当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2016年5月21日放映のめちゃイケを見た。メイン企画はまたも前回前々回と同じである。
 過去回の登場人物に会いに行くというコンセプトの企画であるため、どうしてもやること自体も過去回の焼き直しになってしまう。特に今回は濱口がカニに唇を挟まれ、岡村が頭に生肉を付けて肉食のトカゲと対峙するというリアクション企画をやっていたが、40代半ばのおっさんがこういうことをやると昔より動きのキレも肌のハリなくなっているため、どこか痛々しくなってしまう。

 今回一番おもしろかったのは、意外や意外、月9の「ラヴソング」に岡村扮するE村Pがゲスト出演する模様を描いたコントである。「ラヴソング」の面々は、2016年4月16日放映の前々回にも登場しており、今回あまり間を開けずに再登場となったこと自体に、ドラマのテコ入れという狙いを強く感じさせる。こういう番宣の意図が先に立っている企画は、通常あまりおもしろくないのだが、コント自体はがちんとセオリーに乗っかっており、慣れている岡村の軽妙な立ち振る舞いもあって十分おもしろかったのである。
 コントの流れは、以下のような感じである。菅田を始めとする「まともにドラマを撮ろうとしている」面々がまず岡村(E村P)に「余計なことをやるな」とフリを入れる。岡村は、そのフリを守らずにボケ倒す。周囲は、それに怒る。この怒りは、ツッコミであるとともに、TAKE2へのフリの役割も果たす。岡村は結局また怒られたことを一切忘れたかのようにボケる。この一連の流れの中で、、本来岡村を怒って然るべき福山や監督が岡村を褒めるという変化球のボケも飛び出す。
 あとは怒りやボケの内容を細かく変化させながらひたすら繰り返していけばよい。「ちゃんとしたドラマを撮りたいのに、与太郎がそれを引っ掻き回す」という確固とした設定があるので、細かい台本は要らないし、いつまででもやっていることができる。ツッコミさえちゃんとしているのであれば、ボケのクオリティは低くてもよいので、ボケは完全アドリブに任せてもいいぐらいである(そうなると、ボケがアドリブなので、当然ツッコミにもアドリブが求められる)。ボケのクオリティが低ければ、そのようにツッコんでやれば笑いを生めるからである。
 また、次回の予告もE村Pによるコント仕立てになっていたのは良かった。最近のめちゃイケは笑いの要素が入っていない「ただの次回予告」が挟まる場合が間々あったが、これに笑いを加えてきたのは非常に良いことである。内容自体は、舛添都知事のパロディなのだろうが、E村Pの恰好ではなくてもっと都知事に寄せた恰好でも良かったんじゃないだろうか。この番組では、過去にも岡村がナベツネや内田裕也に扮して、めちゃイケメンバーが扮した記者に取り囲まれるという類似のコントもやっている。
 あとE村Pを追及する役目の記者たち(なぜかめちゃイケメンバーではなかった)にあまり緊張感がなかったので、そこはもう少し改善してほしい。E村Pは当然ボケ役なのでおもしろい動きをしてくるのだが、対峙する記者たちはその振る舞いにもなるだけ笑わないようにしないといけないのである。真顔で追及を続けることで、それがツッコミの役割を果たし、E村Pのボケボケの立ち振る舞いが際立つからである。

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