当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 歌丸司会の最終回である。昇太が司会になることについてはメディアゴンの方に書いたので、今回放送回のその他の部分について感じたことを記しておく。

 本来筆者も司会はできることならずっと歌丸でやってほしいとは思っている。ただまあ、今回の放送を見て改めて実感したが、本人が言う通り体力の限界なのだろう。できない仕事は、断るのが本物のプロである。
 今回歌丸がナイツと一緒にコラボ漫才をするという特別企画があったが、ナイツと一緒に舞台に立つ歌丸は(なぜか)大喜利の司会をやっている歌丸より遙かに老いており、正直なところ気の毒で見ていられなかった。
 ナイツの漫才は、一つ一つのボケがダジャレ的な言い間違いであり、ともすればしょうもなくなってしまうので、「テンポを良くして数を出す」というのと「マジでボケているように見せる」という二点が肝要である。ところが歌丸は手にカンペを持って登場しており、マジでボケているようには全く見えなかった(=カンペに書いてある台本を読まされているように見えた)ばかりか、台詞回しが遅く、テンポも悪かった。そもそも普段ツッコミ役の司会として木久扇をいなしている歌丸に「ナイツ」と「タイツ」を言い間違わせても、「台本通りやっているんだな」と思われるだけだろう。企画からして、無理があったと言わざるを得ない。
 番組のラストを飾った生放送の大喜利も、通常回より拍手も笑い声もまばらで、そもそもハコが普段のような大きな会場ではないように見えた。あれは、おそらくスタジオだろう(番組冒頭にスタジオ裏に集まっている大喜利メンバーの映像があった)。歌丸が司会から退くことは、少なくとも笑点のスタッフにはだいぶ前から分かっていたと考えられ、今回の生放送もだいぶ期間をとって計画できたと思われるが、なぜ普段のように大きな会場でできなかったのか、なぜ普段のように客を入れられなかったのかはよく分からない。
 ただ、拍手や笑い声がまばらになってしまったことで、少なくとも筆者が「笑点の笑いは、やっぱりわざわざ会場に足を運ぶほどの普段のファン相手じゃないとウケないんだな」という印象を強くしてしまったのは確かである。50年やっていた仕事が最後にそのようなものだと暴露されてしまうというのは、少しどうかとは思ったが、事情がよく分からないのでこれ以上のことは言えない。

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