2016年6月25日放映のめちゃイケを見た。
前半と最後のオチが「オ・サール高校」の修学旅行で、後半が前回(2016年6月11日放映回。メディアゴンの当該記事参照)の「小涌園のわき園」の告知の続きだった。
「小涌園のわき園」は、次回も1回丸々告知会をやりそうである。いよいよお台場のブース紹介回の様相を呈してきているが、今回出川も交えて撮影された温泉に落とす落とさないのくだりは普通に水準に達していたので、とりあえず腐らずに見てみることにする。
前半の「オ・サール高校」は、2016年1月8日に放映されたサル力コンテストの続きである。岡村・原西を始めとする「サルっぽい」芸人・芸能人たちが、いろいろなシチュエーションでサルっぽい動きをして笑いをとるという企画である。
今回は、�．咼絅奪侫Г任涼訖�・�▲疋奪哀�フェでの犬との対決・��モールでのニホンザルとの豆の早食い対決・�ぅ汽觧海任僚⊃欧箸い�4つのシチュエーションが用意されていた。おそらく番組側が用意しているのはこのシチュエーションと、この中で「サルっぽく振る舞え」という漠然とした指示だけで、実際にどう振る舞うかに細かい台本はないと思われる。そこは基本的に演者のアドリブに任されていて、こういうのはお手の物の原西などが十分暴れられていたので、良かった。
この手の企画で肝腎のサルっぽい振舞いにまでガチガチの台本があると、ただの予定調和の芝居になってしまう。予定調和は、笑いで大事な意外性や不意打ち感を損ねるので、極力排除した方がいい。シチュエーションだけを用意して、具体的な中身は演者のアドリブに任せるというのは、笑いでは理想的な形なのである。往年のコント55号のコントなんぞは全部が全部そんな感じであったし、さんまがテレビや舞台でやるコントや「ガキの使い」で見られる企画もほぼそんな感じである。
なのに、全体的にはそんなにおもしろくなかった。筆者の感想は、「普通」である。
なぜだろうか。まず、演者が1人ずつ前に出る�▲疋奪哀�フェと�ＦΔ料畤�いでは問題にならないのだが、全員が一斉に動く�．咼絅奪侫Г鉢ぅ汽觧海任蓮▲汽詭鬚留藜圓�多すぎるため(10人近くいた)画がかなり散っていた。アドリブで十分に動けていたのは原西と千賀ぐらいだったため、あとは一応主役になる岡村と、天然が出せるジミーとガッツぐらいを残しておけばいいだろう。
もう一つ、これは前回の「サル力コンテスト」に対する感想記事でも書いたことだが、矢部の無茶苦茶さがまだ足りない。矢部は、人間である演者たちに「お前らサルなんだからサルらしくやれ」と無茶苦茶を真面目に言うことで笑いを生み出せる立場にある役回りである。今回は、前回よりは真面目にこの役をやっていたが、まだまだ足りない。不平不満を言う生徒たちに暴力を加えるとか、物を投げるとか、無視するとか、それぐらいのことはやっていいと思う。「はいキーキー言わない」と真に迫る声音で言えていた佐野アナに負けていると言われても反論できない。
最後に、おそらく根本的な問題なのだが、笑いの種類がワンパターンである。
今回出てきたボケは、うんこのにおいのするサルの餌を無理矢理食わされるであるとか、サル山に堕ちていたサルの糞をサル役が矢部たちに向かって投げてくるといった排泄関連の下ネタの他には、犬に突撃されて熱いコーヒーが顔にかかるとか、サルに叫ばれて噴水に落ちるといった水回りのリアクション芸が主であった。いずれもテレビでは(特にめちゃイケ的なバラエティでは)何度も見させられる題材であるため、見る方が完全に飽きているのである。特に水回りのリアクション芸は今回後半の「小涌園のわき園」でも出てきていたので、飽食感が一層強くなった。また、「サルとして振る舞う」というボケは、食べ物を粗末に扱うとか、素手で物を喰うとか、ゴミや糞尿をそこらへんに散らかすと言ったいわゆる「人の礼儀を無視する」という種類のものになりがちであり、その意味でもズレとしてワンパターンなのである。
こういう「礼儀を無視するボケ」が不謹慎だからやるなと言っているのではない。ズレとしてワンパターンだからそればっかりやるなと言っているのである。
だから、結構な時間をとった(であろう)ロケだったのに番組の半分の撮れ高しかなかったのではないだろうか。
もっと、「ズレ」のバリエーションを考えた方がいいのではないだろうか。前述した「矢部が無茶苦茶なキャラクターを演じる」というのは一つのバリエーションである。それにしたって、めちゃイケはその手の無茶苦茶なキャラクターは岡村や加藤が何度となく演じてきているため、新鮮なものではない。筆者もぱっと思いつくわけではないので、大変なことではあるのだが、この「ボケのズレのバリエーションを数多く考える」というのは、一番サボってはいけないところのはずである。
今回唯一バリエーションとしてあったのは、本物のニホンザルたちが学生服を着て修学旅行をしているというボケと、その中にさっきまで一緒に行動していたニホンザルのりく君が混じっているというボケであった。オンエアではサラッと流されていたが、こういう「違う」ボケこそ往年のめちゃイケではもっと丁寧に演出していたような気がする。どうだろうか。
前半と最後のオチが「オ・サール高校」の修学旅行で、後半が前回(2016年6月11日放映回。メディアゴンの当該記事参照)の「小涌園のわき園」の告知の続きだった。
「小涌園のわき園」は、次回も1回丸々告知会をやりそうである。いよいよお台場のブース紹介回の様相を呈してきているが、今回出川も交えて撮影された温泉に落とす落とさないのくだりは普通に水準に達していたので、とりあえず腐らずに見てみることにする。
前半の「オ・サール高校」は、2016年1月8日に放映されたサル力コンテストの続きである。岡村・原西を始めとする「サルっぽい」芸人・芸能人たちが、いろいろなシチュエーションでサルっぽい動きをして笑いをとるという企画である。
今回は、�．咼絅奪侫Г任涼訖�・�▲疋奪哀�フェでの犬との対決・��モールでのニホンザルとの豆の早食い対決・�ぅ汽觧海任僚⊃欧箸い�4つのシチュエーションが用意されていた。おそらく番組側が用意しているのはこのシチュエーションと、この中で「サルっぽく振る舞え」という漠然とした指示だけで、実際にどう振る舞うかに細かい台本はないと思われる。そこは基本的に演者のアドリブに任されていて、こういうのはお手の物の原西などが十分暴れられていたので、良かった。
この手の企画で肝腎のサルっぽい振舞いにまでガチガチの台本があると、ただの予定調和の芝居になってしまう。予定調和は、笑いで大事な意外性や不意打ち感を損ねるので、極力排除した方がいい。シチュエーションだけを用意して、具体的な中身は演者のアドリブに任せるというのは、笑いでは理想的な形なのである。往年のコント55号のコントなんぞは全部が全部そんな感じであったし、さんまがテレビや舞台でやるコントや「ガキの使い」で見られる企画もほぼそんな感じである。
なのに、全体的にはそんなにおもしろくなかった。筆者の感想は、「普通」である。
なぜだろうか。まず、演者が1人ずつ前に出る�▲疋奪哀�フェと�ＦΔ料畤�いでは問題にならないのだが、全員が一斉に動く�．咼絅奪侫Г鉢ぅ汽觧海任蓮▲汽詭鬚留藜圓�多すぎるため(10人近くいた)画がかなり散っていた。アドリブで十分に動けていたのは原西と千賀ぐらいだったため、あとは一応主役になる岡村と、天然が出せるジミーとガッツぐらいを残しておけばいいだろう。
もう一つ、これは前回の「サル力コンテスト」に対する感想記事でも書いたことだが、矢部の無茶苦茶さがまだ足りない。矢部は、人間である演者たちに「お前らサルなんだからサルらしくやれ」と無茶苦茶を真面目に言うことで笑いを生み出せる立場にある役回りである。今回は、前回よりは真面目にこの役をやっていたが、まだまだ足りない。不平不満を言う生徒たちに暴力を加えるとか、物を投げるとか、無視するとか、それぐらいのことはやっていいと思う。「はいキーキー言わない」と真に迫る声音で言えていた佐野アナに負けていると言われても反論できない。
最後に、おそらく根本的な問題なのだが、笑いの種類がワンパターンである。
今回出てきたボケは、うんこのにおいのするサルの餌を無理矢理食わされるであるとか、サル山に堕ちていたサルの糞をサル役が矢部たちに向かって投げてくるといった排泄関連の下ネタの他には、犬に突撃されて熱いコーヒーが顔にかかるとか、サルに叫ばれて噴水に落ちるといった水回りのリアクション芸が主であった。いずれもテレビでは(特にめちゃイケ的なバラエティでは)何度も見させられる題材であるため、見る方が完全に飽きているのである。特に水回りのリアクション芸は今回後半の「小涌園のわき園」でも出てきていたので、飽食感が一層強くなった。また、「サルとして振る舞う」というボケは、食べ物を粗末に扱うとか、素手で物を喰うとか、ゴミや糞尿をそこらへんに散らかすと言ったいわゆる「人の礼儀を無視する」という種類のものになりがちであり、その意味でもズレとしてワンパターンなのである。
こういう「礼儀を無視するボケ」が不謹慎だからやるなと言っているのではない。ズレとしてワンパターンだからそればっかりやるなと言っているのである。
だから、結構な時間をとった(であろう)ロケだったのに番組の半分の撮れ高しかなかったのではないだろうか。
もっと、「ズレ」のバリエーションを考えた方がいいのではないだろうか。前述した「矢部が無茶苦茶なキャラクターを演じる」というのは一つのバリエーションである。それにしたって、めちゃイケはその手の無茶苦茶なキャラクターは岡村や加藤が何度となく演じてきているため、新鮮なものではない。筆者もぱっと思いつくわけではないので、大変なことではあるのだが、この「ボケのズレのバリエーションを数多く考える」というのは、一番サボってはいけないところのはずである。
今回唯一バリエーションとしてあったのは、本物のニホンザルたちが学生服を着て修学旅行をしているというボケと、その中にさっきまで一緒に行動していたニホンザルのりく君が混じっているというボケであった。オンエアではサラッと流されていたが、こういう「違う」ボケこそ往年のめちゃイケではもっと丁寧に演出していたような気がする。どうだろうか。
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