間が何人もいます。「仲間との共闘を描く」というのがコマンドRPG化のひとつの理由のようですが、アクションゲームにも仲間を出すことは可能なはずです。現に過去シリーズでも同伴者を連れて街を探索する瞬間も、敵と共闘をする展開も何度もありました。流石にアクションだと本作のように4人を同時に動かす（かつそれでいてきちんとおもしろい）システムの実現は難しいかもしれませんが、反面本作の仲間たちは、いくら春日が魅力的なキャラクターだとはいえ、日本の公権力や近江連合みたいな巨大なヤクザを敵に回してまで春日に与する動機がはっきりしませんでした（特に戦闘能力もなさそうなのに強い動機のないナンバと紗栄子に顕著です）。仲間との共闘を描きたいと言っている割りにストーリー面でのフォローが弱く、コマンドRPGのシステムだけ作って片手落ちになっていたのは気になりました。サブストーリーも、春日以外のパーティーメンバーは関わってこないものがほとんどです。また、RPG化した部分以外の部分はいつもの「龍が如く」なので、敵は人型がほとんどでバリエーションに欠けますし、技も全体的にバカゲーチックです。シリアスなストーリー展開の末に始まった厳かなボスバトルでもシャンパンをぶっかけて攻撃（水属性）をしたりしなければならないので、結構興が削がれます。過去の「龍が如く」でも現実にはできそうもないバカなことはたくさんあったので、このバカ要素をどこまで受け容れられるかは完全に個人の嗜好の問題でしかありませんが、私の許容範囲からは少々逸脱してしまいました。シャンパンをぶっかけて水属性の攻撃をするのもコンビニ弁当を食べて銃創を癒すのもあり得なさで言えば同程度なので、両者の間に線を引いてしまう自分の基準は不合理なのですが、不合理とはいえ嫌なものは嫌なのですから、その「嫌」がマジョリティになるのであればきちんと応えるべきだと思います（マジョリティかどうかをきちんと検証する必要はありますが）。ゴキブリの体表面より自分の口の中の方が雑菌が多くても、ゴキブリは嫌なものは嫌なのです。人間はそういう不合理さに支配された「気分」の生き物なのです。人間相手のエンターテインメントである以上、人間のその「気分」のことはきちんと考えてやるべきです。
更に言うと、育成や金稼ぎや強いアイテムの入手に当たってはいつもの「龍が如く」に実装されているミニゲーム的な寄り道要素をいくらかこなす必要があります。ここも賛否両論あるかと思います。
また戦闘は、一部の大技を除いてモーションのスキップができず、若干テンポが悪いです。体感的なエンカウント率も、過去作より高い感じがします（コマンドRPGだとこんなもんかもしれません）。エンカウントをなくせる装備品はありますが、ゲーム後半まで手に入らず、また序盤に相手をするには厳しいザコが登場するエリアにもプレイスポットがあるので、寄り道を楽しもうと思うと煩わしさがあります。全体的には、メインストーリーと寄り道の配分があんまり噛み合っていないと思いました。難易度も、（有料DLCで上げることはできるようになりましたが）下げることはできないので、メインストーリーだけさっとやろうと思ってもなかなか難しいですし（敵は結構強いので、どこかのタイミングでレベル上げのような育成作業が必要になります）、寄り道要素を十分に楽しもうと思った時にも強いザコの出るエリアに分け入る必要がある（故にレベルを上げるか、エンカウントしないようにコソコソ立ち回る）というような、そんな感じなのです。
その他
●ロードは若干長いですかね。
●本作では、主要な舞台となる伊勢佐木異人町（横浜の関内駅周辺がモデル）のほかに、蒼天堀と神室町も探索できます。ただ独自のプレイスポットやサブストーリーはなく（全てのミニゲームは異人町でもプレイできます。また蒼天堀は探索可能エリアが過去作のものより若干狭いです）、とってつけた感は否めません。
●ストーリー上気になったこと
・2章で荒川真澄が春日を拳銃で撃ちますが、荒川は春日を死なせないように敢えて急所から少しずれたところを撃っていたということが後に分かります。かなりの神業になると思いますので、せめて荒川が狙撃を得意としていたことが分かるような描写が欲しかったと思います。
・ナンバは自分の弟を探してホームレスに身をやつしていたことが後に分かりますが、この弟の見た目や声は一切分かりません。文字で名前が出てくるだけでビジュアルや台詞が一切ないからです。ナンバが春日に与する理由がよく分からない一因となってしまっています。
・本作のラスボスになる荒川真斗は、何であんなに権力にこだわり出したのかがイマイチはっきりしません。「車椅子＋ヤクザの息子」という二重のハンディキャップのために幼少期から辛い体験をしてきたんだろうなあというのは推察できるんですが、あんまり具体的な描写がありません。だから、父の真澄をあんなに嫌っていた理由もはっきりしないのです（真澄は、基本的に男気のある描写しかなく、嫌われるような人物としては描かれていません）。真斗が小学生の時に同級生からいじめられたエピソード等をもっと事細かく描写して欲しかったと思いました。
また、真斗の足腰はアメリカで治療を受けたらあっさり治ってしまったという設定になっています。ここは何かしらの伏線にしといてもいいんじゃないかなと思いました（ナンバが劇中で薬の横流しをしていたという話をするので、私はここが関わってくるんじゃないかと推理しましたが、全然関係ありませんでした）。
総合すると、真斗が車椅子生活を余儀なくされていたという設定にストーリー上の必要性がないのです。真斗がおかしくなった原因としては「ヤクザの息子」というだけで十分ですし（前述のとおり車椅子の点も一因になっているのかもしれませんが、はっきりとした描写がありません）、治療された経緯もストーリーに一切関わってきません。
・荒川真澄が自分の指一本を犠牲にしてまで子供の頃の春日を救出した理由もはっきりしません。荒川が有名なヤクザなら、その名前を出していきがる半グレの子供はたくさんいるような気もするので、全部を救っていたら指が何本あっても足りないと思うのです。ここから生まれるのが、「荒川は春日が自分の実の子だと知っていたのではないか」説です。この説を立証するには、� 崕嫺�一番＝自分の実子というのを荒川がどうやって知ったのか」に説明をつける必要がありますが、それ以上に大変なのは�◆崕�けを求めてきたガキ＝春日一番だとどうやってしっかりと確認したのか」に説明をつけることだと思います。立証したい人は頑張ってください。
ストーリーの粗は、全体の出来が良くなければ粗のままですが、良ければ考察対象になるのです。私が考えた格言です。
・旧作のキャラは、割りとガッツリとストーリーに絡んできます。死んだことにされているはずの桐生ちゃんも登場します。私はアヴェンジャーズ的な燃える展開に若干興奮しましたが、嫌がる人もいると思います。この私ですら、実際にみんな揃ってのバトルになった時に背後で書き割りみたいに棒立ちしている兄さんらには閉口しました。
とはいえ6までのお話は知らなくても問題はありません。システムもRPGにガラッと変わったので、シリーズ初心者でも入り込みやすいと思います。
・唯一サブ要素を進めることでパーティーに加入する鎌滝えりは、加入時期が人によって区々になるからか、ストーリー上その場にいるはずなのにグラフィックが登場しないことが多いです。
・人型のボスと戦う時は、こちらは4人がかりということが多く、卑怯に感じる人もいると思います。
●今作でも役者さんがキャストに起用されています。中井貴一には文句ありません。堤真一は戦闘中のボイスがちょっとアレかな……。安田顕は……、うーん……、なんというか……、わざとオーバーに演技している感じがずっと抜けないんですよね……。あ、あとオーディションで選出された女性陣は押しなべてヘタです。
●毎回毎回ロッキード事件を超えるレベルの陰謀が暴かれる「龍が如く」の世界は大変だと思います。ジャッジアイズも同じ時系列ですからねえ（パラレルワールド説もあるみたいです）。
●毎作恒例のPREMIUM NEW GAME（いわゆる、強くてニューゲーム）をやるには有料の追加DLCが必要です。プラチナトロフィーの取得に必要な作業量は歴代作品の中でも一二を争う少なさだと思いますが（色々な収集要素や達成要素は、ほとんどが途中までの達成でトロフィーを獲得できるようになっています）、追加DLCの追加トロフィーをコンプリートするには「スーパー・ファイナルミレニアムタワー」というレベル上限に達しているキャラでもワンパンされるような高難度のダンジョンをクリアーする必要があり、ここをクリアするために必要な育成を施そうと思うとなかなかな作業量になります。
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個人的な好みの問題でしかありませんが、私はコマンドRPGがそんなに好きではありません。過去にやったことがあるのはポケモンの緑と銀、あと「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド」（DQMシリーズの元祖の作品）ぐらいでしょうか。ドラクエとFFの本シリーズは1本もやったことがありません。小さい頃にスーファミのFF（スーファミなので4か5か6なのですが、最早どれだか分かりません）をやったことがあるのですが、当時の私には何をどうすればいいかが分からなくて序盤で投げた記憶があります。最早、ポリシーとしてあんまりやらないでおこうと思っているレベルです。
なので本作も世間の評価が固まるまで様子見をしておこうと思いました。ネット上の意見をざっと見た結果悪くはなさそうだということだったので、手を出しました。
結論から言うと、コマンドRPGになった点以外は完全にいつもの「龍が如く」でした。豊富な寄り道とふんだんに盛り込まれたバカゲー要素、魅力的なキャラクターに引き込まれるストーリー展開はこのシリーズの真骨頂です。特に、ぐちゃぐちゃになり過ぎた桐生一馬の年表をいったん放逐して新しく春日一番という主人公を担ぎ上げているので、ストーリーはとても魅かれる作りになっています（舞台設定は旧作と一緒で、ひとつながりの時系列になっています）。謎が謎を呼ぶ展開の連続で、最後にはバラまかれた伏線が綺麗に回収されるので、どんどん続きが見たくなります。この手のストーリー作りの肝は、謎それ自体を考えることよりも「どの謎をどういう順番でバラしていくか」を決める過程にあるのではないかと思っています。私なんか最初に全部を説明したがってしまうタチなので、ちょっとずつ小出しに謎解きをしていくお話が作れません。小出しにしないと、受け手を引っ張り続けることができません。
主人公の春日一番というキャラクターも魅力的です。この手のお話では、主要なキャラクターの初登場時にはきちんとその人と為りが分かるような小咄を入れ込んで、受け手にそのキャラクターがどういう人間かを分からせるのが重要ですが、そういった基礎はしっかりと押さえられています。春日は、身寄りのない生まれで、グレてヤクザになって、他人の殺人事件をかぶって長期の服役をしたおっさんという設定で、桐生ちゃんとかなり身の上が被っています。桐生ちゃんとの違いは明るくて声がでかくて同性からも異性からも分かりやすくモテそうなところでしょうか（桐生ちゃんもモテるんですが、第一印象はあんまり良くないと思います。春日は第一印象からモテそうなのです）。自分なりの価値観をしっかりと持っていて、それに反することがあれば直情径行ですぐに行動に移してしまう点は、キトゥンに似ていると私は思いました。本作は、そんな行動力オバケの春日が自分の信念に従って巨悪に立ち向かうという王道のストーリーです。プレイヤーは春日が身の危険も顧みずに突っ走るだけで世の中が変わっていく様子を追体験できるので、そういう意味ではしっかりとしたエンターテインメントが作られていると思います。現実世界は、そうは単純ではないですからね。身のため金のために自分を枉げなきゃいけない局面は多々あると思いますが、現実世界のそういった嫌な部分を暫し忘れさせてくれるからこそのエンターテインメントなのです。
コマンドRPGという新システムを受け容れられるかどうかは完全に好みの問題です。私には、残念ながらこのシステムはハマりきりませんでした。どうせならアクションで春日を動かしてみたかったと強く思いました。RPGなので春日の他にプレイアブルの仲間が何人もいます。「仲間との共闘を描く」というのがコマンドRPG化のひとつの理由のようですが、アクションゲームにも仲間を出すことは可能なはずです。現に過去シリーズでも同伴者を連れて街を探索する瞬間も、敵と共闘をする展開も何度もありました。流石にアクションだと本作のように4人を同時に動かす（かつそれでいてきちんとおもしろい）システムの実現は難しいかもしれませんが、反面本作の仲間たちは、いくら春日が魅力的なキャラクターだとはいえ、日本の公権力や近江連合みたいな巨大なヤクザを敵に回してまで春日に与する動機がはっきりしませんでした（特に戦闘能力もなさそうなのに強い動機のないナンバと紗栄子に顕著です）。仲間との共闘を描きたいと言っている割りにストーリー面でのフォローが弱く、コマンドRPGのシステムだけ作って片手落ちになっていたのは気になりました。サブストーリーも、春日以外のパーティーメンバーは関わってこないものがほとんどです。また、RPG化した部分以外の部分はいつもの「龍が如く」なので、敵は人型がほとんどでバリエーションに欠けますし、技も全体的にバカゲーチックです。シリアスなストーリー展開の末に始まった厳かなボスバトルでもシャンパンをぶっかけて攻撃（水属性）をしたりしなければならないので、結構興が削がれます。過去の「龍が如く」でも現実にはできそうもないバカなことはたくさんあったので、このバカ要素をどこまで受け容れられるかは完全に個人の嗜好の問題でしかありませんが、私の許容範囲からは少々逸脱してしまいました。シャンパンをぶっかけて水属性の攻撃をするのもコンビニ弁当を食べて銃創を癒すのもあり得なさで言えば同程度なので、両者の間に線を引いてしまう自分の基準は不合理なのですが、不合理とはいえ嫌なものは嫌なのですから、その「嫌」がマジョリティになるのであればきちんと応えるべきだと思います（マジョリティかどうかをきちんと検証する必要はありますが）。ゴキブリの体表面より自分の口の中の方が雑菌が多くても、ゴキブリは嫌なものは嫌なのです。人間はそういう不合理さに支配された「気分」の生き物なのです。人間相手のエンターテインメントである以上、人間のその「気分」のことはきちんと考えてやるべきです。
更に言うと、育成や金稼ぎや強いアイテムの入手に当たってはいつもの「龍が如く」に実装されているミニゲーム的な寄り道要素をいくらかこなす必要があります。ここも賛否両論あるかと思います。
また戦闘は、一部の大技を除いてモーションのスキップができず、若干テンポが悪いです。体感的なエンカウント率も、過去作より高い感じがします（コマンドRPGだとこんなもんかもしれません）。エンカウントをなくせる装備品はありますが、ゲーム後半まで手に入らず、また序盤に相手をするには厳しいザコが登場するエリアにもプレイスポットがあるので、寄り道を楽しもうと思うと煩わしさがあります。全体的には、メインストーリーと寄り道の配分があんまり噛み合っていないと思いました。難易度も、（有料DLCで上げることはできるようになりましたが）下げることはできないので、メインストーリーだけさっとやろうと思ってもなかなか難しいですし（敵は結構強いので、どこかのタイミングでレベル上げのような育成作業が必要になります）、寄り道要素を十分に楽しもうと思った時にも強いザコの出るエリアに分け入る必要がある（故にレベルを上げるか、エンカウントしないようにコソコソ立ち回る）というような、そんな感じなのです。
その他
●ロードは若干長いですかね。
●本作では、主要な舞台となる伊勢佐木異人町（横浜の関内駅周辺がモデル）のほかに、蒼天堀と神室町も探索できます。ただ独自のプレイスポットやサブストーリーはなく（全てのミニゲームは異人町でもプレイできます。また蒼天堀は探索可能エリアが過去作のものより若干狭いです）、とってつけた感は否めません。
●ストーリー上気になったこと
・2章で荒川真澄が春日を拳銃で撃ちますが、荒川は春日を死なせないように敢えて急所から少しずれたところを撃っていたということが後に分かります。かなりの神業になると思いますので、せめて荒川が狙撃を得意としていたことが分かるような描写が欲しかったと思います。
・ナンバは自分の弟を探してホームレスに身をやつしていたことが後に分かりますが、この弟の見た目や声は一切分かりません。文字で名前が出てくるだけでビジュアルや台詞が一切ないからです。ナンバが春日に与する理由がよく分からない一因となってしまっています。
・本作のラスボスになる荒川真斗は、何であんなに権力にこだわり出したのかがイマイチはっきりしません。「車椅子＋ヤクザの息子」という二重のハンディキャップのために幼少期から辛い体験をしてきたんだろうなあというのは推察できるんですが、あんまり具体的な描写がありません。だから、父の真澄をあんなに嫌っていた理由もはっきりしないのです（真澄は、基本的に男気のある描写しかなく、嫌われるような人物としては描かれていません）。真斗が小学生の時に同級生からいじめられたエピソード等をもっと事細かく描写して欲しかったと思いました。
また、真斗の足腰はアメリカで治療を受けたらあっさり治ってしまったという設定になっています。ここは何かしらの伏線にしといてもいいんじゃないかなと思いました（ナンバが劇中で薬の横流しをしていたという話をするので、私はここが関わってくるんじゃないかと推理しましたが、全然関係ありませんでした）。
総合すると、真斗が車椅子生活を余儀なくされていたという設定にストーリー上の必要性がないのです。真斗がおかしくなった原因としては「ヤクザの息子」というだけで十分ですし（前述のとおり車椅子の点も一因になっているのかもしれませんが、はっきりとした描写がありません）、治療された経緯もストーリーに一切関わってきません。
・荒川真澄が自分の指一本を犠牲にしてまで子供の頃の春日を救出した理由もはっきりしません。荒川が有名なヤクザなら、その名前を出していきがる半グレの子供はたくさんいるような気もするので、全部を救っていたら指が何本あっても足りないと思うのです。ここから生まれるのが、「荒川は春日が自分の実の子だと知っていたのではないか」説です。この説を立証するには、� 崕嫺�一番＝自分の実子というのを荒川がどうやって知ったのか」に説明をつける必要がありますが、それ以上に大変なのは�◆崕�けを求めてきたガキ＝春日一番だとどうやってしっかりと確認したのか」に説明をつけることだと思います。立証したい人は頑張ってください。
ストーリーの粗は、全体の出来が良くなければ粗のままですが、良ければ考察対象になるのです。私が考えた格言です。
・旧作のキャラは、割りとガッツリとストーリーに絡んできます。死んだことにされているはずの桐生ちゃんも登場します。私はアヴェンジャーズ的な燃える展開に若干興奮しましたが、嫌がる人もいると思います。この私ですら、実際にみんな揃ってのバトルになった時に背後で書き割りみたいに棒立ちしている兄さんらには閉口しました。
とはいえ6までのお話は知らなくても問題はありません。システムもRPGにガラッと変わったので、シリーズ初心者でも入り込みやすいと思います。
・唯一サブ要素を進めることでパーティーに加入する鎌滝えりは、加入時期が人によって区々になるからか、ストーリー上その場にいるはずなのにグラフィックが登場しないことが多いです。
・人型のボスと戦う時は、こちらは4人がかりということが多く、卑怯に感じる人もいると思います。
●今作でも役者さんがキャストに起用されています。中井貴一には文句ありません。堤真一は戦闘中のボイスがちょっとアレかな……。安田顕は……、うーん……、なんというか……、わざとオーバーに演技している感じがずっと抜けないんですよね……。あ、あとオーディションで選出された女性陣は押しなべてヘタです。
●毎回毎回ロッキード事件を超えるレベルの陰謀が暴かれる「龍が如く」の世界は大変だと思います。ジャッジアイズも同じ時系列ですからねえ（パラレルワールド説もあるみたいです）。
●毎作恒例のPREMIUM NEW GAME（いわゆる、強くてニューゲーム）をやるには有料の追加DLCが必要です。プラチナトロフィーの取得に必要な作業量は歴代作品の中でも一二を争う少なさだと思いますが（色々な収集要素や達成要素は、ほとんどが途中までの達成でトロフィーを獲得できるようになっています）、追加DLCの追加トロフィーをコンプリートするには「スーパー・ファイナルミレニアムタワー」というレベル上限に達しているキャラでもワンパンされるような高難度のダンジョンをクリアーする必要があり、ここをクリアするために必要な育成を施そうと思うとなかなかな作業量になります。
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